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農薬学勉強会 #1
                      担当:伊藤




   参考書:「新版 ピシャっと効かせる農薬選び便利帳」
                    (岩崎力夫 著)
あじぇんだ
?   作物の病気が発生するまで
    ? 病原の種類
    ? 感染までのステップ
?   予防剤と治疗剤
    ? それぞれの農薬の特徴
?   薬剤耐性を防ぐ
    ? 耐性獲得のしやすさと農薬の種類
    ? ローテーション散布
作物の病気が発生するまで
       関连:テキスト辫.16~
日本における作物の病原の数
                      病原体別の数
 作物                     ファイトプラズマ
        糸状菌     細菌    (マイコプラズマ様微
                           生物)
                                   ウイルス       合計

食用作物     413     39      10         123        585
特用作物     406     41       4          35        486
 野菜      559    105      14         186        864
 草花      526    103       9         146        784
牧草?芝草    460     30      10          41        541
 果樹      508     36       1          41        586
 合計     2,872   354      48         572       3,846
 比率      75%     9%      1%         15%       100%
                                          (大久保ら 1995)


      植物の病気の原因の3/4は糸状菌
発病までの3(4)段階
1.       病原と宿主の遭遇
     ?    移動しにくい病原(土壌病害など)
     ?    移動しやすい病原
          (風、水、虫などで伝染)
2.       進入(invasion)
     ?    クチクラを貫通(角皮進入)する(稲熱病など)
     ?    自然開口部(気孔や皮目、蜜腺など)から進入する
     ?    害虫が食害時に媒介(ウイルス病で重要)
3.       感染(infection)
     ?    進入、定着後、増殖が可能になった時点で感染完了
4.       発病
     ?    症状:病徴(symptom)
     ?    病徴が出るまでの期間:潜伏期間(incubation period)
感染初期(予防期)


植物体の表面で進行
    =
表面に広がる薬が有効


 潜伏期間

感染後期(治療期)


 植物体の内部で進行
     =
 浸透性の薬が必要
予防剤と治疗剤
          関连:テキスト辫辫.16-23
杀菌剤选びの着眼点
      殺菌剤は2種類に大別できる
予防薬                         治療薬
 発病前から使用                     発病後に使用
 汎用的                         選択的
 安価                          高価

 ?   病気は予防が第一!
 ?   治療薬は高いだけでなく薬剤耐性も付きやすいので極
     力散布回数を減らす


(※p.16、4段落目3行目の「治療前は~」は「治療薬は~」の誤植と思われる)
予防剤と治疗剤の違い

?   予防剤                 ?   治療剤
    ? 汎用性が高い                ? 選択性が高い
     ? e.g.銅剤: 糸状菌にも細       ? 作用点が限られるが故
       菌にも効く                  の選択性なので、耐性
                              も付きやすい
    ? 薬剤耐性が付きにく
      い                     ? 植物への浸透性が高
     ? 予防散布は回数が多く             い
       なりがち                 ? 植物体内の菌糸を殺さ
                              ないと意味が無い
予防散布は雨前をねらって

?   糸状菌の潜伏期間
    ? 基本的には多湿であるほど短い(※)
    ? 潜伏期間を過ぎると予防剤では効果無

         雨が降ってしまったら
         雨中や晴れ間に治療剤




※ うどんこ病などは逆
薬剤耐性を防ぐ
          関连:テキスト辫辫.21-27
薬剤耐性発生のしくみ
作用点の      同時に対応す
                        耐性獲得困難
多い薬       るのは困難

 例:銅剤(ボルドー)、硫黄剤(イオウフロアブル、ジマンダイセンな
 ど)、TPN(ダコニール1000)など


 予防剤に多い


作用点の      少しの変異で
                        耐性獲得容易
少ない薬      対応可能
 例:ポリオキシン、トリフミン、ベンゾイミダゾール系(トップジン、
 ゲッター、ベンレートなど)など

 治療剤に多い
防除のローテーション
?   薬剤を3つに分類
    A) 汎用的、耐性困難、安
       価なグループ       予防薬
    B) 選択的、安価だが、既
       に耐性があるなど効果
       がやや低い
       グループ         治療薬
    C) 選択的に卓効があるが
       高価な新薬など
       切り札的グループ
    3つのグループを考え方の元として
      散布のローテーションを組む
予防のローテーション
  -Aの薬剤を主体とした防除-
基本は雨前の予防剤散布




?   これで発病しなければ
    OK
?   近接散布できない組み
    合わせには注意
治療薬(切札剤)の使い時
?   発病した、激発しそう、そんなときは
    迷わずCの治療薬
    ? 中途半端にBの治療薬を使うと残った耐性菌が元で
      激発することも




?   Bの治療薬はCの治療薬を使った後に補う程
    度に使うのが確実
切り札剤は1作1回

?   耐性菌を作らないことが第一
    ? 1作に1回を基本とし連用はしない

    ? 予防剤との混合や、浸透性を高めるタイプの
    展着剤(アプローチBIなど)の利用も有効
まとめ
? 植物病害の多くは糸状菌が原因
? 病気発生前は予防剤、発生(感染成立)
  後は治療剤を使う
? 薬剤耐性予防のためローテーション散布
  を心がける
? 切り札剤の使用はためらわずにすべき
  だが、連用は絶対しない

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  • 2. あじぇんだ ? 作物の病気が発生するまで ? 病原の種類 ? 感染までのステップ ? 予防剤と治疗剤 ? それぞれの農薬の特徴 ? 薬剤耐性を防ぐ ? 耐性獲得のしやすさと農薬の種類 ? ローテーション散布
  • 3. 作物の病気が発生するまで 関连:テキスト辫.16~
  • 4. 日本における作物の病原の数 病原体別の数 作物 ファイトプラズマ 糸状菌 細菌 (マイコプラズマ様微 生物) ウイルス 合計 食用作物 413 39 10 123 585 特用作物 406 41 4 35 486 野菜 559 105 14 186 864 草花 526 103 9 146 784 牧草?芝草 460 30 10 41 541 果樹 508 36 1 41 586 合計 2,872 354 48 572 3,846 比率 75% 9% 1% 15% 100% (大久保ら 1995) 植物の病気の原因の3/4は糸状菌
  • 5. 発病までの3(4)段階 1. 病原と宿主の遭遇 ? 移動しにくい病原(土壌病害など) ? 移動しやすい病原 (風、水、虫などで伝染) 2. 進入(invasion) ? クチクラを貫通(角皮進入)する(稲熱病など) ? 自然開口部(気孔や皮目、蜜腺など)から進入する ? 害虫が食害時に媒介(ウイルス病で重要) 3. 感染(infection) ? 進入、定着後、増殖が可能になった時点で感染完了 4. 発病 ? 症状:病徴(symptom) ? 病徴が出るまでの期間:潜伏期間(incubation period)
  • 6. 感染初期(予防期) 植物体の表面で進行 = 表面に広がる薬が有効 潜伏期間 感染後期(治療期) 植物体の内部で進行 = 浸透性の薬が必要
  • 7. 予防剤と治疗剤 関连:テキスト辫辫.16-23
  • 8. 杀菌剤选びの着眼点 殺菌剤は2種類に大別できる 予防薬 治療薬 発病前から使用 発病後に使用 汎用的 選択的 安価 高価 ? 病気は予防が第一! ? 治療薬は高いだけでなく薬剤耐性も付きやすいので極 力散布回数を減らす (※p.16、4段落目3行目の「治療前は~」は「治療薬は~」の誤植と思われる)
  • 9. 予防剤と治疗剤の違い ? 予防剤 ? 治療剤 ? 汎用性が高い ? 選択性が高い ? e.g.銅剤: 糸状菌にも細 ? 作用点が限られるが故 菌にも効く の選択性なので、耐性 も付きやすい ? 薬剤耐性が付きにく い ? 植物への浸透性が高 ? 予防散布は回数が多く い なりがち ? 植物体内の菌糸を殺さ ないと意味が無い
  • 10. 予防散布は雨前をねらって ? 糸状菌の潜伏期間 ? 基本的には多湿であるほど短い(※) ? 潜伏期間を過ぎると予防剤では効果無 雨が降ってしまったら 雨中や晴れ間に治療剤 ※ うどんこ病などは逆
  • 11. 薬剤耐性を防ぐ 関连:テキスト辫辫.21-27
  • 12. 薬剤耐性発生のしくみ 作用点の 同時に対応す 耐性獲得困難 多い薬 るのは困難 例:銅剤(ボルドー)、硫黄剤(イオウフロアブル、ジマンダイセンな ど)、TPN(ダコニール1000)など 予防剤に多い 作用点の 少しの変異で 耐性獲得容易 少ない薬 対応可能 例:ポリオキシン、トリフミン、ベンゾイミダゾール系(トップジン、 ゲッター、ベンレートなど)など 治療剤に多い
  • 13. 防除のローテーション ? 薬剤を3つに分類 A) 汎用的、耐性困難、安 価なグループ 予防薬 B) 選択的、安価だが、既 に耐性があるなど効果 がやや低い グループ 治療薬 C) 選択的に卓効があるが 高価な新薬など 切り札的グループ 3つのグループを考え方の元として 散布のローテーションを組む
  • 14. 予防のローテーション -Aの薬剤を主体とした防除- 基本は雨前の予防剤散布 ? これで発病しなければ OK ? 近接散布できない組み 合わせには注意
  • 15. 治療薬(切札剤)の使い時 ? 発病した、激発しそう、そんなときは 迷わずCの治療薬 ? 中途半端にBの治療薬を使うと残った耐性菌が元で 激発することも ? Bの治療薬はCの治療薬を使った後に補う程 度に使うのが確実
  • 16. 切り札剤は1作1回 ? 耐性菌を作らないことが第一 ? 1作に1回を基本とし連用はしない ? 予防剤との混合や、浸透性を高めるタイプの 展着剤(アプローチBIなど)の利用も有効
  • 17. まとめ ? 植物病害の多くは糸状菌が原因 ? 病気発生前は予防剤、発生(感染成立) 後は治療剤を使う ? 薬剤耐性予防のためローテーション散布 を心がける ? 切り札剤の使用はためらわずにすべき だが、連用は絶対しない