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アクティブラーニングの要素
を取り入れてみた
-初年次向け講習会再プログラム-
北海道大学附属図書館利用支援課
学習支援企画担当
河野 由香里
2015年11月27日
第13回北海道の図書館職員を中心とした有志による自主的な勉強会
図書館職員
が実施する
講習会に
1
今日は
授業に出向いて行っている
情報リテラシー教育(講習会)
の事例報告を行います
はじめに
2
授業に出向いて行っている
「講習会」2種類
①オーダーメイド講習会
②図書館情報入門
3
看護専攻の3年生に
医中誌(医系DB)等
看護研究に必要な
情報収集法について
90分で講義
? 依頼を受けたら打ち合わせ
例)授業の目標は?どんな課題を出す?
→図書館職員ができることを提案
例)PICOの概念を使うことを提案
①オーダーメイド講習会
例)「看護研究Ⅰ」
4
5
実際に使う場に赴き
具体的な課題に向き合
う学生をサポート
講義後のグループワークに参加
①オーダーメイド講習会
例)「看護研究Ⅰ」
授業に出向いて行っている
「講習会」2種類
①オーダーメイド講習会
②図書館情報入門
今日お話ししたい
のはこっち
6
? 初年次向け
? 全学教育担当科目一般教育演習の中で開講
全担当教員にメールで実施照会※約123通
授業に「呼んでもらう」
? H26は59回開催、1090人が受講
? 目的は、1,2年次で使う情報リテラシー
(文献探索部分)の習得
図書館情報入門:概要
7
図書館情報入門:実施体制
? 本館、北図書館の利用支援課職員9名
H27年度から情報リテラシー教育WG全学分科会メンバー
? ベーススライドと原稿を用意し分担
教員と連携してカスタマイズも可能!
? 1コマにつきTAを2名配置
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図書館情報入門:この度再プログラム!
学習動機付けの強化やペアワークの導入といった
インストラクショナル?デザイン等の学習理論の
基礎知識習得から
到達目標再設定、教材再設計まで、理論的な枠組
みを論拠とした教授法を採用
(北海道大学附属図書館年報2015 p14)
9
再プログラムのきっかけ
開始後15年経過
内容及び教授法について大きな変更なし
より習得効果の高い内容となるよう
内容と教授法について見直しを行いたい!
※再プログラムの目的は…
× アクティブラーニングの要素の取り入れ
○ 授業目標の達成
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目的は授業目標の達成であり、アクティブラーニング要素は「手段」
再プログラム検討開始
情報リテラシー教育支援WGメンバー4人で検討開始
?目的と目標の明確化
?学習理論を勉強する必要性
例)IDの勉強会
(講師:オープンエデュケーションセンター八木秀文さん)
? IDの基礎を知る機会
? 図書館の講習会などを企画?設計?実施する上でのヒント
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?テスト
ー図書館が開催する講習会でテストはイメージしていなかった
ー検索の演習程度で効果測定は難しかった
ー先に考えていなかった (どう採点?事後にやる?)
?面白く思ってもらう (ためにはどうすれば?)
?動機づけが弱かった (高めるためには?)
?学習目標に基づいた (内容 資料、スライド…)
などなど???
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ID勉強会:グループワークで参加者から出たコメント例
勉強会で得た知識と気付き
+
メンバー4人それぞれが
勉強&検討したアイディア持ち寄り
※学術情報リテラシー教育担当者研修内容
も活用!(平成26年度河野受講)
案の検討を続けた???
得た気付き+α
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検討すると出てくるのが
悩み???
到達目標は適切?
目標と内容は一致しているだろうか?
考えだした手法は目標達成に効果的?
動機付けが弱いのでは?
(正直言って、自信はない)
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外部を巻き込む:研究開発室
悩みを研究開発室員 重田勝介先生に相談
図書館職員は内容の専門家
我々は教授法の専門家
(by 重田先生)
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オープンエデュケーションセンター
永嶋知紘さんも巻き込み
こちらが考えた内容?手法についてアドバイスを貰う
図書館:内容検討
先 生:内容を効果的に実施し
教授する方法の検討
外部を巻き込む:研究開発室
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ここでグループワーク
をやると効果的かと
思ったんですが…
(イマイチ自信が)
この行為、実際は1人でやることになるので、
ここは1人でいいのでは?
事前課題を出すと授業でもう一歩先のことができる
毎回びちびちの内容も圧縮できる
(でも難しいかな…自分達の授業じゃないし)
授業中に出す問いかけ、クイズ、
こういうのどうでしょう? いいですね
いいんじゃないですか
教員の協力が必要
学生にとっては予定外の「図書館情報入門」への参加
(課題をきちんとこなして授業へ来るとは思えない)
アドバイス例
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貰ったアドバイスを元に
メンバー4人で実施案をまとめ
平成27年度4月から
新プログラムで授業開始!
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で、実際どういう授業
になったの?
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? TA経験談の導入(動機付けの強化)
? 昨年度までは講義90分
今年度から講義45分アクティビティ45分
? アクティブラーニングの手法を
「振り返り」に取り入れ
ペアワークや本の探索課題を導入
? ワークシートの導入で到達目標に達する
ことができたかの「見える化」
新プログラム紹介
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「振り返り」のためのアクティビティ課題例1
実施目的:講義で説明した
「論文」の探し方と入手が1人で出来るか確認
まずは1人で課題にチャレンジ
※画像は後期「聞く力?話す力のトレーニング」で使用したスライド
※学生が自分の好きな
論文を選択して解く課題
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「振り返り」のためのアクティビティ課題例1
※画像は後期に使用したワークシート
NEW!
NEW!
前期から改善し
後期から導入
した箇所
NEW!
ワークシート表
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「振り返り」のためのアクティビティ課題例1
その後ペアワークで
※画像は後期「聞く力?話す力のトレーニング」で使用したスライド
他人への説明
教え合い
相互採点
NEW!
相互確認の強化
理解度の見える化
終了後は講師から即フィードバック
自分の解答をペアに説明
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「振り返り」のためのアクティビティ課題例2
実施目的:講義で説明した
「図書」の探し方と入手が1人で出来るか確認
一人ひとりに異なるキーワード(=お題)を設定
「キーワード連想」「本の入手」を1人で経験させる
※画像は後期「聞く力?話す力のトレーニング」で使用したスライド
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ワークシート裏
※画像は後期に使用したワークシート
1人ひとり違う
キーワードを設定
本の検索&入手を
1人で行う
本の入手後はペア
に報告を行う
NEW!
「振り返り」のためのアクティビティ課題例2
自分の解答をペアに説明 26
? 「他人への説明」また「教え合い」を行う
→互いの知識を補い、結びつけることで、
より深いレベルでの学習を目指す
定着率を高める
※ラーニングピラミッド
? 実際に出そうな雰囲気の課題を出す
→学習を意欲付け、流れを文脈化させて
その知識を使う場面で想起しやすくさせる
? その他
作成時に考えたこと
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\居眠りがほぼゼロ/
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実施後教員に学生アンケートを送付
授業へのフィードバックを貰っている
教員からの反応例
教員からのフィードバック例
?これから授業で必要となるレポート作成にそのまま役立つ
?教えて貰うのではなく、自らデータを取りに行く姿勢
(勉学に対する能動的な態度)を身につける良い機会であり、
もう一回ぐらいあっても良いと感じました。
?是非、単位を必修化し、新入生全員が、何らかの形で、図書館情報
入門を受講しなければならないようにして欲しいです。
?学生さんのアンケートをありがとうございます。とても良い反応で
すね。実習の後半で実際に本を探すのは、とても良いアイデアだっ
たと思います。過去には図書館を見学、というプログラムもありま
したが、主体的に何かを探すのは良い経験になったと思います。
???などなど
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「元に戻して」はゼロ
むしろ好評
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? 満足度、理解度は高い
(以下河野私見)
昨年度と比較すると、自由記述欄に
「楽しく学べた」「面白かった」が増加
ー昨年度1年間 1件
ー今年度前期 14件
学生からの反応
実施後学生アンケートを実施
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「何が楽しい?」※河野私見
採点付きのペアワークや本の探索は
達成感があり、ゲーム感覚にもなれる?
最後の印象が好印象(楽しい)は重要
ただの遊びの「楽しさ」か
出来る喜び?知的好奇心が刺激された「楽しさ」か
学生からの「楽しい」反応
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? 教える内容は同じでも、手法を改善しチャレンジ
することでより高い効果を得ることができる
「アクティブラーニングの具体的な手法は自由に生み出せる」
(by野末 俊比古先生)
? 一つずつの授業とより深く連携した方が効果は高い
(???とM先生もおっしゃっていた)
動機付けも強まり必要な時に必要な情報を提供可
改善実施後の個人的な感想
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H27後期プログラム検討段階から
全メンバーを「体制検討班」「内容検討班」に分けた
後期プログラムは「内容検討班」主動で改善実施
改善例)講義順の変更、相互採点の導入、その他
? 改善の材料:教員からのフィードバック、学生アンケート、
メンバーから出された改善点、ワークシートの出来
? 学生協働の学生2名に後期案を事前モニタリング
? 高等教育研修センター山本堅一先生に授業改善コンサルテーション依頼
→目標設定に自信
実施体制の話:回り始めたPDCAサイクル
FD?SD等、教育?研究及び業務全般の
高度化及び国際化に必要な資質の向上を
目的とした研修を実施
授業に関する教員からの相談、カリキュ
ラムやポリシー等に関する部局単位での
相談も受付 34
前期からの改善例:ワークシート
before after
全部埋めてない
学生がいる…
ぺアでちゃんと
確認し合って
いるのかな?
相互採点欄
確認したことの
「見える化」
表化することで
埋まっていない欄
をわかりやすく
今後も改善を行い
来年度前期案を作成する
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? 改善を継続
? 必修化要望と重複受講者
? e-learning化
? 評価 教育への貢献度を数値化するには?
? 学生の学習行動
今後の課題
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? 授業支援のために
教員がどういう授業をやろうとしているのか?
どういう課題を出しているのか?
知ることで教員の教育をより深く支援できる
時には隠れたニーズを引き出すことも
今後の課題
37
「それ、図書館がお手伝いします!」
を図書館から提案!
質問をどうぞ!
おしまい
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