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有孔体理论における建筑の考察

                   ?有孔体建築に潜む設計の可能性?




                                      法政大学デザイン工学部建築学科
                                              渡邉眞理研究室
                                           08N1067 高松達弥

有孔体理论における建筑の考察
?有孔体建築に潜む設計の可能性?
?スクラップアンドビルドによって次々と建物が建てかわる現状。
?人と建築が結びつくことなく時間だけが過ぎてしまっている。
?多くの建築は全体から部分へ降下するように構成されている。




                                 均質化された都市

                                      背景
原広司の有孔体理论




小さな単位から考えていく。




                有孔体理论
「均質な人間は、識別ができない。建物相互の識
別ができず、建物内で自分のいる位置がわからな
いという事実に通じる。」(原広司)




 人間は新しい体験(発見)をすることで、
     その場所を認識する。


    それは建築でも同じである。




                         自分の居場所の認識
序章                  第4章:有孔体建築の場の理論
         ■はじめに               1.浮遊の領域
         ■研究目的               2.庆松幼稚园における場の理論
         ■研究方法               2-1 地形のエッジに形成される有孔体建築
                             2-2 斜面に形成される緑地と浮遊の領域
         第1章:有孔体             2-3 有孔体が認識する面的広場
         1.開口部の本質            2-4 舞台装置を形成する有孔体
         2.形式的な建築に対する批判      3.4章結び
         3.原広司の有孔体理论
         4.建築における自分の位置の把握    終章:有孔体理论に潜む設計の可能性
         5.有孔体の形態            □有孔体理论とデザインとアフォーダンス
         6.1章結び 個から集団への展開    ■設計意識の比較
                             ■有孔体理论とデザイン
         第2章:教育施設における有孔体建築   ■時間軸を携えた空間単位のデザイン
         1.庆松幼稚园              から見えてくる7つのキーワード
         2.佐倉市立下志津小学校        ■終わりに
         3.川越市立霞ヶ関小学校
         4.3作品の比較            研究作品概要
         5.鶴川保育園             原広司について
         6.2章結び              作品リスト.
                             引用箇所
         第3章:伊藤邸             参考文献?図版出典
         1.構成-模型による考察-
         2.人のための有孔体建築
         3.舞台装置としての有孔体
         4.3章結び 有孔体の捉え方の変化



有孔体理论における建筑の考察
?有孔体建築に潜む設計の可能性?                                論文構成
本論文では有孔体理论に基づいて設計された4つの作品と
比較対称として1つの保育園を考察した。

?庆松幼稚园(1967)
?佐倉市立下志津小学校(1967)
?川越市立霞ヶ関小学校(1965)
?伊藤邸(1967)
?鶴川保育園(1980)




                             研究対象
空間単位の自立と結合について

 空間単位=教室、特別教室、管理室といった
     用途を持つ単体の空間を意味する。




                        庆松幼稚园における自立と結合
庆松幼稚园   下志津小学校   霞ヶ関小学校

                 空間単位と余白
空間単位のデザインから見えてくる
7つのキーワード
1.空間の奥性と認識
2.開口部に対する意識と広がるヴィスタ
3.空间単位をつなぐバッファ
4.均質建築と異なる意識の創出
5.空間単位をつなぐ回廊性
6.浮遊する余白がつなぐ空間の主体性
7.有孔体のアフォーダンス




                   结论としての7つのキーワード
1.空間の奥性と認識

空間単位が干渉し合う。        2F部分がさらに貫入する。



        厨房(2F寝室)
   居間



            ホール


空間単位に対して           空間単位を覆うように
屋根がかからない。          屋根がかかる。




            空間単位同士の貫入が小さな住宅の中で起きることによ り、立体的な「ずれ」が生
            まれ人と人の距離感は再認識され、内部の性格づくりに大きな影響を与えている。



                                            空間の奥性と認識
部分が自立し、結合した空間は立体的な「ずれ」
を生みだす。それはシークエンスに変化を与えなが
ら見え隠れすることで、空間に奥性をもたらす。




                          奥行きのある空間のモデル




                                         空間の奥性と認識
3.空间単位をつなぐバッファ




庆松幼稚园



                 廊下に開かれた教室




下志津小学校

                 廊下のアルコーブ化

                 部分の結合によって生まれる空間=余白が空間
                 単位の内部の性格を受け止め、多様な空間へ。

                             空间単位をつなぐバッファ
空間単位と空間単位をつなぐときに、無意識に余白が生まれている。その余白はそれ
ぞれの空間単位が持つ固有性を受け止めてる。
庆松幼稚园ではそれはステージと変化し、下志津小学校ではそれはアルコーブの様な
役割を担っている。そこにはその建築を使用する人の個性が自立している空間単位以上
に現れてくるのかもしれない。




                              空间単位をつなぐバッファ
7.有孔体のアフォーダンス




                部分から構成された空間の性格は屋上
                に形として現れ、子供たちの遊び場と
                なり、新しい体験を生む。


                      有孔体のアフォーダンス
アフォーダンスはデザインにおいてはものに備わった人が知覚できる「行為の可能性」
という意味で使われている。
筒のようになった空間や、あたたかな光の落ちる空間、空間単位を結合するにあたって
セットバックされた空間といったロジックが大きく人間の「行為」に影響する。




                                有孔体のアフォーダンス
小さな空间単位は五感に问いかけるように、人间の可能性を引き出し、
       空間から個性が溢れるようなイメージを持つ。
      そしてそれらを結合する過程で発生する余白空間は、
このような内部の性格を反映した空間の多様性を受け止め、建築を豊かにする。


     その余白空間こそが新たな設計の可能性を持つ場所である。




                                       結論
完成当時
の内観
2.開口部に対する意識と広がるヴィスタ




4.均質建築と異なる意識の創出
5.空間単位をつなぐ回廊性




6.浮遊する余白がつなぐ空間の主体性
様々な条件から様々な有孔体が存在する。




  空調をした有孔体と空調をしない有孔体とでは、同じ作用因子をとっても形を決定する力の
  度合いは異ってくるし、今まで全く形態を規定しなかった作用因子が、突如全体的に形態を
  規定してくるということも起こりうるので、規定力の一般論は成立しまい。(原広司)



                                              有孔体理论
庆松幼稚园

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