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20200117 pd legal_comm
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Tomoaki Watanabe
PD資料の利用条件とリーガルコミュニケーション (「シンポジウム デジタル知識基盤におけるパブリックドメイン資料の利用条件をめぐって」 発表資料)
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20200117 pd legal_comm
1.
PD資料の利用条件 渡辺智暁 (慶應大学/CCJP/OKFJ/GLOCOM) 「シンポジウム デジタル知識基盤におけるパブリックドメイン資料の 利用条件をめぐって」2020.1.17. 於:都市センターホテル
东京
2.
主題と主なメッセージ (主題) ? CCライセンスを、権利者の立場にはない者が、PD資料につけ る、という事 (CCライセンスの拡大適用) ?
PD資料に利用条件を課すこと (メッセージ) ? 利用者にとって使いやすい環境を作るべき ? リーガルコミュニケーションの標準化は重要 ? 「お願い」+「規範」は検討価値があるのでは?
3.
自己紹介 研究:IT政策と情報社会論 ? オープンデータの制度設計、促進策(提供側?利用側共)、経済効 果、事例調査、海外の政策、等 ? オープン化各種(教育、ネットワークインフラ、ハードウェア&デ ザイン、ウィキペディア、政策形成、等) ?
著作権制度、ライセンシング、リーガルコミュニケーション アドボカシーなど:CCJPとOKFJ ? CCライセンス、オープンデータ ※所属先の公式見解ではありません。 ※弁護士などではないので、アドバイスは原則できません。
4.
主題について ? 世界的に見て珍しい現象ではないらしい ? https://docs.google.com/document/d/15U__Z50WCUM_OWQ9HKL vLMlkcMoCN68FLVl9OKJQ8yY/edit ?
https://docs.google.com/spreadsheets/d/1WPS-KJptUJ- o8SXtg00llcxq0IKJu8eO6Ege_GrLaNc/edit#gid=1216556120
5.
どう考えるか? ? CCライセンスのサポートをしている身としては複雑な気持ち ? わかりやすく伝えるツールとしてCCライセンスが選ばれている ?
ほぼ必然的に誤解を伴ってもいるだろう ? 「CCライセンスがついているが無視しても権利侵害が起こらない」と いう事例が増えるのは、CCライセンスにとってよいことなのか…? ? 著作権制度について考える立場からは不満も ? アーカイブ運営主体も権利者だ、という誤解は文化にとって有害では ? 数値データのようにほぼ著作物ではないものが著作物だと誤解される →利用が萎縮する→文化や経済にとっての逸失利益
6.
どう考えるか? ? よくある要望ではある ? ODの世界でも、その他の領域でも似たような要望はあった ?
「オープン化はしたいが、利用報告を義務づけたい」 ? 「クレジット付与を義務付けたい」 ? デジタル化やアーカイブの維持にはコストがかかる。 ? (料金を取りたい場合もある) ? そうでなくても社会的意義を知りたい/評判を高めたい
7.
msg1:利用者にとって使いやすい環境を ? 「利用規約」や「独自ライセンス」はこの観点からは難あり。 ? 標準化されておらず利用者にとっての「学習コスト」が高い ?
乱立すると、「組み合わせ利用」の大きな妨げになるが、それでよい か? ? せめて「デジタルアーカイブ共通利用規約」みたいなものにする方が いいのではないか? ? cf ODにおける「政府標準利用規約」 ? https://www.kantei.go.jp/jp/singi/it2/densi/kettei/gl2_betten_1.pdf ? 詳細は後ほど
8.
msg2:「お願い」+「規範」の意義 そもそも強制力を持たせることにどれだけ意味があるのか? ? CCライセンスであれば、PD資料の権利者ではない人が付した ところで、強制力はないだろう。 ? そして、PD資料なので、著作権はないだろう。 ?
誰が「ライセンスを遵守」するのか? ? 分かっている人は無視する。検索で調べて答えを見つけた人も。 ? 分かっているけど、意図を尊重してくれる人は「遵守」してくれる。 ? 軽率な人もライセンスの通りには振る舞わないかも。 ? 真面目で丁寧だが、権利の所在について誤解している人は、遵守するだろう。 ? これでいいのだろうか。。?
9.
強制力(2) ? 利用規約による強制 ? 利用規約はユーザーフレンドリーではない ?
読まれないことも多い ? 法的には有効性が高い ? ただし、射程が限られる。 ? 典型的には、DAウェブサイトの直接の利用者のみ ? 直接利用した人から、デジタルファイルだけを受け取った人は、特に束縛される 理由がないだろう。 ? (ウェブサイトを利用していない→利用規約にも縛られない)
10.
権利情報と利用条件の伝え方 ? ライツ?ステートメンツがよいのでは ? PDについてはPDと明記する ?
利用規約で縛るならそれも伝える ? ある程度標準化されているので、利用者の学習コストを低減できる ? 利用条件の伝え方についての細かい点は後に。
11.
「お願い」 ? 強制力を持たせないのも一案ではないか? ※インターネットは力比べに向く場ではない。 ? 法的にどうであれ、反感を買えば、炎上するリスクもある。 ?
他人を抑え込んで、反感を買わないためには、かなりの大義?正義が必要な こともある。 ? 利用規約はしばしば炎上のネタになって来た。 ? (主に権利を召し上げる系の投稿サイトの規約) ? 実はこれが実態と近い「本音」なのではないか? ? 「報告できないなら利用を断念して欲しい」とまでは考えていない ? 「無報告利用者を捕捉して利用報告を強制する」(執行コストをかける)つ もりもない ? クレジット付与も同様
12.
「規範」 ? アカデミアにおけるcitation ? 著作権法上の根拠はない ?
アイディアの借用、研究結果(事実)の借用のように著作権法上は許 諾も不要な行為にも、citation はつける ? citationがないと、剽窃になりうる ? PD資料から文章を使う場合でも、当然citation はつける。 ? 先行研究を知っていることを示す、読者による検証?詳細な研究を可 能にする(知のトレーサビリティ) ? (文化全般に同じことを期待するのは不適当だろう) ? オピニオンリーダーや、利用者コミュニティを巻き込んだ合意 形成をすればいいのではないか
13.
利用者本位のリーガルコミュニケーショ ン ? 利用規約 ? ライツ?ステートメンツ ?
お願い どれであれ、「多様な内容」「多様な伝え方」は利用者の負担になる。 →標準化、共通化が重要 学習コストが抑制できる 複数のアーカイブから資料を組み合わせて利用するコストも抑制でき る場合がある
14.
CCライセンスのデザインから学べること ? 「利用条件」のような一般名詞ではなく、固有名詞で名前がつ いている ? サイトやプロジェクトなどに特有の条件ではない →多くの資源が同一の条件で使える かつ 同一の条件で使えることが名前を見るだけでわかる。
15.
CCライセンスの名称と識別可能性 ? 略称も存在する ? アイコンでも表現される ?
ライセンスの種類毎に固有のURLが割り振られている ? URLにも略称がついている →一瞥してCCライセンスの種類がわかる 既に知っているライセンスであれば「ああ、あれのことか」と わかる →社会全体で見ると、学習コストの大きな節約になる
16.
CCライセンスの理解可能性 ? 略称は「主な内容」「バージョン番号」「法管轄(国等)また は言語のコード」を含んでいる(URLも同じ) ? 「主な内容」はBY,
SA, NC, NDの4種の要素を組み合わせてい る ? アイコンも「主な内容」の4種に合わせて4種 ? 主な内容を箇条書きにした「コモンズ証」ページが入り口 →本文を読まなくても、概要がわかる仕組みが豊富 →あるCCライセンスを知っていたら、それとの違いで、別のCC ライセンスの内容もだいたいわかる
17.
CCライセンスの本文 ? 誰にでもわかりやすい言葉 vs
法廷での解釈が予測しやすい 言葉(法律用語) ? 簡潔で手短な文面 vs 具体的で明確な文面 これらはどちらも重要だが、両立が根本的に難しい
18.
CCライセンスの本文 ? ライセンスのバリエーションがある ? 本文のバリエーションはそれに対応するところだけに抑制 →ひとつのCCライセンスを読んだことがあれば、別の種類のCC ライセンスを読んでも、内容の把握が速い ※複数資源を組み合わせて利用する人?組織にとっても、まだま しな状況を作り出せる。 ※ライセンスが同一であれば、問題は解消される
19.
CCライセンスをとりまく制度?環境 ? FAQ作成、お問い合わせ対応などの提供 ? ライセンスの内容や表現方法などについて国際的な議論>改訂 (法律家、許諾者?利用者、技術者等の参加)* ?
国際的な一貫性 ? 日本語を解さない利用者にも、CCライセンス4.0系であれば、様々な 翻訳版が存在する *ライセンスの初期バージョンにはかなりバグが含まれやすい。 技術や社会の状況も変化する
20.
留意すべき点 ? 非常に人気があることが確実なコンテンツ: ? 利用条件が厳しくても、利用される ?
それ以外: ? 利用条件が緩くても、他のコンテンツとのアテンションの奪い合いに ? 利用条件よりも他の要素が重要なのではないか ? 検索エンジンなどからのDiscoverability ? その前提となるメタデータ ? 利用者のニーズとメタデータのマッチ度の高さ
21.
本資料のライセンス ?この資料はCC BY 4.0
国際 (creativecommons.org/licenses/by/4.0/)で提供され ています。 ?著作者名:渡辺智暁 なお、著作権表示、無保証を参照する表示はありません。 「本パブリック?ライセンスを参照する表示」にあたるのは上の一文だけです。 そこで、この資料を利用して別の資料を作成した場合などには、たとえば、以下 のような表示をすればよいことになります。(それに加えて、合理的に実施可能 な場合にはこの資料のURLを記載します。) 「この資料の一部は、渡辺智暁による資料を改変の上利用しています。 利用した資料のライセンスを参照する表示:『この資料はCC BY 4.0 国際 (creativecommons.org/licenses/by/4.0/)で提供されています。』
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