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Recent Advances in Cerebellar Ischemic
Stroke Syndromes Causing Vertigo and
Hearing Loss
Cerebellum. 2016 Dec;15(6):781-788.
Kim HA, Yi HA, Lee H
血栓性/Af塞栓性
脳底動脈のプラークがAICA
起始部に伸展あるいは、AICA
起始部のmicroatheromaと言
われている
Mario S. 1986
AICA - 前下小脳動脈
橋下部外側部
中小脳脚
小脳前下部
片葉
PICA - 後下小脳動脈
延髄の背外側
小脳扁桃
小脳半球下面
小脳半球間隙
背側小脳中部
小脳半球内側面
SCA -上小脳動脈
上小脳脚
小脳中脳裂
小脳白質
歯状核
AICA梗塞
左小脳、中小脳脚、後外側核
小脳梗塞とめまい 2020年09月24日 抄読会
カロリック 左CP 68% DP 100%
自発 右向き(麻痺性) 緩徐相速度 11°/s
注視により減衰
SPV slow-phase velocity
LH horizontal movement of the left eye
LV vertical movement of the left eye
LT torsional movement of the left eye
左PICA梗塞
自発左向き(刺激性)
注視で抑制
中枢性めまいを疑う所見
? 自発性垂直性眼振
? 方向交代性注視眼振
? 上/下眼瞼向き
(=perverted) Head Shaking Nystagmus (pHSN)
? 高度の体平衡障害
? 非対称の眼球運動障害
– 垂直眼球運動障害
? 内側縦束吻側間質核(riMLF)
– 水平眼球運動障害
? 内側縦束(MLF)
? 傍正中橋網様体(PPRF) 注視
梗塞とめまい
? HINTS to Diagnose Stroke in the Acute Vestibular
Syndrome. (Stroke. 2009)
? HINTS: head impulse、眼振、skew deviation
? 感度96%、特異度100% 。
? Skew d.は梗塞の17%で異常。
? HITのみでは末梢由来と判断した3例中2例でskew
deviationにより梗塞(外側橋)を診断した。
? 初回(発症より48時間以内)のMRIの拡散強調像
では12%で偽陰性だった。
めまい症状のみの中枢性めまい
? =Isolated vertigo, Solo vertigo
? 救急のめまい症例の3%との報告
? 小脳梗塞の11%はisolated vertigo
? Isolated vertigoの多くがPICA梗塞
? 小脳梗塞では注視眼振はないことが多い
? 軽度のSkew d.は見落とされやすい
? HITは小脳片葉の梗塞の診断には限界
小脳梗塞とめまい
? 小脳梗塞の11%でacute peripheral vestibulopathy
? 前庭症状のある症例の中では、
PICA領域の梗塞の症例が最も多かった(96%)
? HSNは62%で陽性で、そのうち96%が下眼瞼向き
? 注視抑制は41%で認め、小脳虫部の障害による
? 拡散強調MRIで感度80%、陰性尤度比0.21
? AICA梗塞ではcanal paresisの7割は、
1年程度で徐々に改善する
? SCAの梗塞では半分にめまい症状、
27%に主に患側向き眼振を認めた
小脳梗塞と難聴
? 一般的には迷路動脈はAICAの分枝だが、
脳底動脈やPICAからのこともある
? 突発性難聴を来した後方循環系脳梗塞ではAICA
梗塞は83.3%、PICA梗塞は11.9% (Lee, 2005)
? AICA梗塞では難聴を来しやすい(3-10割)が、
AICA以外の梗塞では稀(1%)
? AICA梗塞の難聴の65%は1年程度で徐々に改善
What is the origin of the labyrinthine artery among black kenyans?
JA Ogeng’o, 2017
Variations in the branches of basilar artery in adult human cadavers
HA Wankhede, 2015
迷路動脈の
起始の変異
に関する
報告
PICA梗塞とめまい難聴
? 内耳性めまいが疑われた小脳梗塞(伊藤ら 2007)
? 右PICAの梗塞
? 症例1) 梗塞側カロリック正常、対側軽度CP
? 症例2) 梗塞側完全CP、対側高度CP(10°/s)
PICA梗塞とめまい難聴
? Sunose H, et. al. 2000.
– 55歳男性
– 平均聴力左62dB左43dB
– SISIテスト 補充現象陽性
– 回旋混合性右向き水平眼振
– 血管造影でPICA梗塞
AICAの梗塞は認められず
– グリセロールにて加療し、
PTAは左22dB右20dBに改善
OKN含めた眼振所見も改善
– AICA/PICA間の変異は多い
(Takahashi M, Radiology, 1968)
脳幹梗塞とめまい難聴
? Bovo R, et. al. 2007.
– 65歳女性
– めまい嘔吐両側耳鳴
– 両側高度感音難聴
– 抗血小板薬等にて加療
– 12日後も難聴改善せず
後外側延髄橋接合部
教授より
? PICA領域の梗塞は診断が難しく、大きな梗塞では
小脳浮腫により誤診で死ぬこともあります。
? 血管がつまりかけた時に、純回旋性眼振が数十
秒onしてとまることを繰り返したほかに所見が無く、
神経内科に回したら末梢性と診断したもののPICA
梗塞を疑って入院させ、夜中になってMRIで顕在
化したので脳外科に減圧開頭してもらったことが
あります。
? 神経所見だけでは診断は難しく、既往歴の問診
が重要であることも医局員に伝えてください。
非常に小さい(境界域)小脳梗塞患者の
神経耳科学的所見
? Shigeru Kikuchi, Tatsuya Yamasoba. Acta Otolaryngol Suppl.
2007
? 結論:非常に小さい(境界域)小脳梗塞(VSCI)の患者の症
状と所見は、良性の末梢前庭障害の症状と似ているが、
追跡眼球運動が障害されていることが多い。
? 目的:VSCIは、主な小脳動脈群の境界領域に位置し、ふら
つきやめまいを生じる。前庭症状とVSCIに関連する症状と
所見の臨床的特徴を明らかにする。
? 患者と方法:MRIに基づいてVSCIと診断された5人のめまい
患者の神経耳科学的所見を調査した。
? 結果:4人の患者はふらつきまたはめまいのみを訴え、1人
は構音障害を伴った。水平自発眼振とsaccadic pursuitをす
べての患者で観察したが、saccade、OKP、visual supression
で異常はなかった。半規管麻痺は3人だった。
左椎骨動脈解離、左迷路動脈血流障害、小脳障害
左椎骨動脈途絶、左小脳梗塞(AICA領域)
急性期
保存的加療 – 血圧コントロール、
抗凝固薬、抗血小板薬
浮腫、水頭症 – 開頭
くも膜下出血 – 外科的治療
慢性期
リハビリ、保存的加療継続
内耳を栄養する迷路動脈はAICAから分
岐するが、稀にPICAや脳底動脈から分
岐する。また、AICAの起始部が脳底動
脈以外に椎骨動脈、PICAから分岐する
という破格もある。
既往歴?基礎疾患?神経所見?
Oh SY. J Neurol. 2016
oVEMP
球形嚢-下前庭神経-
前庭神経核(脳幹)-
内側前庭神経脊髄路-
同側副神経-SCM
cVEMP
卵形嚢-上前庭神経-
前庭神経核-
内側縦束(MLF)-
対側の動眼神経核-
下斜筋-
medial longitudinal fasciculus (MLF) 内側縦束
medial vestibulospinal tract (MVST)
内側前庭脊髄路
前庭神経核
S 上核 L 外側核 M 内側核 I 下核

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