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下斗米 貴之
KLab株式会社 機械学習G
市川 恵津子
サウンドG
Dreamtonics株式会社 山田 雅史
2023-07-27 AWS Startup Loft Tokyo
生成AIが切り拓く新しいゲー
ムの創り方?遊び方
事例① 生成AIで制作フローを加速
事例② 全社員のAI活用を加速させるAIタスクフォース
事例③ 未来のゲーム体験を開拓するAIチャットゲーム
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サウンドアセットの制作?実装?管理全般を担当
近年はサウンドでより面白い体験を創出するため、機会学習グループや社
内ゲームAIコミュニティと連携
市川 恵津子
グループリーダー / サウンドディレクター
クリエイティブ部 サウンドグループ
人工知能学会正会員?人工知能学会大会優秀賞受賞(2022)
下斗米 貴之 博士(工学)
エンジニアリング本部 機械学習グループ
グループリーダー
KLab株式会社
KLab株式会社
画像
グループリーダーとして、機械学習を活用した部署横断の業務効率化や大学と
の共同研究の業務を推進
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音声合成(TTS)、歌声合成の法人向けSDKサポート及び
ソフトウェア開発を担当
山田 雅史
開発エンジニア
法人サービス担当
Dreamtonics株式会社
4
生成础滨が切り拓く新しいゲームの创り方?游び方
本日お伝えしたいこと
第1部:創り方「ゲームでAI/MLって何に使えるの?」
業務支援と横展開、研究開発スプリント
チャットボット?APIの社内提供でAI活用促進
第2部:遊び方「これからのゲームをどう変えていくの?」
10%の将来投資
エモーショナルAI-NPCと会話するチャットゲーム
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第1部:創り方編
①生成础滨で制作フローを加速
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KLab機械学習グループの活動
未来を見据え,最新の技術で開発現場の今に応える
BERTによる迷惑チャットの検出
(Google Cloud Day: Digital ’22 等)
画像認識によるUIテストの自動化
(JSAI2022全国大会優秀賞 )
自己教師ありViTによる3Dモーション検索
(IBIS2022)
深層生成モデルによるリズムゲームの譜面制作支援
(CEDEC2021, SIGGRAPH Asia 2021 , AAAI-23等)
などなど…
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● 削減効果>機械学習コスト?
● 削減効果よりも手間がかかることも多い
→ 横展開?汎用化?共同研究
コ
ス
ト
案件A
機
械
学
習
削
減
効
果
業務効率化:削減効果 × 適用件数
案件B 案件C
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リズムゲームの譜面生成
当時KLabのフラッグシップタイトル。
楽曲リリース速度が計画に追いつかないため効率化が必要に。
譜面
時間
9
リズムゲームの譜面生成
制作者は譜面の
高クオリティ化に集中
本システムの導入により譜面制作のスピードを2倍に
KLabでは毎月
3タイトル x 5曲 x 4難易度
程度を配信
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譜面生成AI
楽曲の音声データやゲームの難易度などを入力すること
により、楽曲のリズムにあわせた適切な難易度の譜面を
生成する
既存手法では生成譜面の品質が不十分
だったため、KLab独自の生成AIを開発
Takada, A., Yamazaki, D., Yoshida, Y., Ganbat, N., Shimotomai, T., Hamada, N., Likun, L., Yamamoto, T. & Sakurai, D. (2023 June). GenéLive! Generating Rhythm Actions in Love Live!. In
Proceedings of the AAAI Conference on Artificial Intelligence (Vol. 37, No. 4, pp. 5266-5275).
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Takada, A., Yamazaki, D., Yoshida, Y., Ganbat, N., Shimotomai, T., Hamada, N., Likun, L., Yamamoto, T. & Sakurai, D. (2023 June). GenéLive! Generating Rhythm Actions in Love Live!. In
Proceedings of the AAAI Conference on Artificial Intelligence (Vol. 37, No. 4, pp. 5266-5275).
九州大学との共同研究
2021年3月 九州大学と共同研究を開始 譜面生成AIを研究
2023年2月 アメリカ人工知能学会AAAI-23で発表(WashingtonDC)
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研究開発体制 ResDevOps = Research Sprint + DevOps (MLOps)
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譜面制作支援システムとその効果
● 提案モデル導入で譜面制作時間50%削減(-20時間/曲)
音源アップロード
譜面確認
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● 生成モデルによる譜面制作支援システムを開発
● 制作支援システムで譜面制作スピードを2倍に
成功の秘訣:
人が手直ししやすいコンテンツに適用
複数タイトルへ展開する。
共同研究?研究スプリントで研究開発効率化
まとめ ①生成础滨で制作フローを加速
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第1部:創り方編
②全社員のAI活用を加速させる
AIタスクフォース
社内での対応
● AIタスクフォースの立ち上げ
● 生成AIガイドライン整備
● API提供
● チャットボット
○ 社内向けAPI提供
○ チャットボットを社内提供
○ 業務Q&Aボットを社内提供
…
● AI賞新設!
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社内API提供
● 目的:
○ 利用促進?業務効率化
● 方法:
○ Azure OpenAI Service API(Microsoft社) を利用
■ メリット
● モデルをデプロイ(漏洩しない?学習に使われない)
● ファインチューニング(微調整) → 今回はしない
● エンタープライズ契約
○ KLab OpenAI Proxy 実装
■ 認証付きproxy
■ 個人毎使用量管理
申請受付 → エンジニアだけでなくクリエイターも利用
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チャットボットを社内提供
目的:
利用促進?業務効率化
方法:
Slack上で使えるチャットボッ
トを社内へ提供
ただし、社内情報は答えら
れない
→ 気軽に利用
→ 文章?コード改善
→ コツの共有 18
業務Q&Aボット開発
業務の問い合わせ
課題: 〇〇はどのコード番号をつけたらいいのか?そもそも誰に聞けば?
● 分散したExcel?マニュアル?議事録?仕様書
● 検索しても見つからない?「検索ワード」のコツがいる
● 問い合わせにフォーム?Excel入力、謎の障壁
→ 必要な情報を業務専用のAIボットで問い合わせしてもらう
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マニュア
ル
Excel
?
仕様書
?
業務Q&Aボット開発
しかし、生成AIは独自データに関する情報については回答してくれない
● 方法:
○ プロンプトエンジニアリング
■ In context learning 説明?入出力例から回答させる
○ 社内での利用ルールの策定
→ 業務効率化
→ LLM利用の技術的な蓄積
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業務Q&Aボット
マニュア
ル
Excel 仕様書
プロンプトエンジニアリング
- 文脈情報
- データ(検索結果?DB?文書)
- 社内文書DB ナレッジストア vector store
- 制約事項
- 回答例/出力形式
あの人ってどこの部署だっけ?
(組織情報文書)
(前の文脈)
LLM
API
プロンプト=AIに渡す入力文
マニュア
ル
Excel 仕様書
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社内文書DB ナレッジストア
VectorStore + ChatGPTによる質問応答
回答の精度は、テキスト、検索、ChatGPTの三者に依存する。
● 適切なテキストを準備できたか?
● VectorStore 検索で適切な箇所をピックアップできたか?
● ChatGPTの回答が質問にあっているか?
プロンプトのコツ:
●ハルシネーション(尤もらしい嘘)対策
かなり試行錯誤やノウハウが必要。
第1部まとめ:「ゲームでAI/MLって何に使えるの?」
● 業務支援をお勧めします
○ ただし、横展開の視点を忘れずに
○ うまく共同研究で技術?リソースを補うことも可能
● AIチャットボットを社内展開
○ チャットボット?API提供?AI賞 → 利用促進
○ 社内での利用ルールの策定 → 共通認識
→ AI関連の社内情報共有/勉強会 急増
(エンジニア&クリエイター)
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第2部:遊び方編
未来のゲーム体験を開拓するAIチャットゲーム
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AIはユーザ体験を改善してこそ高い価値を生む
ユーザー1人1人に
違ったゲーム体験!
SNSで共有したくなる
ゲーム内で機械学習を活用し
新しいゲーム体験を創出
ユーザ体験が向上
ユーザが増える
データが溜まる
データ駆動で
ゲームを改善
好循環により
加速度的に急成長
ゲームにおけるデータフライホイール戦略
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なぜチャットゲームの研究開発をするのか?
- ゲームのキャラクターと自由におしゃべりがしたい!
- そのゲームキャラが登場人物のストーリーであれば、よりゲーム世界にの
めりこめるはず!
- 自由会話 ? KLab機械学習G
- 感情表現 ? KLab機械学習G
- リアルタイム音声応答 ? AHS様/Dreamtonics様のSyllaflow
会社や立場は違えど、
リアリティのある会話が色んなキャラクターと出来るようになったら面白そう!
3社で共同デモ制作へ
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どぶろく制度
どぶろく制度で進行?リスクを抑えつつ果敢に挑戦
● 培った技術を実際のプロジェクトに展開
● 事前検証しておくことでリスクを低減できる
● エンジニアに限らず社員が興味のあることを自由に研究出来る!
※どぶろく制度=KLabの独自ルール10%の業務時間を自由に使える
confidential Copyright KLab Inc. All rights reserved.
マイページ画面では
ユーザーが
自由入力
チャットのストーリーを踏まえての会話が
展開
マイページでAIキャラとおしゃべり(自由音声会話) したり
マイぺのキャラとチャットでストーリーを進められるゲームです
チャット画面では
マイページで仲良くなったキャラと
ストーリーを展開
「AI?チャットノベル」とは?
● 新技術「エモーショナル(??>?<?)。??AI」が生み出す自然で多彩なコミュニケーション
confidential Copyright KLab Inc. All rights reserved.
ゲームの特徴
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複数の生成AIをパイプライン化して
セリフ?音声?表情?モーションを生成
話しかけるたびに
異なるリアクション
チャットAIで
感情やストーリーを認識
感情=うれしい
感情=ちょっと憂うつ
子猫を拾ったよ!
ふふっ
優しいですね
話題選択
STRIPS
会話生成
ChatGPT
音声合成
Syllaflow
表情合成
Live2D
会話理解
ChatGPT
感情変化
Russellの円環
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音声合成エンジン『Syllaflow』
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Syllaflow はDreamtonics社が開発した高品質なAI音声合成エンジンです。
AHSとDreamtonicsで共同開発したVOICEPEAKという音声合成ソフトにも採用されています。
Syllaflow はオフラインで動作することができ、サーバーにつながなくても、
高品質な音声合成を実現できます。
Syllaflow とは?
Syllaflow が 実現 する 未来
あらゆる『モノ』が人と区別できないほどリアルに、感情を伴って話す世界
人と区別がつかないほどリアルに リアルタイムで
いつでも、どんなデバイスでも
● 深層学習による音声合成
● 複雑な感情も表現
● ストリーム処理による
リアルタイム合成
● Raspberry Pi 4 でも
● Windows/macOS/
Android/iOS/Linuxに対応
● スタンドアロンで動作
AI音声合成 ×
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第2章まとめ
機械学習の勝ちパターン データフライホイール
ゲームの中で使うことによってより良い体験を
→人気が出る→データが溜まる→学習してより良く
没入感のあるエモーショナル(??>?<?)。??AIでもっとゲームを面
白く
技術の育成:10%の技術検証で将来投資
33
終

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