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感染症の基本
「保育所における感染症対策ガイドライン
(2018年改訂版)」に基づいて
?このスライドは厚生労働省「保育所における感染症対策ガイドライン2018年
改訂版)」をお持ちの上でご利用頂くことを想定して作成しています。
ガイドラインは「保育所における感染症対策ガイドライン」
の検索でアクセス?ダウンロードできます。
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11900000-
Koyoukintoujidoukateikyoku/0000201596.pdf
乳幼児の特性を踏まえた対策に関すること以外は、多くの年齢の方にも
共通して活用できるガイドラインですので、目的に応じてご利用ください。
正確性を保ったうえで、ご利用先に応じた改変等をなさってください。
?このスライドは、健康な子どもたちの
平常時の集団生活の場を主な対象として,
2020年新型コロナウイルス感染症の
感染拡大予防と不安への対策を視野に入れて記述しています。
異なる集団や状況下では個別に対応した改変等をなさってください。
2020.03.04
藤田みどり
?このスライドのフォントはUDデジタル教科書体N-Bを使っています。
同じフォントがインストールされていない環境では
レイアウト崩れなどが起こる可能性があります。
この回でお話しすること
1.感染症と予防策についての基本的な事柄
2.保育所における感染症対策
3.感染症の予防
この回でお話しすること
1.感染症と予防策についての基本的な事柄
2.保育所における感染症対策
3.感染症の予防
■感染症とは 感染症GL p.1
(感染)ウイルス、細菌等の病原体が人、動物等の
宿主の体内に侵入し、発育又は増殖すること
(感染症)感染の結果、何らかの臨床症状が現れた
状態
(潜伏期間)病原体内に侵入してから症状が現れる
までにかかるある一定の期間
感染と感染症の発病は違うことに
注意が必要
■感染症成立のための三大要件 感染症GL p.1
?(病原体)感染症の原因となる病原体そのものや
排出する生物。
?(感染経路)病原体が宿主に伝播するための経路
?(感受性宿主)病原体の伝播を受けた宿主に
感受性が存在すること
GL p.1
感染の
成立
病原体
感染
経路
感受性
宿主
この流れのどこかを
断ち切ることが重要
この回でお話しすること
1.感染症と予防策についての
基本的な事柄
2.保育所における感染症対策
3.感染症の予防
■保育所における乳幼児の生活と行動の特徴
感染症GL p.2 感染経路に関する用語解説
飛沫感染:咳やくしゃみ、会話などにより短い距
離(1-2m程度)に飛び散った病原体を吸い込む。
病原体を水分が包んでいる重さがあるため、
1-2m前後で床面に落ちる。
2)
■保育所における乳幼児の生活と行動の特徴
感染症GL p.2 感染経路に関する用語解説
空気感染:空気中に漂っている病原体を吸い込む.
飛沫中の水分が蒸発し残った病原体などが空中に
長時間いる。
麻疹?水痘?結核はこの感染経路です。
予防接種を確実に!
2)
■保育所における乳幼児の生活と行動の特徴
感染症GL p.2 感染経路に関する用語解説
接触感染:病原体が接触した皮膚や粘膜から入る。
病原体が皮膚についただけでは感染しない。
粘膜や皮膚の傷口が病原体の侵入口となる。
病原体のついた手で口や鼻など粘膜があるところ
を触ることで侵入する。
2)
■保育所における乳幼児の生活と行動の特徴
感染症GL p.2 感染経路に関する用語解説
経口感染:病原微生物に汚染されたものを口にす
ることにより起こる
2)
■保育所における乳幼児の生活と行動の特徴
感染症GL p.2
保育所で過ごす低年齢の子どもの特徴
?子ども同士が濃厚に接触 →
?特に乳児は、床をはい、手に触れるものを何で
も舐めるといった行動→
集団保育の場の特徴
?低年齢の子どもたちが
?濃厚に接触しながら 感染機会が多い
?長時間一緒に生活している
接触感染
経口感染
学校と異なる感染症対策が必要
→このためガイドラインが作成された。
この回でお話しすること
1.感染症と予防策についての
基本的な事柄
2.保育所における感染症対策
3.感染症の予防
感染の
成立
病原体
感染
経路
感受性
宿主
この流れの
どこかを
断ち切る
ことが重要
感染成立の環を断ち切る
感染の
成立
病原体
感染
経路
感受性
宿主
?隔離
?消毒
?手洗い,手指衛生
?標準予防策
?予防接種
?健康づくり
適切な
医薬品
感染の
成立
病原体
感染
経路
感受性
宿主
病原体対策
■病原体への対策
?病原体がなければ、その病原体による
感染症は起こりません。
?しかし、全ての病原体を地球上からなくすこと
は不可能です。
?日常的に共存できる、特に病気を起こさない
微生物は多く存在します。
■保育所の衛生管理 GL p.27
病原体への対策で、環境にして行う。
?日頃の物品や環境の衛生管理
?適切な消毒薬の使用
?感染症の発症時に備えた消毒薬や個人防御具、
処理用品の管理
そこにーコロナはいません~
飛び込んだりなんか~しません~~
千の風になって吹きわたられたら
困るでしょ~
注!シリアスにやらないと
いけない勉強会だったら
このスライドは削除してく
ださい。
■病原体への対策(対罹患児、対排出物等)GLp.6
?感染症にかかった子どもの早期治療、
感染力がなくなるまでの欠席依頼
(そのための出席停止規定)
?感染症の可能性が考えられる子どもの隔離
“症状はみられないが、他者に感染させる力が
ある子どもや職員がいるかもしれない”
という意識をもつ。
いくつかの感染症は潜伏期間中にも他者にうつす
力がある(病気ごとの特徴を知るのが大事)。
誰でも感染症にかかる可能性がある。
感染者に対する偏見や差別は厳に慎む。
排除するのは病原体であり、感染した人間ではな
い。
感染の
成立
病原体
感染
経路
感受性
宿主
感染経路対策
■感染経路対策 感染症GL p.7
スタンダードプリコーション(標準予防策)
すべての血液および体液など(湿性生体物質)は、
未知の、未検査の病原体が含まれている
ことを前提に取り扱うこと。
日ごろからの手洗い?手指消毒
使い捨て手袋やマスクの使用
湿性生体物質が触れた物品は洗浄、消毒、滅菌
誰かが感染症にかかっていてもいなくても
日頃から、身体から出るなぁ~んか湿ったも
のは病原体入りだという前提で扱おうね、
という考え方です。
素手で触らない、事後の手洗い、
物品は湿った部分を内側にして密封して捨て
るなどを日ごろの当たり前にします。
■感染経路別対策:
飛沫感染具体的対策 GL p.9
■感染経路別対策:
飛沫感染具体的対策 GL p.10
■感染経路別対策:
飛沫感染具体的対策 GL p.10
■感染経路別対策:
接触感染具体的対策 GL p.13
■感染経路別対策:
接触感染具体的対策 GL p.13
■感染経路別対策:
血液媒介感染具体的対策 GL p.16
?飛沫感染を予防するために大切なこと
?咳など症状がある人がマスクをつける
?咳エチケットを守る
病原体を持っている人の体から
咳と一緒に身体から出る病原体を
減らすのが目的です。
*感染症以外にも咳が出る病気はあります。
3)
?接触感染を予防するために大切なこと:手洗い
手のひらの上にいる病原体が自分の体の中に入り
込まないために、病原体の通り道の最終時点で洗
い流す。とても有効!
*効果的な手洗いをすると15秒間を要します。
?「幸せなら手を叩こう」を「手を洗おう」の
替え歌にして1コーラス
?ビオレ「あわあわ手あらいのうた」
歌詞が手洗い動作。低年齢むき。
?書籍「声に出して読みたい日本語」より
1節読み上げ
楽しかったらなんでもいいです。CM1本が15秒。
目指せ。あっという間に感じる15秒手洗い。
?接触感染を予防するために大切なこと:
手指消毒
手のひらの上にいる病原体をみんながさわるとこ
ろに置いて行かないのが目的の1つ。
もう一つは、手洗いと同じく、自分の体の中に病
原体が入ってこないためです。
3)
感染の
成立
病原体
感染
経路
感受性
宿主
感受性宿主対策
■感受性対策 GL p.18
唯一、現実的な対策がとれるところ。
■予防接種
ワクチンで防ぐことのできる病気は接種を
?保育園の子どもたちの予防接種
?保育所職員の予防接種
?予防接種歴及び罹患歴の記録
■健康教育
?保育園の子どもたちの健康教育
規則正しい生活習慣~
例:早起き,バランス食etc.
感染予防の行動獲得
例:手洗い、咳エチケットetc.
■感受性宿主対策
?保護者への情報提供と連携
?保育所職員の研鑽、保健所等との連携
4)
感染症予防とともに大切なこと
排除?抑制を目指すものは病原体であり
病気にかかった人ではありません。
病気の回復のための安静や、
感染症を拡げないためのある程度の制限は
治療のためにとても大切ですが、医学的に必要だと
説明できる以上の制限は、社会的不利益などの
別の問題や人々の分断を引き起こす恐れがあります。
どんな人も病気から回復し、普段通り自分の力を発揮
し様々なことを楽しむ生活に戻る権利を持っています。
病気の苦痛を思いいたわるコミュニケーションと感染
拡大の予防の両立を、強く意識することが殊に大切な
分野です。そのためには、思いやりの気持ちと共に、
正しい知識と学び続ける努力が不可欠です。
大人がこういった姿勢で様々な方々に関わることで、
それを見た子どもたちも、自ずと相手を大切にしなが
らの健康管理を身につけていくのではないでしょうか。
出典
1)厚生労働省:保育所における感染症対策ガイドライン2018 年改訂版),
2018
2)学校保健ポータルサイト フリーイラスト集
https://www.gakkohoken.jp/freeillust/freeillusts
3)堀成美監修, 鈴木悠平編集責任:新型コロナウイルス、情報が届きにくい方
(子ども?外国語話者?視覚/聴覚障害等)のサポート?不安のケア,
https://news.yahoo.co.jp/byline/yuheisuzuki/20200227-00164829/
2020.03.05アクセス
4) Design / Illustration : Takashi Tokuma (bowlgraphics inc.)
Supervision : Kenji Shibuya (King’s College London)
Yoshiro Hayashi (Kameda Medical Center)
Narumi Hori (Infectious Disease Consultant)
Eiji Kusumi (Navitas Clinic)

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