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皮膚科症例検討会
by Vet Derm Tokyo
Case1
?シグナルメント
- ポメラニアン
- 6歳
- 避妊雌
?主訴
- 腹部、会阴部周囲の脱毛
?初発
-トリミング時の健康チェックで発覚
?いつからか不明
?掻痒(-)
?既往歴
?3歳齢で子宮蓄膿症→避妊手術
?半年前に膿皮症→外用薬で治療
飼い主さん
「今日は お腹の毛のバリカンはいらないです」
トリマーさん
「いつも、お腹はバリカンしてないですよー」
私(担当獣医師)
「 なんで腹部の毛がないの ? ? ? 」
ある日のトリミングサロンでの会話
体干部
腹部
腹部②
会阴部
What is your diagnosis ?
鑑別疾患
?毛刈り後脱毛
?ステロイド皮膚症
?ホルモン疾患
?甲状腺機能低下症
?副腎皮質機能亢進症
?性ホルモン関連脱毛
?アロペシアX
治療計画
No specific treatment
Just observe for a while
そして半年後、、、、、
変化なし
変化なし
鑑別疾患
毛刈り後脱毛
ステロイド皮膚症
ホルモン疾患
甲状腺機能低下症
副腎皮質機能亢進症
性ホルモン関連脱毛
アロペシアX
△
×
○
○
诊断のためにどのような検査をしますか?
皮膚検査
- 細胞診:細菌?真菌(–)
- 皮膚掻爬物直接鏡検:外部寄生虫 (–)
- 抜毛鏡検: 休止期主体(会阴部?腹部)
休止期、成長期混在(体幹)
各種臨床検査
-血液学的検査:異常なし
-膣スメア検査:角化上皮細胞
有核細胞80%
完全角化細胞20%
-超音波画像検査
超音波画像検査
内腔が無エコーのCyst様所見が認められた(3カ所)
治療計画
開腹手術
断端嚢腫の切除および残存した卵巣の確認
その他の提案事項:ホルモン値の測定
卵巣(両侧)子宫断端嚢肿
Iwasaki Thoshirou et al., 獣医臨床皮膚科 Vol. 14 (2008) No. 4 P 195-197
不妊手術後に発症した性ホルモン失調の犬の1例
A Canine Case of Sex Hormone-related Dermatopathy Developed after Spaying
シェルティ 5歳 避妊雌(6ヶ月頃避妊)
頸部、腹部、大腿部および会阴部周囲
脱毛 および色素沈着 掻痒なし
→試験開腹で右側卵巣遺残が認められ、卵巣切除後発毛がみられた
Before
After(各種検査)
抜毛検査:休止期主体
ホルモン検査:異常なし
膣スメア検査:経時的変化を観察
脱毛の憎悪時には完全角化細胞
Discusssion
会阴部、鼠径、体幹を中心
掻痒を伴わない?左右対称脱毛?斑状~びまん性の色素沈着
稟告の聴取?身体検査?血液検査?超音波画像検査
避妊済みであっても卵巣遺残の可能性を考慮する必要がある
膣スメア検査が診断に有用なツールである
毛周期の異常
○膣スメア検査
△ホルモン検査:プロゲステロン、エストロゲン
△皮膚病理検査
性ホルモンの関与が疑わしい場合(発情徴候、卵巣の存在)

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