1. DRBD で始める災害対策 (DR)
株式会社サードウェア
久保 元治
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2. もくじ
● 災害対策の概要
● DRBD の概要と特徴
● 災害対策向けの DRBD Proxy
● いくつかのシナリオ紹介
● まとめ
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3. 意外に多いディザスタ
● 自然災害
● 地震、洪水、落雷 ....
● 人災
● 火災、水ぬれ
● 巻き添え
● 立ち入り規制
● ハード障害
● ディスク、電源系
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4. RPO と RTO
● リカバリポイント目標 (RPO)
● 被災前のどの時点のデータに復旧できるか
● 理想はゼロ
● リカバリタイム目標 (RTO)
● 被災後いつからシステムを再開できるか
● 決断までの時間、データチェック、 DNS 切り替えなど
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5. RPO と RTO
2 日前 1 日前
被災
メインサイト
rsync その他の
定時バックアップ バックアップ バックアップ
バックアップサイト
リカバリポイント目標 リカバリタイム目標
2 日前 1 日前
被災
メインサイト
リアルタイム
レプリケーション DRBD レプリケーション
バックアップサイト
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6. WAN 通信回線
● 回線品質
● バンド幅
● 大きな RTT ( 遅延 )
● 安定性
● サービスとしての考慮点
● 転送量の制約
RTT?=?Round?Trip?Time?(ping で計測 )
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7. DR 検討の要点
● RPO の策定
● リアルタイムレプリケーションは理想的だが ....
● クラッシュタイミングでのデータ整合性も考慮
● 回線品質、コストを考慮する必要がある
● RTO の策定
● 代替システム立ち上げの決断
● データやシステムのチェック
● DNS などアクセス環境を変更
● DR サイトで代替システムを立ち上げ
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8. DRBD
プライマリ ① ⑤ ③ メタデータ
セカンダリ ② ⑥ ④ メタデータ
?ブロックデバイスレベル =? ファイルシステムやデータを問わない
?リアルタイム
?変更されたディスクブロックをただちにリモート複製
通信切断時はプライマリ側のメタデータに記録、再接続後同期
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9. DRBD の通信
● TCP を利用
● プライマリ?セカンダリ間の距離は問わない
● 通信中
● プライマリ側の書き込みをただちにセカンダリに転送
● 通信切断時
● セカンダリへの転送はできない
● プライマリにのみ書き込み、通信回復後にまとめて同期
● 軽さとスピードを重視
● データ圧縮や暗号化には非対応
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10. DRBD のレプリケーションプロトコル
プロトコル A
非同期レプリケーション
プロトコル B
プロトコル C
同期レプリケーション
?ディスク I/O パフォーマンス A>B>C
?通信障害時のデータ信頼性 C>B>A
?遅延が大きくなるほどプロトコル B 、 C のパフォーマンスは低下
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11. アクティビティログ
アクティブエクステント
レプリケーションが完了していない可能性があるブロックを含む
領域 =? 通信切断?再開後の同期対象になる
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21. DRBD による DR システム
メインサイト WAN バックアップサイト
サービス サービス
DRBD Proxy DRBD Proxy
DRBD と DRBD?Proxy を使って、データを
常時メインサイトからバックアップサイトに
DRBD レプリケートしておきます。 DRBD
被災時には、バックアップサイトでサービス
を継続できるため、リカバリタイム目標を短
くできます。
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22. DRBD による DR システム
メインサイト バックアップサイト
WAN
サービス
メインサイトは高可用クラスタ構成にして、どちらか1台がダウンしても
サービスを継続できるようにします。
メインサイトのデータは DRBD と DRBD?Proxy でバックアップサイト
Pacemaker Pacemaker にレプリケートされます。
Heartbeat Heartbeat
DRBD Proxy DRBD Proxy
DRBD DRBD
DRBD DRBD
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23. DRBD による DR システム
メインサイト バックアップサイト
WAN
iSCSI Linux?HA と iSCSI を使うと、 Windows を含
む複数の既存サーバのデータをバックアップサ
イトにレプリケートできるようになります。
Pacemaker Pacemaker
Heartbeat Heartbeat
DRBD Proxy DRBD Proxy
DRBD DRBD
DRBD DRBD
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24. DRBD による DR システム
メインサイト バックアップサイト
WAN
サービス サービス
Pacemaker Pacemaker Pacemaker Pacemaker
Heartbeat Heartbeat Heartbeat Heartbeat
DRBD Proxy DRBD Proxy
DRBD DRBD
DRBD DRBD DRBD DRBD
メインサイトとバックアップサイトの両方に高可用クラスタを置いて、サイト
間でデータをレプリケートする構成は、とくにミッションクリティカルなシス
テム向けのソリューションです。
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25. 导入ガイドライン
● データ保全のみか、業務二重化まで行うか
● RPO 、 RTO を策定する
● 対象データの絞り込み
● データ総量、データ変更量 ( 、ピーク時の変更量 )
● 転送中にクラッシュしたときの整合性の確保方法
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26. 导入ガイドライン
● WAN 回線の選択
● 平均的なバンド幅と RTT の測定 ( 推定 )
● 暗号化などの方式選定
● 製品?方式選定
● データ変更量を十分に回線がカバーできる
==> DRBD のみでも実現できる
● 遅延大、データ変更量多い、日時変動が大きい
==> DRBD Proxy 併用が望ましい
● HA も必要か
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27. まとめ
● DRBD は WAN 越しのリアルタイム?レプリケーショ
ンにも利用できる
● WAN 回線の狭帯域、遅延、不安定さ、転送量制限
などに配慮する必要がある
● クラッシュしたときのデータ整合性確保も重要
● DRBD Proxy は WAN 回線の制約を緩和できる
● Windows などのアプリケーションやデータにも適
用できる
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