18. モデル化による解析 (時系列 or 周波数 or more)
線形 VS 非線形 ???明らかにしたい内容によって作り上げるべき
ヒトの生理的,精神的な状態を推定する
脳波の解析と事情
2005
ARモデルがよく使われてた[9][10][11]
非線形モデルが主流
[10]西田茂人,他4名,”脳波モデルを用いた優位律動の特徴表現と背景脳波の自動判定”,生体医工学会,Vol.43, No.3 (2005), pp.447-455.
xn =
4
∑
i=1
aixn?1 sin(2πminΔt) + bi sin(2πminΔt) + ?n
脳波の振る舞いに特化したARモデル[10]
[9]深見忠典,他4名,”局所定常自己回帰モデルを用いた脳波特徴波検出”,電気学会論文誌,Vol.122, No.9 (2002), pp.1553-1559.
[11]Gelareh M.,et al,”Person Identi?cation by Using AR model for EEG Signal”,Proceedings of World Academy of Science and
Technology,Vol.11, ISSN 1307-6884 (2006), pp.281-285.
2010
線形 VS 非線形 論争[12][13]
非線形モデルの方が,
波形フィット率およびパラメータの意味づけの面で軍配
パラメータ同定の困難さの向上[12][13]
[12]Parham G.,et al,”Stochastic Dynamic Modeling of the Human Brain EEG Signal”,ASME 2013 Dynamic Systems and Control
Conference,Vol.2, No.DSCC2013-3881 (2013), pp.V002T22A003.
[13]上原賢祐,齊藤俊,”脳波信号を対象としたEPIAモデル構造に関する研究”,Dynamics and Design Conference 2018, No.18-7, 283 (2018.8)
19. 本研究の狙いと進捗について
ヒトの生理的,精神的状態を見るために
脳波の時系列データを如何にモデリングするか?
カオス性を有する脳波は不規則的な振る舞いをする
→ ある臨界時間以下であれば定量的な解析が可能?
··x + A ·x + Bx + Cx3
= P1cosωt + P2sinωt
線形項
非線形振動子:粘性減衰振動系 + Du?ng型の非線形項
非線形項 外部入力項
<モデリングの根拠>
?脳波の変動機序は決定論的カオスに従う
? 確率的要素を内包せずに,初期状態から未来の状態が一意に記述できる [14]
[14]Ben. H. Janson, “Quantitative analysis of electroencephalograms: is there chaos in the future?”, International journal of bio-medical computing,
No.95-123, (1991).
狙い:初期値(x0, v0)を与えて,ある解析窓ごとにモデルパラメータを
脳波変動に合うように同定すると状態推定が可能になる
39. 脳波信号を対象とした
EPIAモデル構造に関する研究
··x + A ·x + Bx + (C +
1
3
D
d
dt
)x3
= P1cosωt + P2sinωt
ベースのモデル
非線形項線形項 外部入力項
モデル 方程式
I :線形型(C = D =0)
II:Du?ng型(D = 0)
III:van der Pol型(C = 0)
··x + A ·x + Bx = P1cosωt + P2sinωt
··x + A ·x + Bx + Cx3
= P1cosωt + P2sinωt
··x + A ·x + Bx + D·xx2
= P1cosωt + P2sinωt
モデルパラメータ {A,B,C,D,P1,P2, }の7つを解析窓ごとに同定する変数として扱う
脳波モデルを通して,ヒトの心理的状態とモデルパラメータの対応づけを行うため
「非線形項」の導入による影響
「非線形項の型」が及ぼす影響
<三種類の方程式を調査する狙い>
ω
モデル構造の探求
40. ?共振で動作する機械システムの圧電エネルギーハーベスタ
振動周波数を共振に持って行くときに,共振ピークの歪みが非線形的なので,
DUFFING振動子を用いて予測や解析がなされている.
Geal Sebald, et al. ”Experimental Duffing oscillator for broadband piezoelectric energy haryesting”,
Smart Materials and Structures, vol. 20, 102001, (2011) pp.1-10
··x + A ·x + Bx + Cx3
= P1cosωt + P2sinωt
··x + A ·x + Bx + D·xx2
= P1cosωt + P2sinωt
Du?ng型
van der Pol型
?脳血管病変の同定に使用
血流,血管,脳組織,これらを単一とした非線形な回路を提案している.
脳血管循環系の数学モデルを用いて血管病変部位の調査をしている
D. V. Parshin, et al. ”Differential properties of Van Der Pol - Duffing mathematical model of cerebrovascu
hemodynamics based on clinical measurements”, Nonlinear Waves: Theory and New Application (Wave16)
IOP Published Journal of Physics, 722, 012030 (2016) pp.1-6.
脳波信号を対象とした
EPIAモデル構造に関する研究
モデル構造の探求
参考リファレンス
41. ··x + A ·x + Bx = P1cosωt + P2sinωt
I :線形型(C = D =0)
··x + A ·x + Bx + Cx3
= P1cosωt + P2sinωt ··x + A ·x + Bx + D ·xx2
= P1cosωt + P2sinωt
II:Du?ng型(D = 0) III:van der Pol型(C = 0)
線形
パラメータ
非線形
パラメータ
外部入力
パラメータ
エラー値
実験値に対して1秒毎に同定されたモデルパラメータの値とエラー値
脳波モデルを通して,ヒトの心理的状態とモデルパラメータの対応づけを行うため
「非線形項」の導入による影響と,「非線形項の型」が及ぼす影響
についてモデルパラメータ同士の相関を計算して調査する
モデル構造の探求
42. モデル構造の探求
「非線形項の導入」,「非線形項の型」に関する影響を調査する
???左辺のA,B,C,Dの相関係数を算出し,影響を調べる
··x + A ·x + Bx = P(t)
I :線形型(C = D =0)
··x + A ·x + Bx + Cx3
= P(t) ··x + A ·x + Bx + D ·xx2
= P(t)
II:Du?ng型(D = 0) III:van der Pol型(C = 0)
線形パラメータ
同士の相関
線形パラメータと
非線形パラメータの相関
A - B
0.416
A - B
0.00876
A - B
0.0892
A - C
0.307
A - D
-0.401
B - D
0.115
B - C
-0.694
弱
強
モデルII:Du?ng型の B - C が-0.694と最も大きな相関値であることが確認された
中
弱
弱
強
強
脳波信号を用いて方程式のモデルパラメータ同定をする際,非線形項の導入によって,特徴的な傾向が
生じやすいということが分かった.すなわち,複雑な脳波の特徴を表現しうる重要な項であることが分かった.
非線形パラメータと線形パラメータの
相関が高い結果となった
「非線形項」の導入???
線形パラメータの相関が消失する
43. モデル構造の探求
「非線形項の導入」,「非線形項の型」に関する影響を調査する
???左辺のA,B,C,Dの相関係数を算出し,影響を調べる
線形パラメータと
非線形パラメータの相関
A - C
0.307
A - D
-0.401
B - D
0.115
B - C
-0.694
··x + A ·x + Bx + Cx3
= P(t)
··x + A ·x + Bx + D·xx2
= P(t)
II:Du?ng型(D =
0)
III:van der Pol型(C = 0)
非線形パラメータ
非線形パラメータ
今回はリラックス状態のアルファ波(比較的緩やかな波)を用いたが,
ストレス時のベータ波(比較的速い波)でパラメータを決めると,
タイプIII(van der Pol型)が良い可能性がある
非線形パラメータとの相関
脳電位強度を示すパラメータB
脳電位変化率を示すパラメータA
今後の課題
調べたい脳波のタイプ
(精神状態やてんかん脳波など)
によって適切なモデルがある?