狠狠撸

狠狠撸Share a Scribd company logo
拘縮肩に対するリハビリテーション 文献まとめ Fronzen shoulder Rehabilitation
【目的】 拘縮肩初期の痛みと運動の関連を調査すること
【対象】 早期拘縮肩と診断された患者52名
(年齢:55.2歳, 罹患期間5.5ヶ月)
【方法】
?自動&他動肩関節可動域(Baseline? Digital Inclinometer)
①肩屈曲, ②肩外転, ③肩甲上腕関節屈曲,
④肩甲上腕関節外転, ⑤ニュートラル位外旋,
⑥90°外転?外旋, ⑦90°外転?内旋, ⑧背中間距離
?疼痛(VAS)
【結果】
?因子分析により可動域制限は屈曲型と外旋型に分けられた.
→必ずしも関節包パターンと一致しない.
?痛みによる制限が最も多い
→外転?外旋active(71%) passive(94%)
?痛みによる制限が最も少ない
→GH屈曲active(35%) passive(46%)
【結論】
初期拘縮肩の制限は,筋力低下よりも外転?外旋時の痛み
と動作制限である.そのため診断の際は外転?外旋を注意
深く評価する必要がある.
? 検索エンジン:
pubmed clinical Queries
? キーワード:
「frozen shoulder」 or 「adhesive capsulitis」
×
「rehabilitation」 or 「physical therapy」
? 文献選択:
2012?2016年のsystematic review(SR), RCTで
特にリハビリに関連する文献を選択.
その後,SR調査の結果,RCTは2013年以降のみを選択.
Google scholar, sceince direct, researchgateで収集.
? リハビリ?理学療法のシステマティックレビュー
? 理学療法関連の最新のRCT
? 注射のシステマティックレビュー
? 注射関連の最新のRCT
Page MJ. Cochrane review.
2014
【結果】: 採用 32trials 対象55歳,6ヶ月
? アウトカムの不均質のためメタアナリシスが困難.
? 中等度のエビデンス
7週間の介入では徒手療法+エクササイズはグルココルチコイ
ド注射と比較し,痛みや機能の改善はわずか.
【目的】 拘縮肩に対する徒手療法やエクササイズなどの治療
介入の効果や弊害に関するエビデンスを得ること.
【方法】 拘縮肩に対しての治療介入を比較したRCT
2013年5月までの文献を調査
【結論】 短期においては注射が理学介入よりも有効.
【目的?方法】 拘縮肩対して理学介入のエビデンスを得るため
2000~2012年で理学療法に関連する文献を調査
【結果】 採用39traials, 拘縮肩Stage1,2,3
年齢:55.4歳, 罹患期間:6週~10.2か月
?運動療法?関節mobi?鍼治療→痛みの軽減?ROM?機能改善
?低出力レーザー→痛みの軽減、機能改善
?ステロイド注射→Stage1に有効.
?電気治療→短期的な痛みの軽減
?深部温熱→痛みの軽減、ROM改善
?超音波→痛みの軽減に有効,ROM?機能向上には推奨されない.
Jain. Journal of Back and Musculoskeletal Rehabilitation. 2014
【対象】 拘縮肩患者63名 プラセボと介入群に群分
【方法】 レーザー治療:肩8箇所に60mW30秒間照射
頻度:週2回(1-4週), 週1回(5-8週)
【結果】
?レーザー群>プラセボ
夜間痛, 安静時痛 4,8,16週
shoulder pain and disability index (SPADI) 4,8,16週
Croft shoulder disability questionnaire scores 4, 8,16週
DASH 8,16週 HAQ 4,8週
?群間差なし
ROM
Stergioulas A. Photomed Laser Surg.2008
【結論】
レーザー治療は痛みや機能的スコアの改善に効果的
Ibrahim. Physiotherapy. 2014
?理学療法+ストレッチ vs 理学療法
Russell. J Shoulder Elbow Sur. 2014
?集団exercise vs 理学療法 vs Home exercise
?リハ前注射+理学療法 vs 理学療法
HsuWC. Plosone. 2015
Ibrahim. Physiotherapy. 2014
【目的】 「理学療法+ストレッチ」と「理学療法」 を比較し,
static progressive stretch device(SPS device)
の併用効果を検証すること
【対象】 拘縮肩患者60名
(年齢51.9歳,ステージ3or4)
【方法】
理学療法︰4週間(外旋関節mobi+ホットパック
+毎日ホームエクササイズを実施)
ストレッチ(SPS device)︰4週間(1日30分)
調査項目:肩ROM,DASH score,VAS
調査時期:初回,4,12,24,52週で調査比較
【結果】
?ROM 4週以後 ストレッチ併用群>理学
?DASH 12週以後 ストレッチ併用群>理学
?VAS 24週以後 ストレッチ併用群>理学
【結論】 ストレッチの併用は,理学療法のみよりも
短期長期ともに疼痛,機能を改善させる.
active外転
passive外転
passive外旋
【対象】 拘縮肩患者75名(年齢:51.1歳, 罹患期間:5.8ヶ月)
【方法】 集団exercise︰6週間(週2回) 理学療法︰6週間
Home exercise︰毎日
調査項目:Constant score(CS),SF-36,
Oxford Shoulder Score(OSS), HADS
調査期間:初回,6w,6ヶ月,1年で測定
Russell. J Shoulder Elbow Sur. 2014
【結果】 集団exerciseがCS,OSSを最も改善.
理学療法はHome exerciseよりCS,OSSを改善.
【結論】 集団exerciseが理学療法やHome exerciseより
も効果的である
HsuWC. Plosone. 2015
【方法】
理学療法:ストレッチ+関節mobi
注射:3ml1%リドカインをリハ前10?20分前に実施
痛みが7/10以上のときに実施し,最高10回に制限.
介入期間:介入は週3回,3ヶ月,
調査項目:関節可動域
Shoulder Disability Questionnaire(SDQ),
Shoulder Pain and Disability Index(SPADI)
調査時期:介入前と介入後,1?2?3?4?6ヶ月
【対象】 (PT/PT+inj)
年齢:56.4/54.9歳 罹患期間: 4.5/6.1ヶ月
【結果】 赤字が改善群
p&a屈曲?外旋:注射併用>理学のみ 3,4,6ヶ月
p&a内旋:群間差なし
SDI: 注射併用<理学のみ 1ヶ月
SPADI: 注射併用<理学のみ 6ヶ月
SF-36: 群間差なし
【結論】 リハ前のリドカイン注射は,理学療法のみ
よりも痛みや可動域を改善させる可能性がある.
*頻回の注射は軟骨へのリスクがあり,可能な限り少ない方が良い
【方法】 2014年11月までの徒手介入のRCT文献で収集
【結果】 12文献810名.年齢47.1?58.9歳,罹患期間2?3ヶ月
?7つの手技が評価された.
?Angular mobi (n=2), Cyriax approach (n=1), Maitland法 (n=6)は,疼痛
とROMを改善させた.
?translational mobi (n=1), posterior glidesは,外旋の改善に良い.
?Spine mobi&glenohumeral stretching併用, angular&translational
mobi併用は,シャム超音波よりもROM改善に優れている.
?High-intensity mobi (n=1)は,非介入よりConstant Murley Scoreは悪い.
?Mulligan法は疼痛とROMの長期効果を示している.
Noten.Archives of Physical Medicine and Rehabilitation 2016
【結論】 拘縮肩に対しての徒手介入は有効.多くの手技があるが,
Maitland法と他の手技の併用は推奨される.
【目的】 「関節mobi+ストレッチ」と「ストレッチ」 を比較し,
関節mobiの併用効果を検討すること.
【対象】 拘縮肩患者26名 平均54歳,罹患期間15週
【方法】 6週間(18回の介入)
関節mobi : distracionやglide
ストレッチ : cyclic stretching technique
両群ともにホームエクササイズを指導
6週(治療終了時)と1年でアウトカム調査
Celik. Clin Rehabil. 2015
【結果】
【結論】 関節mobi併用した方が6週でROM及び機能が良く,
その効果は1年後も持続している.
対象
2群間の比較 6週 1年
Song A. PM R. 2014
【方法】 拘縮肩にステロイド注射をした文献のみを調査
【結果】 25文献(7 prospective, 16 randomized trials, 2 retrospective)
対象:1492名.罹患期間:3.5?11ヶ月
?注射は,他の治療よりも短期(6週間)でのROM改善と痛み軽減.
?長期効果はプラセボやその他の治療と同様.
?超音波イメージガイド注射(下図:黒線)となしの注射の治療効果の差は結論が
出せない
【結論】 短期(6週)以内での注射は効果的,長期効果は他の治
療と変わらない.
VAS外転ROM
【目的】 拘縮肩に対して関節内ヒアルロン酸注射のみと、
注射と従来の治療(理学療法orステロイド注射)を併用し
た時のアウトカムを比較すること.
【方法】 2014年7月までの関連したRCTのみ
【結果】 4文献採用 273名(278肩)、54.5?64.2歳
病歴1?8.3ヶ月
【結論】 HA注射のみでの治療は有効といえず、伝統的
な治療との併用も有効とは言い切れない。
Lee. BioMed Research International. 2015
【目的】 糖尿病肩拘縮患者に対して、「NSAID」と「グルココルチコイド注射」
の効果を比較すること。
【対象】 対象57名 平均年齢54歳 平均DM期間9.4年
【方法】 発症6ヶ月以内の糖尿病肩拘縮患者。
NSAIDs: Naproxen500mg2錠を1日2回。
注射:triamcinolone40mg 超音波ガイド下
調査期間:介入前,1,2,6,12,24週で可動域と痛みを測定
さらに両群ともにホームエクササイズ指導あり.
【結果】 24週で痛みと可動域に群間差はなし.
Dehghan. Exp Clin Endocrinol Diabetes. 2013
【結論】 糖尿病肩拘縮患者に対してはNSAIDSとステロイド注射では差はない.
合併症を考慮すると,月1回の注射の方が適している可能性がある.
? 発症早期(炎症期)
?早期の痛みによる肩外転?外旋は拘縮肩を疑う.
?早期の理学療法関連の文献は少ない.
?早期の除痛はステロイド注射が有効.(長期効果は否定的)
? 拘縮?回復期
?集団的なエクササイズが個別介入よりも有効な可能性
(activeの重要性?).
?関節運動学に基づいた徒手介入をその他の治療と併用す
ることは痛みや肩機能改善に有効.
?拘縮期においてもリドカイン注射の併用は効果的な可能性.

More Related Content

拘縮肩に対するリハビリテーション 文献まとめ Fronzen shoulder Rehabilitation

Editor's Notes

  • #3: 対象 大きな外傷、手術歴のあるものは除外されている 関節注射して6週間の者も除外 方法 TSF:全体の屈曲 TSA:全体の外転 GHF:肩甲上腕関節の屈曲 GHA:肩甲上腕関節の外転 ERN:ニュートラルの位置での外旋      ERA:90°外転位での外旋 IRA:90°外転位での内旋 HBB:手、背中間距離
  • #8: 運動療法 ステージ2?3 理学療法はステージ2以上
  • #11: DASH score 上肢機能評価表 機能障害,症状に対する質問,スポーツ,芸術活動,仕事に関する質問 ホームエクササイズはプーリー,振り子運動を1日3回を10回繰り返し行う 頻度? 取り込み 患側ROMが健側ROMの50%以下、画像所見がない者、18歳以上など
  • #13: 拘縮肩が進行する前のPTを勧める 理学療法 関節mobi、軟部組織マッサージ、筋膜リリース、温熱療法、ストレッチ 集団  12項目を各4分 週2回  ホームエクササイズ 生活指導、資料配布
  • #17: Cyclic stretching アイソキネティックストレッチでありダイナモメーター、CPM装置などにより他動的に当該関節を一定にした角速度で任意の範囲を動かし、ストレッチ効果をだす。