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当事者研究を研究する
小平朋江 聖隷クリストファー大学 看護学部
いとうたけひこ 和光大学 心理教育学科
2018年10月7日(日)
ポスター発表13:00-14:00
第15回当事者研究全国交流集会 名古屋大会
愛知淑徳大学長久手キャンパス
7号棟3階731教室
(7号棟1階受付付近14:00~16:00)
1
苦労のプロフィール
小平(じわじわ)
いとう(ぴょんぴょん)
?ペースも性格も違う
?順調にいらっと爆発する
?限りなく良い苦労を抱え
て共同研究している
?2008年から、毎年、
浦河町のべてるまつりに
参加している
2
自己病名
?小 平 朋 江
(じわじわ:看護学)
寝ても覚めてもべてるの
家のことが気になってし
ょうがない症候群
?いとうたけひこ
(ぴょんぴょん:心理学)
多動注意散漫脱力系原
稿書けない病
3
小平?いとうの誤作動
今年8月「べてるまつりカフェぶらぶらでの小平?いとうの誤作動」
他人事メソッド(大矢英明,2014;2015;2018)で報告。
今日は、べてるまつり。カフェぶらぶらは、大賑わい、わいわいがやがや大繁盛。
小平さん、同じテーブルに和光大学グループの皆で座れて、にっこり。あっ、幻聴カレーきましたね~。
幻聴さん形ニンジンがカレーの真ん中に、パフェには幻聴さん形クッキーがついて、
幻聴さん、今にも動き出しそうですね~。
幻聴カレーの写真を撮りたい小平さん、機械が苦手でデジカメに、いらっとしています。
小平さん、学会ポスターに幻聴カレーの写真をかっこよく入れたいのです。
小平さんの様子に気づかない、いとう先生、横で「電池変えたの?」「幻聴パフェも撮ったら?」
「あーして」「こーして」、立て続けに言って、カレーを食べています。おいしそうですね~。
いとう先生のよくある誤作動ですね~。マイペースです。
あっっ、小平さん、いらっとしました!
「さっき電池変えたのっ」「先生は、うるさいのっっっ」と爆発!
小平さん、爆発後、写真も撮れて幻聴カレーを食べ始めます。今年の幻聴カレー、浦河の色鮮やかな野
菜で野菜好きの小平さんはご機嫌。いとう先生、小平さんの爆発に、むっとしていますね~。知らん顔でカ
レーを食べ続けています。一緒にいる和光グループのみんなは驚いて目がテンです。
べてるまつりのカフェぶらぶら、幸い大賑わい、小平さんの誤作動に気づく人は誰もいません???。
小平さん、幻聴カレーと幻聴パフェのいい写真が撮れて、よかったよかった。
4
研究の動機?目的
? いらっとしたり爆発したりしながら当事者研究を
研究しています。
? 貴重な研究成果が得られたので、その成果を、
尾張(終わり)から始まる当事者研究の名古屋大
会に集まる皆さんに発信して、わいわいがやがや、
楽しく共有したい。
5
研究の方法
? 当事者研究を研究する際、人が話したり書いたり
する単語や表現を数えたり、単語と単語の関係を
調べるときに使う「テキストマイニング」を用いてい
ます。
? これを使うと当事者研究の語りを可視化することが
でき、人と共有しやすくなります。
6
研究の経過と内容
? テキストマイニングとは、
集められたテキスト(文章)からマイニング(発掘)
? 『こころの元気+』を研究する
「私モデルになっちゃいました!」100記事を分析
ワクワクした気持ち、人生のふり返り、リカバリー
を楽しみたい思い
7
結果(1)当事者研究を研究する
? 『こころの元気+』から自己病名の分析
? 「べてるの家の当事者研究」120回連載記事
? 2007年5月号(第1考)~2017年4月号(第120考)
統合失調症を含む自己病名57を記述内容に沿って4分類
「症状とのつきあい」(28)
「自分とのつきあい」(15)
「人とのつきあい」(13)
「仕事とのつきあい」(1)
↓
「 しょう(症)じ(自)ひと(人)し(仕)とのつきあい」
の方法を発見するのがリカバリーのポイント 8
9
し
ょ
う
じ
ひ
と
し
結果(2)当事者研究を研究する
? 『こころの元気+』
「べてるの家の当事者研究」
120回連載の記事
2007年5月号(第1考)~2017年4月号(第120考)
「研究目的」の部分を分析した
10
? 基本情報
? 単語頻度分析
「研究」(69)
「自分」(67)
「思う」(61)
「苦労」(54)
「人」(32)
「始める」(30)
「メカニズム」(23)
「目的」(21)
「当事者研究」(20)
「解明」(16)「考える」(16)
「仕事」(16)「助け方」(16)
などであった11
結果(3)当事者研究を研究する
ビジュアル?ナラティヴ(やまだ,2018)の視点から
視覚イメージとことばによって語ること
人と人が並んで共におなじものを見る関係
皆で共に楽しめる新しい語りの方法
1、視覚イメージとことば
1)えがく(書く、描く):マンガ、グラフィックレコーディングなど
2)うつす(映す、写す、移す):DVD、VRなど
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結果(3)当事者研究を研究する
2、身体を活用する
1)あそぶ(演じる):プレイバックシアターなど
2)まとう(着る、着ける):幻聴さんイラスト入りTシャツなど
3)あじわう(食べる):幻聴カレー、幻聴パフェなど
3、多様な方法で表現
1)かなでる(演奏する):バンド演奏など
2)うたう(歌う):替え歌、「幻聴さんありがとう」と歌う、など
13
考察 UDR‐Peerサイクル
小平?いとう(2018)
語りを 公開(Uncovery)
対処法を 発見(Discovery)することと
回復(Recovery)は、関連が深い
仲間(Peer)とリカバリーの
プロセスを楽しみながら
「人としてのリカバリー」 (Slade,2013/2017)
を支え合う、「UDR-Peerサイクル」が重要
?向谷地(2015)
「並立的傾聴」「横並び」の関係
?「ならぶ」関係の
仲間=ピア、聞き手、読み手の存在に意
味がある 14
まとめ?感想
? 小平?いとうはペースが正反対
のため、問題だらけで誤作動
しながら共同研究しています。
? 爆発が成果を生み出すので、
爆発を楽しんでいると言葉を
変えてみると、それも自分の
ペースを守る自分の助け方で
はないかと爆発の意味に気づ
きました。
? これからも共同研究の人間関
係の苦労をしている当事者と
して、効果的な爆発の仕方も
実験しながら当事者研究を研
究して、その成果を皆さんに
発信したいと考えています。 15
謝辞
? このような貴重な研究の機会を下さいま
した北海道医療大学/浦河べてるの家の
向谷地生良先生、浦河べてるの家の
皆さまに記して感謝いたします。
浜松には「じゃんだらにぃ」がある。
静岡県浜松市「じゃんだらにぃ」の活動 http://www.npo-e-jan.com/
じゃんだらにぃとは?
2009年度から始まった取り組みで、精神科利用者が自身の病気の体験や回復までの過程
な
どを、自身の歴史や苦労、楽しみや夢も交えながら語る会です。年1回開催されます。
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ありがとうございました
? 本研究はJSPS科研費15K11827の助成を受けた。
? ご自由にお取りください。
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