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トラウマケアとPTSD予防のための
グループ表現セラピーとコミュニティ構築
~スリランカ研修会の実践報告~
井上孝代(明治学院大学)
いとうたけひこ(和光大学)
第25回多文化間精神医学会学術総会
ホテル日航成田
2018年11月10日(土)
一般演題3:口演(発表15分、質疑5分)
 G305 井上孝代?いとうたけひこ (2018, 11月) トラウマケアとPTSD予防のためのグループ表現セラピーとコミュニティ構築:スリランカ研修会の実践報告 第25回多文化間精神医学会学術総会  2018年11月9日-10日 ホテル日航成田
スリランカ
1 面積:6万5,607平方キロメートル(北海道の約0.8倍)
2 人口:約2,103万人(2016年)
3 首都:スリ?ジャヤワルダナプラ?コッテ
4 民族:シンハラ人(74.9%),タミル人(15.3%),スリランカ?ムーア人
(9.3%)(一部地域を除く)
5 言語:公用語(シンハラ語,タミル語),連結語(英語)
6 宗教:仏教徒(70.1%),ヒンドゥ教徒(12.6%),イスラム教徒(9.7%),キリ
スト教徒(7.6%)(一
部地域を除く値)
内戦?津波被害を受けた人々の
こころのケア(スリランカ)
? 戦
●スリランカでは、多数派のシンハラ人優遇政策とタミル人の反発に
よる対立が激しさを増し、1963年に内戦が勃発。2009年に終結す
るまでに約7万人が犠牲になった。また、04年には、スマトラ沖地震
による津波が発生し、約3万5000人が命を落とした。
●内戦や津波によって家族を失ったり、長期の避難生活によるスト
レスを受けたりした人々の中には、アルコール依存症や心的外傷後
ストレス障害(PTSD)などを発症し、社会生活が困難になり、貧困に
陥るケースも見られるという。心的ケアを必要とする人を支え、貧困
から抜け出す支援を図るため、同国政府は、その人材の育成を目的
としたプログラムの実施を、立正佼成会スリランカ教会を通じて佼成
カウンセリング研究所に要請した。
●被災地域で活動する同国社会福祉省のカウンセラー部門に所属
する公務員(400人)の中から、地域のリーダーを務める44人に研
修会を実施した。
Training
Communities in
Healing
Trauma:Based on
A Case Study of
the "Healing
Japan" Project
Takayo Inoue, Ph。D
Apr/2018
日程
●2018年4月4日(水)
午前: 開講式、導入(自己紹介、東日本大震災支援の経験、
JISPの活動)
午後: トラウマ?PTSD予防とグループ表現セラピー
(自己理解、相互理解、trust building)
●2018年4月5日(木)
午前: グループ表現セラピー(共感的対話)
午後: コミュニティ、キャパシティ?ビルディング、閉講式
Introduction
The most powerful earthquake ever
known to have shook the peninsula.
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Abstract
Introduction Content
1.Background and Psyco Social Support(PSS)
approaches
2. Japan IsraAID Support Program (JISP) activity
in Japan
3.Healing Japan Program
4. JISP International Center for Trauma-care and
Emergency Relief (JICTER)
5.Conclusion
1.Background and Psyco Social Support
The earthquake also caused serious damage to the
nuclear plant in Fukushima. The psychological
impact of the disaster and the emotional scars it left
for many did not fade away.
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At the same time, there is a worrying increase of
negative symptoms experienced by individuals such
as
-anxiety,
-chronic fatigue,
- depression,
-confusion,
-addiction to alcohol,
-cigarettes,
- gambling.
→ Psycho Social support (PSS)
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What is Psycho Social support (PSS)
Psycho Social support (PSS) is used to describe
any type of local or outside support that aims to
protect or promote psychosocial well-being.
In emergency situations, PSS activities include
programs such as: Building community resilience,
support groups, stress management and stress
relief, life skills, active listening, etc.. (The UN
IASC guidelines)
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2.JISP (Japan International support Program)
activity in Japan
●On March 11th 2011, Japan’s northeastern Tohoku
region was devastated by a powerful earthquake and
massive tsunami. The loss in human life and damage to the
infrastructure was overwhelming, and governments and
organizations rushed in to help.
●The first IsraAID teams arrived on the ground 4 days
after the tsunami and distributed aid, cleaned houses,
created child-friendly spaces, and rebuilt schools. During
this period, IsraAID discovered a worrying and rapidly
growing need for psycho-social and post-traumatic care,
and the organization launched the Japan IsraAID Support
Program (JISP). In 2013, IsraAID officially opened a branch
in Japan, Japan IsraAID support Program(JISP)
JISP activity in Japan
●In Japan,IsraAID provided intensive training programs in
the field of psycho social support and community resilience
to more than 2,500 participants in Tohoku.
● We identified a gap in the lack of PSS supporters on the
community level.
●In August 2013, IsraAID established JISP, its Japanese
branch aiming to build the capacity of Japanese service
providers in the field of PSS and provide support for
communities.
JISP: Goals & Objectives
The Japan IsraAID Support Program (JISP) aims to
provide Japan’s mental-health professionals with
educational training targeted at
?PTSD prevention techniques,
? trauma-care,
? stress-management,
? self-care,
?and Psychological First-Aid.
●
Healing Japan program is a scalable and
intensive training course aimed at developing
local professional networks capable of assisting
a traumatized population through non-verbal
techniques due to their cultural relevance in
Japan.
3.
”Healing Japan”Program
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 G305 井上孝代?いとうたけひこ (2018, 11月) トラウマケアとPTSD予防のためのグループ表現セラピーとコミュニティ構築:スリランカ研修会の実践報告 第25回多文化間精神医学会学術総会  2018年11月9日-10日 ホテル日航成田
Let’s paint islands for each group and plant your
trees,
Which you like please paint what you want to paint.
You can paint the ocean around the island
and color according to you wish.
45Apr/2018
Training Communities in Healing Trauma :
Based on A Case Study of the " Healing
Japan " Project by Rissho Kosei
Let's connect all the island
pictures
46Apr/2018
Training Communities in Healing Trauma :
Based on A Case Study of the " Healing
Japan " Project by Rissho Kosei
You can speak out?
What you felt during the two-day seminar.
While passing under the island
where all the trees are planted.
47Apr/2018
Training Communities in Healing Trauma :Based on A Case Study of the " Healing Japan " Project by Rissho
結語
●現場のカウンセラーには、相手の心の声を聴く技術とともに、地域
住民の絆を回復させ、コミュニティーを再生する役割が求められるた
め、講座では住民とのつながり、さらに、カウンセラー同士の連帯を
強める学習も併せて実施した。
●全てのプログラムは、協力や連帯によって物事を成し遂げる喜び
を得られるよう、グループワークによって行われ、受講者は、身体や
描画を使った表現活動を通じて自らの思いや、無意識の感情を表出
させる心理療法「アートセラピー」を体験した。描画のワークでは、そ
れぞれがA4サイズの画用紙に瓶の絵を描き、自らの感情に合う色
で中身を塗りつけた。制作された“感情ボトル”について、臨床心理学
的見地から説明した受講者は、このワークを通じて自覚していない自
己の内面に気づき、カウンセリングに生かす技術を学んだ。
●講座終了後、受講者の一人は、「私たちは日頃、それぞれに異な
る地域で仕事をしています。今日の講座を通して、離れていても協力
する、助け合う大切さを学びました。『私たちは決して一人ではない』
という気持ちになれました」と語った。

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