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GVA法律事務所
~教育系ベンチャー企業が知っておくべき法律問題~
ベンチャー紛争12選
~ベンチャー企業に起こりがちな紛争のパターンと解決の方向性~
2017.12.07
Copyright (C) 2017 GVA Law Office All Rights Reserved.
目 次
1. 創業株主間紛争
2. 投資家との紛争
3. 知的財産権紛争?その1~特許?著作権侵害~
4. 知的財産権紛争?その2~新規サービスの商標権~
5. 知的財産権紛争?その3~業務委託先等の著作権~
6. 競業避止義務問題
7. 個人情報漏えい問題
8. システム開発紛争?その1~成果物に関する紛争~
9. システム開発紛争?その2~報酬に関する紛争~
10. 労務紛争?その1~残業代問題~
11. 労務紛争?その2~問題社員?解雇問題~
12. 風評被害
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1:創業株主間紛争(1/2)
● 重要事項を株主総会で決定しようにも、離脱創業者の動向が読めず、会
社の重要事項の意思決定をスムーズに行えないおそれが生じる。
● 離脱創業者が、会社と残存創業者に対して、保有する会社株式を法外な
値段で買取ることを要求されてしまうことがある(不当買い取り要求)。
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共同創業者と創業時の持株比率を50%:50%で会社を設立した
ものの、その後、共同創業者の一方と喧嘩別れしたため、この者の離
脱後も50%の株式を持たれたままの状態となってしまった場合
紛争のパターン
想定される紛争のリスク
1:創業株主間紛争(2/2)
離脱創業者の株式にかかる議決権の行使を経営株主に一任す
る旨の覚書を締結する。
-重要事項の意思決定に不安がない体制作りが必要
-会社の経営が上手くいき、イグジットした方が、離脱株主にとっても利益
株式を経営陣又は経営陣と協力的な第三者の下に戻す。
-経営陣や会社は資金力や財源規制から、株式の買い戻しは困難
-経営陣と友好的な第三者を探して買取を依頼
-買取条件の交渉、新たな株主間契約の作成が必要
増資により離脱創業者の株式比率を希釈化させる
-増資により、残存創業者の支配権を強化=離脱創業者の影響力を縮小
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このようなケースは、会社設立後直ぐに株主間契約を締結しておけば防げた
はず。では、こうした事態が生じた後には、どのように解決すればよいか。
解決の方向性
採りうる手段
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紛争のパターン
ビジネスの新規立ち上げ後、投資家から出資をしてもらうことになっ
た場合、投資契約書?株式引受契約書等で、その出資による持株比率
や出資に際しての取り決めについて問題となりうる。
問題となり得る主な例
● 投資家の出資後の持株比率が大きすぎる場合
● 株主の事前の同意が必要な内容が広範に及ぶ場合
● 表明保証条項違反(事前に一定の事由が存在すること又は存在しない
ことを表明?保証する条項に違反すること)ex.会社の訴訟事件が係属
していないこと、計算書類が正確であること
2:投資家との紛争(1/4)
● 投資家の持株比率が大きすぎて株主総会の各議案が経
営株主単独では決議できない場合、またある経営に関
する重要事項の決定をする場合に株主の事前の同意が
必要な場合に、当該株主の同意が得られないことによ
り事業が進められないリスクがある。
● また、表明保証条項に違反した場合には、出資金の返
還や損害賠償請求を求められるリスクがある。
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想定される紛争のリスク
2:投資家との紛争(2/4)
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2:投資家との紛争(3/4)
● 投資契約書?株式引受契約書等の締結前の段階
? 出資金額やそれに基づく株式の比率については、企業価値(バリュ
エーション)やいくら資金調達する必要があるのかなどが前提とな
って決定されることになる。この場合、出資金額にのみ関心が向き
がちだが、出資後の投資家の持株比率にも気を配ることが重要。
上記の大枠で合意が取れた後は、契約書の締結に進むことになるが、
その際にも契約書の内容を事前に精査し、株主の事前同意の必要な
事項が広過ぎないか、表明保証条項に違反するリスクはないか等を
チェックする。
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解決の方向性
2:投資家との紛争(4/4)
● 締結後にすでに紛争となった段階
? 投資家の事前の同意が必要な場合等には、投資家に対し、問題となっ
ている同意対象案件を進めることによって投資家にとっても利益にな
ることを説明して交渉をする(法的に強制的に決議や同意を取ること
はできない)。
? 表明保証条項違反が明らかになった場合には、すみやかに投資家に説
明し、対応策を協議するべきである。違反内容にもよるが、改善策を
積極的に提示することによって、投資家が出資金の返還や損害賠償を
保留にする可能性もあり得る。隠蔽してしまうと、それが露見した場
合にはかえってその責任を厳しく追及されるおそれがある。
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解決の方向性
3:知的財産権紛争?その1(1/4)
~特許?著作権侵害~
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紛争のパターン
共同発明の対象物について権利者が誰か争いとな
る場合。
従業員が著作物の制作に関わる場合。
知的財産権譲渡の合意の有無が争いになる場合。
他社に自己の知的財産権を侵害された、ないし、
他社の知的財産権を侵害してしまった場合。
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3:知的財産権紛争?その1(2/4)
~特許?著作権侵害~
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想定される紛争のリスク
事業が軌道に乗り、利益が生じた後に、権利や利
益関係について争いが生じる。
権利が会社に帰属するのか従業員に帰属するのか
(原始帰属)について、争いが生じる。
権利移転の合意の有無が問題となる。
差止請求や損害賠償請求を受ける、ないし、同請
求をする。
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3:知的財産権紛争?その1(3/4)
~特許?著作権侵害~
合意書の作成
? 知的財産権の帰属が不明瞭となり、せっかくの発明が十分
に活用できない等、業務の運行に支障を来すおそれを回避
する。合意の時期等にも留意する。
職務著作該当性
? 誰の発意か、業務従事性等に着目して、解決方法を探る。
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解決の方向性(ポイント一例)
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3:知的財産権紛争?その1(4/4)
~特許?著作権侵害~
合意書の作成?経緯の整理
? 権利帰属、譲渡、対象範囲、条件等を明示的に合意する。
? 争いが生じた後は、契約書の記載や一連の経緯から、主張?立証
を試みる。
リサーチ?立証の見通し
? 当初から、法や規約に適合するサービスの構築(適法性リサー
チ)を目指す。
? 権利帰属について確認する。
? 侵害行為があるのか行為態様等を検討、立証の見通しを立てる。
? 賠償額として適当かを検討する。
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解決の方向性(ポイント一例)
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4:知的財産権紛争?その2(1/2)
~新規サービスの商標権~
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紛争のパターン
新サービスを立ち上げたが、その際「サービス名」について特段法的な観点
を考慮せずにネーミングしてしまったところ、他社の登録商標名とサービス
名が類似してしまっていた。
想定される紛争のリスク
● サービス名の差止請求
? ひいては???
? 商品やパッケージの制作し直し、サイト総入れ替え、広告訂正、 …
等々、名称変更に伴う膨大なコスト
● 損害賠償請求
? 名称利用料相当額の損害賠償
? 信用毀損に伴う損害賠償 etc.
4:知的財産権紛争?その2(2/2)
~新規サービスの商標権~
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解決の方向性
■ 商標権侵害を争う場合 (「商標権を侵害していない!」)
? 請求者の有する商標権の範囲と同一でも類似でもない旨を主張
? 不使用取消審判
? 商標権の無効を主張
■ 商標権侵害自体は争わない場合(「非は認めます???。」)
? 名称変更
◆ 損害賠償額の減額?免除の交渉
? ライセンス契約締結
◆ ライセンスフィーを支払って名称を使わせてもらう
契約条件交渉
■ 補足 予防の観点から…
? サービス開始時には、名称のリーガルチェックも行うべき!
5:知的財産権紛争?その3(1/2)
~業務委託先等の著作権~
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紛争のパターン
何ら契約を締結することなく、知人や業者にサイト?アプリ等の制作を
委託していた場合。
会社立ち上げ前に、チームでウェブサイトやアプリを共同制作し、その
後発展的に法人を立ち上げる場合。
1
2
想定される紛争のリスク
● 著作権は、原則として著作物を創作した者に帰属する。しかも、何らの登録手
続も不要であるため、創作したときに自動的に発生してしまうもの。
● そうすると、①の場合に契約書などで著作権の移転に関する取り決めがなされ
ていない場合には、原則として委託先に著作権が帰属してしまうことになる。
● また、②の場合に共同制作していた個人が会社を離脱した場合に、著作権が当
該個人に帰属したままとなっており、会社で著作権の主張をできないことにな
る。
5:知的財産権紛争?その3(2/2)
~業務委託先等の著作権~
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解決の方向性
● 業務委託先や共同制作者が著作権の主張をとくにしていない場合
? 成果物の著作権は会社に帰属する旨の取り決めを書面ですみやかに行うこ
と。とくにこれから委託する場合には、必ず取り決めを行うこと。
● 業務委託先や共同制作者が成果物の著作権をすでに主張してきてい
る場合
? 著作権の帰属についての争いになる。
契約書がないとしても、メールやチャット等で著作権が会社側に帰属していることを認め
る内容のやり取りがあるとか、その後の当事者間の振る舞いで当然に会社側への帰属を前
提としている行動があることなどにより、会社側に帰属が認められる可能性もあるため、
関係するやり取りなどの資料は保存しておく。
? 著作権の帰属で争うことができない場合
著作権譲渡の交渉を行うことになる。この場合には金銭補償などを提示して先方が納得で
きる解決策を探ることになる。
6:競業避止義務問題(1/2)
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紛争のパターン
退職した元従業員が、競合企業に転職。退職前に入手した当社の顧客
リストをつかって営業活動をしているらしい!退職にあたって、特に
「退職時誓約書」のようなものは取得していない。
想定される紛争のリスク
● 顧客減少に伴う売上減少
● 企業秘密の流出
● 風評被害
6:競業避止義務問題(2/2)
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解決の方向性
● 事実関係の確認
? 顧客からのヒアリング
? 証拠収集、保全 etc.
● 交渉
? 合意獲得を目指す(合意書、誓約書)
◆ 顧客リストの使用中止、データ削除
◆ 当社既存顧客への営業活動を行わない
◆ 会社の信用を毀損するような行為を行わない??? etc.
● 交渉&訴訟
? 不正競争防止法に基づく損害賠償請求、差止請求
◆ 同法にいう「営業秘密」該当性が問題に???。
● ちなみに:もしも「退職時誓約書」等で、秘密の使用禁止や競業行
為を禁止していれば???
? 誓約書違反に基づく損害賠償請求、差止請求ができた可能性も??。
7:個人情報漏えい問題(1/2)
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紛争のパターン
事業者が、顧客から預かっていた個人情報を漏えいさせてしまったパタ
ーン。
サイト運営者が、サイト利用者から個人情報を取得し、同情報の管理を
第三者に委託していたところ、情報が流出した事例。
想定される紛争のリスク
の想定紛争
? 顧客から債務不履行に基づく損害賠償請求ないし、不法行為に基づく損害賠
償請求をされる。
の想定紛争
? サイト運営者がサイト利用者から賠償請求を受ける一方で、第三者(情報管
理を委託していた場合の受託者等)に対して、債務不履行に基づく損害賠償、
不法行為に基づく損害賠償等を請求する。
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2
7:個人情報漏えい問題(2/2)
● 対顧客?サービス利用者との関係
○ 合意内容での明示
○ 情報漏えいの場合の責任(賠償額の範囲、弁護士費用等)
○ 義務の範囲
○ 管理方法 等
○ 管理体制の整備?立証
■ 管理体制の整備及び明確化、紛争に発展した場合にはこれらの立証
● 対第三者(受託者)との関係
○ 合意内容の明示
■ 受託者の責任(事業者がサービス利用者へ賠償した場合、受託者に請求できるのか
等)
■ 注意義務(どの程度の注意義務を負うのか、管理方法について等)等
○ 情報漏えい発覚時の対応
■ 報告義務や措置に関する定め
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解決の方向性
8:システム開発紛争?その1(1/3)
~成果物に関する紛争~
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紛争のパターン
自社サービスに用いるシステム開発をベンダに委託したところ、ベンダから
は、想定していたものと大きく異なる成果物が納入された。修正を依頼した
が、ベンダはこれ以上修正すべき点はないと言い張っている。
想定される紛争のリスク
ユーザー企業が引き続き完成?瑕疵の修補を求め、代金を支払わないで
いたところ、ベンダから報酬支払請求訴訟を提起されることが考えられ
る。
ユーザー企業もしびれを切らし、ベンダに対して、債務不履行を理由と
した開発契約の契約解除を主張することが考えられる。
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8:システム開発紛争?その1(2/3)
~成果物に関する紛争~
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解決の方向性
争点:完成の有無、瑕疵の有無?程度(内容)など
訴訟提起前のユーザーTo Do
合意した仕様等が確認できる資料の収集?確保
従前のやりとりが確認できるメール?チャット?議事録等の収集?確
保
検収不合格通知の送付
ベンダに修正を求める
成果物を用いたサービス等をリリースしない
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8:システム開発紛争?その1(3/3)
~成果物に関する紛争~
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訴訟提起前のベンダ To Do
合意した仕様等が確認できる資料の収集?確保
従前のやりとりが確認できるメール?チャット?議事録等の収集?確
保
みなし検収規定の確認
軽微な瑕疵である場合には早期に修正する
成果物が利用されている証拠の収集(画面のスクリーンショット等)
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9:システム開発紛争?その2(1/2)
~報酬に関する紛争~
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紛争のパターン
業務委託料の額や支払時期について争いになるケース
追加開発や仕様変更の報酬請求の可否が問題となるケース
想定される紛争のリスク
委託者?受託者間で、委託業務の対価?料金、支払期限、遅延損害金等
について争いになる。
仕様変更や機能追加等の追加の開発作業が必要となった場合に、当該作
業の報酬を請求することができるか争いになる。
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1
2
9:システム開発紛争?その2(2/2)
~報酬に関する紛争~
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解決の方向性(検討事項の一例)
業務委託料や支払時期について
● 合意内容の明確化?経緯の確認
? 基本契約書(法的性質が請負か準委任か)ないし個別契約書(業務内容、実施期間、
スケジュール、仕様、額、支払い条件等)
? 紛争に至った場合は、合意に至る経緯等を確認
● 請求の成否
? 仕事が完成しているか、検収、瑕疵担保責任の有無等
追加の開発作業の報酬について
● 請求権の成否
? 仕事が完成しているか、検収、瑕疵担保責任等
● 追加の開発業務といえるか。
? どのような業務を前提に報酬額が決定されたのか等
● 報酬額について
? 合意がされているか、額として適当か等
● 反訴可能性
※上記事項を、委託者?受託者それぞれの立場で検討
1
2
10:労務紛争?その1(1/2)
~残業代問題~
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紛争のパターン
従業員に対して、固定残業代を支払っており、それ以外の残業代が支払
われていない場合。
毎日定時に出勤してもらっているが、業務委託契約としているため残業
代を支払っていない場合。
想定される紛争のリスク
■ 残業代の支払は法律上定められている従業員の権利であるため、従業員との間において、何の
取り決めもない、あるいは残業代を支払わない旨の合意がある場合でも、必ず支払わなければ
ならないもの。
■ このため、①の場合、固定残業代制度を導入していたとしても、固定分を超過する部分につい
ては残業代が発生する。
■ また、当事者間の関係は実態で判断されるため、②の場合のように契約上「業務委託契約」と
されている場合においても、実態が通常の従業員と変わらない場合には、「雇用契約」と認定
され、残業代が認められてしまう。
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2
10:労務紛争?その1(2/2)
~残業代問題~
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解決の方向性
■ 残業代の請求をされてしまった場合
まず、そもそも残業代が発生するのかを確認
? 業務委託ではないか、管理監督者ではないか、等
つぎに、残業代の金額を計算する
? タイムカードやその他の根拠資料に基づく
①と②をもとに請求されている金額が認められるかを確認
※なお、残業代は原則として2年前まで遡って請求される
? 賃金債権は2年の消滅時効となっているため
● なお、法律上、タイムカードにも3年間の保管義務が定められている
と解されているため、これを会社側で破棄したり、開示に応じないこ
とは会社に訴訟上不利に扱われる。
∴残業代問題が顕在化する前に、残業代が発生するか否かの確認と残業代
制度の見直しが不可欠。
1
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11:労務紛争?その2(1/2)
~問題社員?解雇問題~
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紛争のパターン
無断欠勤が続いていた社員について、就業規則に記載された懲戒事由「正当
な理由のない無断欠勤」があったとして懲戒解雇したところ、不当解雇だと
主張された。
就業規則に明記された手続に従っているのに、問題があるのか??
想定される紛争のリスク
● 労働基準監督署への駆け込み
? 処分の如何にかかわらず、その後労基署のチェック?対応が厳しく
なる傾向に???
● 労働審判、労働訴訟???
?解雇無効、未払賃料&慰謝料請求 *遅延損害金つき
11:労務紛争?その2(2/2)
~問題社員?解雇問題~
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解決の方向性
? 懲戒解雇の正当性を確認
– ただし、懲戒解雇は厳しい要件をクリアした場合にのみ認められる
傾向
– 就業規則に懲戒の事由と処分の内容が明確に規定されている
– 対象従業員に弁明の機会を付与するなど適性な手続を経て行われた
– 懲戒解雇とすることが「客観的に合理的な理由があり」、かつ「社会
通念上相当」
– ?今回の事例では、懲戒解雇の有効性が認められないリスクが高い
? 会社がなしうる(検討しうる)対応
– 雇用契約性を争う
– 懲戒解雇以外の解決方法の検討
– 合意退職の成立、解雇への同意
– 普通解雇としての有効性の主張
– (解雇無効の場合)解雇期間中の賃金収入(中間収入の控除)
– その他、不当に請求額が上がってしまわない等のための専門家のチェック etc.
12:風評被害(1/2)
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紛争のパターン
転職に関する情報掲示板サイトに、かつての従業員が事実と異な
る会社の悪評を投稿していた場合
匿名掲示板や他のブログ記事等に事実と異なる会社の悪評が記載
されていた場合
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想定される紛争のリスク
転職を希望していた転職希望者が、①のサイトを閲覧したことにより、
転職を取りやめてしまった。
取引を検討していた企業が、②のサイトを閲覧することにより、取引を
控えることを決定した。
? 上記リスクを排除するため、投稿の削除と発信者への損害賠償請求(再投稿
に対する抑止効果を期待)をする必要がある。
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12:風評被害(2/2)
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解決の方向性
● 検討すべき手段
削除請求
? コンテンツ管理者等に対して投稿された記事の削除を求める請求
発信者情報開示請求 → 発信者に対する損害賠償請求
? ネット上の投稿は匿名性が高く、通常は誰が投稿者かを知ることは困難
? 投稿に用いられた通信のIPアドレス等から辿っていくことが可能
? コンテンツサイト管理会社など → ネットプロバイダ → 投稿者本人
● 請求の検討順序
任意請求 → 仮処分(緊急の裁判手続)→ 訴訟の順での検討?請求が一般的。
※ 発信者たる契約者情報の開示および損害賠償請求自体は、最終的に訴訟で行う
必要あり。
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事務所概要
Copyright (C) 2017 GVA Law Office All Rights Reserved. 31
事務所名 GVA法律事務所
URL http://gvalaw.jp/
設立年月日 2012年1月4日
代表弁護士 弁護士山本俊
所属弁護士
弁護士藤江大輔 弁護士森田芳玄 弁護士鈴木景 弁護士桜井淳雄 弁護士戸田一成 弁護士恩田俊明
弁護士本間由美子 弁護士重松大介 弁護士渡邉寛人 弁護士小名木俊太郎 弁護士飛岡依織 弁護士
金子知史 弁護士康潤碩(カンユンソ) 弁護士大橋乃梨子 弁護士森田大夢 弁護士仲沢勇人
電話番号 03-6712-7525
E-mail info@gvalaw.jp
所在地 東京都渋谷区恵比寿西一丁目7番7号 EBSビル3階
メンバー
弁護士(海外常駐、弁理士資格?社労士資格保有者含む) 17名
マレーシア弁護士有資格者 1名 司法書士 1名 事務局?パラリーガル 11名
業務内容
ベンチャー企業に対する法的支援
IT企業に対する法的支援
アジア進出企業に対する法的支援
上場企業/ベンチャーキャピタル/その他企業に対しての法的支援全般
拠点概要
【自社拠点】
シンガポール、タイ
【提携先】
マレーシア、インドネシア、ベトナム、中国、アメリカ等
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ご相談?お問い合わせ先
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TEL:03-6712-7525
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