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第10章 総需要II.IS-LM分析とAD曲線
市東 亘
shito@seinan-gu.ac.jp
2021 年 1 月 19 日
1 IS-LM モデルによる変動の説明
IS-LM モデルを用いた比較静学を行なう.
(1) 拡張的財政政策(T の変化は各自で)
?
?
?
IS: Y = C(Y ? T) + I(r) + G
LM:
M
P
= L(r, Y )
G ↑ =? 曲線が へシフト(Ch9 参照)
1
www.seinan-gu.ac.jp/?shito 2021 年 1 月 19 日(12:35) 更新版
インプリケーション
G ↑ で乗数効果を通して有効需要増大.E0 ?→ E′
=? Y の増大により 需要
=? を売って を得ようとする
=? 市場は超過供給 =? r
=? の上昇により より の方が魅力的になり
市場の超過需要が改善され, 市場の超過供給が改善される.
=? 利子率の上昇は企業が採用する投資プロジェクトを減少させるため,
が起こり E′
?→ E1 となる.
留意点
(a) 古典派と違い投資のクラウンディング?アウトは::::
フル?クラウディング?アウトではない.
(b) 実際には財市場の調整より金融市場の調整の方が速いため,有効需要の増大と利子率上
昇によるクラウディング?アウトが同時の生じて,LM 曲線上を E0 ?→ E1 へと直接調
整されると考えられる.
(c) クラウディング?アウトは政府による民間需要の横取りと考えることも出来る.一般に,
民間の投資プロジェクトの方が政府の公共プロジェクトより効率的と考えられるため,
クラウディング?アウトはあまり望ましくない.
西南学院大学 マクロ経済学 I 2 担当 市東 亘
www.seinan-gu.ac.jp/?shito 2021 年 1 月 19 日(12:35) 更新版
(2) 拡張的金融政策
?
?
?
IS: Y = C(Y ? T) + I(r) + G
LM:
M
P
= L(r, Y )
M ↑ =? 曲線が へシフト(Ch9 参照)
インプリケーション
M ↑ =? 貨幣市場超過供給.貨幣需要はそのままなので,新たに供給された貨幣で収益
率の高い債券を購入しようとする.
=? 債券市場は超過 =? r
=? r で投資需要 =? 効果から Y
=? 結局,r Y で E0 ?→ E1 へ
西南学院大学 マクロ経済学 I 3 担当 市東 亘
www.seinan-gu.ac.jp/?shito 2021 年 1 月 19 日(12:35) 更新版
(3) ポリシー?ミックス
拡張的財政政策 =? 利子率上昇で投資のクラウディング?アウト
?
これを防ぐために金融政策を併用
拡張的金融政策と合わせることで,利子率を一定に保ち投資のクラウディング?アウトを回
避出来る.
西南学院大学 マクロ経済学 I 4 担当 市東 亘
www.seinan-gu.ac.jp/?shito 2021 年 1 月 19 日(12:35) 更新版
2 総需要曲線(AD 曲線)
(1) IS-LM モデルから総需要曲線へ
財市場 IS
貨幣市場 LM
}
=? AD 曲線( と の関係)
P ↑ =? 市場超過
=? 均衡取り戻すためには
?
??
??
1? r 固定で Y
2? Y 固定で r
=? 曲線 にシフト
故に,財?貨幣両市場が均衡している下では P ↑ =? Y
西南学院大学 マクロ経済学 I 5 担当 市東 亘
www.seinan-gu.ac.jp/?shito 2021 年 1 月 19 日(12:35) 更新版
(2) 財政政策と AD 曲線
G ↑ =? 曲線が へシフト
西南学院大学 マクロ経済学 I 6 担当 市東 亘
www.seinan-gu.ac.jp/?shito 2021 年 1 月 19 日(12:35) 更新版
(3) 金融政策と AD 曲線
M ↑ =? 曲線が へシフト
西南学院大学 マクロ経済学 I 7 担当 市東 亘

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