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科学データ保存事業ICSU‐WDSと
オープンサイエンスの国際動向
村山泰啓
(日本学術会議特任連携会員/ICSU‐World?Data?System?ex?officio/
情報通信研究機構 統合データシステム研究開発室長)
渡邊堯
(日本学術会議WDS小委員会委員長/WDS‐IPOシニアアドバイザ/
情報通信研究機構招へい専門員/名古屋大学名誉教授)
International?Programme Office?Hosted?by
Based?in?Tokyo,?Japan
海洋データ?情報管理の将来を考える
?日本海洋データセンター設立50年の歴史と今後?
東京大学小柴ホール、平成28年3月18日(金)
自己紹介
? 内閣府
– 「国際的動向を踏まえたオープンサイエンスに関する検討会」(H26)
– 「オープンサイエンス推進に関するフォローアップ検討会」(H27)
? 国立国会図書館科学技術情報整備審議会
– 専門委員、基本方針検討部会
? 日本学術会議(特任連携会員)
– 情報学委員会国際サイエンスデータ分科会
– フューチャーアースの推進に関する委員会
? 情報通信研究機構(NICT)
– 統合データシステム研究開発室長
? 日本地球惑星科学連合理事(情報担当)
– 地球惑星科学関連学会50学会の連合(会員~8000人)
? 国立極地研究所南極観測審議委員
? 京都大学生存圏研究所客員教授(H25)/非常勤講師、
首都大学東京システムデザイン学部
科学データマネジメント、科学と社会のありかた
地球科学、大気科学?超高層物理学、レーダーリモートセンシング
ICSU‐World?Data?System?(WDS)
とは?
[荒木徹(2015)より]
世界資料センター(WDC)の実質的スタート
World?Data?Center(2006年まで)の認定機関(世界全体で50機関)
地球科学、環境、宇宙関係が多かった。
大気光
(Airglow)
日本《国立天文台》
天文学
(Astronomy)
中国
大気希ガス
(Atmospheric?Trace?Gases)
米国
オーロラ
(Aurora)
日本《国立極地研究所》
生物多様性?生態学
(Biodiversity?and?Ecology)
米国
気候
(Climate)
ドイツ
宇宙線
(Cosmic?Rays)
日本《名古屋大学》
地球潮汐
(Earth?Tides)
タヒチ
地質学
(Geology)
中国
地磁気学[?????????]
(Geomagnetism)
デンマーク
地磁気学[???????]
(Geomagnetism)
英国
地磁気学[京都]
(Geomagnetism)
日本《京都大学》
地磁気学[?????]
(Geomagnetism)
インド
氷河学[??????]
(Glaciology)
米国
環境中の人的交流
(Human?Interactions
in?the?Environment)
米国
氷河学、氷雪学[蘭州]
(Glaciology?and?geocryology)
中国
電離層
(Ionosphere)
日本《情報通信研究機構》
土地被覆データ
(Land?Cover?Data)
米国
海洋環境科学
(Marine?Environmental?
Science)
ドイツ
地球物理?海洋地質学
( Geophysics?and?Marine?
Geology?)
米国
海洋地質?地球物理学
[????] (Marine?Geology?
&?Geophysics)
ロシア
気象学[???????]
(Meteorology)
米国
気象学[北京]
(Meteorology)
中国
気象学[???????]
(Meteorology)
ロシア
海洋学[???????]
(Oceanography)
ロシア
海洋学[?????????????]
(Oceanography)
米国
海洋学[天津]
(Oceanography)
中国
古気候学
(Paleoclimatology)
米国
リモセン土地データ
(Remotely?Sensed?Land?Data)
米国
大気リモートセンシング
(Remote?Sensing?of?the?
Atmosphere)
ドイツ
再生可能資源?環境
(Renewable?Resources?and?
Environment)
中国
ロケット?衛星
(Rockets?and?Satellites)
ロシア
衛星情報
(Satellite Information)
米国
科学衛星
(Space?Science?Satellites)
日本《宇宙科学研究所》
地球回転[???????]
(Rotation?of?the?Earth)
ロシア
地球回転[?????]
(Rotation?of?the?Earth)
米国
地震学[??????]
(Seismology)
米国
地震学[北京]
(Seismology)
中国
土壌
(Soils)
オランダ
太陽活動
(Solar?Activity)
フランス
太陽電波
(Solar?Radio?Emissions)
日本《国立天文台》
宇宙空間物理学[??????]
(Solar?Terrestrial?Physics)
米国
宇宙空間物理学[????]
(Solar?Terrestrial?Physics)
英国
宇宙空間物理学[????]
(Solar?Terrestrial?Physics)
ロシア
宇宙空間科学[?????]
(Solar?Terrestrial?Science)
オーストラリア
地球物理学[北京]
(Geophysics)
中国
固体地球物理学[????]
(Solid?Earth?Physics)
ロシア
宇宙科学
(Space?Science)
中国
太陽黒点指数
(Sunspot?Index)
ベルギー
氷河学[????????]
(Glaciology)
英国
2008年6月時点
5
国際科学会議(ICSU: International?Council?for?Science)
科学界の国連と呼ばれる非政府?非営利の国際学術機関
【設立】 1931年 【事務局】 パリ
【会長】Prof.?Gordon?McBean (カナダ、2007年ノーベル平和賞受賞団体IPCC活動メンバー、2010年カナダ国家勲章
等受賞。)
?「国家科学アカデミー」「国際学術連合」等がメンバーとして加盟
?UNESCO、UNEP(*)等の国連のシステムとも連携
?国際地球観測年、世界気候研究計画、生物多様性国際共同研究計画等の国際的取組を立ち上げ
?加盟アカデミー等からの分担金等により運営
オーストラリア
科学アカデミー
カナダ
国家研究会議
デンマーク
王立アカデミー
中国
科学技術協会
ドイツ
研究協会
ハンガリー
科学アカデミー
インドネシア
科学院
インド
科学アカデミー
イタリア
学術研究会議
大韓民国
学術院
ノルウェー
科学文学アカデミー
ニュージーランド
王立学士院
ロシア
科学アカデミー
スウェーデン
王立科学アカデミー
タイ
国家研究会議
スイス
科学アカデミー
?
?
?
?
?
?
?
?
?
?
?
?
国家科学アカデミー(142か国からの代表) 国際学術連合
(各学問分野代表:31)
国際生物科学
連合
国際結晶学連合
国際測地学?
地球物理学連合
国際地質科学連
合
国際科学史?
科学基礎論連合
国際純正?
応用化学連合
国際薬理学連合
国際電波科学連
合
?
?
?
?
?
?
日本学術会議
全米
科学??????
フランス
科学アカデミー
王立協会(英) 国際天文学連合
国際生化学?
分子生物学連合
国際科学会議
(ICSU:the?International?Council?for?Science)
(*)UNESCO:国連教育科学文化機関、UNEP:国連環境計画 6
cf.?Intl.?Assoc.?
Academies (1899)
ICSU-WDS(世界科学データシステム)の創設
7
かつて
(1950年代~)
2006年頃~
現在
(2008~)
WDC (World Data Center)
?(紙やフィルム等をベースにして)
各国の機関が科学データを保管する態勢
FAGS (Federation of Astronomical and
Geophysical Data Analysis Services)
?天文、地球物理学データの解析サービスの提供態勢
再編
●最新のIT技術への対応の遅れ
●分野横断型のデータ利用への対応の遅れ
●分野の偏り
WDS創設:2008年10月28日
ICSU? 第29回総会にて決議
WDC(全世界で50センター、
日本では7センターが認定)
...等の問題点を検討
(*)ICSU:国際科学会議。源流は1899年。1931年に
現在の形となる。国連等で科学技術分野代表などを
務める。国際NGOとして活動(本部:パリ)。
ICSU‐WDS?members?(加盟機関):合計95メンバー(2016年3月現在)。
NASA, 中国科学院、京大、バーミンガム大、国連、等の内部データ機関や、ワイリー
社、エルセビア社等大手学術出版社、等が加盟している。
*
Regular?Members:科学データ保管?保有?サービス機関。61メンバー※)
(IRIS、PANGAEA、NSIDC?DAAC、DANS、京都大地磁気センター、京大RISH、
NICT電離圏?宇宙天気WDCほか)
注)上図は単純化した模式図
Partner?Members:WDSや関連事業を具体的に支援?協賛する。6メンバー※)
(データ保管?サービスをしない)。
(IUGG、SCOSTEP、GGOS、DataCite、ESIP、IEDRO)
Associate?Members:WDSに関心をもち議論に参加する。18メンバー※)
(ワイリー、エルセビア、IUGS、仏科学アカデミー、NZ王立協会、CODATA、RDAほか)
Network?Members:複数のデータ保有機関からなる団体。10メンバー※)
(IODE,?INTERMAGNET?, International?Virtual?Observatory?Alliance?(IVOA),?
NASA?ESDIS?Project, DORIS, など)
8
ICSU-WDS Membership
( )内は機関?団体数
※) 平成28年3月現在
ICSU‐WDS?on?the?IODE?web?site
? “ICSU?and?IODE?have?been?partners?since?the?early?
1960s?through?the?ICSU?system?of?World?Data?
Centres (WDCs)”
? IODE?has?been?recognized?as?a?“network?member”
(group?of?regular?members)?of?ICSU‐WDS.
? In?February?2013?ICSU?and?IOC/IODE?signed?a?Letter?
of?Agreement…
http://www.iode.org/index.php?option=com_content&view=article&id=396&Itemid=100143
Lesley RickardsAriel Troisi
Members?
of?former?WDS
Scientific?Committee
(2012‐2015)
ICSU‐WDSの近年の活動課題例
? データを世に出すメカニズム:「データ出版」モデル
(運用、実例、計量のモデル検討;大手学術出版社も参加)
? データ出版を支えるビジネスモデル
(費用回収モデルの検討;大手学術出版社も参加)
? ネット上のデータは信頼して社会?事業のために使えるか?
?信頼できるデジタルデータサービスの認証プロセス、世界規模カタログ)
? 各国、各機関の保有データを相互に使えるのか?
(WDS加盟機関のメタ情報サービス)
? 国際機関で互いにデータの問題、課題を議論し合う
(国連下委員会、政府間会合、国際アカデミー、 OECD、欧米豪予算機関...)
など
10
国際的に著名な有識者グループを形成して議論、検討中。
「オープンサイエンス」
「オープンデータ」
「研究データ共有」
ーポリシー、組織、将来ー
? 2013年G8サミット(英):G8国オープンデータ合意
– G8データインフラストラクチャWG
? 国際イニシアチブRDA(Research?Data?Alliance)発足(2013)
? 国際的な研究データの共有と利活用の議論
?G8から日本(内閣府)へ打診(プレッシャー)
– 科学技術活動の重要な成果物と位置付け(EU文書など)
– 公的資金研究によるデータの公開原則を議論(米、欧機関など)
– 研究の加速、情報通信技術の応用(eサイエンス、データ中心科学)
+ eインフラストラクチャ、研究データ保全?利用基盤整備
– 科学技術外交としての側面
? 国際アカデミアのアクション:
ICSU‐WDS(World?Data?System):
– 国際決議により2008年設置。1957年(WDC+FAGS)以来の事業を発展。
– Future?Earth事業を支援、連携(国際要請)
科学データ共有/オープンサイエンスの近況
12
村山の視点で見たオープンサイエンスを巡る国際的動きと日本
13
協力
協力要請
社会科学全般
地球科学
宇宙科学
物理学、地理学
気象、農業、情報科学
地球科学
宇宙科学
計算機科学
物理学
地震学
地球
科学
気象
言語学
歴史学
心理学
WDS-IPO
MOU
RDAのWDS加盟
合同部会活動
協力
協力
要請
協力 協力
日本学術会議
GEOSS/DIAS
(東大、JAXA、
JAMSTEC,?NIES etc)
Future?Earth
(ICSU,?UNESCO,?UNEP,?
UNU,??Belmont?Forum,…)
RDA
(Research?Data?
Alliance)
G8科学大臣会合で
言及(2013.6)
WDC電離層
協力要請
...等、計91機関加盟
電離層?
宇宙天気
言語学
2008‐
2012‐
OECDオープンサイエンス
作業部会
文部科学省
科学技術振興機構
協力
総合科学技術?
イノベーション会議
G8?2013?Science?Ministers’?
Agreement?of?
Open?Research?Data
“Open?Government?Data”
改めて、「いま、なぜ、データか?」
? 社会とScience?(科学)の関係の上で重要
– Science(科学)=広い意味での科学、科学技術、学問?学術、社会で共
有される専門知全般
? “Science?for?the?benefit?of?society”?
– 人類の認識基盤?知識基盤としての科学
– 短期的な有用性だけでは持続的でない
? 社会と科学的成果を相互利用するためには。
社会と科学が相互信頼を築くには。
– ? オープンデータ、データ共有は、そのために必要な課題の1つ
http://www.iflscience.com/technolog
y/encryption‐today‐how‐safe‐it‐really
http://meigen‐ijin.com/einstein/
A.?Einstein,?B.?Podolsky,?
and?N.?Rosen?(1935)
Quantum?Encryption Technology
研究者コミュニティに
おける研究情報の共有
オープンな議論?批評、
結果の再検証
研究論文
データ
結論を導出
結果の分析
実験?観察
仮説を立てる
疑問をもつ
従来の科学研究の
方法論例
学術研究と論文?データを通じた社会との関わり
科学者コミュニティの
一定のコンセンサス
一般社会?政治的意思決定
に資する科学的知識?成果
観測?計算?解析した
らすぐ出すの?
誰がやるの?
義務なの?
論文だけでは得られる情報が不十分
研究結果の再現性(情報が不十分)
研究不正問題 (G8?in?2013:生命科学の論文問題)
論文だけが研究成果か?
データは貴重な情報資源。社会へ発信できる成果。
再現できない事象の検証をどうするか
例:環境、地球?宇宙、生命?生体...
科学と社会の相互信頼、
相互協力の問題でもある 16
内閣府/CSTI:我が国の基本方針策定(H27.3.30報告書)
内閣府「国際的動向を踏まえたオープンサイエンスに関する検討会」(’14/12~’15/3)
http://www8.cao.go.jp/cstp/sonota/openscience/
「オープンサイエンスにかかる世界的議論の動向を的確に把握した上で、我が国としての基本
姿勢を明らかにするととともに、早急に講ずべき施策及び中長期的観点から講ずべき施策等を
検討する」
第5期科学
技術基本
計画へ書
き込み。
第5期科学技術基本計画
? 平成28年度~平成
32年度の基本計画。
? 研究データの公開
や活用、透明化、
プラットフォーム
などが記述の中心。
? オープンアクセス
や市民科学、オー
プンイノベーショ
ンなどにも触れる。
http://www8.cao.go.jp/cstp/kihonkeikaku/5honbun.pdf
[北本、2016]
オープンサイエンスの諸外国動向(JST科学技術情報委員会調査より) H27.4
Open Access to Open Data and Open Science
Overview example
Open Access Open Science
Open Data
(Open gov.)
Open Research Data
Creative Commons
Open Source
2000’s 2010’s
Science 2.0+
Citizen Science
Self Archiving
Science Commons
Institutional Repository Full OA (mega) journal
Article Research Outputs
Database, Repository
Research ActivityAccess ReUse
Data Sharing
Data journal
Open Innovation
Improve,
Incremental
Redesign,
Disruptive?
(Scholarly activity)
(Common activity)
Code for X
20
[K. Hayashi, 2015]
国内の状況(H26~27年度)
? オープンサイエンスデータの対応検討
–国際動向への対応、国内での研究データ基盤の検討
Intl.?Council?for?
Science
WDS,?CODATA,
Future?Earth
G8科学閣僚会合
(2013)
オープンリサーチデータ合意
内閣府/CSTI
我が国の基本方針、
第5期科技計画
日本学術会議
フューチャーアース委員会
オープンサイエンス委員会
JST
情報事業の方向性検討
国立情報学研
機関リポジトリ、
SCINET
各省庁、各大
学?研究機関
国立国会図書館
次期5か年計画策定
(データ管理検討)
G8データ?インフラ
ストラクチャWG
国際活動支援
RDA
EU、NSF
学術情報利活用
(緑色:NICT統合データ室が
参加?協力)
OECD
研究データ
取得?生成
データに対して
DOI付与
データ利用?
データ引用
DOI?メタデータを使って検索、
研究発表時、データ参照に
DOIを使用
研究の評価
文献?データ被引用数の指標化
(??サイテーション?インデックス等)??????
業績/予算獲得
論文とデータの
被引用度等で評価
(予算申請?研究業績
評価など)
データ参照指標をつかって予算獲得など
研究データを取得?生成、
データをもとに論文出版
データを公開
データ?サイテーション(データ参照?引用)文化の形成へ
むけて
DOIをデータ引用に利用
データ発見 → 研究実施
豪政府機関 Australian?National?Data?Service?による取組み例
22
Australian?National?
Data?Service
http://www.ands.org.au
/cite‐data/index.html
(和訳は能勢(京大、2014)を参考にした)
○DOI(Digital?Object?Identifier)を論文だけでなく、データにも付与し、論文?文献で引用する取り組み
?データ公開者?機関の活動評価(論文と同等に)とクレジット
超高層物理学分野におけるデータ出版?引用の最近の動向
? 日本初のデータDOI(2015年7月6日)
– doi:10.17591/55838dbd6c0ad
– Mesospheric?wind?velocity?data?(30min.?mean)?observed?with?MF?radar?at?Poker?Flat,?
Alaska
? 日本初のデータ引用論文
– Kinoshita,?T.,?Y.?Murayama,?and?S.?Kawamura?(2015),?Tidal?modulations?of?mesospheric?
gravity?wave?kinetic?energy?observed?with?MF?radar?at?Poker?Flat?Research?Range,?Alaska,?
J.?Geophys.?Res.,?120,?doi:10.1002/2014JD022647.?
? doi:10.17591/55838dbd6c0ad
23
doi:10.17591/55838dbd6c0ad
のLanding Page
(能勢、村山、2015)
科学技術イノベーションの基盤としての情報共有
~長い歴史のある印刷文化と、成長過程のディジタル?サイエンス
349?years
68?years
Public?library?(paper?media) :8c
Printing?press/Gutenberg:?1445
First?scientific?journal:?1665
Intl.?Assoc.?Academies:?1899
ICSU?established:?1931
World?Data?Center?system?:?1957
ENIAC,?von?Neumann:?1946
Hard?Disk?Drive:?1956
TCP/IP,?dial‐up?(64kbps):?1982
WWW (CERN):?1991
Broadband?internet
(>1Mbps):~2000
New?global?data?initiatives:?ICSU‐WDS,?RDA?etc.:2008~2013
印刷媒体
電子媒体
24
電子情報システム上での新たな方法論、技術基盤、社会システムを模索
まとめ
? ICSU‐WDS:2008年~。
国際事務局を日本が引き受け(2011年~)
元々はアカデミックな研究データ保全?WDC、
FAGS(1957年~)
? IODEとは密接な関係
? 国際政治、政府間でのオープンサイエンス推進
– 「潮目が変わった」
? 内閣府での「我が国の基本方針」2015.3.30
? 国際的に、データを重要な科学技術資産として
位置付け
?Findable,?Accessible,?Interoperable,?and?
Re‐usable?Data
ご参加ください:
WDS‐IPO5周年記念式典?記念講演会
4月6日14時~TKPガーデンシティお茶の水
contact_wds‐ipo_anniversary@icsu‐wds.org
FIN.
「データジャーナル」という新しいメディア
27
https://jipsti.jst.go.jp/rda/
https://rd‐alliance.org/plenary‐meetings/rda‐
seventh‐plenary‐meeting.html
? IT、ICT研究者,?Informatics?scientists
? Librarians,?Museum?curators
? Domain?scientists
? Data?Interoperability
? Research?Data?Infrastructures
? Data‐driven?innovation
「データシェアリング
シンポジウム」で検索
「データシェアリングシンポジウム」
Open?Research?Dataの現状分析
?過去にもデータ共有は特定分野では行われている
? 物理、化学、遺伝学、地球?宇宙科学...
? ?いまは、新たなデータ共有の議論
?データ共有?公開の試論
– 従来のデータ公開類型の例(研究分野のニーズ)
? コミュニティ内で共有:分野内?方法論が共有されている場合等
? データ利用のための付帯情報は最小限:
コミュニティ内の規律、共有知としてデータ利用情報がある等
– 近年のオープンリサーチデータ議論の例(情報管理の視点?)
? データを原著論文と同様の研究成果物と位置付け
? 論文のように、後世まで、誰がリファー?利用してもよい前提(にしたい)
? 付帯情報、データ生成に関わる情報の記録が重要
(メタデータ、ID(識別子)、
「データジャーナル」”Data?Descriptor”文献等) 29
論文だけでなく、データも研究成果
30
■データを公表(出版)?引用?参照すると
– 論文?書籍と同様、知的生産力の基準に。? 研究職?教育職の業績評価。
– 信頼できるデータの生成?提供は現代では科学者の仕事ではないか。?評価
■ データパブリケーション
– 課題:データの「査読」「固定」「公表」等をどうするか。
– 課題:ID標準化、引用ルール確立、評価手法など国際団体等で模索中
■ データサイテーション
– データを文献のように「引用」「参照」する仕組み
– 課題:ID標準化、引用ルール確立、評価手法など国際団体等で模索中
「研究成果の利活用、オープンサイエンスの推進に係る概念図」
(内閣府報告書[H27.3.30]?から)
内閣府?CSTI
オープンサイエンス推進に関するフォローアップ検討会
(H27.7.17~)
32
? 「国際的動向を踏まえたオープンサイエンスに関する検討会」最終報告
書における今後の検討課題及びフォローアップのあり方について検討す
る。
? “Standing?on?the?shoulders?of?giants”?巨人の
肩に立つ (Isaac?Newton,?1976) [大向一輝、2009;北本
朝展、2014]
? “Science?is?built?of?facts?the?way?a?house?is?
built?of?bricks” 家がレンガから建てられるよう
に科学は事実から作られる (Henri?Poincare,?1902)
(”but?an?accumulation?of?facts?is?no?more?science?than?a?pile?
of?bricks?is?a?house”しかしレンガの山が家でないように事実
の積み上げだけでは科学でない)
科学?学術の対象が高度化し、専門化し、非日常化する傾
向が強い現代 ? 「事実」(データ)に立ち戻ることは重要。
欧州委員会の欧州横断型データ基盤施策例
Daan Broeder (2013)
EUDAT計画
(2011年~、10億円以上)
欧州オープン
科学クラウド計画
? オープンサイエンス+オープンイノ
ベーション ? 欧州の新たなデジ
タル経済活性化を目指す
? 現在有識者会合にて施策枠組み
の検討中
? 国際的な研究データインフラ、イン
フラ間相互接続?利用を目指す
(2016年~予定)
Changing?standards?and?culture?
takes?a?long?time.
[Mark?Parsons,?2013]

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