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Copyright ? 2020 Mori Hamada & Matsumoto All rights reserved.‐ 0‐ ?2013 Mori Hamada & Matsumoto all rights reserved?2020 Mori Hamada & Matsumoto all rights reserved
森?濱田松本法律事務所
パートナー弁護士 増 島 雅 和
金融サービス仲介業と資金移動業の
新制度概要と新規ビジネス
(Ver1.0)
March 2020
注:2020年3月6日国会提出の法案ベースで作成しています。
法令の読み込みが完全ではない場合があり、適宜アップデートしていきます。
政令?規則?ガイドラインが出ていないため、最終的にどのようなルールになるかは不明です。
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自己紹介
増島 雅和(ますじま まさかず)
森?濱田松本法律事務所 パートナー弁護士
2001 弁護士登録
2006 米国ウィルソン?ソンシーニ法律事務所(シリコンバレーオフィス)
2007 ニューヨーク州弁護士登録
2010 金融庁監督局銀行第一課(RRP担当)兼保険課
日経CSISバーチャルシンクタンク?フェロー
2013 経済産業省 新事業創出支援関係者会議 委員
2015 IMF外部カウンセル(米国FSAP: 金融破綻処理法制担当)
2016 経済産業省 FinTech研究会 ブロックチェーン研究会 委員
内閣官房IT総合戦略本部 シェアリングエコノミー検討会合 委員
全銀協オープンAPIのあり方に関する検討会 委員
2017 経済産業省 ブロックチェーン法制度検討会 委員
経済産業省 研究開発型ベンチャー企業と事業会社の連携加速に向けた調査検討会 委員
2018 内閣府 革新的事業活動評価委員会 委員
2019 総務省 AIインクルージョン検討会議 委員 デジタル競争戦略本部WG委員 規制改革推進会議専門委員
日本クラウドファンディング協会理事、日本ベンチャーキャピタル協会顧問、FINOVATORS代表、
日本ブロックチェーン協会アドバイザー、仮想通貨事業者協会顧問、ブロックチェーン推進協会アドバイザー 等
イニシアチブ: 金融の力で我が国産業構造のイノベーションを加速する「Startup Innovators」主宰
http://startupinnovators.jp/
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金融庁は、金融ビジネスのデジタル化の潮流に合わせて、決済法制を中心に伝統的な中央集権型金
融とディスラプティブな分散型金融の双方に目配せした制度改正を機敏に展開
経緯
2015年4月
2015年12月
2016年5月 銀行法改正(銀行業のデジタル化対応)
2016年12月 金融制度WG 報告書(銀行APIの解放?電子
決済等代行業の制度整備)
2017年4月
2017年5月 銀行法改正
2018年6月 改正銀行法施行
2018年6月 金融制度SG 中間整理(機能別?横断的な金
融規制体系への転換)
2018年12月
2019年5月
2019年12月 決済法制?金融サービス仲介法制WG(決済法制
の整備?横断的な金融サービス仲介制度の導入)
2020年3月 金融サービス提供法?資金決済法等改正案
2020年
資金決済法改正(仮想通貨法制の導入)
資金決済法改正?金融商品取引法改正
改正資金決済法?金融商品取引法施行
中央集権型金融法制の世界線 分散型金融法制の世界線
新たな決済手段として決済法制組込みへの期待
決済業務等高度化SG 中間整理
決済業務等高度化WG 報告書
銀行を中心とした従来型の決済事業の高度化を議論
IT?イノベーションにフォーカスしたリテール?ホールセー
ル、決済インフラ、仮想通貨にわたる総合的な政策
の方向性を議論
改正資金決済法施行
仮想通貨交換業等研究会 報告書(仮想通貨法
制の見直し、セキュリティトークンの制度整備)
大規模流出等想定外のリスク、ICO等想定外のビジネスモデルの
出現、仮想通貨の投資資産化、世界の規制動向を踏まえ、決
済法制よりも投資法制に寄せた形で暗号資産法制を再編成
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全産業のビジネスモデルの前提となる決済インフラをサイバーフィジカル一体型社会に
適合させ、新たな決済インフラの上で展開する金融仲介サービスの制度的基礎を確立
改正法の概要
金融仲介サービス法制の整備
オンライン?オフラインでワンストップの金融サービスを受けられることを目
指した新たな金融仲介サービス業を創設
※ 金融商品販売法を「金融サービスの提供に関する法律」へ全面改訂
預金等媒介業務
? 金融機関のためにする預金受入れ等の媒介
? 金融機関と顧客の間の貸付の媒介
? 金融機関のためにする為替取引の媒介
保険媒介業務
? 保険会社?少額短期保険業者と顧客の間の保険契約締結の媒介
有価証券等仲介業務
? 証券会社?投資運用業者?登録金融機関と顧客の間の有価証券売買の媒介
? 上記事業者と顧客の間の証券取引所における有価証券売買/市場デリバティブ
取引の委託の媒介
? 上記事業者のためにする有価証券の募集?売出し?私募の取扱い
? 上記事業者と顧客の間の投資顧問?投資一任契約締結の媒介
貸金業貸付媒介業務
? 貸金業者と顧客の間の貸付の媒介
決済法制の整備
銀行以外の決済業(資金移動、前払)の整備を拡充し、収納代行
を再整理することでデジタル決済プラットフォームの制度的基礎を整備
資金移動
① 第一種資金移動業
? 100万円超の為替取引が可能
? 認可制
? 資金滞留を認めない
② 第二種資金移動業
? 100万円までの為替取引
? 登録制
? 100万円超の資金滞留に制限
③ 第三種資金移動業
? 数万円程度の為替取引
? 登録制
? 供託等に替えて預金管理も可能(外部監査要)
前払
? 発行事務委託に対する体制整備
? その他業務体制整備義務の導入
収納代行
? CtoC型プラットフォームの収納代行の一部に為替規制を導入
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ワンライセンスで多様な金融サービスの販売を自社サイト/アプリ内で完結することがで
きることにより、金融サービス販売のコンバージョンレートの向上が見込まれる
金融サービス仲介業の概要①
銀行
預金?貸付?決済
証券会社?運用会社
資産運用
保険会社
保険購入
金融サービス仲介業
貸金業者
貸付
預金等媒介業務 有価証券等仲介業務 保険媒介業務 貸金業貸付媒介業務
? 所属金融機関制度を採用しないことにより、金融サービス仲介業者は金融事業者から独立した立場で顧客にとって
最善の金融サービスを販売することを制度的に担保
? 自社サイト/アプリ完結で金融サービス販売をするためには、金融事業者の商品販売システムとの外部連携が必要
? 資金を預かることができないため、金融業者への直接支払いの仕組みを別途整備する必要がある
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金融サービス仲介業は、オフラインビジネスとして展開することも可能であるため、
対面を組み合わせたワンストップの総合金融サービス仲介ビジネスを創ることもできるか
金融サービス仲介業の概要②
銀行
預金?貸付?決済
証券会社?運用会社
資産運用
保険会社
保険購入
金融サービス仲介業
貸金業者
貸付
預金等媒介業務 有価証券等仲介業務 保険媒介業務 貸金業貸付媒介業務
? 所属金融機関制が採用されていないため、独立事業者として各金融業者と対等なパートナー関係を構築することができる
? 対面の金融サービス仲介は、金融業者に直払いするケースが多いため、金銭預託の禁止は足枷にならない
? 顧客にIDを付与して行動履歴をもとに最適なタイミングで最適な情報を提供し、最後に対面を絡ませて契約を獲得
? 販売できる商品に制限があり、シンプルな商品を総合的に取りそろえて対面営業することに意味がある形の作り方が重要
アタックすべき顧客とその顧客に
提供すべき情報を付与
接触結果のデータ化
オムニ営業人員+営業部隊
顧客リアクション、行動履歴により
情報ニーズ、目的を把握
顧客ごと
個別情報発信
趣向に合わせた
インプット
顧客
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強みを持つ金融サービスの販売につき、商品制限のない既存ライセンスを使い、それ以
外の金融サービスを新ライセンスで提供することで、既存ビジネスを強化できるか
金融サービス仲介業の概要③
リスク管理型総合金融サービス仲介
金融サービス仲介業生命保険
乗合代理店
損害保険
乗合代理店
預金等媒介
有価証券等
仲介
貸金業貸付
媒介
資産運用型総合金融サービス仲介
金融サービス仲介業IFA
(金融商品仲介業)
預金等媒介 保険媒介
貸金業貸付
媒介
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仲介業ライセンスにより仲介販売することができる金融サービスの範囲と、別途取得し
なくてよい資格
仲介業務の範囲
預金等媒介業務
媒介業務内容 契約締結先 仲介することができない取引 不要なライセンス 備考
預金受入れ 金融機関 特定預金等契約?
その他高度な説明が必要な契約
銀行代理業 仕組預金は不可
普通預金等を想定
資金の貸付け?
手形の割引
金融機関/
顧客
貸金業者が顧客のために行うもの
高度な説明が必要な取引
銀行代理業 貸金業者が顧客のために行うものは不可
住宅ローン等を想定
為替取引 金融機関 高度な説明が必要な取引 銀行代理業
保険媒介業務
媒介業務内容 契約締結先 仲介することができない取引 不要なライセンス 適用対象外取引
保険契約締結 保険会社/
顧客
特定保険契約
その他高度な説明が必要な契約
特定保険募集人
保険仲立人
損害保険代理店
特定少額短期保険募集人
変額保険、外貨建保険は不可
傷害、旅行、ゴルフ保険等を想定
有価証券等仲介業務
媒介業務内容 契約締結先 仲介することができない取引 不要なライセンス 適用対象外取引
有価証券売買 証券会社?
登録金融機関/
顧客
高度な説明が必要な契約 第1種金融商品取引業
金融商品仲介業
非上場株は不可
国債、上場株、投資信託等を想定
取引所有価証券
売買/市場デリバ
ティブ取引の委託
証券会社?
登録金融機関/
顧客
高度な説明が必要な取引
(市場デリバティブ取引のみ)
第1種金融商品取引業
金融商品仲介業
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仲介業ライセンスにより仲介販売することができる金融サービスの範囲と、別途取得し
なくてよい資格
仲介業務の範囲
有価証券等仲介業務
媒介業務内容 契約締結先 仲介することができない取引 不要なライセンス 適用対象外取引
有価証券募集/
売出しの取扱い
証券会社?
登録金融機関
高度な説明が必要な契約 第1種金融商品取引業
金融商品仲介業
投資型クラウドファンディングは不可
有価証券私募/
特定投資家向け
売付勧誘等の取
扱い
証券会社?
登録金融機関/
顧客
高度な説明が必要な取引 第1種金融商品取引業
金融商品仲介業
投資顧問契約/
投資一任契約の
締結
投資運用業者/
顧客
高度に説明が必要な取引 投資顧問業/投資運用業 適格投資家向け投資運用業
貸金業貸付媒介業務
媒介業務内容 契約締結先 仲介することができない取引 不要なライセンス 適用対象外取引
資金の貸付け?
手形の割引
貸金業者/
顧客
高度な説明が必要な契約 貸金業
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他のライセンスにより仲介業を行うことができる事業者は、その分野の仲介業務を金融
サービス仲介業として行うことができない
兼業規制
業務種類 兼業できないもの 備考
預金等媒介業務 銀行代理業
保険媒介業務 保険募集人、保険仲立人
※ 生損の区別なく一体として規定
保険会社、外国保険会社等、少額短
期保険業者は登録拒否事由
保険媒介業務は銀行の業務範囲内
(窓販規制あり?)
有価証券等仲介業務 第一種金融商品取引業、金融商品仲介業 銀行は登録拒否事由
貸金業貸付媒介業務 貸金業
※ 資金移動業、前払式支払手段発行業、電子決済等代行業、割賦販売業との兼業規制は課されていないため、これらと
兼業することにより決済手段を整備することが可能
※ 電子金融サービス仲介業務の登録をした場合、別途電子決済等代行業の登録を取得する必要はない(但し、みなし電
子決済等代行業者として銀行法等の規定に服する)
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共通の業規制
項目 概要 備考
標識掲示 営業所ごとに標識掲示 インターネットを利用する場合は事業者名、業務
種別等を公表
名義貸しの禁止 自己の名義をもって他人に金融サービス仲介業を行わせてはならな
い
委託、再委託に関する制限が明文上かかっていな
い
保証金の供託 供託金額は政令指定
保証金に替えて国債等の有価証券も可
供託に替えて保証契約、保険契約も可
不足額は二週間以内に積み増し
組み合わせも可?
誠実義務 顧客に対して誠実かつ公正に業務を遂行しなければならない
情報提供義務 事業者名、業務種別、代理権がないこと、金銭等預託の禁止、賠
償に関する事項等
手数料開示義務 顧客から要請があった場合に手数料等を開示
体制整備義務 顧客保護体制(顧客説明、個人情報保護)等
金銭等の預託の禁止 その行う金融サービス仲介業に関して、顧客から金銭その他の財団
の預託を受けてはならない(密接関係者に預託させることも禁止)
顧客保護に欠けるおそれがない場合の例外あり
(規則制定)
名目を問わないとされるが、文言上、決済手段を
持つことは禁止されていない
ADR機関 業務種別ごとにADR機関とのADR契約を締結
ADR機関の公表
帳簿作成義務 金融サービス仲介業に関する帳簿の作成?保存義務
事業報告書の提出 事業年度末から3ヶ月以内に当局に事業報告書を提出
ディスクロージャー誌の作成と公衆閲覧
業務種別にかかわらず登録業者が遵守しなければならない事項
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業務種別ごとの業規制
規制裁定が働かないよう、業務種別ごとに各業法の販売仲介業の規制を準用
預金等媒介業務
項目 概要 備考
情報提供義務 預金等媒介業務に関し、預金者等の保護に資するため、預金等に係る契約の内容その他預
金者等に参考となるべき情報を提供しなければならない
銀行代理業に対する銀行法52条の
44第2項に相当
禁止行為 次に掲げる行為をしてはならない
? 顧客に対し、虚偽のことを告げる行為
? 顧客に対し、不確実な事項について断定的判断を提供し、又は確実であると誤認させるお
それのあることを告げる行為
? 顧客に対し、自己又は密接関係者の営む事業の取引を行うことを条件として、資金の貸
付けや手形の割引の契約媒介をする行為
? 密接関係者に対し、取引の条件が相手方金融機関の取引の通常の条件に照らして同機
関に不利益を与えるものであることを知りながら、通常の条件よりも有利な条件で資金の貸
付け又は手形の割引を内容とする契約の媒介をする行為
? 顧客に対し、その知識、経験、財産の状況及び取引の目的を踏まえた重要な事項を告げ
ず、又は誤解させるおそれのあることを告げる行為
? 顧客に対し、不当に、自己又は自己の指定する事業者と取引を行うことを条件として預金
等媒介業務を行うこと
? 顧客に対し、取引上の優越的地位を不当に利用して、取引の条件又は実施について不
利益を与える行為
? 顧客に対し、不当に、預金等媒介業務を行うことを条件として、自己又は自己の指定する
事業者と取引をする行為
? 顧客に対し、兼業業務における取引上の優越的地位を不当に利用して、金融サービス仲
介業に係る取引の条件又は実施について不利益を与える行為
? 相手方金融機関に対し、預金等媒介業務に係る契約の締結の判断に影響を及ぼすこと
になる重要な事実を告げず、又は虚偽の皇都を告げる行為
銀行代理業に対する銀行法52条の
45、銀行法施行規則34条の53に
相当
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業務種別ごとの業規制
規制裁定が働かないよう、業務種別ごとに各業法の販売仲介業の規制を準用
保険媒介業務
項目 概要 備考
商法仲立営業
の規定の準用
顧客のために行う保険契約の媒介につき、支払給付を受けることの制限、結約書交付義務、
帳簿記載義務、報酬の事後請求
保険仲立人に対する保険業法293
条に相当(商法543条、544条、
546-550条)
情報提供義務 保険契約の締結の媒介又は自らが締結を媒介した団体保険への加入勧奨に関する保険業
法294条1項に相当する情報提供
保険仲立人に対する保険業法294
条1項に相当
意向把握義務 保険契約の締結の媒介又は自らが締結を媒介した団体保険等への加入勧奨に関し、顧客
の意向を把握し、これに沿った保険商品の提案、商品説明、契約締結時の顧客の意向と商
品内容が合致していることを顧客が確認する機会の提供
保険仲立人に対する保険業法294
条の2に相当
自己契約の禁
止
損害保険会社等が保険者となる保険契約の媒介禁止 保険仲立人に対する保険業法295
条に相当
監督指針V-5-4(損保代理店の自
己契約規制)、V-5-5(損保代理
店の特定契約規制)に留意
禁止行為 保険契約の締結の媒介又は自らが締結を媒介した団体保険等への加入勧奨に関し、以下
を禁止
? 保険契約者又は被保険者に対し、虚偽のことを告げ、又は重要事項を告げない行為
? 保険会社等に対する虚偽告知の勧奨、重要事項の告知妨害又は不告知勧奨
? 保険契約者又は被保険者に対する不当な乗換え勧誘
? 保険契約者又は被保険者に対する特別利益の提供
? 保険商品の不当な比較販売
? 不確実な事項に対する断定的判断の提供
? 相手方金融機関が特別利益の提供を約していることを知りながら行う勧誘
? 保険業法施行規則234条相当の行為
保険業法300条1項、保険業法施
行規則234条に相当
保険契約申し込
み撤回時の規律
撤回時に受領した金銭の返還、保険会社に対し支払った賠償金の顧客への求償禁止 保険業法309条7項、8項、10項に
相当
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業務種別ごとの業規制
規制裁定が働かないよう、業務種別ごとに各業法の販売仲介業の規制を準用
有価証券等仲介業務
項目 概要 備考
禁止行為 有価証券等仲介業務に関し、以下の行為をしてはならない。
? 投資顧問契約、投資一任契約又はこれらの媒介に係る契約に関し、偽計を用い、又は暴
行若しくは脅迫をする行為
? 顧客を勧誘するに際し、顧客に対して、損失の全部又は一部を補てんする旨を約束する
行為
金商業者等に対する金商法38条の
2に相当
禁止行為 以下の行為をしてはならない。
? 有価証券等仲介業務に関する以下の行為
? 媒介又は勧誘に関して顧客に対し虚偽のことを告げる行為(金商法38条1号相当)
? 顧客に対する断定的判断の提供(金商法38条2号相当)
? 顧客に対し、登録を受けない信用格付につき必要な情報を提供しない行為(金商法38条3
号相当)
? 不招請勧誘行為(金商法38条4号相当)
? 勧誘に先立ち勧誘を受ける意思の有無を確認しない行為(金商法38条5号相当)
? 契約締結意思のないことを告げた顧客に対する勧誘継続行為(金商法38条6号相当)
? 図利目的で、特定金融指標算出者に対し、指標算出に関し、正当な根拠のない算出基礎情
報を提供する行為(金商法38条7号相当)
? 顧客の取引情報を利用して他の顧客の勧誘をする行為
? 他業により知り得た有価証券の発行者情報を利用した勧誘行為
? 与信供与を条件とした勧誘行為
? 有価証券等仲介業務により知り得た顧客の売買動向等の情報を利用した自己の計算による取引
を行うこと
? 業府令275条に相当する行為
金融商品仲介業者に対する金商法
66条の14、業府令275条に相当
特定投資家向
け有価証券売
買の媒介制限
特定投資家向け有価証券について、一般投資家を相手方とした媒介等を行ってはならない 金商法66条の14の2に相当
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業務種別ごとの業規制
規制裁定が働かないよう、業務種別ごとに各業法の販売仲介業の規制を準用
特定金融サービス契約(元本確保がなされていない金融サービス)につき準用される金商法規制
? 特定投資家に関する規制
? 告知義務(金商法34条)
? 特定投資家のアマ成りルール(金商法34条の2)
? 一般投資家のプロ成りルール(金商法34条の3)
? 金商業者に対する規則
? 広告規制(金商法37条)
? 契約締結前書面の交付(金商法37条の3)
? 契約締結時書面の交付(金商法37条の4)
? 解除時における違約金等の請求禁止(金商法37条の6第3項)
? 解除時における前払い金の返還(同条第4項)
? 金商業者等又はその役職員に対する禁止行為(金商法38条1号-6号)
? 損失補填等の禁止(金商法39条)
? 適合性原則(金商法40条)
? 特定投資家の場合の適用除外(金商法45条)
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業務種別ごとの業規制
規制裁定が働かないよう、業務種別ごとに各業法の販売仲介業の規制を準用
貸金業貸付媒介業務
項目 概要 備考
証明書携帯義
務
使用人等に対して従業者の証明書を携帯させなければならない
営業所ごとに従業者名簿を備置しなければならない
貸金業者に対する貸金業法12条の
4に相当
暴力団員等の
使用禁止
暴力団員等を業務に従事させ、又は業務の補助者として使用してはならない 貸金業者に対する貸金業法12条の
5に相当
禁止行為 貸金業貸付媒介業務に関し、以下の行為をしてはならない。
? 資金需要者等に対し、虚偽のことを告げ、又は貸付の契約内容のうち重要な事項を告げ
ない行為
? 資金需要者等に対する断定的判断の提供
? 保証人となろうとする者に対し、主たる債務者が弁済することが確実であると誤解させるおそ
れのあることを告げる行為
? その他偽りその他不正又は著しく不当な行為
貸金業者に対する貸金業法12条の
6に相当
生命保険契約
等の締結制限
貸付の契約の相手方の死亡保険金を受け取る契約につき自殺免責を付さなければならない 貸金業者に対する貸金業法12条の
7に相当
利息等の制限 利息制限法を超える付利等の禁止 貸金業者に対する貸金業法12条の
8に相当
相談?助言義務 必要に応じて資金需要者等に対して借入れや返済に関する相談?助言等を実施する団体を
紹介する努力義務
貸金業者に対する貸金業法12条の
9に相当
貸付条件等の
掲示義務
営業所の見やすい場所に貸付条件を掲示しなければならない 貸金業者に対する貸金業法14条に
相当
広告規制 貸付条件についての広告をする場合、貸主や利率等の貸付条件の表示、説明をしなければ
ならない
貸金業者に対する貸金業法15条に
相当
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業務種別ごとの業規制
規制裁定が働かないよう、業務種別ごとに各業法の販売仲介業の規制を準用
貸金業貸付媒介業務
項目 概要 備考
証明書携帯義
務
使用人等に対して従業者の証明書を携帯させなければならない
営業所ごとに従業者名簿を備置しなければならない
貸金業者に対する貸金業法16条に
相当
契約締結時書
面の交付
契約締結時における書面交付義務 貸金業者に対する貸金業法17条に
相当
受取証書の交
付義務
弁済を受けたときは、その都度、直ちに受取証書を弁済者に交付しなければならない 貸金業者に対する貸金業法18条に
相当
帳簿の閲覧 債務者等は、金融サービス仲介業に関する帳簿書類の閲覧?謄写を請求することができる 貸金業者に対する貸金業法19条の
2に相当
特定公正証書
の制限
強制執行認諾文言のある公正証書の作成委任状を取得してはならない等 貸金業者に対する貸金業法20条に
相当
公的給付に係る
預金通帳等の
保管制限
公的給付の特定受給権者の預金通帳等の提出を求め、これを保管する行為等をしてはなら
ない
貸金業者に対する貸金業法20条の
2に相当
取立て行為の規
制
債権の取立てに当たって、人を威迫し、又は一定の言動その他人の私生活や業務の平穏を
害する言動をしてはならない
貸金業者に対する貸金業法21条に
相当
債権証書の返
還義務
完済した場合には、債権証書を遅滞なく返還しなければならない 貸金業者に対する貸金業法22条に
相当
Copyright ? 2020 Mori Hamada & Matsumoto All rights reserved.‐ 17‐
金融サービス仲介業者の役職員に対する業法上の管理
保険仲立人と有価証券仲介業と平仄をあわせる役職員の管理ルール
? 保険媒介業務を行う金融サービス仲介業者の役職員の届出制度
? 保険契約の締結の媒介を行う役職員の氏名?生年月日を認定金融サービス仲介業協会等に届け出なければならない
? 有価証券等仲介業務を行う金融サービス仲介業者の役職員の外務員登録制度
? 有価証券等仲介業務、申込の勧誘、委託の勧誘等をする役職員を外務員として、認定金融サービス仲介業協会等が管
理する登録原簿に登録しなければならない
? 外務員登録を受けた役職員以外が上記の行為をすることはできない
? 外務員登録を受けた役職員は、上記行為につき金融サービス仲介業者の代理権を持つものとみなされる
Copyright ? 2020 Mori Hamada & Matsumoto All rights reserved.‐ 18‐
金融サービス仲介業者へのエンフォースメント
金融業規制に一般的に見られるエンフォースメントを整備
? 報告徴求命令
? 対金融サービス仲介業者
? 取引先、業務委託先(再委託先を含む)
? 保証業者
? 立入検査
? 対金融サービス仲介業者
? 取引先、業務委託先(再委託先を含む)
? 保証業者
? 業務改善命令
? 業務停止命令
? 登録取消
? 役員解任命令
監督官庁は有価証券等仲介業務につき金融庁から証券取引等監視委員会への業務委任があり、委員会への委任事項
を含めて地方財務(支)局への委任がかかっている。
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第一種資金移動業は、金額制限のない為替取引を行うことができる認可業者
第一種資金移動業の制度概要
? 登録を得た資金移動業者が、業務実施計画の認可を受けることで、第一種資金移動業を営むことができる。
<業務実施計画の記載内容>
? 移動させる資金額の上限額を定める場合は上限額
? 為替取引システムの管理方法
? その他規則に定めるもの
※ 業務実施計画の変更には認可が必要(軽微なものは届出)
※ 既存の資金移動業者は併せて変更登録が必要
※ 複数の種別の資金移動業を同時に営むことも可能
? 履行保証金は、各営業日の要履行保証額を、1週間以内(府令指定)に供託
? 履行保証金保全契約、履行保証金信託契約を組み合わせることができる
? 第一種資金移動業者に対する資金滞留の禁止の具体的内容
? 各利用者に対して、資金移動額、移動日等が明らかではない為替取引に関する債務を負担してはいけない
? 為替取引に関する債務を、資金移動事務の処理に必要な期間を超えて負担してはいけない
? 各利用者の銀行口座にアクセスし、全銀ネット等を通じずに為替取引を実現するモデルを確立することになる。
? 二以上の種別の資金移動業を営む場合、以下を届け出ることにより、一括供託が可能
(特例対象資金移動業)
? 一括供託の開始日
? 資金移動業の種別(算定期間、基準日、供託期限をそろえることが条件)
? その他規則で定める事項
Copyright ? 2020 Mori Hamada & Matsumoto All rights reserved.‐ 20‐
第一種資金移動業と第二種資金移動業を組み合わせた特例対象資金移動業にB向け資金移
動ビジネスの可能性があるか
第一種資金移動業の活用
特例対象資金移動業者
滞留資金(2種:100万円)
オートチャージ
①100万円超の資金移動指示
②API/口振により入金
顧客A
A口座
顧客B
B口座
③B口座へ送金
オートチャージ
滞留なし(1種)
? 第二種資金移動業で100万円以下の小口送金につき決済ネットワークを構築、顧客の銀行口座へのアクセス
を確保
? オートチャージ機能等で100万円以下の送金は第二種資金移動業にて自社決済ネットワーク内で処理すること
で、決済コストを削減
? 100万円超の大口送金は、第一種資金移動業にて①顧客Aからの送金指示→②把握している顧客A銀行口
座から自社送金口座に送金(振替)→③顧客B銀行口座に送金(振替)として処理
一括供託
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ペイロール事業と資金移動業
資金移動業ライセンスを用いたペイロール事業は、資金移動業者破綻時にも早期に労働者に現金が引き渡され
る仕組みが整い次第、資金決済法の改正とは別スケジュールで解禁される
通貨払いの原則
労働基準法24条1項
賃金は、通貨で、直接労働者に、その全額を支払わなければならない。ただし、法令若しくは労働協約に別段の定めがある場合又は厚生労働省令で定める賃金について確
実な支払の方法で厚生労働省令で定めるものによる場合においては、通貨以外のもので支払い、また、法令に別段の定めがある場合又は当該事業場の労働者の過半数で
組織する労働組合があるときはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がないときは労働者の過半数を代表する者との書面による協定がある場合においては、
賃金の一部を控除して支払うことができる。
労働基準法施行規則7条の2
使用者は、労働者の同意を得た場合には、賃金の支払について次の方法によることができる。
一 当該労働者が指定する銀行その他の金融機関に対する当該労働者の預金又は貯金への振込み
「預金への振込み」に替えて、資金移動業者の開設する資金移動アカウントに対する送金によって支払うことでも、通貨払いの原則の例外として認めら
れるよう制度改訂を検討中
<条件>
? 労働者の同意があること
? 毎月一回はATM等により無償で出金が可能であること
? 1円単位での払込みと払い戻しが可能であること
? 破綻時にも迅速な支払(7週間程度)が可能な仕組みが備えられていること
移動業者
保証会社
①破綻通知
①破綻通知
②保証請求
③支払
保険会社
⑥保険金請求
法務局
④供託金還付請求
⑤支払
⑦支払
厚労省による認定制?
Copyright ? 2020 Mori Hamada & Matsumoto All rights reserved.‐ 22‐
連絡先
弁護士 増 島 雅 和
森?濱田松本法律事務所
tel. 03.5220.1812
email. masakazu.masujima@mhm-global.com

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Japan's financial services intermediary act

  • 1. Copyright ? 2020 Mori Hamada & Matsumoto All rights reserved.‐ 0‐ ?2013 Mori Hamada & Matsumoto all rights reserved?2020 Mori Hamada & Matsumoto all rights reserved 森?濱田松本法律事務所 パートナー弁護士 増 島 雅 和 金融サービス仲介業と資金移動業の 新制度概要と新規ビジネス (Ver1.0) March 2020 注:2020年3月6日国会提出の法案ベースで作成しています。 法令の読み込みが完全ではない場合があり、適宜アップデートしていきます。 政令?規則?ガイドラインが出ていないため、最終的にどのようなルールになるかは不明です。
  • 2. Copyright ? 2020 Mori Hamada & Matsumoto All rights reserved.‐ 1‐ 自己紹介 増島 雅和(ますじま まさかず) 森?濱田松本法律事務所 パートナー弁護士 2001 弁護士登録 2006 米国ウィルソン?ソンシーニ法律事務所(シリコンバレーオフィス) 2007 ニューヨーク州弁護士登録 2010 金融庁監督局銀行第一課(RRP担当)兼保険課 日経CSISバーチャルシンクタンク?フェロー 2013 経済産業省 新事業創出支援関係者会議 委員 2015 IMF外部カウンセル(米国FSAP: 金融破綻処理法制担当) 2016 経済産業省 FinTech研究会 ブロックチェーン研究会 委員 内閣官房IT総合戦略本部 シェアリングエコノミー検討会合 委員 全銀協オープンAPIのあり方に関する検討会 委員 2017 経済産業省 ブロックチェーン法制度検討会 委員 経済産業省 研究開発型ベンチャー企業と事業会社の連携加速に向けた調査検討会 委員 2018 内閣府 革新的事業活動評価委員会 委員 2019 総務省 AIインクルージョン検討会議 委員 デジタル競争戦略本部WG委員 規制改革推進会議専門委員 日本クラウドファンディング協会理事、日本ベンチャーキャピタル協会顧問、FINOVATORS代表、 日本ブロックチェーン協会アドバイザー、仮想通貨事業者協会顧問、ブロックチェーン推進協会アドバイザー 等 イニシアチブ: 金融の力で我が国産業構造のイノベーションを加速する「Startup Innovators」主宰 http://startupinnovators.jp/
  • 3. Copyright ? 2020 Mori Hamada & Matsumoto All rights reserved.‐ 2‐ 金融庁は、金融ビジネスのデジタル化の潮流に合わせて、決済法制を中心に伝統的な中央集権型金 融とディスラプティブな分散型金融の双方に目配せした制度改正を機敏に展開 経緯 2015年4月 2015年12月 2016年5月 銀行法改正(銀行業のデジタル化対応) 2016年12月 金融制度WG 報告書(銀行APIの解放?電子 決済等代行業の制度整備) 2017年4月 2017年5月 銀行法改正 2018年6月 改正銀行法施行 2018年6月 金融制度SG 中間整理(機能別?横断的な金 融規制体系への転換) 2018年12月 2019年5月 2019年12月 決済法制?金融サービス仲介法制WG(決済法制 の整備?横断的な金融サービス仲介制度の導入) 2020年3月 金融サービス提供法?資金決済法等改正案 2020年 資金決済法改正(仮想通貨法制の導入) 資金決済法改正?金融商品取引法改正 改正資金決済法?金融商品取引法施行 中央集権型金融法制の世界線 分散型金融法制の世界線 新たな決済手段として決済法制組込みへの期待 決済業務等高度化SG 中間整理 決済業務等高度化WG 報告書 銀行を中心とした従来型の決済事業の高度化を議論 IT?イノベーションにフォーカスしたリテール?ホールセー ル、決済インフラ、仮想通貨にわたる総合的な政策 の方向性を議論 改正資金決済法施行 仮想通貨交換業等研究会 報告書(仮想通貨法 制の見直し、セキュリティトークンの制度整備) 大規模流出等想定外のリスク、ICO等想定外のビジネスモデルの 出現、仮想通貨の投資資産化、世界の規制動向を踏まえ、決 済法制よりも投資法制に寄せた形で暗号資産法制を再編成
  • 4. Copyright ? 2020 Mori Hamada & Matsumoto All rights reserved.‐ 3‐ 全産業のビジネスモデルの前提となる決済インフラをサイバーフィジカル一体型社会に 適合させ、新たな決済インフラの上で展開する金融仲介サービスの制度的基礎を確立 改正法の概要 金融仲介サービス法制の整備 オンライン?オフラインでワンストップの金融サービスを受けられることを目 指した新たな金融仲介サービス業を創設 ※ 金融商品販売法を「金融サービスの提供に関する法律」へ全面改訂 預金等媒介業務 ? 金融機関のためにする預金受入れ等の媒介 ? 金融機関と顧客の間の貸付の媒介 ? 金融機関のためにする為替取引の媒介 保険媒介業務 ? 保険会社?少額短期保険業者と顧客の間の保険契約締結の媒介 有価証券等仲介業務 ? 証券会社?投資運用業者?登録金融機関と顧客の間の有価証券売買の媒介 ? 上記事業者と顧客の間の証券取引所における有価証券売買/市場デリバティブ 取引の委託の媒介 ? 上記事業者のためにする有価証券の募集?売出し?私募の取扱い ? 上記事業者と顧客の間の投資顧問?投資一任契約締結の媒介 貸金業貸付媒介業務 ? 貸金業者と顧客の間の貸付の媒介 決済法制の整備 銀行以外の決済業(資金移動、前払)の整備を拡充し、収納代行 を再整理することでデジタル決済プラットフォームの制度的基礎を整備 資金移動 ① 第一種資金移動業 ? 100万円超の為替取引が可能 ? 認可制 ? 資金滞留を認めない ② 第二種資金移動業 ? 100万円までの為替取引 ? 登録制 ? 100万円超の資金滞留に制限 ③ 第三種資金移動業 ? 数万円程度の為替取引 ? 登録制 ? 供託等に替えて預金管理も可能(外部監査要) 前払 ? 発行事務委託に対する体制整備 ? その他業務体制整備義務の導入 収納代行 ? CtoC型プラットフォームの収納代行の一部に為替規制を導入
  • 5. Copyright ? 2020 Mori Hamada & Matsumoto All rights reserved.‐ 4‐ ワンライセンスで多様な金融サービスの販売を自社サイト/アプリ内で完結することがで きることにより、金融サービス販売のコンバージョンレートの向上が見込まれる 金融サービス仲介業の概要① 銀行 預金?貸付?決済 証券会社?運用会社 資産運用 保険会社 保険購入 金融サービス仲介業 貸金業者 貸付 預金等媒介業務 有価証券等仲介業務 保険媒介業務 貸金業貸付媒介業務 ? 所属金融機関制度を採用しないことにより、金融サービス仲介業者は金融事業者から独立した立場で顧客にとって 最善の金融サービスを販売することを制度的に担保 ? 自社サイト/アプリ完結で金融サービス販売をするためには、金融事業者の商品販売システムとの外部連携が必要 ? 資金を預かることができないため、金融業者への直接支払いの仕組みを別途整備する必要がある
  • 6. Copyright ? 2020 Mori Hamada & Matsumoto All rights reserved.‐ 5‐ 金融サービス仲介業は、オフラインビジネスとして展開することも可能であるため、 対面を組み合わせたワンストップの総合金融サービス仲介ビジネスを創ることもできるか 金融サービス仲介業の概要② 銀行 預金?貸付?決済 証券会社?運用会社 資産運用 保険会社 保険購入 金融サービス仲介業 貸金業者 貸付 預金等媒介業務 有価証券等仲介業務 保険媒介業務 貸金業貸付媒介業務 ? 所属金融機関制が採用されていないため、独立事業者として各金融業者と対等なパートナー関係を構築することができる ? 対面の金融サービス仲介は、金融業者に直払いするケースが多いため、金銭預託の禁止は足枷にならない ? 顧客にIDを付与して行動履歴をもとに最適なタイミングで最適な情報を提供し、最後に対面を絡ませて契約を獲得 ? 販売できる商品に制限があり、シンプルな商品を総合的に取りそろえて対面営業することに意味がある形の作り方が重要 アタックすべき顧客とその顧客に 提供すべき情報を付与 接触結果のデータ化 オムニ営業人員+営業部隊 顧客リアクション、行動履歴により 情報ニーズ、目的を把握 顧客ごと 個別情報発信 趣向に合わせた インプット 顧客
  • 7. Copyright ? 2020 Mori Hamada & Matsumoto All rights reserved.‐ 6‐ 強みを持つ金融サービスの販売につき、商品制限のない既存ライセンスを使い、それ以 外の金融サービスを新ライセンスで提供することで、既存ビジネスを強化できるか 金融サービス仲介業の概要③ リスク管理型総合金融サービス仲介 金融サービス仲介業生命保険 乗合代理店 損害保険 乗合代理店 預金等媒介 有価証券等 仲介 貸金業貸付 媒介 資産運用型総合金融サービス仲介 金融サービス仲介業IFA (金融商品仲介業) 預金等媒介 保険媒介 貸金業貸付 媒介
  • 8. Copyright ? 2020 Mori Hamada & Matsumoto All rights reserved.‐ 7‐ 仲介業ライセンスにより仲介販売することができる金融サービスの範囲と、別途取得し なくてよい資格 仲介業務の範囲 預金等媒介業務 媒介業務内容 契約締結先 仲介することができない取引 不要なライセンス 備考 預金受入れ 金融機関 特定預金等契約? その他高度な説明が必要な契約 銀行代理業 仕組預金は不可 普通預金等を想定 資金の貸付け? 手形の割引 金融機関/ 顧客 貸金業者が顧客のために行うもの 高度な説明が必要な取引 銀行代理業 貸金業者が顧客のために行うものは不可 住宅ローン等を想定 為替取引 金融機関 高度な説明が必要な取引 銀行代理業 保険媒介業務 媒介業務内容 契約締結先 仲介することができない取引 不要なライセンス 適用対象外取引 保険契約締結 保険会社/ 顧客 特定保険契約 その他高度な説明が必要な契約 特定保険募集人 保険仲立人 損害保険代理店 特定少額短期保険募集人 変額保険、外貨建保険は不可 傷害、旅行、ゴルフ保険等を想定 有価証券等仲介業務 媒介業務内容 契約締結先 仲介することができない取引 不要なライセンス 適用対象外取引 有価証券売買 証券会社? 登録金融機関/ 顧客 高度な説明が必要な契約 第1種金融商品取引業 金融商品仲介業 非上場株は不可 国債、上場株、投資信託等を想定 取引所有価証券 売買/市場デリバ ティブ取引の委託 証券会社? 登録金融機関/ 顧客 高度な説明が必要な取引 (市場デリバティブ取引のみ) 第1種金融商品取引業 金融商品仲介業
  • 9. Copyright ? 2020 Mori Hamada & Matsumoto All rights reserved.‐ 8‐ 仲介業ライセンスにより仲介販売することができる金融サービスの範囲と、別途取得し なくてよい資格 仲介業務の範囲 有価証券等仲介業務 媒介業務内容 契約締結先 仲介することができない取引 不要なライセンス 適用対象外取引 有価証券募集/ 売出しの取扱い 証券会社? 登録金融機関 高度な説明が必要な契約 第1種金融商品取引業 金融商品仲介業 投資型クラウドファンディングは不可 有価証券私募/ 特定投資家向け 売付勧誘等の取 扱い 証券会社? 登録金融機関/ 顧客 高度な説明が必要な取引 第1種金融商品取引業 金融商品仲介業 投資顧問契約/ 投資一任契約の 締結 投資運用業者/ 顧客 高度に説明が必要な取引 投資顧問業/投資運用業 適格投資家向け投資運用業 貸金業貸付媒介業務 媒介業務内容 契約締結先 仲介することができない取引 不要なライセンス 適用対象外取引 資金の貸付け? 手形の割引 貸金業者/ 顧客 高度な説明が必要な契約 貸金業
  • 10. Copyright ? 2020 Mori Hamada & Matsumoto All rights reserved.‐ 9‐ 他のライセンスにより仲介業を行うことができる事業者は、その分野の仲介業務を金融 サービス仲介業として行うことができない 兼業規制 業務種類 兼業できないもの 備考 預金等媒介業務 銀行代理業 保険媒介業務 保険募集人、保険仲立人 ※ 生損の区別なく一体として規定 保険会社、外国保険会社等、少額短 期保険業者は登録拒否事由 保険媒介業務は銀行の業務範囲内 (窓販規制あり?) 有価証券等仲介業務 第一種金融商品取引業、金融商品仲介業 銀行は登録拒否事由 貸金業貸付媒介業務 貸金業 ※ 資金移動業、前払式支払手段発行業、電子決済等代行業、割賦販売業との兼業規制は課されていないため、これらと 兼業することにより決済手段を整備することが可能 ※ 電子金融サービス仲介業務の登録をした場合、別途電子決済等代行業の登録を取得する必要はない(但し、みなし電 子決済等代行業者として銀行法等の規定に服する)
  • 11. Copyright ? 2020 Mori Hamada & Matsumoto All rights reserved.‐ 10‐ 共通の業規制 項目 概要 備考 標識掲示 営業所ごとに標識掲示 インターネットを利用する場合は事業者名、業務 種別等を公表 名義貸しの禁止 自己の名義をもって他人に金融サービス仲介業を行わせてはならな い 委託、再委託に関する制限が明文上かかっていな い 保証金の供託 供託金額は政令指定 保証金に替えて国債等の有価証券も可 供託に替えて保証契約、保険契約も可 不足額は二週間以内に積み増し 組み合わせも可? 誠実義務 顧客に対して誠実かつ公正に業務を遂行しなければならない 情報提供義務 事業者名、業務種別、代理権がないこと、金銭等預託の禁止、賠 償に関する事項等 手数料開示義務 顧客から要請があった場合に手数料等を開示 体制整備義務 顧客保護体制(顧客説明、個人情報保護)等 金銭等の預託の禁止 その行う金融サービス仲介業に関して、顧客から金銭その他の財団 の預託を受けてはならない(密接関係者に預託させることも禁止) 顧客保護に欠けるおそれがない場合の例外あり (規則制定) 名目を問わないとされるが、文言上、決済手段を 持つことは禁止されていない ADR機関 業務種別ごとにADR機関とのADR契約を締結 ADR機関の公表 帳簿作成義務 金融サービス仲介業に関する帳簿の作成?保存義務 事業報告書の提出 事業年度末から3ヶ月以内に当局に事業報告書を提出 ディスクロージャー誌の作成と公衆閲覧 業務種別にかかわらず登録業者が遵守しなければならない事項
  • 12. Copyright ? 2020 Mori Hamada & Matsumoto All rights reserved.‐ 11‐ 業務種別ごとの業規制 規制裁定が働かないよう、業務種別ごとに各業法の販売仲介業の規制を準用 預金等媒介業務 項目 概要 備考 情報提供義務 預金等媒介業務に関し、預金者等の保護に資するため、預金等に係る契約の内容その他預 金者等に参考となるべき情報を提供しなければならない 銀行代理業に対する銀行法52条の 44第2項に相当 禁止行為 次に掲げる行為をしてはならない ? 顧客に対し、虚偽のことを告げる行為 ? 顧客に対し、不確実な事項について断定的判断を提供し、又は確実であると誤認させるお それのあることを告げる行為 ? 顧客に対し、自己又は密接関係者の営む事業の取引を行うことを条件として、資金の貸 付けや手形の割引の契約媒介をする行為 ? 密接関係者に対し、取引の条件が相手方金融機関の取引の通常の条件に照らして同機 関に不利益を与えるものであることを知りながら、通常の条件よりも有利な条件で資金の貸 付け又は手形の割引を内容とする契約の媒介をする行為 ? 顧客に対し、その知識、経験、財産の状況及び取引の目的を踏まえた重要な事項を告げ ず、又は誤解させるおそれのあることを告げる行為 ? 顧客に対し、不当に、自己又は自己の指定する事業者と取引を行うことを条件として預金 等媒介業務を行うこと ? 顧客に対し、取引上の優越的地位を不当に利用して、取引の条件又は実施について不 利益を与える行為 ? 顧客に対し、不当に、預金等媒介業務を行うことを条件として、自己又は自己の指定する 事業者と取引をする行為 ? 顧客に対し、兼業業務における取引上の優越的地位を不当に利用して、金融サービス仲 介業に係る取引の条件又は実施について不利益を与える行為 ? 相手方金融機関に対し、預金等媒介業務に係る契約の締結の判断に影響を及ぼすこと になる重要な事実を告げず、又は虚偽の皇都を告げる行為 銀行代理業に対する銀行法52条の 45、銀行法施行規則34条の53に 相当
  • 13. Copyright ? 2020 Mori Hamada & Matsumoto All rights reserved.‐ 12‐ 業務種別ごとの業規制 規制裁定が働かないよう、業務種別ごとに各業法の販売仲介業の規制を準用 保険媒介業務 項目 概要 備考 商法仲立営業 の規定の準用 顧客のために行う保険契約の媒介につき、支払給付を受けることの制限、結約書交付義務、 帳簿記載義務、報酬の事後請求 保険仲立人に対する保険業法293 条に相当(商法543条、544条、 546-550条) 情報提供義務 保険契約の締結の媒介又は自らが締結を媒介した団体保険への加入勧奨に関する保険業 法294条1項に相当する情報提供 保険仲立人に対する保険業法294 条1項に相当 意向把握義務 保険契約の締結の媒介又は自らが締結を媒介した団体保険等への加入勧奨に関し、顧客 の意向を把握し、これに沿った保険商品の提案、商品説明、契約締結時の顧客の意向と商 品内容が合致していることを顧客が確認する機会の提供 保険仲立人に対する保険業法294 条の2に相当 自己契約の禁 止 損害保険会社等が保険者となる保険契約の媒介禁止 保険仲立人に対する保険業法295 条に相当 監督指針V-5-4(損保代理店の自 己契約規制)、V-5-5(損保代理 店の特定契約規制)に留意 禁止行為 保険契約の締結の媒介又は自らが締結を媒介した団体保険等への加入勧奨に関し、以下 を禁止 ? 保険契約者又は被保険者に対し、虚偽のことを告げ、又は重要事項を告げない行為 ? 保険会社等に対する虚偽告知の勧奨、重要事項の告知妨害又は不告知勧奨 ? 保険契約者又は被保険者に対する不当な乗換え勧誘 ? 保険契約者又は被保険者に対する特別利益の提供 ? 保険商品の不当な比較販売 ? 不確実な事項に対する断定的判断の提供 ? 相手方金融機関が特別利益の提供を約していることを知りながら行う勧誘 ? 保険業法施行規則234条相当の行為 保険業法300条1項、保険業法施 行規則234条に相当 保険契約申し込 み撤回時の規律 撤回時に受領した金銭の返還、保険会社に対し支払った賠償金の顧客への求償禁止 保険業法309条7項、8項、10項に 相当
  • 14. Copyright ? 2020 Mori Hamada & Matsumoto All rights reserved.‐ 13‐ 業務種別ごとの業規制 規制裁定が働かないよう、業務種別ごとに各業法の販売仲介業の規制を準用 有価証券等仲介業務 項目 概要 備考 禁止行為 有価証券等仲介業務に関し、以下の行為をしてはならない。 ? 投資顧問契約、投資一任契約又はこれらの媒介に係る契約に関し、偽計を用い、又は暴 行若しくは脅迫をする行為 ? 顧客を勧誘するに際し、顧客に対して、損失の全部又は一部を補てんする旨を約束する 行為 金商業者等に対する金商法38条の 2に相当 禁止行為 以下の行為をしてはならない。 ? 有価証券等仲介業務に関する以下の行為 ? 媒介又は勧誘に関して顧客に対し虚偽のことを告げる行為(金商法38条1号相当) ? 顧客に対する断定的判断の提供(金商法38条2号相当) ? 顧客に対し、登録を受けない信用格付につき必要な情報を提供しない行為(金商法38条3 号相当) ? 不招請勧誘行為(金商法38条4号相当) ? 勧誘に先立ち勧誘を受ける意思の有無を確認しない行為(金商法38条5号相当) ? 契約締結意思のないことを告げた顧客に対する勧誘継続行為(金商法38条6号相当) ? 図利目的で、特定金融指標算出者に対し、指標算出に関し、正当な根拠のない算出基礎情 報を提供する行為(金商法38条7号相当) ? 顧客の取引情報を利用して他の顧客の勧誘をする行為 ? 他業により知り得た有価証券の発行者情報を利用した勧誘行為 ? 与信供与を条件とした勧誘行為 ? 有価証券等仲介業務により知り得た顧客の売買動向等の情報を利用した自己の計算による取引 を行うこと ? 業府令275条に相当する行為 金融商品仲介業者に対する金商法 66条の14、業府令275条に相当 特定投資家向 け有価証券売 買の媒介制限 特定投資家向け有価証券について、一般投資家を相手方とした媒介等を行ってはならない 金商法66条の14の2に相当
  • 15. Copyright ? 2020 Mori Hamada & Matsumoto All rights reserved.‐ 14‐ 業務種別ごとの業規制 規制裁定が働かないよう、業務種別ごとに各業法の販売仲介業の規制を準用 特定金融サービス契約(元本確保がなされていない金融サービス)につき準用される金商法規制 ? 特定投資家に関する規制 ? 告知義務(金商法34条) ? 特定投資家のアマ成りルール(金商法34条の2) ? 一般投資家のプロ成りルール(金商法34条の3) ? 金商業者に対する規則 ? 広告規制(金商法37条) ? 契約締結前書面の交付(金商法37条の3) ? 契約締結時書面の交付(金商法37条の4) ? 解除時における違約金等の請求禁止(金商法37条の6第3項) ? 解除時における前払い金の返還(同条第4項) ? 金商業者等又はその役職員に対する禁止行為(金商法38条1号-6号) ? 損失補填等の禁止(金商法39条) ? 適合性原則(金商法40条) ? 特定投資家の場合の適用除外(金商法45条)
  • 16. Copyright ? 2020 Mori Hamada & Matsumoto All rights reserved.‐ 15‐ 業務種別ごとの業規制 規制裁定が働かないよう、業務種別ごとに各業法の販売仲介業の規制を準用 貸金業貸付媒介業務 項目 概要 備考 証明書携帯義 務 使用人等に対して従業者の証明書を携帯させなければならない 営業所ごとに従業者名簿を備置しなければならない 貸金業者に対する貸金業法12条の 4に相当 暴力団員等の 使用禁止 暴力団員等を業務に従事させ、又は業務の補助者として使用してはならない 貸金業者に対する貸金業法12条の 5に相当 禁止行為 貸金業貸付媒介業務に関し、以下の行為をしてはならない。 ? 資金需要者等に対し、虚偽のことを告げ、又は貸付の契約内容のうち重要な事項を告げ ない行為 ? 資金需要者等に対する断定的判断の提供 ? 保証人となろうとする者に対し、主たる債務者が弁済することが確実であると誤解させるおそ れのあることを告げる行為 ? その他偽りその他不正又は著しく不当な行為 貸金業者に対する貸金業法12条の 6に相当 生命保険契約 等の締結制限 貸付の契約の相手方の死亡保険金を受け取る契約につき自殺免責を付さなければならない 貸金業者に対する貸金業法12条の 7に相当 利息等の制限 利息制限法を超える付利等の禁止 貸金業者に対する貸金業法12条の 8に相当 相談?助言義務 必要に応じて資金需要者等に対して借入れや返済に関する相談?助言等を実施する団体を 紹介する努力義務 貸金業者に対する貸金業法12条の 9に相当 貸付条件等の 掲示義務 営業所の見やすい場所に貸付条件を掲示しなければならない 貸金業者に対する貸金業法14条に 相当 広告規制 貸付条件についての広告をする場合、貸主や利率等の貸付条件の表示、説明をしなければ ならない 貸金業者に対する貸金業法15条に 相当
  • 17. Copyright ? 2020 Mori Hamada & Matsumoto All rights reserved.‐ 16‐ 業務種別ごとの業規制 規制裁定が働かないよう、業務種別ごとに各業法の販売仲介業の規制を準用 貸金業貸付媒介業務 項目 概要 備考 証明書携帯義 務 使用人等に対して従業者の証明書を携帯させなければならない 営業所ごとに従業者名簿を備置しなければならない 貸金業者に対する貸金業法16条に 相当 契約締結時書 面の交付 契約締結時における書面交付義務 貸金業者に対する貸金業法17条に 相当 受取証書の交 付義務 弁済を受けたときは、その都度、直ちに受取証書を弁済者に交付しなければならない 貸金業者に対する貸金業法18条に 相当 帳簿の閲覧 債務者等は、金融サービス仲介業に関する帳簿書類の閲覧?謄写を請求することができる 貸金業者に対する貸金業法19条の 2に相当 特定公正証書 の制限 強制執行認諾文言のある公正証書の作成委任状を取得してはならない等 貸金業者に対する貸金業法20条に 相当 公的給付に係る 預金通帳等の 保管制限 公的給付の特定受給権者の預金通帳等の提出を求め、これを保管する行為等をしてはなら ない 貸金業者に対する貸金業法20条の 2に相当 取立て行為の規 制 債権の取立てに当たって、人を威迫し、又は一定の言動その他人の私生活や業務の平穏を 害する言動をしてはならない 貸金業者に対する貸金業法21条に 相当 債権証書の返 還義務 完済した場合には、債権証書を遅滞なく返還しなければならない 貸金業者に対する貸金業法22条に 相当
  • 18. Copyright ? 2020 Mori Hamada & Matsumoto All rights reserved.‐ 17‐ 金融サービス仲介業者の役職員に対する業法上の管理 保険仲立人と有価証券仲介業と平仄をあわせる役職員の管理ルール ? 保険媒介業務を行う金融サービス仲介業者の役職員の届出制度 ? 保険契約の締結の媒介を行う役職員の氏名?生年月日を認定金融サービス仲介業協会等に届け出なければならない ? 有価証券等仲介業務を行う金融サービス仲介業者の役職員の外務員登録制度 ? 有価証券等仲介業務、申込の勧誘、委託の勧誘等をする役職員を外務員として、認定金融サービス仲介業協会等が管 理する登録原簿に登録しなければならない ? 外務員登録を受けた役職員以外が上記の行為をすることはできない ? 外務員登録を受けた役職員は、上記行為につき金融サービス仲介業者の代理権を持つものとみなされる
  • 19. Copyright ? 2020 Mori Hamada & Matsumoto All rights reserved.‐ 18‐ 金融サービス仲介業者へのエンフォースメント 金融業規制に一般的に見られるエンフォースメントを整備 ? 報告徴求命令 ? 対金融サービス仲介業者 ? 取引先、業務委託先(再委託先を含む) ? 保証業者 ? 立入検査 ? 対金融サービス仲介業者 ? 取引先、業務委託先(再委託先を含む) ? 保証業者 ? 業務改善命令 ? 業務停止命令 ? 登録取消 ? 役員解任命令 監督官庁は有価証券等仲介業務につき金融庁から証券取引等監視委員会への業務委任があり、委員会への委任事項 を含めて地方財務(支)局への委任がかかっている。
  • 20. Copyright ? 2020 Mori Hamada & Matsumoto All rights reserved.‐ 19‐ 第一種資金移動業は、金額制限のない為替取引を行うことができる認可業者 第一種資金移動業の制度概要 ? 登録を得た資金移動業者が、業務実施計画の認可を受けることで、第一種資金移動業を営むことができる。 <業務実施計画の記載内容> ? 移動させる資金額の上限額を定める場合は上限額 ? 為替取引システムの管理方法 ? その他規則に定めるもの ※ 業務実施計画の変更には認可が必要(軽微なものは届出) ※ 既存の資金移動業者は併せて変更登録が必要 ※ 複数の種別の資金移動業を同時に営むことも可能 ? 履行保証金は、各営業日の要履行保証額を、1週間以内(府令指定)に供託 ? 履行保証金保全契約、履行保証金信託契約を組み合わせることができる ? 第一種資金移動業者に対する資金滞留の禁止の具体的内容 ? 各利用者に対して、資金移動額、移動日等が明らかではない為替取引に関する債務を負担してはいけない ? 為替取引に関する債務を、資金移動事務の処理に必要な期間を超えて負担してはいけない ? 各利用者の銀行口座にアクセスし、全銀ネット等を通じずに為替取引を実現するモデルを確立することになる。 ? 二以上の種別の資金移動業を営む場合、以下を届け出ることにより、一括供託が可能 (特例対象資金移動業) ? 一括供託の開始日 ? 資金移動業の種別(算定期間、基準日、供託期限をそろえることが条件) ? その他規則で定める事項
  • 21. Copyright ? 2020 Mori Hamada & Matsumoto All rights reserved.‐ 20‐ 第一種資金移動業と第二種資金移動業を組み合わせた特例対象資金移動業にB向け資金移 動ビジネスの可能性があるか 第一種資金移動業の活用 特例対象資金移動業者 滞留資金(2種:100万円) オートチャージ ①100万円超の資金移動指示 ②API/口振により入金 顧客A A口座 顧客B B口座 ③B口座へ送金 オートチャージ 滞留なし(1種) ? 第二種資金移動業で100万円以下の小口送金につき決済ネットワークを構築、顧客の銀行口座へのアクセス を確保 ? オートチャージ機能等で100万円以下の送金は第二種資金移動業にて自社決済ネットワーク内で処理すること で、決済コストを削減 ? 100万円超の大口送金は、第一種資金移動業にて①顧客Aからの送金指示→②把握している顧客A銀行口 座から自社送金口座に送金(振替)→③顧客B銀行口座に送金(振替)として処理 一括供託
  • 22. Copyright ? 2020 Mori Hamada & Matsumoto All rights reserved.‐ 21‐ ペイロール事業と資金移動業 資金移動業ライセンスを用いたペイロール事業は、資金移動業者破綻時にも早期に労働者に現金が引き渡され る仕組みが整い次第、資金決済法の改正とは別スケジュールで解禁される 通貨払いの原則 労働基準法24条1項 賃金は、通貨で、直接労働者に、その全額を支払わなければならない。ただし、法令若しくは労働協約に別段の定めがある場合又は厚生労働省令で定める賃金について確 実な支払の方法で厚生労働省令で定めるものによる場合においては、通貨以外のもので支払い、また、法令に別段の定めがある場合又は当該事業場の労働者の過半数で 組織する労働組合があるときはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がないときは労働者の過半数を代表する者との書面による協定がある場合においては、 賃金の一部を控除して支払うことができる。 労働基準法施行規則7条の2 使用者は、労働者の同意を得た場合には、賃金の支払について次の方法によることができる。 一 当該労働者が指定する銀行その他の金融機関に対する当該労働者の預金又は貯金への振込み 「預金への振込み」に替えて、資金移動業者の開設する資金移動アカウントに対する送金によって支払うことでも、通貨払いの原則の例外として認めら れるよう制度改訂を検討中 <条件> ? 労働者の同意があること ? 毎月一回はATM等により無償で出金が可能であること ? 1円単位での払込みと払い戻しが可能であること ? 破綻時にも迅速な支払(7週間程度)が可能な仕組みが備えられていること 移動業者 保証会社 ①破綻通知 ①破綻通知 ②保証請求 ③支払 保険会社 ⑥保険金請求 法務局 ④供託金還付請求 ⑤支払 ⑦支払 厚労省による認定制?
  • 23. Copyright ? 2020 Mori Hamada & Matsumoto All rights reserved.‐ 22‐ 連絡先 弁護士 増 島 雅 和 森?濱田松本法律事務所 tel. 03.5220.1812 email. masakazu.masujima@mhm-global.com