JSSST 2014 発表資料
- 1. 通信制約を考慮した遠隔介護のための 適応型コミュニケーション 支援システムの実現 名古屋工業大学大学院工学研究科情報工学専攻 片山 真也 白松 俊 大囿 忠親 新谷 虎松 1
- 2. アウトライン 1. 動機?背景?目的 2. システムの概要 3. 遠隔介護のためのシステムの困難性 4. システムの仕様?構成 5. 導入?運用事例 6. まとめ 2
- 3. 動機 3 遠くに住んでいるおじいちゃんの 介護が大変 iPad や iPhone をいくつか 使えるので遠隔介護支援システムを 作ってみよう
- 4. 50代女性 50代男性 80代男性 看護師 薬を飲んだか 指導する人 デイケア ヘルパー 中部 九州 4
- 5. 既存のコミュニケーション 支援システム ? 高齢者が使用するための負担 o 新しいツールの使い方を覚える負担 ? 高齢者側の機器の状態をモニタリングする必要 ? 通信制約 (速度が遅い等) がある環境では使用が困難 o ビデオチャット等、大容量の通信 5 遠隔介護にフォーカスを当てたシステムを開発 高齢者宅の通信制約に適応して動作
- 6. 適応型コミュニケーション 支援システム 6 高齢者の様子や動作を把握 (顔色、薬の服用) 遠隔からコミュニケーション 目的 要件 高齢者に新しいツールを使わせない 絶対に止まらない 通信制約がある環境に適応して動作する
- 7. 7 メッセージの表示 顔色の確認 電話と併用 (高齢者が普段から使用している 音声通話手段のため)
- 8. ←介護者側クライアント 8 手書き文字 の同期 高齢者側クライアント→
- 9. 9 介護者側クライアント 高齢者側クライアントの カメラ画像
- 10. システムのデモ 10
- 11. 通信制約 ? 小規模で簡単に構築可能なモバイル回線の利用 o 高齢者の生活を邪魔しない o ICT 機器に詳しくなくても設置可 ? 高齢者宅で新しく通信環境の構築ができない o 高齢者が生活の邪魔をされるのを嫌がる o 工事の際に家族が高齢者宅にいる必要がある 11 速度が遅い (128 kbps 以下になることもある) 不安定 (サーバーと 数回 / 日 切断される) パケットロス率が高い
- 12. 困難性 実装の困難性 導入する人 コミュニケーション 使う人 絶対に落ちない の困難性 生活を邪魔しない 通信制約 使えるインタフェース etc… 12
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- 14. 手書きメモの同期 介護者側アプリ終了時は手書きメッセージが破棄 14 仲介 サーバー 仮想 クライアント
- 15. カメラ画像の送信 15 解像度と更新頻度を調整した擬似動画を送信 状況に応じて介護者側で解像度の調整が可能 A B A B 受信側 送信側 サーバー
- 16. システムが使用不可になる要因と対策 ? システムが異常終了 o OS の機能で常に立ち上がるようにする iOS のアクセスガイド ? サーバーとの通信が切断 o 常に接続状態を監視、再接続処理 ? 大量のパケットの受信でネットワーク使用不可 o パケットを大量に送れないようにする o カメラ画像の送信 ? 時間のかかる処理待ちで応答不能 o 省略可能な処理は省略する 16
- 17. 導入?運用 第1号 ネットワークが切断され失敗 モバイルルーター → 端末内蔵 第2号 熱暴走の発生により失敗 ソフトウェアの動作の最適化 第3号 AC アダプタを抜かれて失敗 お願いメッセージを貼り付け 第4号 テザリング端末と通信が切断 定期的に keep alive 通信 17 第5号 サーバーとの再接続に失敗 再接続の処理を見直し 第6号 メモリリークの発生 処理フローの見直し 第7号 安定稼働中 使用状況を考え、UI の改良
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- 21. 得られた知見 ? タブレット端末は予想以上に使いづらい o デファクトスタンダードが理解されない o 研究者視点では予想できないつまづき ? 普段使用している機器について知らない？ o iPhone ユーザーが iPad のセットアップに苦戦 ? 高齢者がタブレット端末を使うのは困難 o 触るだけでも一苦労 21
- 22. まとめ ? 遠隔介護のための適応型コミュニケーション支援システム o 高齢者の様子や動作を把握 (顔色、薬の服用) o 遠隔からコミュニケーション ? 通信制約に適応し、高解像度の画像を送信 o 顔色、部屋の様子の確認 ? 常に動き続けるシステム o iOS のアクセスガイドによる運用 o サーバーとの接続監視 o 送信パケット、CPU リソースの管理 22