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加速器と素粒子物理での超?低レイヤー 
(3時間で作った手抜き^h^h^hイントロ版) 
2014/10/18 
@ichimiyar 
1
自己紹介 
? Twitter: @ichimiyar です。 
? つくば市の某加速器研で加速器をやってます。 
? つくばエクスプレスが走る前から、つくば市に 
来てました(@関西の学生時代)。 
? 高速バスが最高1時間 
に6本走った時代… 
? 上りのバスは東京駅ま 
で4時間以上掛かったり、 
関西に帰れなくなる事も 
… 
http://yaplog.jp/koidebus/archive/63より借2 
用。
自己紹介2 
? 震災後、周りの物理屋*は御用学者扱いさ 
れたのに、私は小物過ぎて誰も御用学者扱 
いしてくれなかった。(; ;) 
? なので、Twitterアイコンで自己主張 
3 
*物理学研究者の自称の一つ。
自己紹介2 
? 震災後、周りの物理屋*は御用学者扱いさ 
れたのに、私は小物過ぎて誰も御用学者扱 
いしてくれなかった。(; ;) 
? なので、Twitterアイコンで自己主張 
? でも、3年経って飽きたのでFacebookアイコン 
にする(実名垢) 
4 
*物理学研究者の自称の一つ。
超低レイヤー(?) 
? 以前のkernel/vmで@cosmo__ さんが 
5
Kernel/VMと言えば 
6
低レイヤーだよね。 
7
vvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvv 
> 量子力学(第一原理計算)< 
> (分子状態を計算) < 
^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^ 
8
甘い! 
9
vvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvv 
> 時代は素粒子! < 
^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^ 
10
2012年7月4日 
ヒッグス粒子発見の発表 
新聞がトップ記事として伝えた 
引用:CERN アトラス実験グループ11
12 
2012年7月4日CERNはヒッグス粒子(らしきもの)を観測したと発表 
(http://cdsweb.cern.ch/record/1462525 より抜粋)引用:CERN アトラス実験グループ
2013年ノーベル物理学賞受賞者の発表 
ピーター?ヒッグス(イギリス) フランソワ?アングレール(ベルギー) 
受賞理由: 
2013年10月8日 
万物に質量を与えるヒッグス粒子の存在を 
理論的に予言した(1964年)。 
引用:CERN アトラス実験グループ
水(H2O) 
酸素(O) 
陽子(p) 
電子(e) 
中性子(n) クォーク 
14 
クォーク 
分子原子素粒子 
引用:CERN アトラス実験グループ
強い力 
磁気力 
マックスウエル 
電気力 
弱い力 
地上重力 
天体重力 
電磁気力 
弱い力 
重力 
量子色力学 
電弱理論 
一般相対論 
大統一? 
力の統一= 物理学者の夢 
? 
高いエネルギー 
宇宙のはじめ 
ニュートン 
現在 
15 
ヒッグス…… 
20 世紀19世紀17世紀 
引用:CERN アトラス実験グループ
引用:CERN アトラス実験グループ16
周長26.6 km 
主な実験装置 
ATLAS 
CMS 
ALICE 
LHCb 
計画承認1994 
建設完成2008 
建設費~1兆円 
LHC ( Large Hadron Collider ) 
引用:CERN アトラス実験グループ
トンネル周長27km 
エネルギー7+7=14 TeV 8TeV (57 %) 
ルミノシティ1034 cm-2s-1 7.7×1033 (77 %) 
陽子数/バンチ1.15×1011 1.6×1011 (139 %) 
ビームバンチ数2808 1380 (50 %) 
ATLAS 
C M S 
ALICE 
LHCb 
LHC 加速器と実験装置 
設計値達成値(%)2012.8.25現在 
引用:CERN アトラス実験グループ 
2011/4/21 18
加速器の主要素:超伝導電磁石 
1232 台の超電導電磁石がビームを曲げる。 
引用: 19 CERN アトラス実験グループ
建設中のアトラス実験装置2005年11月 
引用: 20 CERN アトラス実験グループ
陽子ビームバンチの形状と衝突 
バンチ数は1380個 
リング全体で44 兆個の陽子 
~14 cm 
0.3mm (衝突点では16 mm) 
21 
160億個の陽子 
衝突回数:毎秒2千万回 
アトラス実験で観測された陽子バンチ衝突イベント 
15個のpp衝突が見えている 
引用:CERN アトラス実験グループ
日本?英?米などで製造されたシリコン検出器 
22 
シリコンセンサー 
浜松ホトニクス 
回路組立 
栃木セイコー 
フレキ回路基板 
日本メクトロン(茨城県) 
引用:CERN アトラス実験グループ
見つかったヒッグス粒子の候補イベント 
https://twiki.cern.ch/twiki/bin/view/AtlasPublic/EventDisplaysFromHiggsSearches を参照 
23 
H-> Z Z -> m m m m 
4本のミュー粒子(赤線)が発生してる。 
H -> g g 
2つのガンマ線が発生してる。 
引用:CERN アトラス実験グループ
シミュレーションでの予想結果 
24 
2光子崩壊での不変質量分布。黒点がアトラスのデータ 
で、赤点線がヒッグス粒子がない場合の予想分布。 
126GeV付近に盛り上がりが見える(矢印) 
4レプトンへ崩壊での不変質量分布。赤が 
ヒッグス粒子以外からの予想分布、ヒッグス 
粒子の質量が125GeVの場合の予想分布。 
データ(黒点)はヒッグス粒子が存在する場 
合の分布とよく合っている(矢印) 
皆さんおなじみの「ファインマン?ダイアグラム」 
引用:CERN アトラス実験グループ他
素粒子シミュレーションの流れ 
? 各ファインマン?ダイアグラムに対応する素過程を 
イベントジェネレータにより生成させる。(Alpgen, 
Pythia, Sherpa, MC@NLOなど) 
– Parton Showerの生成(Pythia old/new PS, 
Herwig/Jimmyなど) 
↓ 
? 検出器シミュレータにより、素過程から来る各種 
粒子が検出器をどのように反応させるかを計算 
する。(Geant4, FLUKA, EGS4/5など) 
– ビジュアライザも重要なツール。 
25 
時間不足につき、今回は省略m(_ _)m 
キーワード: モンテカルロ(MC)、並列処理、データグリッド(クラウド 
コンピューティング)、ビックデータ、etc..
そして実験結果は 
26 
ヒッグス粒子の質量は、 
125.5±0.2±0.6 [GeV] 
2013年3月 
H→ γγ H→ ZZ 
引用:CERN アトラス実験グループ
まとめ 
? 素粒子物理は究極の低レイヤー(物理)。 
? 今、ホット(物理)な世界。 
? 巨大な実験装置を用いて、究極の理論を探す「山師 
的(金鉱掘り)な」一面も。 
– 実験期間が長いので、博士号が取りにくい時期も 
? 測定データは5-6PByte/年とビックデータ。 
– グリッドコンピューティング(今で言うクラウド?) 
– 実データ解析とシミュレーションは共に大きな計算。 
? シミュレータでの計算は1事象約5?6分。 
– イベントジェネレータ+検出器シミュレータ 
? 数万CPUを同時に動かしてスループットを上げる。 
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