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2008/10/31 2nd sensor & overlay workshop
    / /                       y        p
(2008/3/6 DPS-134-6 発表資料+α)



オーバレイネットワークにおける
ID/Locator 分離機構



                              吉田 幹 BBR&阪大
                                           大阪大学
Agenda
 IPネットワークにおける課題整理
  滨顿/尝辞肠补迟辞谤分离の方式例
  ID解決における問題
 オーバレイネットワークにおける滨顿/尝辞肠补迟辞谤分离機
 構の提案
  IDベースのルーティング
  IDベ スのル ティング
  経路表の対称性
 PIAXを使ったプロトタイピング
 PIAXを使 たプ トタイピング
 まとめと今後の課題



                            2
IPネットワークにおける課題整理
IPネ トワ クにおける課題整理
滨顿/尝辞肠补迟辞谤分离
   IPアドレスの二元性問題(duality problem of the
   IP address)
           IPアドレス(or FDQN)が、ノード自身の識別子(ID)と接
           続位置(locator)の両方の意味を有している
           モビリティ、マルチホーム、IPsec に支障を生じる
             ビ          ホ ム      支障を生じる
   ノードの個体(identity)と接続位置(location)の概
   念を分離し、IDと locatorを別レイヤで扱う必要が
   念を分離し IDと l    t を別レイヤで扱う必要が
   ある
Service          Socket          Service        Socket



End-point                        End-point   Host Identity



Location
L   ti          IP address
                    dd           Location
                                 L   ti       IP address
                                                  dd

                  HIPにおける滨顿/尝辞肠补迟辞谤分离の例
                                                             4
IPにおける滨顿/尝辞肠补迟辞谤分离の概要
 IRTF, IETFにて検討が進められている
 直近の問題として、マルチホーミングに伴う経路表
 直近の問題として マルチホーミングに伴う経路表
 の増大がある
 提案方式
  LINA(Location Independent Network Architecture),
  LIN6(Location Independent Networking for IPv6)
  HIP(Host Identity Protocol)
  LISP(Locator Id tifi Separation Protocol)
  LISP(L   t Identifier S     ti P t     l)
 などなど
 いずれも、ID解決にネームサーバを用いる
  ずれも   解決にネ ムサ バを用 る
  ネームサーバは、(ID, locator)の組を管理する

                                                 5
LINA, LIN6
 アプリケーションは、送信先ノードの指定に、IDとlocatorの
 両方を利用可能
 Network層を2つの sub layerに分離
   Identification sub layer と Delivery sub layer
   Identification sub layer で IDから locatorに変換
                            で、IDから
   (ID解決)
 MA(Mapping Agent)がネームサーバとして機能
 MAが、 Identification sub layerからの要求に応える形で、
 ID解決を実現

 LIN6 は、LINAのIPv6への適用
   IDを40bitで表現し、24bitのprefixをつけて、下位64bitに埋め込む
   IDを40bitで表現し 24bitのprefixをつけて 下位64bitに埋め込む

                                  IPv6 address

                            locator              ID

                                                      6
尝滨狈础の処理フロー
   Application                     ID
   Layer

   Transport                       ID
   Layer
                 Identification             mapping
                 Sub Layer         ID                 Locator

   Network       Delivery
   Layer         Sub Layer                            Locator


                 相手ノードがIDにより指定された場合

   Application                    Locator
   Layer

   Transport                      Locator
   Layer
                 Identification
                 Sub Layer
   Network       Delivery
   Layer
   L             Sub L
                 S b Layer        Locator


               相手ノードがlocatorにより指定された場合                          7
HIP Architecture
 TransportとNetwork層の間に                              Transport Layer
 ID解決のための層を設ける
                                                            HIP
   LINAと同じ
       と同じ
                                                 Internetworking Layer
 主な特徴
   IDのために独立の空間を定義する
      LIN6の場合は、IPv6アドレスに埋め込み
   IDに認証と匿名性のための機能を付与する                                      key generator
      このため、2種類のID(HI, HIT)を持
       のため 2種類のID(HI HIT)を持つ
                                               public key         private key

 ID解決のためのネ ムサ バ
 ID解決のためのネームサーバ
 として、DHTが検討されている                                public HI         anonymous HI

   (ID, locator) の組をDHTにより管理                 hash
   認証機能により、改竄を防ぐ                               HIT          LSI

   secure-i3                                     128bit      32bit

      i3(Internet Indirection Infrastructure)を拡張

                                                                                 8
既存方式の問題
実現性
 LIN6においては、IPv6の普及が前提
 HIPでは、ホストにおけるプロトコルスタック、LISPでは、ルータの置
     は ホ   お るプ      タ ク     は   タ 置
 き換えが必要
 実現には時間とコストを要する
ID解決のオーバヘッド
 ネームサーバを用いるため、オーバヘッドを生じる
 ハンドオーバ時にID解決を要する場合、通信断が長くなる
  ンドオ バ時にID解決を要する場合 通信断が長くなる
セキュリティ強化の必要性
 不正なエントリ参照や改竄を防ぐため、ノ ド認証の仕組みが必要
 不正なエントリ参照や改竄を防ぐため ノード認証の仕組みが必要
DHT自体の持つ技術課題
 通信頻度の高いノードのID解決エントリを保持するDHTノードの参
 照負荷が高くなる ? DHT内の負荷が均等でない
   負荷が高くなる         負荷が均等 な
 churn状態(DHTノードの出入りが頻繁)と複製の持ち方について緻
 密に管理する必要がある
 ?検索成功の保証が困難
                                   9
オ バレイネ トワ クを前提とした提案
オーバレイネットワーク
オーバレイネットワークにおける問題
 ノードには、独立にIDが割り当てられる
  ? IDとlocatorの概念分離はできている
 ところが現状、IPネットワークの持つ二元性問題の
 影響を受けている
  ? 物理ネットワークから来る制約を隠蔽できていない

                                     64   0

構造化オーバレイの場合
                           v1                        v4      identifier circle
 IDに基づくルーティングは可能
 IDに基づくル テ ングは可能                                              (N=64)
                      52
 であるが、
 ノードの移動(locatorの変更)                                             v2

 が起こると、移動ノードへの通
 が起 る 移動       ド  通                                        Node ID
                                                             20
 信が不能となる                                              21
                                                     22
                                                   24
                      v3                      28
                                36

                                Chordの例
                                                                       11
滨顿/尝辞肠补迟辞谤分离のためのアプローチ
目的:
 オ
 オーバレイネットワーク上のアプリケーションにおいて、ノー
      レイネットワ ク上のアプリケ ションにおいて、
 ドのlocatorを意識させない
アプローチ:
A. 物理ネットワークで、滨顿/尝辞肠补迟辞谤分离を実現する
B. オーバレイネットワーク内で、滨顿/尝辞肠补迟辞谤分离を実現する
                       /

 A案
  案
   IPネットワークで検討が進んでいるが、対応に時間を要する
   対応していない物理ネットワーク上にオーバレイネットワークを作れ
   ない
 B案
   物理ネットワークの制約をより強く隠蔽できる
   物理ネットワ クの制約をより強く隠蔽できる
   ? オーバレイネットワーク本来のあり方
                                     12
提案機構
オーバレイネットワークの下位層を2層に分離
 ID Transport層
    IDベースのルーティング ? IDによるメッセージ到達性
    経路表には、隣接ノードのIDとlocatorを保持
 Locator Transport層
    下位の物理ネットワークの抽象化が目的
    実際の処理は委譲する


            Overlay Network                   ID Reachability

                                              routing
      ID Transport Layer                      table

                                              locator
     Locator Transport Layer


      IP Network      non-IP Network    ...       Physical
                           (MANET,..)             Networks
                                                                13
対象とする物理ネットワーク
   オーバレイネットワークで、滨顿/尝辞肠补迟辞谤分离を行うことにより、
   ヘテロジーニアスな物理ネットワークをカバーできる

IP network
                                   non-IP network




              overlay network                       overlay network




             non-IP network          IP network




                                overlay network

                                                                      14
滨顿ベースルーティングによる利点
              外部のネームサーバは不要になる
              LocatorのTransport層では、ホップ単位のメッセージ到達性
                     の     p 層では、ホッ 単位の ッ    ジ到達性
              があればよい(部分到達性)
              マルチキャスト(ALM)も変更なしに扱える
                         name
                         server
              message

ID Trans
Layer

Locator
Trans Layer
                                                            オーバレイネットワーク
                A        router   B
                                                             routing
                    IPネットワーク                      message
                                                             table

                                  ID Trans
                                  Layer

                                  Locator Trans
                                  Layer

                                                    A         X        B
                                                                           15
ノード移動時の処理
移動により、メッセージ到達性が失われる場合は、再びノー
ドをオーバレイネットワークに参加(join)させる
経路表に対称性があり、メッセージ到達性が失われない場
合、高速なハンドオーバが実現できる
経路表に対称性のある構造化オーバレイの例
 DHT: Kademlia
 non-DHT: Sk G h
          Skip Graph            B

                                          L2’
                       A            L1’
                                                 D

                                     C
                           L1               L2



                                C
                                                     16
PIAXにおける実装
ID Transport層と Locator Transport層にAPIを設定
  IdTransport, LocatorTransport
経路表の対称性は、Multi-key Skip Graphにより保証
多様な物理ネットワークを扱うため、通信部分をSPI化

                       MSkipGraph
                                       bind

                                                    IdTransport
                                                    API
                        getLocator
                        notifyChange
                                       IdResolver
                                       IdR l
          IdTransport
                                                    Locator
                                                    Transport
                 LocatorTransport                   API


         IPTS                                       Locator
                         ZigBeeTS      (emulator)   Transport
     (NAT Traversal)
                                                    Services
                                                                  17
シームレスハンドオーバ
無線LANの場合、
  以下の手順
  (1) 次に接続する無線AP を探すためのチャネルスキャン
  (2) 新しい無線AP とのアソシエーション
  (3) DHCP による新しいIP アドレスの取得
  所要時間
    (1)+(2) : 50~400msec
    (3): 2~5秒 (Windows だと、5秒から数十秒)
  結構、長い
 何もしないと、通信断は避けられない
 何もしないと 通信断は避けられない
  無線I/Fを2つ持つ、またはドライバの改造(電波を2つ取る)
 (3) の短縮も必要
  non-IPの世界だけで行うことは有効
 さらに、ネ ムサ バを引く時間も入れないといけない
 さらに ネームサーバを引く時間も入れないといけない

                                     18
Dual Locator 方式
 locatorを2つ持つことで、通信断をなくす
 以下の時間、旧
 以下の時間、旧locator を保持する
   新しいlocatorを取得するのに要する時間(handover time)
   ID解決に要する時間(ID resolve time)
 高速ハンドオーバのための目安
   100m届く無線APで、50mあたりからハンドオーバさせる場合、移動
   ノードが50m動くまでの間に完了させなければならない
   ノ ドが50m動くまでの間に完了させなければならない
     時速60kmなら、3秒しか余裕がない


     locator L                                      time



                                               locator L’
         t1                               t3
                            t2
                 handover        ID resolve
                 time            time
                                                            19
経路表対称性条件が満たされる場合
ID解決のためにlocatorを保持する時間は、
RTT(往復遅延時間)で十分
 シミュレーションで再確認
隣接ノード間の経路表更新が必ず成功するためにも、この
条件が必要

                                        time
           locator L
                                    locator L’
  node A



           locator M
                                     locator M’
  node B

                       send delay
                                                  20
シミュレーション評価
条件
 ノ ド数:100, 1000,
 ノード数:100 1000 10000
 各ノードは、Random Waypoint Model に従い移動
     無線APは、100m間隔に設置されているとする
     [60,600]秒休憩し、[5,100]間隔で、[1,10]回ハンドオーバ
       平均でいえば、5分休憩、50秒間隔を5回
       高速ノードは、時速70km。低速ノードは、5km
       高速  ド  時速      速  ド
 ID resolve time を変化させる(0 から n x RTT)
     簡単のため RTT/2 = 10msec
     簡単のため、RTT/2
     0 から 30msec に変化
 ランダムに抽出したノ ド間の通信(ID指定)の成功率を
 ランダムに抽出したノード間の通信(ID指定)の成功率を
 調べる


                                             21
シミュレーション評価
20ms(RTT相当)を越えると、エラー率はゼロ
locator保持をさぼったとしても、1%程度
       保持をさぼ た しても、  程度




                           22
まとめ
オーバレイネットワークにおける滨顿/尝辞肠补迟辞谤分离機
構の提案
 IDによるメッセージ到達性と以下の透過性を実現
   ノード移動に対し透過的
     ド移動に対し透過的
   ヘテロジーニアスな物理ネットワークに対し透過的
 経路表に対称性がある場合、高速なハンドオーバが実
 現できることを示した
 外部のネームサーバを必要としないことによる効率向上
   余計な管理負荷が発生しない
   改竄防止の対策が不要
PIAXを使った実装(プロトタイプ)を提示
    を使 た実装(プ トタイプ)を提示


                             23
参考:ZigBee通信の実験例
無線アドホックネットワーク(AODV)上にPIAXの
オーバレイネットワークを構成
UNS2008 にてデモ展示



    PIAX nano
                   MOTE




   バッテリ



                             24
参考:メッセージ軽量化の评価结果
                        無線アドホックネットワーク特有の狭帯域性に対応するため、
                        メッセージ軽量化を実験
                                位置座標の基準点、メソッド名のエンコード表の共有化
                                位置座標 基準点 メ  ド名     ド表 共有化

                                     総受信 イト数
                                     総受信バイト数                                        メソッド実行までの平均時間
                                                                                     ソッド実行までの平均時間
                5                                                            190
                                                                                       187
                                                                             185
                4
受信バイト (Kbyte)




                                                                             180




                                                                    時間 (秒)
                3


                                                                     間(秒)
    ト数




                2
                            提案手法では                                  時間
                                                                     間        15
                            増加率が徐々に減少                                                             10.5
                                                                              10
                1
                                                                               5
                                                                                                         0.93
                0                                                              0
                    0       4    8     12    16    20    24    28                  PIAX Message   JSON   提案手法
                                  discoveryCall (回)

                        PIAX Message        JSON        提案手法
                                                                                                                25
今後の課題
滨顿/尝辞肠补迟辞谤分离機構をフレームワーク化し、オープンソース
として提供
ヘテロジーニアスな物理ネットワークで使用できるルーティ
ングアルゴリズムの検討
 ノードおよび通信特性の差を吸収するルーティング方式の検討
   通信品質とノード性能において大きく特性が異なるネットワークをまたぐ
   前提
 半構造化オーバレイの検討
   構造化オーバレイの場合、均一なノードの性能を期待するため、非構造
   化オーバレイのルーティング方式を効果的に融合させる必要がある
   化オ バレイのル ティング方式を効果的に融合させる必要がある
クロスレイヤ制御
 物理ネットワ クの通信状況をオ バレイネットワ クのル ティン
 物理ネットワークの通信状況をオーバレイネットワークのルーティン
 グに反映させる
 高速ハンドオーバのためにも必要


                                  26
Q&A

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kibayos-ID/Locator-081031