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LINE or manaba?
‐授業外活動における情報共有ツールの選択を考える‐
古賀暁彦
産業能率大学 情報マネジメント学部
KOGA_Akihiko@hj.sanno.ac.jp
or
1
目次
環境の変化
情報環境の変化
授業の変化
実践継続型PBLの取組み
大山おからドーナッツ「kobara+3」
あるべき情報共有環境は
いくつかの比較実験
今後に向けて
2
問題意識
?学生の情報環境と大学の授業が近年著し
く変化している。
?そうした変化に従来型のLMSは対応でき
ていないのでは?
PBL型のゼミの活動で
LINEとmanabaを使用し比較
3
情報環境の変化1 スマホ普及
スマートフォン保有率97%
93.2% 98.5% 98.7% 98.3% 95.7% 95.9% 95.3% 98.3%
0%
10%
20%
30%
40%
50%
60%
70%
80%
90%
100%
1年 2年 3年 4年 男 女 情マネ 経営
「学生を対象とした情報環境?利用に関するアンケート調査の実施について」
『産業能率大学 情報センター年報第23号』より N=3,0634
情報環境の変化2 PC離れ
自宅でのパソコン利用時間の推移
自宅にパソコンは
あるが利用しない
18.3%
▼
42.9%
5
11年→12年→13年→14年
情報環境の変化3 メール離れ
学生はメールを使わなくなり始めている
携帯電話?スマートフォンの利用目的
6
環境の変化~授業~
一斉型授業からアクティブ?ラーニングへ
授業という既存のフレームの融解
時間:90分×15回
人 履修者 教員場所:教室
管理:教員が中心
授業以外の時間の活動や学習
地域?企業 地域や企業の人
学生中心の運営
7
PBL(Project based Learning)の変化
?従来のPBL(企画プレゼン型PBL)
?課題「実践されない」
?学生視点のユニークなアイデアをあり
がとうございます」
?社に持ち帰って検討させていただきた
いと思います」
企業からの
課題提示
グループで解決策
や企画案を検討
実務家の前
でプレゼン
多分検討されないし、実践もされない
計画のみ
8
実践(経験)の場が足りない
成人における学
びの70%は自分
の仕事経験から
Lombardo & Eichinger (2010)
直接経験
70%
他者の観察
アドバイス
20%
読書?研修
10%
9
リフレクションを次の経験に
活かす仕掛けが必要
具体的経験
内省
教訓を引き出す
新しい状況
への応用
松尾(2011)
10
実践(継続)
型PBL
KOLBの
経験学習
サイクル
大山おからドーナッツ店
kobara+3(コバラミタス)
?目的
観光地大山の活性化。
?商品
地元の名産である豆腐の製造過程でできる
「おから」を使ったドーナッツを製造?販売
?店舗
登山口にある「観光案内所」の一角を無償で提
供していただく
事業理念
山ガールの小腹を地元の食材で満たす
地元の旅館組合
の皆様とのコラ
ボレーション
11
店舗売上?利益の向上
kobara+3での経験学習サイクル
具体的経験
内省
教訓を引
き出す
新しい状況
への応用
松尾(2011)
12
店舗での
販売活動
営業日誌による、
ゼミでの振り返り
部門毎ミーティ
ングによる解決
案の検討
次回の営業日
での応用
実践型のPBLを推進していくと…
?時間と場所
教室はリフレクションの場、
実践は教室外へ
?授業への関与者
学生と教員+学外関係者
?進め方
学生中心の運営
教員はコーディネーター
13
LINEをゼミのPBL活動で使ってみた
(というより学生が自然に使い始めた)
Pros (良い点)
? 学生が自発的に複数のグループを作り、
情報共有可能
? 写真の活用(営業日誌、在庫表)
? 一斉通知がきちんと伝わる。
Cons (悪い点)
? Office系のファイルの共有
? 発言と返信の関係が分かりづらい
? ストック情報の管理が難しい
マニュアル
営業日誌等14
次にmanabaをゼミのPBL活動
で使ってみた
?manaba
朝日ネット社が開発?運用している
クラウドサービスの教育支援システム
2015年6月末現在で全学導入校56校、
契約ID数464,000
manabaの特徴
? ポートフォリオ機能
? プロジェクト学習機能
? 学生間のレポート相互評価 等
15
営業日誌のデジタル化
~ストック情報の管理~
?今まで
ノートに手書き→それを写メ
→LINEで共有
ノート受け渡しが煩雑、
「手書きは嫌」等の不満
?デジタル化
manabaの掲示板機能を活用
本当は「プロジェクト学習機能」を活用したかったが、毎
回の営業日ごとに教員がプロジェクトを手動で設定しなく
てはならず断念!
16
実際の営業日誌画面
入力内容は決めているが、フォーム
等はなく、ただのテキストベタ打ち
画面となっている。
17
一斉通知にmanabaの「コース
ニュース機能を使ってみたが
7/13に出し
た通知の8/6
時点での閲
覧状況
18
教員がコースニュースに入力すると、学生
にメールが送信されるが、そもそも学生は
メールを見る習慣がない。
まとめ
? ストック情報の蓄積に一定の成果
? フロー情報の共有
? 学生が主体的にグループを作る
19
manaba等のLMSの課題
?閲覧メンバー設定の柔軟性に欠ける
– 学年を跨いだグループの設定
– 大学外の人との情報共有
?スマートフォンへの対応
– 一応対応はしているがベースはPC
?クラウドサービスの限界
– 汎用的なサービスに留まる
(独自の入力フォームが作れない 等)
20
実践(継続)型PBLに必要とな
る情報共有ツール
① コースに参加できるメンバーを教員や学生
が主体的に設定できる。
② 学外でのアクセスを容易にするためスマー
トフォンでのユーザビリティを向上する。
③ LINEとの連携
21

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