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○山本卓也, Komarov Sergey
東北大学大学院 工学研究科
OpenFOAMのVOF法における
計算時間、計算誤差
最小条件の探索
1
背景:OPENFOAMのVOF法と問題
2
p InterFoamのTutorial
Wellerらによる代数的界面再構築法
Weller, H.G., Technical Report,
OpenCFD Ltd., 2008: TR/HGW/04.
p VOF法における様々な誤差
界面拡散 Spurious current
数多くの誤差が混入
適切なsolver、パラメータを
利用する必要がある
背景:OPENFOAMのVOF法の改良
3
p 論文での拡張系
? Laplacian filterによる修正 [4]
? Simple coupledVolume of Fluid method with Level Set method (S-CLSVOF) [5]
p 標準機能
? Wellerらの界面圧縮VOF法 (代数的再構築), OpenFOAM全般 [1]
? isoAdvector法 (幾何的再構築), ESI版OpenFOAM [2]
? Wellerらの界面圧縮VOF法+PLIC補間 (代数的再構築) Foundation版OpenFOAM [3]
特に界面圧縮VOF法では操作パラメータも多数
どれをどのように利用すれば良いかはよくわからない
論文中で比較されているが最良パラメータが利用されているとは限らない
[1] Weller, H.G., Technical Report, OpenCFD Ltd., 2008: TR/HGW/04.
[2] Roenby, J., H. Bredmose, and H. Jasak, Royal Society Open Science, 2016. 3(11): p. 160405.
[3] Gamet, L., et al., Computers & Fluids, 2020. 213.
[4] Hoang, D.A., et al., Computers & Fluids, 2013. 86: p. 28-36.
[5] Albadawi, A., et al., International Journal of Multiphase Flow, 2013. 53: p. 11-28.
背景:VOF法の最適利用方法の探索
4
p ベイズ最適化による最適パラメータ探索とsolverの比較
ベイズ最適化でパラメータを最適化し、最適パラメータで計算精度を比較
山本ら、OpenCAEシンポジウム2021
計算精度が最適な条件は求められたものの、
計算精度が良い条件は計算時間が長い傾向がある
研究目的
5
計算時間、計算誤差が共に
最小となる条件を探索し、
各VOF法で計算時間、誤差を比較する
比較するSOLVER
6
? Wellerらの界面圧縮VOF法 (代数的再構築), OpenFOAM全般 [1]
? isoAdvector法 (幾何的再構築), ESI版OpenFOAM [2]
? Wellerらの界面圧縮VOF法 + Laplacian filter (代数的再構築) [3]
? Simple coupledVolume of Fluid method with Level Set method (S-CLSVOF) [4]
? isoAdvector法 + Laplacian filter (幾何的再構築)
[1] Weller, H.G., Technical Report, OpenCFD Ltd., 2008: TR/HGW/04.
[2] Roenby, J., H. Bredmose, and H. Jasak, Royal Society Open Science, 2016. 3(11): p. 160405.
[3] Hoang, D.A., et al., Computers & Fluids, 2013. 86: p. 28-36.
[4] Albadawi, A., et al., International Journal of Multiphase Flow, 2013. 53: p. 11-28.
p 比較する解析手法
上記2つはOpenFOAM-v1812 (ESI版)を利用し計算
下記3つはOpenFOAM-v1812に実装し計算
(Laplacian filterはESI verのDevelopment verに導入)
p 制約条件
離散化スキーム、計算条件、代数方程式反復計算の残差は同じ設定
検証問題
7
p Zalesak Disk (移流誤差) p Static Bubble (CSF誤差)
1回転させた場合の誤差
? = ∫
!
?"#$%& ? ?'%&' ??
50 x 50 mmの計算領域中心
に5 mmの気泡を配置
物性は水、空気
spurious currentの最大値で評価
最適条件の探索方法
8
p 多目的ベイズ最適化
? 超体積最大化の期待値
(Expected Hypervolume
Improvement)の獲得関数に
よって次の評価点を決定
? 超体積最大化によってパレー
トフロントを探索
目的関数1, f1(Xi): 計算時間
目的関数2, f2(Xi): 計算誤差
設計変数Xi:各種混相流解析
に用いるパラメータ
OptunaのMOTPE Samplerを利用
探索回数:50回
検証問題1
9
VOF関数の移流誤差の評価
移流誤差-計算時間の多目的最適化
(INTERFOAM)
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パレート解を探索、放物線状ではなく、四角形に
圧縮パラメータの影響(INTERFOAM)
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計算誤差 計算時間
既存の結果と同様で、iCaは小さい方、Caは1-1.5付近にパレート解
VOF法の保存方程式の修正回数の影響
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計算誤差 計算時間
na,corrは小さい方がパレート解
計算精度のみの最適化では特に影響がなかったが多目的最適化では異なる結果
サブサイクル回数の影響
13
計算誤差 計算時間
na,subcycleは小さい方がパレート解
計算精度のみの最適化ではna,subcycleは大きい方が良かったが
多目的最適化では異なる結果
パレート解の手法間での比較
14
S-CLSVOFは計算精度改善可能であるものの、計算速度が遅くなる
isoAdvectorはどちらも良い
検証問題2
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Spurious currentの誤差
パレート解の手法間での比較
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isoAdvectorは誤差が大きいが、smootherで大きく改善
S-CLSVOFは通常のVOFとほとんど変わらず
議論
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p VOF法の移流誤差 p Spurious currentの大きさ
Spurious currentの影響が小さい高We,高Fr数等の流れ
Spurious currentの影響が大きい低We,低Fr数等の流れ
isoAdvector >>VOF, S-CLSVOF (smootherはほぼ関係なし)
VOF + smoother > isoAdvector + smoother >VOF, S-CLSVOF >> isoAdvector
smootherはESI-ver OpenFOAMのdevelopment verにmerge
今後“nAlphaSmoothCurvature”としてオプション指定可能に
結言
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多目的ベイズ最適化を用いて、OpenFOAMのVOF法において
計算時間、計算誤差が最小化する条件を求めた。
? 界面圧縮パラメータは既往の報告と同様の結果であったが、 na,corrや
na,subcycle等の反復計算回数は計算誤差に対して計算時間が大きくなるため、
反復回数が少ない方が良いことが分かった。
? VOF関数の移流に対しては、isoAdvector法が他を凌駕する結果であった。
? Spurious currentに対しては、isoAdvector法が計算精度、計算誤差共に最も
悪い結果となるが、曲率計算時のsmootherを導入すれば、元のVOF法
(interFoam)よりも計算精度、計算時間共に改善する。
? ESI-verのOpenFOAM-plusにsmootherを導入したので、OpenFOAM-v2212辺
りからはオプションとしておそらく利用できそう。
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各種パラメータのマッピング(INTERFOAM)
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iCaのサイズ分布 caのサイズ分布
iCaは小さい値、iCaは中間の値が最適解
各種パラメータのマッピング(INTERFOAM)
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nlimitのサイズ分布
na,corrは小さい値、nlimitは中間値
na,corrのサイズ分布
各種パラメータのマッピング(INTERFOAM)
23
Comaxのサイズ分布
na,subcycleは中間値、Comaxは中間値
na,subcycleのサイズ分布

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