10. 問題行動(暴力など)
? 衝動性や注意欠陥という形で,自己や感情の調節が困難になると,攻撃性
や暴力といった長期的な行動上の結果につながる(Dube et al.,2002)
? 人間関係でストレッサーが得られた場合,トラウマのある人は,文脈や感
情を評価する能力がないまま,刺激から反応に移ることが多く,最終的に
過剰反応,暴力,脅迫につながる(van der Kolk, 1994, van der Kolk,
2014)
被虐待児の多くは(感情を意識?評価が困難なので)ストレッサー等が
Fight(闘争)Flight(回避)Freeze(固まる) Fawn(こびへつらう)
反応=「4つのF反応」に直結する(van der Kolk, 2014)
12. 子どもの脳への影響(部位ごと)
? 小児期の虐待の影响↓(覚える必要はないです)
扁桃体(感情)が過活動になる(Hein & Monk, 2017)
海馬(記憶)体積が小さくなる(Hanson et al.,2015; Henicx-Riem, Alink, Out, Van
Ijzendoorn, & Bakermans-Kranenburg, 2015)
前頭葉系(人間の認知能力、IQなど):前頭前野が脳のさまざまな部分に伝わる
メッセージを調節する能力を破壊(Davis et al.,2015;Teicher et al.,2002)、背外側前頭
前皮質で6%,前帯状皮質で12%,皮質の体積減少(Underwood, Bakalian, Escobar,
Kassir, Mann, & Arango, 2019)、眼窩前頭皮質の変化(Hanson et al ,2010 ; Thomaes et a,
2010 ; Gerritsen et al, 2012)
前帯状皮質(行動モニタリング?行動調節?社会的認知など)の体積?結合性の
減少(Heim et al., 2013 ; Cohen et al, 2006 ; Baker et al ,2013 ; Thomaes et a, 2010 ; Teicher,
Anderson, Ohashi, & Polcari, 2014 ; van der Werff et al, 2013)
複雑性PTSDでは,右海馬,右背側ACC,右眼窩前頭皮質(OFC)の灰白質濃度
低下(Thomaes et al.,2010)
他:尾状核,被殻,前頭前野の一部,黒質,側坐核の血流変化(Chugani et al ,2001 ;
Sheu, Polcari, Anderson, & Teicher, 2010)、線条体体積減少(Dannlowski et al, 2012 ; Edmiston
et al ,2011 ; Baker et al ,2013)
???感情?記憶?IQ?行動など、非常に多くの負の影響
13. 子どもの脳への影響(虐待種別ごと)
? 【身体的虐待】
長期かつ継続的に受けた人は,前頭前野の一部である右前頭前野内側部の
容積が19.1%、左前頭前野背外側部も14.5%、前帯状回の16.9%減少
(Tomoda et al., 2009)
? 【心理的虐待】
IPV目撃:複数回目撃した場合,身体的 IPV 目撃は舌状回(視覚野の一部
で夢や単語の認知に関係)の容積3.2%の減少に対し、言葉によるIPV では
19.8%の減少(Tomoda et al., 2012)
被暴言虐待:左上側頭回の聴覚皮質部分のGMV(灰白質体積)の増加
(Tomoda et al.,2011),Wernicke野とBroca野を相互接続する左弧状筋膜
の完全性の減少(Choi et al.,2009)
? 【性的虐待】
一次視覚野と視覚連合野の灰白質体積(GMV)の大幅な減少と関連。この
体積の減少は,12歳以前の被爆期間と直接的に相関 (Tomoda et al., 2009)。
脳への影響=目に見えない影響が相当出る(+影響は遅れて出る)