狠狠撸

狠狠撸Share a Scribd company logo
Scrum Boot Camp 体験記
          (一般公開用)
             塩井 唯史
はじめに
?   当資料は2012/6/20にTFSUGで発表後、ネタバレ部分
    を改訂したものです。
?   Scrum Boot Campの資料にない部分を中心に説明して
    います。
?   TFSUGでの発表時間が20分でしたので、範囲を限定し
    て紹介しています。実際にScrum Boot Campに参加し
    ていただくことを強く推奨します。
About me
?   氏名 : 塩井 唯史 (しおい ただし)
?   出身 : 大阪府堺市
?   職業 : 東京のSIベンダーでDeveloper
?   TFSは実践ではCheck-in/Check-outのみ経験
?   趣味 : カラオケ
?   Twitter : @shioi
Goal
?   Scrum Boot Campの体験の共有
    ?   ワークショップでの失敗談、改善したこと
    ?   Q & A
    ?   その他心に染みた言葉
Agenda
?   Scrum Boot Camp前日までの準備

?   Scrum Boot Camp当日
    ?   ウォームアップ
    ?   プロダクトバックログ
    ?   スプリント計画


?   ふりかえり
Scrum Boot Campとは
?   Scrum Boot Camp
    ?   自分の現場で Scrum を始めたい or 始めているがよく分
        かっていない人や体系的に学びたいが認定スクラムマス
        ター研修は会社では受けられない人向けの勉強会。
        Scrum の基礎を丸一日かけて丁寧に学ぶ事を目的として
        います。(※スクラム道ホームページより抜粋)
    ?   イベント開催の告知があった日に予約が満席になる大変
        人気のあるイベントです。


?   当資料は2012/6/16に東京で開催したScrum Boot
    Campの体験記です。
前日までの準備
?   Scrumに関する本を読んで予習

             スクラム全般を解説。
             テクノロジーには依存していな
             い。

            TOC (制約理論) をベースに
            Scrum, XP, FDDを比較。



            Visual Studio, TFSを使用した
            Scrumの実践。
バーンダウン (全期間)
?   プロジェクト期間全体(約一年)でバーンダウン
    チャートを作成してみた(実体験)
                        残タスクはいつまでも減らな
                            い。。。
                      予定を見える化して分散化できたの
                         で、無駄ではなかった。




        期待            結果
バーンダウン (スプリント毎)
?   期間を区切ると速度を計測できる。




    スプリント1   スプリント2    スプリント3
Scrum Boot Camp 当日
?   10:00 ~ 18:00
?   約40人が参加。5人を1チームとしてプラクティス
?   Agile, Scrumの講義
?   演習
    ?   ウオームアップ
    ?   プロダクトバックログ
    ?   スプリント計画
ウォームアップ
?   ワークショップ
    ?   あるルールと制約を課した単純なアクティビティ。
    ?   決められたDoneの数を各チームで競い合う。

              計画      1min.




              実践       3min.




             ふりかえり    2min.
Result                   Plan   Result

?   1回目
                          8       0
    ?   成果があがらなかった。
                          2       8
?   2回目
    ?   見積もりを見直した。        13      12

    ?   プロセス改善効果が表れた。     20      15
?   3回目
    ?   さらなるプロセス改善を見越して見積もりをした。
    ?   見積もりに近い実績を実現できた。
?   4回目
    ?   プロセス改善に自身がつき、強気に見積もった。
    ?   見積もりは甘かったが、プロセスの改善が確認できた。
ウォームアップふりかえり
?   Time Boxを守るのは最初は難しい。
    ?   最初はなにも計画できずにTime Up.
    ?   繰り返すうちに各自段取りを把握でき、3回目以降はス
        ムーズに進行できた。
    ?   残時間が把握できると、集中力が保てる。
?   振り返りがプロセス改善に大きく貢献
    ?   各自が感じたボトルネック(改善点)を共有。
    ?   良かった点も共有。定期的な対話が大事。
    ?   対話の時間にもTime Boxを設けることで密度の高い対話
        の仕方が体に染みついてくる。
?   Time Boxを継続することでリズムが確立される。
         Sprintを繰り返すことで見積もり精度と
           生産性が向上したのを体感できた。
Teacher say
?   講師はプロダクトオーナーとして作ってほしいもの
    をチームに依頼した。
?   ただし、やり方はチームに委任した。(口出ししな
    かった。)
?   チームが自身でプロセスを改善していった。




              自己組織化
Time Box
?   各Time Boxの目安

           スプリント     2W ~ 4W


         スプリント計画会議      8H


         スプリントレビュー     4H


           ふりかえり     MAX 3H


         デイリースクラム    MAX 15M
Keep time
?   朝会
    ?   情報共有の場。問題解決の場ではない。
        ?   問題は朝会の後で関係者だけ集めて対話をする。
    ?   情報共有をメールで代用しない。対話が重要。
        ?   チームの顔色はどうか?等対話しないとわからないことは多
            い。
?   スプリント
    ?   最初は2Wがお勧め。
        ?   1Wは忙しすぎる。4Wはだれる。
?   ふりかえり
    ?   15min ~ 30minで手短に
        ?   頻繁に行うことが重要。プロセス改善が目的。
プロダクトバックログ演習
?   各々がプロダクトオーナーになり課題に着手
    ?   プロダクトバックログ作成
    ?   見積もり
Result
?   時間を守れなかった

?   チームメンバー間でバックログの粒度が異なった。
    ?   「通知する」とか「メールを通知する」とか。

?   本当に重要なものがなにかで議論になった。
    ?   通知?場所?登録機能?参照機能?

?   見積もりの時点で、まだメンバーの間で各バックロ
    グの内容の認識が異なることが発覚した。
    ?   話し合って、プロダクトバックログをさらに詳細に分割
        した。
プロダクトバックログふりかえり
?   プロダクトオーナー(PO)が複数いる場合
    ?   優先順位を決定する仕組みを構築しておく。
        ?   例:チーフPOを決める、多数決を取る。


?   最初に全ての見積もりに時間をかけても価値はない
    ?   プロダクトバックログ項目の優先順位はビジネス環境に
        合わせて頻繁に変更される。
        ?   優先順位の低い項目を実装しない可能性がある。
    ?   見積もりは最初は精度が低い。スプリントの積み重ねで
        見積もり精度が高くなる。

?   全体の見積もりはざっくりでも把握しておく
    ?   現在のおおよその位置や速度は把握できる。
スプリント計画演習
?   チームメンバーとしてスプリントを計画
    ?   重要なプロダクトバックログを上位3個を選択
    ?   各バックログをタスクに分割
    ?   各タスクの時間を見積もり
Result
?   時間を守れなかった
    ?   プランニングポーカーの数字の根拠を聞くのに時間がか
        かった。


?   タスクに含める範囲で意見が異なった。
    ?   設計は?
    ?   基本設計書は?
    ?   画面イメージをスケッチで共有?
    ?   結合テストとか、、、
    ?   レイヤー分割は細かすぎ?
スプリント計画ふりかえり
?   タスクの内容が自明と思っていると痛い目にある。
    対話が重要。

?   プロダクトバックログを分割するときはプロダクト
    オーナーに相談。
その他
?   初めてスクラムをするときはアナログがお勧め。
    ?   いきなりいろいろ学習するのは辛い。
        ?   まずはスクラム、次にツールという順番。
    ?   ちょっとしたアレンジが楽。
        ?   バックログへイラストを描き込むとか。
    ?   デイリースクラムで問題の把握と改善は可能。
    ?   デジカメで各スプリントの成長を記録

?   バーンダウンは順調でも帰宅時間が遅い場合あり。
    ?   いろいろな指標を組み合わせる。
        ?   コードチャーンとかバグの再アクティブ化とか。
    ?   そもそもTime Boxを守らせる。
その他
?   ベロシティを他チームと比較しても意味ない
    ?   作業場所、メンバー、成果物等さまざまな環境が異なる

?   タスクボードを使ってWIPを一人一つにする。
    ?   仕掛品をなくす

?   小規模で成功してから大規模にScrumを適用する。
    ?   成功体験が必要

?   コミットメントとはチームが最善を尽くこと。
    ?   チームで継続的に改善を行う。
    ?   責任はチームが持つ。個人に責任を持たせない。
        ?   個人の責任をすると隠し事をし始める。
        ?   評価制度の仕組みの改善が必要。
全体ふりかえり
?   ウォームアップでプロセス改善の工程を体験したの
    で、初めての作業がうまくいかなくても落ち着くこ
    とができた。
?   Time Boxを設けてチームで作業をする習慣がつい
    た。自己組織化を体験した。
?   対話が重要。
?   Time Box重要。
?   ふりかえり重要。


  Scrumを身に着けるには
今後もScrumを継続することが大切

More Related Content

Scrum Boot Camp 体験記 2012/6/16

  • 1. Scrum Boot Camp 体験記 (一般公開用) 塩井 唯史
  • 2. はじめに ? 当資料は2012/6/20にTFSUGで発表後、ネタバレ部分 を改訂したものです。 ? Scrum Boot Campの資料にない部分を中心に説明して います。 ? TFSUGでの発表時間が20分でしたので、範囲を限定し て紹介しています。実際にScrum Boot Campに参加し ていただくことを強く推奨します。
  • 3. About me ? 氏名 : 塩井 唯史 (しおい ただし) ? 出身 : 大阪府堺市 ? 職業 : 東京のSIベンダーでDeveloper ? TFSは実践ではCheck-in/Check-outのみ経験 ? 趣味 : カラオケ ? Twitter : @shioi
  • 4. Goal ? Scrum Boot Campの体験の共有 ? ワークショップでの失敗談、改善したこと ? Q & A ? その他心に染みた言葉
  • 5. Agenda ? Scrum Boot Camp前日までの準備 ? Scrum Boot Camp当日 ? ウォームアップ ? プロダクトバックログ ? スプリント計画 ? ふりかえり
  • 6. Scrum Boot Campとは ? Scrum Boot Camp ? 自分の現場で Scrum を始めたい or 始めているがよく分 かっていない人や体系的に学びたいが認定スクラムマス ター研修は会社では受けられない人向けの勉強会。 Scrum の基礎を丸一日かけて丁寧に学ぶ事を目的として います。(※スクラム道ホームページより抜粋) ? イベント開催の告知があった日に予約が満席になる大変 人気のあるイベントです。 ? 当資料は2012/6/16に東京で開催したScrum Boot Campの体験記です。
  • 7. 前日までの準備 ? Scrumに関する本を読んで予習 スクラム全般を解説。 テクノロジーには依存していな い。 TOC (制約理論) をベースに Scrum, XP, FDDを比較。 Visual Studio, TFSを使用した Scrumの実践。
  • 8. バーンダウン (全期間) ? プロジェクト期間全体(約一年)でバーンダウン チャートを作成してみた(実体験) 残タスクはいつまでも減らな い。。。 予定を見える化して分散化できたの で、無駄ではなかった。 期待 結果
  • 9. バーンダウン (スプリント毎) ? 期間を区切ると速度を計測できる。 スプリント1 スプリント2 スプリント3
  • 10. Scrum Boot Camp 当日 ? 10:00 ~ 18:00 ? 約40人が参加。5人を1チームとしてプラクティス ? Agile, Scrumの講義 ? 演習 ? ウオームアップ ? プロダクトバックログ ? スプリント計画
  • 11. ウォームアップ ? ワークショップ ? あるルールと制約を課した単純なアクティビティ。 ? 決められたDoneの数を各チームで競い合う。 計画 1min. 実践 3min. ふりかえり 2min.
  • 12. Result Plan Result ? 1回目 8 0 ? 成果があがらなかった。 2 8 ? 2回目 ? 見積もりを見直した。 13 12 ? プロセス改善効果が表れた。 20 15 ? 3回目 ? さらなるプロセス改善を見越して見積もりをした。 ? 見積もりに近い実績を実現できた。 ? 4回目 ? プロセス改善に自身がつき、強気に見積もった。 ? 見積もりは甘かったが、プロセスの改善が確認できた。
  • 13. ウォームアップふりかえり ? Time Boxを守るのは最初は難しい。 ? 最初はなにも計画できずにTime Up. ? 繰り返すうちに各自段取りを把握でき、3回目以降はス ムーズに進行できた。 ? 残時間が把握できると、集中力が保てる。 ? 振り返りがプロセス改善に大きく貢献 ? 各自が感じたボトルネック(改善点)を共有。 ? 良かった点も共有。定期的な対話が大事。 ? 対話の時間にもTime Boxを設けることで密度の高い対話 の仕方が体に染みついてくる。 ? Time Boxを継続することでリズムが確立される。 Sprintを繰り返すことで見積もり精度と 生産性が向上したのを体感できた。
  • 14. Teacher say ? 講師はプロダクトオーナーとして作ってほしいもの をチームに依頼した。 ? ただし、やり方はチームに委任した。(口出ししな かった。) ? チームが自身でプロセスを改善していった。 自己組織化
  • 15. Time Box ? 各Time Boxの目安 スプリント 2W ~ 4W スプリント計画会議 8H スプリントレビュー 4H ふりかえり MAX 3H デイリースクラム MAX 15M
  • 16. Keep time ? 朝会 ? 情報共有の場。問題解決の場ではない。 ? 問題は朝会の後で関係者だけ集めて対話をする。 ? 情報共有をメールで代用しない。対話が重要。 ? チームの顔色はどうか?等対話しないとわからないことは多 い。 ? スプリント ? 最初は2Wがお勧め。 ? 1Wは忙しすぎる。4Wはだれる。 ? ふりかえり ? 15min ~ 30minで手短に ? 頻繁に行うことが重要。プロセス改善が目的。
  • 17. プロダクトバックログ演習 ? 各々がプロダクトオーナーになり課題に着手 ? プロダクトバックログ作成 ? 見積もり
  • 18. Result ? 時間を守れなかった ? チームメンバー間でバックログの粒度が異なった。 ? 「通知する」とか「メールを通知する」とか。 ? 本当に重要なものがなにかで議論になった。 ? 通知?場所?登録機能?参照機能? ? 見積もりの時点で、まだメンバーの間で各バックロ グの内容の認識が異なることが発覚した。 ? 話し合って、プロダクトバックログをさらに詳細に分割 した。
  • 19. プロダクトバックログふりかえり ? プロダクトオーナー(PO)が複数いる場合 ? 優先順位を決定する仕組みを構築しておく。 ? 例:チーフPOを決める、多数決を取る。 ? 最初に全ての見積もりに時間をかけても価値はない ? プロダクトバックログ項目の優先順位はビジネス環境に 合わせて頻繁に変更される。 ? 優先順位の低い項目を実装しない可能性がある。 ? 見積もりは最初は精度が低い。スプリントの積み重ねで 見積もり精度が高くなる。 ? 全体の見積もりはざっくりでも把握しておく ? 現在のおおよその位置や速度は把握できる。
  • 20. スプリント計画演習 ? チームメンバーとしてスプリントを計画 ? 重要なプロダクトバックログを上位3個を選択 ? 各バックログをタスクに分割 ? 各タスクの時間を見積もり
  • 21. Result ? 時間を守れなかった ? プランニングポーカーの数字の根拠を聞くのに時間がか かった。 ? タスクに含める範囲で意見が異なった。 ? 設計は? ? 基本設計書は? ? 画面イメージをスケッチで共有? ? 結合テストとか、、、 ? レイヤー分割は細かすぎ?
  • 22. スプリント計画ふりかえり ? タスクの内容が自明と思っていると痛い目にある。 対話が重要。 ? プロダクトバックログを分割するときはプロダクト オーナーに相談。
  • 23. その他 ? 初めてスクラムをするときはアナログがお勧め。 ? いきなりいろいろ学習するのは辛い。 ? まずはスクラム、次にツールという順番。 ? ちょっとしたアレンジが楽。 ? バックログへイラストを描き込むとか。 ? デイリースクラムで問題の把握と改善は可能。 ? デジカメで各スプリントの成長を記録 ? バーンダウンは順調でも帰宅時間が遅い場合あり。 ? いろいろな指標を組み合わせる。 ? コードチャーンとかバグの再アクティブ化とか。 ? そもそもTime Boxを守らせる。
  • 24. その他 ? ベロシティを他チームと比較しても意味ない ? 作業場所、メンバー、成果物等さまざまな環境が異なる ? タスクボードを使ってWIPを一人一つにする。 ? 仕掛品をなくす ? 小規模で成功してから大規模にScrumを適用する。 ? 成功体験が必要 ? コミットメントとはチームが最善を尽くこと。 ? チームで継続的に改善を行う。 ? 責任はチームが持つ。個人に責任を持たせない。 ? 個人の責任をすると隠し事をし始める。 ? 評価制度の仕組みの改善が必要。
  • 25. 全体ふりかえり ? ウォームアップでプロセス改善の工程を体験したの で、初めての作業がうまくいかなくても落ち着くこ とができた。 ? Time Boxを設けてチームで作業をする習慣がつい た。自己組織化を体験した。 ? 対話が重要。 ? Time Box重要。 ? ふりかえり重要。 Scrumを身に着けるには 今後もScrumを継続することが大切