コンパクトシティ戦略による富山型都市経営の構築 ~ソーシャルキャピタルあふれる持続可能な付加価値创造都市を目指して~
- 1. コンパクトシティ戦略による
富山型都市経営の構築
~ソーシャルキャピタルあふれる
0704-01 持続可能な付加価値
創造都市を目指して~
富山市
- 3. コンパクトシティ戦略による富山市型都市経営の构筑
<富山市を取り巻く課題>
①人口減少と超高齢化 ②過度な自動車依存による公共交通の衰退
③中心市街地の魅力喪失 ④割高な都市管理の行政コスト ⑤CO2排出量の増大
富山市は、これらに対応できる地方都市の1つの未来像を提示
1.公共交通を軸としたコンパクトなまちづくり
公共交通の活性化、中心市街地や公共交通沿線での都市機能の集積 など
2.質の高い魅力的な市民生活づくり
中心市街地の活性化、歩いて暮らせるまちづくり、ソーシャルキャピタルの醸成 など
3.地域特性を充分に活かした産業振興
地場産業である薬業の最大限の活用、再生可能エネルギーの活用、企業誘致 など
サスティナブル(持続可能)な都市を創出することにより、
「誰もが暮らしたいまち」?「誰もが活力あるまち」を実現
FUTURE CITY TOYAMA -2-
- 4. 公共交通の活性化 ~LRTネットワークの形成~
LRTネットワークの形成により、過度に車に依存した
ライフスタイルを見直し、歩いて暮らせるまちを実現
市内電車環状線(H21.12開業) 富山ライトレール(H18.4開業)
富山駅高架下電停イメージ
4
FUTURE CITY TOYAMA -3-
- 5. 富山ライトレール ~整備効果~
■開業前と比較して、利用者数が
平日で約2.1倍、休日で約3.6倍へと大幅に増加
平成24年3月31日現在(1日平均利用者数)
平日 4,815人/日 (開業前2,266人/日)
休日 3,717人/日 (開業前1,045人/日)
■日中の高齢者の利用が増加(ライフスタイルの変化)
【時間帯別利用者数の変化(平日)】 【年代別利用者数の変化(平日)】
(人) 1,178 (人)
1,200 1,400
1,210
1,000 1,200
803 925
800 771 1,000
688 814
570 800 673
600 532
476 610 566
451 600 520
392
400
357 399
283 400 280 287
163 217 186 260
200 155 119 117
189 164
101
54 200
0 0
~6時台 7~8 9~10 11~12 13~14 15~16 17~18 19~20 21時台~
時台 時台 時台 時台 時台 時台 時台 10代 20代 30代 40代 50代 60代 70代~
H17(JR) H18(ポートラム)
H17(JR) H18(ポートラム)
FUTURE CITY TOYAMA -4-
- 6. 富山ライトレール ~整備効果~
■環境負荷の低減
利用者のうち、約12%が自動車からの転換
?約436t-CO2の削減効果(2006年)
【富山ライトレール利用者の以前の利用交通手段】
■沿線での新規住宅着工件数の増加
【富山港線沿線での住宅の新規着工件数】 【富山港線沿線での住宅の新規着工件数推移】
150 3,000
2004 2010 2004?2010 2,500
120
富山港線 2,000
沿線
90 98 1.09倍 90
1,500
60
1,000
旧富山市 2,238 1,814 0.81倍 30 富山港線沿線(件) 旧富山市(件) 500
0 0
H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22
■沿線における観光施設などの入館者数が大幅に増加
FUTURE CITY TOYAMA -5-
- 7. 市内電車環状線化
中心市街地活性化と都心地区の回遊性の 南北接続を予定
強化を目的に、市内電車を一部延伸
?日本初の上下分離方式の導入
?魅力ある都市景観の構築に向けた
道路空間との一体的な整備
■路線概要
開 業 日:2009年12月23日
延 長:約0.9km
(環状区間 約3.4km)
電 停:延伸区間に3箇所新設
車 両:新型低床車両を3編成導入
環状線化事業
市内電車環状線(セントラム)
FUTURE CITY TOYAMA -6-
- 8. 市内電車環状線化 ~整備効果~
?一日の平均乗降客数は、2,236人で、土日、祝日の利用者が多い
?休日の利用目的は、買物私用が半数を占め、観光の割合も高い
?中心市街地のイメージの向上と回遊性の強化
?中心部への外出機会や滞在時間の増加など、中心部の賑わい創出に寄与
?環状線来街者の消費金額は自動車での来街者より多く、中心市街地活性化に寄与
【中心部への外出機会の変化】 【買物?飲食の際の平均滞在時間(分/日)】
【平日】 増えた:32% 変わらない:68% 平 日 休 日
(参考)自動車 環状線 (参考)自動車 環状線
H22 H22 H23 H22 H22 H23
【休日】 増えた:41% 変わらない:59%
96分 80分 101分 113分 97分 145分
【外出機会が増えた目的】 【中心部への来街頻度と消費金額】
通勤 20% 通勤
平日 12% 休日 買物目的の平均来街頻度(回/月)
通学 2% (N=51)
通学
(N=50) 平 日 休 日
買物 55%
買物
(参考)自動車 環状線 (参考)自動車 環状線
31% 22% 60%
2% 2%
H22 H22 H23 H22 H22 H23
飲食 16% 飲食 22%
4%
2.5回 5.6回 6.1回 1.8回 4.7回 6.4回
通院 4% 通院 8%
2%
観光 2% 観光 2% 平均消費金額(円/日?人)
6% 10%
散歩等 10% 散歩等 8% 平 日 休 日
業務 4% 業務 (参考)自動車 環状線 (参考)自動車 環状線
主に増えた目的 4% 主に増えた目的
その他 8% ついでに増えた目的
その他 10% ついでに増えた目的 H22 H22 H23 H22 H22 H23
10% 2%
11,489 5,491 12,533 9,207 11,811 14,994
0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60%
FUTURE CITY TOYAMA -7-
- 9. コンパクトなまちづくりの効果 ~民間投資の活発化~
市内電車環状線
中央通りf地区
中央通り地区D北街区 第一種市街地
市街地再開発準備組合 再開発事業
地区面積約0.4ha
平成20年4月設立 用途 商業?業務?住宅
H24.4完成
総曲輪通り商店街
総曲輪西地区市街 125戸(2~18階)
中央通り商店街
地再開発準備組合
中教院東地区
平成20年3月設立 堤町通り一丁目地区
総曲輪四丁目?旅籠町地区 西町東南f地区
優良建築物等整備事業 第一種市街地
地区面積約0.4ha
用途 商業?業務?住宅
西町南地区第一種市 再開発事業
?駐車場 街地再開発事業 地区面積約0.4ha
用途 商業?業務?住宅
H22.2完成 地区面積約0.7ha
H24.9完成予定
52戸(2~7階) 総曲輪通り南地区 グランドプラザ 西町?総曲輪地区 用途 業務?公益 北棟40戸(3~10階)
延べ面積:約44,200㎡ 面積:約1,400㎡ 駐車台数:630台
H26年度完成予定 南棟88戸(3~14階)
H19.9完成 H19.9完成 H17.4完成
FUTURE CITY TOYAMA -8-
- 10. コンパクトなまちづくりの効果 ~地価の維持~
環状線 環状線
■環状線新設区間の沿線では、平成19年度以 新設区間以外 沿線以外
降、地価の下落が見られず横ばいである。 沿線 (中心市街地エリア内)
■新設区間以外の環状線沿線の地価は、平成
20年度以降下落しているが、富山市平均と比
較すると下落率が緩やかである。 環状線
【中心市街地の地価変動】 新設区間沿線
1.10
1.05
大手町周辺
(N=1)
平
均 1.00
地 1.00 環状線沿線 1.00
価 (新設区間以外)
変 0.95 (N=7)
動 富山市平均
(N=64~68) 0.91
0.90
環状線 0.88
沿線以外
0.85 (N=11)
H19 H20 H21 H22 H23
中心市街地の地価変動(H19を1とした場合)
(富山県地価公示?地価調査 価格要覧 平成23年度版より)
※地価公示(国調査、基準日:1月1日)
地価調査(県調査、基準日:7月1日) 中心市街地エリア
FUTURE CITY TOYAMA -9-
- 11. コンパクトなまちづくりの効果 ~税収の確保~
■ 税収の内訳
富山市の市税の内訳 固定資産税?都市計画税の地域別内訳(H24年度)
(平成24年度当初予算) 面積比 固定資産税+都市計画税
市街化区域 5.8% 74.1%
事業所税
4.8 0.4%
入湯税 軽自動車税
うち中心市街地 22.3%
0.2 1.1
市たばこ税 上記以外 94.2% 25.9%
4.1
都市計画税 ※償却資産分は含まず
4.6
市民税
活発な経済活動により、
45.8% 44.0
【単位:%】
大きな税収を生んできた都心の活力が、
大きく低下しはじめている
固定資産税
41.2
中心市街地の活性化に集中投資
FUTURE CITY TOYAMA -10-
- 12. コンパクトなまちづくりの効果 ~歩行者数、空き店舗~
■ 中心市街地の歩行者数が着実に増加
(H18→H23 25.8%増)
■ 中心市街地の空き店舗が減少 (H21→H23 2.3%減)
【周辺の歩行者数の推移(休日)】 【空き店舗率の推移】
(人) (%)
25
5,000 グランドプラザ開業 空き店舗率
(H19.9) 2.3%減少
%
20.9 %
20.5
25.8%増加 4,247 20
空 18.6%
歩 4,000
行 き
者 店
数 3,377 舗
率
15
3,000
2,000 10
H18.8 H23.8 H21.4 H23.1 H23.12
調査時期 観測地:総曲輪フェリオ北西側 観測地:総曲輪、中央通り、西町商店街の全258店舗を調査
FUTURE CITY TOYAMA -11-
- 13. コンパクトなまちづくりの効果 ~転入人口の増加~
中心市街地の社会増減の状況を見ると、平成19年以降は転入超過に転
換し、過去5年間では、年平均81人の転入増となった
(人)
200
【社会増減(転入-転出)の推移】 187
150
112
100
37 48
50
22
0
H17-18 H18-19 H19-20 H20-21 H21-22 H22-23 H23-24
▲ 50
▲ 43 ▲ 38
▲ 100
公共交通沿線居住推進地区の社会増減の状況を見ると、公共交通の活性化や
居住推進事業により公共交通沿線の魅力が高まり、平成24年より転入超過
に転換した
(人)
200
【社会増減(転入-転出)の推移】
42
0
H17-18 H18-19 H19-20 H20-21 H21-22 H22-23 H23-24
▲ 200
▲ 185 ▲ 167 ▲ 147 ▲ 26
▲ 230
▲ 400
▲ 600
▲ 800 ▲ 718
FUTURE CITY TOYAMA -12-
- 14. コンパクトなまちづくりの効果 ~人口及び建築動態~
■「都心地区」及び「公共交通沿線居住推進地区」を選択 【転居者の新居住地分布図(H17~23)】
する割合が徐々に増加(H17→H24:2.7ポイント増)
グラフ 移動者の地区別居住地選択割合の推移
100%
90% JR北陸本線
80%
54.6% 53.9% 52.8% 53.0% 52.6% 52.2% 51.7%
70%
60% その他
48.4%
50% 45.4% 沿線地区(用途外)
3.4% 3.3% 3.3% 3.3% 3.1% 3.4%
3.1% 沿線居住推進地区 富山駅
40% 45.0%
42.3% 都心地区
30%
35.3% 36.4% 37.4% 37.3% 37.3% 38.0% 37.5%
20%
市内電車環状線
10%
7.0% 6.4% 6.5% 6.4% 6.8% 6.7% 7.5%
0%
H17→H18 H18→H19 H19→H20 H20→H21 H21→H22 H22→H23 H23→H24
都心地
都心地区
■市内全域に占める都心地区及び公共交通沿線居住推
進地区の建築割合が増加している。
(H18→H22:6.0ポイント増)
グラフ 都心?公共交通沿線居住推進地区の建築割合の推移 JR
35.0% 高
32.0% 32.5% 山
28.5% 30.0%
30.0% 本
26.5% 線
25.0%
20.0%
公共交通沿線居住推進地区
公共交通沿線居住推進地
15.0% 区
10.0%
5.0%
0.0%
H18 H19 H20 H21 H22
FUTURE CITY TOYAMA -13-
- 19. ソーシャルキャピタルあふれる持続可能な付加価値创造都市を目指して
コンパクトシティ戦略による富山型都市経営
環境価値の創造
都市機能の集積やライフスタイルの変化による環境負荷の低減
経済的価値の創造 社会的価値の創造
環境などの新産業の創設 税収増加 ソーシャルキャピタルの醸成
行政コストの抑制 農山村社会の再生
地場産業の発展 雇用創出 人口力 地域医療 介護 健康 安全安心
等 等
環境?社会?経済のイノベーションによる未来に開かれた都市へ
都市のグリーン成長( 環境 ? 経済 ? 社会的価値の創造)に寄与
する コンパクトシティ政策により、持続可能な都市経営を実現
FUTURE CITY TOYAMA -18-