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South Yorkshire and Nuclear War
サウスヨークシャーと核戦争
目次
1 サウスヨークシャー~核戦争の攻撃目標 .................................................................... 2
2 サウスヨークシャーへの核攻撃に対する英国政府の見解............................................ 3
3 サウスヨークシャーの巡航ミサイル ........................................................................... 3
4 広島:核兵器の効果.................................................................................................... 4
5 爆弾が投下されたとき、サウスヨークシャーに何が起きるのか?.............................. 6
6 死傷者はどれくらいになるのか?............................................................................... 9
7 核戦争が起きる可能性はどれくらいあるのか?.........................................................11
1
サウスヨークシャーと核戦争
前書き
1983 年 12 月、政府の新しい民間防衛規制が法制化された。これらの新法制により、サウス
ヨークシャーの都市州議会1
と 4 つの郡議会が実施する民間防衛の手段が拡大される。これ
と同時に、
都市州政府は英国政府の歳出削減政策を強制されるため、
新法制では都市州政府
はより多くの費用を民間防衛に支出し、
より多くの要員を訓練し、
より詳細な民間防衛計画
を策定する必要が生じる。
政府は民間防衛計画が核戦争での生存と復旧に役立ちうると考えている。
しかし、
核戦争時
には、
サウスヨークシャーは、
ほぼ想像しがたい規模の破壊と死者と負傷者を出すだろう。
非常事態の規模は、都市州政府の策定するいかなる計画も無駄になるだろう大きさである。
このブックレットはその理由を説明する。
そして、
核戦争の脅威が我々すべてにかかってい
る理由を説明する。核戦争と軍拡競争について説明する。そして、核攻撃でサウスヨークシ
ャーがどうなるか示す。
死者と負傷者の予測は米国政府の公式データに基づく。攻撃の種類、規模、弾頭数は最新の
英国政府の核戦争演習「Square Leg」に基づく。
文書と調査
サウスヨークシャー都市州議会政策調査ユニット
イラスト
サウスヨークシャー州議会工学製図
謝辞
サウスヨークシャー都市州議会は、州の郡議会の支援、Dr. Norman Myers と Dr. Azzam
Qasrawi と Owen Greene のコメントと情報、University of York 数学科 Dr C. Clarke の技
術支援、New Statesman の Duncan Campbell の 17 頁の写真使用許諾に感謝する。
初版: 1984 年 9 月
このブックレットは出版者の許諾なく複製可能。
1 訳注: 都市州型の州議会(County Council)は 1986 年に廃止された。
2
1 サウスヨークシャー~核戦争の攻撃目標
核戦争では、サウスヨークシャーは主要攻撃目標となる。
? 都市州は銃口ミサイル配備地域の一部となっている(地図 1 参照)
。
? 戦争では、ドンカスター近くのフィニングリー空軍基地2には米国のファントムジ
ェット戦闘機が駐留する。米国国防省は新しいシェルターと通信施設と燃料設備
をフィニングリー空軍基地に 1200 万ドルで建設することを計画している。(1)
? 都市州は道路と鉄道の十字路となっており、
人口稠密である。
英国経済にとって不
可欠な石炭と鉄鋼が主要産業である。
? シェフィールドフォージマスター社はトライデト潜水艦核ミサイルシステムの部
品製造に関与している。
地図 1 巡航ミサイル配備地域
2 訳注: 1996 年に廃止され、2005 年に Doncaster SheffieldAirport が開業。
3
2 サウスヨークシャーへの核攻撃に対する英国政府の見解
1980 年に、英国政府は「SquareLeg」と呼ばれる核戦争演習を実施した。公式情報に
よれば、150 発、合計 280.5 メガトンの核兵器が英国に投下された。(2) 独立した推
定によれば、200 メガトンの攻撃では 2900 万人が死亡し、さらに 700 万人が重傷、
1900 万人が短期的生存者となる。(3) しかし、英国政府は、もし敵が英国の地方に分
散配備された巡航ミサイルをすべて破壊しようとした場合、1000 メガトンの攻撃が想
定されると述べている。(4)
「必要とあれば、英国国民は原子の塵と化す用意がある」
アレク?ダグラス=ホームが英国外相として 1961 年に発言
「Square Leg」演習では、英国政府はサウスヨークシャーで 2 発の核兵器が爆発する
と仮定した。広島原爆の 250 倍の威力を持つ 3 メガトンの核爆弾がシェフィールドの
中心近くの地上で爆発した。広島原爆より 80 倍以上威力のある 1 メガトンの核爆弾
が、フィニングリー空軍基地で爆発した。
3 サウスヨークシャーの巡航ミサイル
バークシャーのグリーナムコモンとケンブリッジシャーのモールスワースに、米国指
揮下の 160 発の巡航ミサイルが配備されている。核戦争の準備期間に、巡航ミサイル
は移動発射装置に搭載され、
地方に分散配備される。
サウスヨークシャーは分散配備範
囲に入っている(地図 1 参照)
。核戦争時には、この範囲は巨大な攻撃目標となり、巡
航ミサイルを破壊するために飽和攻撃を受ける可能性がある。
巡航ミサイルは陸や海や空から発射できる。巡航ミサイルは敵のレーダーに探知され
ないように、
地上すれすれに飛行するように設計されている。
巡航ミサイルの命中精度
は非常に高く、広島を破壊した爆弾の最大 10 倍の威力を持つ核弾道を搭載できる。
「巡航ミサイルが英国の地にあることは、我々が第一攻撃目標になるということだ。
」
デイリー?テレグラフ紙 社説(1980 年 2 月 4 日)
巡航ミサイル危機
巡航ミサイルは核軍拡競争における新たな危険なねじれである。
* 米国の軍事計画者たちは核戦争を戦い勝利する能力を実現するのに役立つと考えて
いる(5) 。
* 米国の核戦略家たちは、欧州でのいわゆる「限定」核戦争を戦うことを語った(6) 。
米国指揮下の欧州の巡航ミサイルはこの幻想を助長する。
* 巡航ミサイルは移動可能で、
通常弾頭と核弾頭のいずれも搭載可能であるため、
軍備
制限条約の検査や検証を困難にする。
4
「我々は欧州で第 1 次世界大戦を戦い、我々は欧州で第 2 次世界大戦を戦った。場 k
者どもが望めば、我々は欧州で第 3 次世界大戦を戦うことみなるだろう。
」
元 米国の軍事計画者 ジーン?ラロック提督
4 広島:核兵器の効果
核兵器の爆発力は「キロトン」と「メガトン」という言葉で記述される。1 キロトンは
TNT 爆薬 1000 トン、1 メガトンは TNT 爆薬 100 万トンに相当する。広島を破壊した
爆弾の爆発力は約 12 キロトンだった。現在の基準では、これは小さな爆弾である。
原爆投下後の広島 BBC Hulton / Bettmann Archive
1945 年 8 月 6 日、米国は戦争で最初の原爆を投下した。日本は今にも降伏しそうだっ
たが、原爆は日本の広島の街に投下された。3 日後、長崎の街が同じ運命をたどった。
核兵器の効果についての我々の知識の多くは、これらの爆撃から得られたものだ。
約 12 キロトンの力で、広島原爆は都市上空の約 530 メートルで爆発した。1 秒で、火
球は 260 メートルの大きさになり、太陽表面と同じくらいの熱さになり、都市の中心
部を飲み込み、火災旋風を起こし 6 時間続いた。爆心から 1,2km の地点では、屋外に
いた人々は焼死した。4km 地点では、皮膚は重い火傷になり、木材は焼け焦げた。
爆弾投下から数秒で、広島全体の 40%が灰になり、都市の 92%が見る影もなく破壊さ
れた。
5
広島の廃虚 Popperfoto
爆発の衝撃波は 10 秒で 4km の範囲に及び、経路上の大半の建物を破壊した。衝撃波
の後、ハリケーンの風力の風が続いた。立ち昇る灰の巨大な雲が太陽を覆い隠した。塵
の粒子に凝縮した水分が、高度に放射能を帯びた「黒い雨」として地上に降ってきた。
爆風と熱線で負傷し衝撃を受けた生存者たちが、
喉の渇きから河に入り、
放射能汚染さ
れた水を飲んだ。彼らの負傷は恐ろしいもので、手足から皮膚が帯状にぶらさがり、破
裂した腹部から内臓がこぼれ出て、眼球が爆発していた。広島の生存者の多くは「我々
は地獄を見た」と言っていた。118,661 人が死亡した。今日、39 年後、人々は放射線の
後遺症で死亡している。
表 1 核兵器の破壊力
この表は広島爆弾と「Square Leg」の 2 発の爆弾によるサウスヨークシャーの死傷者
数予測を比較したものである。
6
生存者はケロイド(肥厚性瘢痕)と眼の障害を患った。当時、胎内にいた子供たちは東
部が小さくなる(小頭症)傾向があり、おそらく遺伝子障害も起きている。白血病や甲
状腺癌や乳癌や肺癌の発症率が増加した。放射線の即時影響については、15~16 頁参
照。
5 爆弾が投下されたとき、サウスヨークシャーに何が起きるのか?
「Square Leg」演習の爆弾が現実だったらとしよう。サウスヨークシャーに何が起き
るだろうか?
エクルシャルロードの突き当り近く、シェフィールドの中止分近くで爆弾が爆発する。
もう一つの爆弾がフィニングリー空軍基地近くで爆発する。いずれも地上爆発である。
爆弾が爆発したとき、爆弾は眩い閃光を放ち、致命的な核放射線を放出する。1 秒以内
に、
爆弾は太陽と同じくらい熱い火球を形成し、
その下にあるものすべてを灰にする。
爆風が外に向かって進み、
数秒で数 km 範囲内を駆け抜け、
経路上の建物を破壊する。
爆風の後には、ハリケーンの風力の風が続き、さらなる破壊をもたらす。爆発は何トン
もの塵や瓦礫をキノコ雲へと巻き上げる。この放射性「降下物」は風に運ばれて、英国
北部に降り積もる。
シェフィールドの爆弾は地上に直径 800 メートル、
深さ 90 メートルのクレーターを残
す。フィニングリー空軍基地近くの爆弾は直径 300 メートル、深さ 67 メートルのクレ
ーターを残す。煙と塵で空は暗くなる。
A ゾーンでは:自動車は溶ける。河は蒸発して干上がる。秒速 134 メートルの風にあ
おられて、おそらく火災旋風が起きる。ほぼすべての建物が破壊され、道路や鉄道が破
壊される。
屋外にいる人々は爆風で死ぬか、
火災で焼け死ぬ。
シェルターにいる人々は、
生きながら、焼かれる。生存者はひどく負傷し、重度の火傷になる。
B ゾーンでは:バスや大型トラックは爆風で転覆し、
ばらばらになる。大半の建物は崩
壊する。
樹木や電柱など燃えやすい物は炎上する。
屋外にいる大半の人々は焼け死ぬか、
圧死する。炎は秒速 70 メートルの風で燃え広がり、おそらく火災旋風を起こす。何と
か生存した人々は、鼓膜の破裂や第 3 度の火傷など恐ろしい負傷をすることになる。
シェルターにいる人々は誰もが生きながら、焼かれるか、窒息する。
C ゾーンでは
:
大半の建物が深刻な被害を受ける。
壁がひび割れ、
屋根は吹き飛ばされ、
窓は吹き飛ばされる。これにより、放射性降下物に対する防護が損なわれる。新聞紙や
カーテンが燃え上がる。屋外にいる人々の中には第 3 度の火傷になる者もいるが、多
くは第 2 度の火傷になる。多くの人々は、倒れる樹木や鉄塔や電柱で負傷する。
7
地図 2 「Square 尝别驳」演习爆弾によるサウスヨークシャーの被害
8
地図 3 「Square Leg」演習爆弾によるサウスヨークシャーへの熱線の影響
A ゾーンでは: 人々は第 3 度の火傷になる。皮膚が燃え上がり、焦げる。
B ゾーンでは: 人々は第 2 度の火傷になる。皮膚はひどい水膨れになる。
C ゾーンでは: 人々は第 1 度の火傷になる。皮膚が赤くなる。
9
D ゾーンでは: 秒速 22 メートルの風で、スレートが押し倒され、樹木や煙突が吹き飛
ばされ、窓が吹き飛ばされる。この被害により、放射性降下物による死者が増加する。
屋外の人々は、
第 2 度の火傷を追ったり、
石積の倒壊や倒木により負傷したりする。
爆
発の方向を見ていた場合、一時的に閃光の眩さで眼がくらむ。
E ゾーンでは:窓が吹き飛ばされ、スレートが押し倒される。この被害により、放射性
降下物による死者が増加する。
一部の人々は、
爆発の閃光によって一時的に眼が見えな
くなる。飛散するガラスで負傷する者もいる。熱線はオーブンの扉を開いて、その前に
立っているようなものだ。マフが熱くなり、肌が赤くなる。
コニスブラ周辺地域では、シェフィールドの爆弾によるものとフィニングリー空軍基
地の爆弾によるものの 2 回の打撃を受ける。
6 死傷者はどれくらいになるのか?
広島爆弾は約 12 キロトンであり、現代の核兵器に比べれば、小さい。
「Square Leg」
演習では、英国政府はサウスヨークシャーに合計で、広島爆弾の 330 発分の爆発力の
爆弾が投下されると想定した。これに基づく、
「SquareLeg」演習でのサウスヨークシ
ャーにおける、内務省の推定によれば、
(2 週間後の)死者 190,000 人、負傷者 17,000
人で、
広島の死者 118,661 人よりも少ない。
このため、
サウスヨークシャー都市州議会
は、
「Square Leg」演習の死傷者について独立したコンピュータ予測を実施した。
このコンピュータ予測によれば、サウスヨークシャーの人口 1,292,000 人をわずかに
下回る 934,000 人が(6 週間以内に)死亡し、160,000 人が負傷する。これらの数値に
は、
「核の冬」の効果や、紫外線の効果(8 節参照)による死者は含まれない。これら
のコンピュータ予測の都市州内の行政区単位の全結果は、ブックレット末尾に記載し
た。
では、サウスヨークシャーの 4 つの地域、シェフィールドとロザラムとドンカスター
とバーンズリーに何が起きるか考えてみよう。
シェフィールド行政区:
(全人口: 531,000 人、死者 449,000 人、負傷者 60,000 人)
内務省公式情報に基づく、
「SquareLeg」
演習の都市州議会非常事態計画報告によれば、
「シェフィールド市中心部は破壊され、
郊外は 6.4km の範囲まで深刻な被害を受ける。
」
(7) これは過小評価である。最大 11km の範囲まで、大半の建物は破壊されるか深刻
な被害を受ける。大半の道路は倒木や倒壊した石積みや倒れた電柱や転覆した車や瓦
礫で通行できなくなる。
この範囲内では火災が同時に発生し、
おそらく火災旋風が起き
る。要するに、シェフィールドの大半は破壊される。
10
地図 4 「Square 尝别驳蝉」爆弾によるサウスヨークシャーの放射性降下物パターン
11
シェフィールド市議会はティンスリーヴィアダクトの上空 216 メートルで 1 メガトン
の核爆発が起きたときの影響の研究を実施した。
このシナリオでは、
爆発力は
「Square
Leg」演習における英国政府の想定の 1/3 であり、攻撃目標もシェフィールド市の工業
地域に設定されている。それであっても、コンピュータプログラムは 317,000 人の死
亡と 103,000 人の負傷を予測した。(8)
ロザラム行政区:
(全人口: 250,000 人、死者 62,000 人、負傷者 72,000 人)
ロザラム行政区の大半の建物は深刻な被害を受ける。
壁にはひび割れる。
煙突は崩壊す
る。窓は壊れる。この建物に対する被害により、放射線に対して人々を防護する建物の
能力は大きく低下する。ロザラム北部はシェフィールド爆弾の放射性降下物の影響を
受ける。
ドンカスター行政区:
(全人口: 287,000 人、死者 239,000 人、負傷者 25,000 人)
内務省公式情報に基づく、
「SquareLeg」
演習の都市州議会非常事態計画報告によれば、
「フィニングリー空軍基地と施設は破壊され、最大 5.6km 圏内の集落の建物は深刻な
被害を受ける。
」これもまた過小評価である。実際には深刻な被害の範囲は 8km であ
る。
ドンカスター西部は両方の爆弾からの熱線と風の影響を受ける。
ドンカスター北部
はフィニングリー爆弾による放射性降下物に覆われる。
バーンズリー行政区:
(全人口: 224,000 人、死者 184,000 人、負傷者 10,000 人)
バーズリー行政区の大半は、強い放射線を照射され、人々は放射線障害で死亡する。行
政区の大半では、窓が壊れ、スレートが押し倒される。比較的軽微な爆風被害により、
放射性降下物に対する建物の防護力は大きく損なわれる。
7 核戦争が起きる可能性はどれくらいあるのか?
英国政府は、核兵器は(欧州の)平和を 39 年間維持しており、核兵器はロシア封じ込
めに必要だと論じてきた。
英国政府は、
核軍縮は強い立場からしか交渉できないと論じ
ている。
残なんながら、
両側が強い立場から軍縮を交渉できない。
自分が優っていると考えない
限り、両側とも核軍縮手段(あるいは核兵器削減)の交渉すら行わないので、核軍拡競
争は止まらない。両側が核軍備を増強し続けることで、核軍縮への願望は挫かれる。そ
して、一方は常に、他方は本当に交渉に関心を持っているのだろうかと疑問に思う。
これが今、起きていることだ。ソビエト連邦は SS-20s の配備をしようとし、核軍備に
おける目に見えるギャップを埋めようとしている。米国は SS-20s は、巡航ミサイルと
パーシング II ミサイル配備を正当化するものだと主張する。同様に、米コックは最初
に原爆を開発し(使用し)た。数年後にソビエト連邦は追いついた。表 2 に示すよう
に、これは水爆や、大陸間爆撃機や、潜水艦発射ミサイルにもあてはまる。
12
戦争の準備そのものが戦争になった。だからこそ、歴史上、あらゆる軍拡競争は、最終
的には戦争に至っている。核軍拡が例外だとは考えにくい。
英国のように小さく、人口稠密な島では、核兵器の使用は自殺行為である。逆説的に、
英国政府は我々の生活様式を守るために、それを破壊すると脅さなければならないと
考えている。しかし、それはばかげている。強盗を殺すだけでなく、自分も自殺し家を
爆破すると脅す世帯主に様なものだ。これは、ロシアの脅威がある場合、核兵器はそれ
に対処する方法ではないことを意味する。
「米国の世界観では、世界は善と悪、東と西、さらには自由と奴隷に分断されている。
これは現実の悪夢的な歪曲である。
この世界観は英国が共有できない、
あるいは命懸け
でしか共有できない。
」
イーノック?パウエル下院議員
多くの人々は核戦争の危険が増していると考えている:
* 「恐怖の均衡」はこれまでになく不安定になった。最近、非常に正確な核兵器が考案
されたため、相手が報復として発射する前に相手の核ミサイルを破壊できるようにな
った。両側の軍事計画立案者たちは現在、単に攻撃を抑止するのではなく、核戦争で勝
利しようと考えている。(10)
「我々は催眠術にかかったように、
あるいは夢の中にいるかのように、
海に向かうレミ
ングのように、兵器の上に兵器を、ミサイルの上にミサイルを積み上げている。
」
元駐ソ米国大使 ジョージ?ケナン教授
* NATO は
「核の生成不使用」
についてワルシャワ条約機構と合意することに抵抗して
いる。通常戦争で敗北が明白になれば、核兵器を使用するというのが、NATO の政策
である。
* 通常兵器使用と核兵器使用の境界線は次第にあいまいになってきている。中性子爆
弾は強力な放射線で人々を殺すが、
建物等には大きな被害を与えない。
核砲弾すらある。
そのような兵器がある中では、欧州での大きな紛争が核戦争に発展しないとは考えに
くい。というのは、核兵器を使用するか、戦争に負けるかの決断をしなければならない
からだ。
* 「民間」原子力発電所を隠れ蓑に、ますます多くの国々が核兵器を手に入れ、核兵器
の拡散は核戦争のリスクを高めている。
* コンピュータの誤動作やその他のシステム障害が偶発的な核戦争につながる可能性
という危険が常にある。
(14 頁のボックスを参照)
13
表 2 核軍拡の主要イベント(11)
兵器
1945
1950
1955
1960
1961
1962
1964
1965
1967
1970
1975
1977
1980
1984
原爆
米国
ソ連
英国
仏国
中國
インド
水爆
米国
ソ連
英国
仏国
中國
中距離弾道ミサイル
(IRBM)
米国
ソ連
潜水艦発射弾道ミサイル
(SLBM)
ソ連
米国
大陸間弾道ミサイル
(ICBM)
米国」
ソ連
多弾頭独立目標再突入体
(MIRV)
米国
ソ連
短距離攻撃ミサイル
(SRAM)
米国
ソ連
巡航ミサイル
米国
パキスタンとイスラエルと南アフリカは核兵器を既に保有しているか、すぐに作れる状態にある。アルゼンチンとブラジルと
ナイジェリアとリビアとエジプトとイランと韓国と台湾と日本は今後数年で、核兵器を作れるようになる。
14
偶発…
1956 年 7 月 27 日、訓練演習中だった米国空軍の核爆撃機が、英国サフォークにある
レイクスヒース空軍基地に墜落した。
爆撃機には炎に包まれ、
核兵器格納庫は炎に飲み
込まれた。火災が続き、核弾頭を起爆する TNT 火薬が爆発し、放射性物質を広域にま
き散らす危険性があった。
1966 年 1 月 17 日、4 個の水爆を搭載した B52 爆撃機が、スペイン上空で空中給油中
に、
空中給油機と衝突し、
両機はパロマレス近くに墜落した。
爆弾 1 個が陸上で回収さ
れ、
2 か月半の捜索で海中から 1 個が見つかった。
2 個の爆弾が衝突で壊れて、
1400 ト
ンの土と植物が汚染され、除去しなければならなくなった。
1968 年 1 月 21 日、B52 爆撃機がグリーランドに墜落した。このときは、4000 トンの
氷と雪が放射能汚染され、除去しなければならなくなった。
1979 年 11 月、米軍司令部でコンピュータのエラーで、ソビエトの大規模核攻撃をシ
ミュレートしたゲームシナリオがセットされた。
このエラーは、
米国と英国のミサイル
の発射直前に発見された。
1980 年 9 月 19 日、アーカンソー州リトルロック近くに基地でタイタン II ミサイルが
爆発し、2 名が死亡し、9 メガトンの核弾頭がサイロから 90 メートルのところまで飛
ばされた。運よく、核弾頭は爆発しなかった。
これらの例はすべて、
米軍に関すものだが、
これは米国では政府情報へのアクセスが容
易なためである。
英国やフランスや中国やソ連など、
より隠蔽する国家でも同様のこと
が起きていると思われる。
8 その後の影響
サウスヨークシャーは核戦争で破壊され、その破壊は先の戦争よりはるかい大きなも
のになる。
「SquareLeg」演習では、サウスヨークシャーには、第 2 次世界大戦で英国
全土に投下された爆弾の合計の 57 倍の爆発力の核兵器が投下されると想定している。
その場を生きのびた人々は、長期的な生存をきわめて困難にするような、
「核の冬」や
放射線被曝に直面することになる。
核の冬
核戦争後、
空は火災の煙と煤と核爆発の塵で暗くなる。
工業施設の火災による化学スモ
ッグが大気圏を汚染する。
米国と欧州とソビエト連邦お科学者が一堂に会した、
最近の
ワシントン DC での会議は、
この薄明の世界では、
地上にほとんど太陽光が届かないた
めに、気温は急低下すると結論した。コンピュータモデルは地球の半分が、北極と同程
度の氷点下 23℃の「核の冬」になる。この凍てつく寒さで、植物や農作物が死ぬ。動
物は飢え死にするか、凍死する。
科学者の中には、
最終的に世界中が死に絶えて、
昆虫と草だけが残ると考えている者も
いる。
15
研究によれば、比較的小規模な 100 メガトンの核戦争、すなわち「Square Leg」攻撃
の想定の半分の規模であっても、5000 メガトンのフルスケール核戦争と同程度の厳し
い寒さと暗闇が数か月続く。
Popperfoto
放射線
核戦争後、放射線レベルは非常に高くなる。雨は致命的に放射性毒性を帯び、飲めない
場かりか、触ることも危険になる。湖や河の水も、高度に放射能を帯び、新鮮な食料は
他に入らなくなる。
「Square Leg」のコンピュータ研究は、サウスヨークシャーで 448,000 の放射線によ
る死者数を予測している。
原子力発電所すなわちセラフィールド
(ウィンドスケール)
が爆撃されれば、放射能による死者数はさらに増大する。
放射線障害の最初の症状は頭痛、吐き気、めまい、頻繁な嘔吐、その後急性下痢と疲労
である。これを生きのびると、その人は回復したように見える。しかし、2l 日以内に、
症状は内出血とともに再発する。呼吸が困難になる。髪が抜ける。皮膚の痛みが出る。
その後、発熱、完全な疲労、そして最後に死亡する。放射線障害から回復しても、感染
症に対する自然の抵抗力が低下する。
16
生存者は貧血や白血病などの血液疾患を発症する傾向がある。骨、肺、皮膚及び性器の
癌を発症する人が多くなる。長期的には、多くの子供は弱く生まれ、出生後すぐに死亡
するか、奇形になるだろう。
「市民援助の副議長であるロビン?ミード氏は、昨日(1980 年 2 月 13 日)の記者会
見で、核攻撃の後、人々は食べられるものなら、何でも食べなければならなくなると述
べた『カエルが飛び跳ねているのを見たら、それを捕まえて、放射性の塵を洗い流し、
調理して、食べる。
』
タイム(1980 年 2 月 14 日)
紫外線
核戦争は、
目に見えない紫外線を防いでいる大気の保護層を破壊する。
紫外線のレベル
が上がると魚や作物が死に、人々や動物が失明になる。また、紫外線は核の冬の暗闇を
突き抜け、致死量の日焼けをさせる。失明と致命的な日焼けを避けるために、その場を
生きのびた者たちは、
日中は隠れたままである必要があり、
夜にしか外出できなくなる。
疫学
衛生および下水道システムが破壊される。
死体は埋葬されずに放置される。
飢えや寒さ
や放射線被曝で、
生存者たちは病気に対する抵抗力を弱められる。
そのため、
腸チフス、
コレラ、赤痢、さらにはペストなどの感染症が広まる。確かに、この都市州で、主要な
病院は運営できそうになり(13) 。
広島では、
比較的小さな核爆弾が広島の病院の 45 のうち 42 を破壊した。医師 278 人
のうち 8 人のみが生存した。そしてたった 1,780 人の看護師のうちわずか 135 人が生
存した。核戦争後のサウスヨークシャーでは、これよりはるかに悪い事態となるが、英
国政府は医療体制が対処することを期待している。
「西側の軍は、
この秋のウォーゲームの一部として大量埋葬の演習を実施している。
米
第 5 軍団の報道官は、NATO の定例の秋の演習中に軍が大量埋葬を訓練したのは初め
てだ」と述べた。
ガーディアン(1983 年 9 月 24 日)
核戦争の心理的影響
広島の生存者についての研究は、核戦争の当面の生存者の多くが深刻な錯乱、不安、シ
ョック、ストレスに苦しんでいることを示唆している。寒く、暗い、荒廃した、病気に
かかった、放射能汚染された世界では、多くの人々が無関心と絶望に陥る。このような
前例のない死と破壊に囲まれた人々の心の状態は想像するのが困難である。彼らには、
生き残る動機があるだろうか?
核戦争の余波で、当面の生存者は極度の寒さ、絶え間ない暗闇、水不足、食糧と燃料の
不足、放射線と汚染物質の重荷、病気と深刻な心理的ストレスに直面するだろう。核戦
争のこれらすべての影響が核爆発による直接的な死傷者と組み合わされると、核兵器
の使用が自殺行為となりうることは明らかである。
最終的には、
北半球に人間の生存者
17
はいないかもしれない。南半球の人間、他の動植物も深刻な結果を被るだろう。
9 民間防衛
サウスヨークシャーへの「Square Leg」攻撃の影響に関するコンピュータ研究では、
総人口 1,292,000 人のうち 934,000 人が即死するか、
6 週間以内に死亡することが示さ
れている。さらに 160,000 人が負傷する。さらに、核攻撃後の数か月間、病気、放射
線、ショック、家がないこと、紫外線、食物と水の不足、そして核の冬の凍てつく寒さ
と絶え間ない暗闇の複合的な影響を生き残る人はほとんどいない。
しかし、
英国政府は、
地方自治体による民間防衛計画と一般市民によるいくつかの簡単
な予防策が何百万人もの命を救うと皆さんに信じてほしいと願っている。
既に、
地方自
治体は、食事、水、医療、衛生、死者を葬るための墓、家を失った人々のための宿泊施
設を提供する非現実的な計画に参加することにより、核戦争に備えなければならない。
核戦争に備えて、一般の人々は家にいてドアやテーブルから仮設シェルターを組み立
てたり、
階段の下に隠れたりするように言われる。
たとえ彼らが都市部やその他の明ら
かな攻撃目標の近くに住んでいても。
これらのシェルターは、
核兵器の爆発による爆発
と熱の影響に対する防護には役立たないため、この政策は数千万人の死を意味する。
ヨーク近郊のサブリージョン本部 21。英国政府の計画では、核戦争後のサウス?ウェスト?ノースヨ
ークシャーはここから指揮される。 Duncan Campbell
18
「NHS は、英国上空での 1 メガトンの単一の核の爆発によって予想される犠牲者に対
処できない。
」
英国医師会レポート:
「核戦争の医学的影響」
英国政府は消防救急や医療従事者を都市や町から移動させる計画を立てていることか
ら、都市部の人々が主要な攻撃目標であえることを認識しているようである(14) 。も
ちろん、核戦争後の高い放射能レベルと、核の冬の寒さと暗さを考えれば、そのような
手段は役に立たないだろう。しかし、そのような計画の存在は、民間防衛に対する政府
のアプローチの基本的な矛盾を明確にしている。
さらに、核戦争の前後の国民の管理は、英国政府の最優先事項のようである。だからこ
そ、英国政府は核戦争への準備として、民主主義を一時停止し、政府を地域独裁とみな
せるネットワークに委ねようとしている。
選出された議員がほとんど、
あるいはまった
く関与することなく、上級行政官や警察や陸軍士官は、裁判なしに人々を収監し、建物
や食料や燃料を徴発できるようになる。
政府の計画では、
サウスヨークシャーはドンカ
スター近くのカスワースホールとバーンズリーの州役所の地下にある 2 つの州非常事
態本部から指揮されることになる。この地域全体は、ヨーク近郊のシップトン?バイ?
ベニングブローのバンカーから指揮される。
このブックレットで調査した証拠は、
比較的小さな核戦争であっても、
死と破壊の規模、
および長期的な気候効果のために、
民間防衛の準備が無駄であることを示している。
こ
れを考慮すると、民間防衛の準備は、核戦争の本当の影響について国民を誤解させ、核
戦争は生存可能で、勝利可能だという信念を推進していることがわかる。
ドンカスター近くのカスワースホール州役所地下のバンカーを訪れる人々。ここは 2 つの州非常事態
本部の 1 つで、もう 1 つはバーンズリー州役所の地下にある。 MartinJenkinson
19
10 皆さんにできること
このブックレットは、
核戦争では、
爆発時の損害と死傷者が非常に大きいため、
生存の
機会がほとんどないことを明確に示している。さらに、
「核の冬」の長期的な影響によ
り、
この地球上での継続的な生命の見通しに疑問符が付けられた。
もしこれのことに、
皆さんが絶望や怒りの感覚を与えたら、皆さんは一人ではないことを覚えておいてほ
しい。
他の多くの関係者は、
核軍縮を達成するために何かをすることを決意している。
地方自治体はできることをしているが、できることは限られている。皆さんの個々人
の行動も同様に重要である。
出発点は、
議会の下院議員
(London SW1A 0AA)
、
およびホワイトホールの国防省の
国防長官(London SW1A2HB)に手紙を書くことである。あるいは核軍縮運動を行っ
ている地元の団体にコンタクトする方法もある。
Barnsley CND, c/o 50 Longley Street, Barugh Green, Barnsley。
(Telephone
Barnsley 385095)
Doncaster CND, c/o 98 Wentworth Road, Wheatley, Doncaster,(Telephone
Doncaster 62140)
Rotherham CND, c/o 21 Grattan Street, Rotherham, (Telephone Rotherham
554087)
。
シェフィールドの団体は、シェフィールド?ピース?ショップ(51 Leopold Street,
Sheffietd Sl. Telephone Sheffield 700873)を通じて連絡できます。
11 推奨文献
核兵器と核戦争についてもっと読みたい読者は、以下の本が役に立つだろう。 これら
の本のほとんどには、
参考文献の広範なリストと、
さらに読むための推奨文献が記載さ
れている。
The Medical Effects of Nuclear War, British Medical Association's Board of Science
and Education, Wiley, 1983.
Doomsday: Britain after a Nuclear Attack, by S. Openshaw, P. Steadman and O.
Greene, Blackwell, 1983.
As Lambs to the Slaughter, by P. Rogers, M. Dando, and P. Van Den Dungen,
Ecoropa,/Arrow Paperbacks, 1981.
Defended to Death, ed. Gwyn Prins, Penguin Books, 1983. Overkill, by John Cox,
Pelican (third edition), 1981.
これらの書籍は公共図書館(下記参照)や、シェフィールド?ピース?ショップ(51
Leopold Street, Sheffietd Sl. Telephone Sheffield 700873)からも入手できる。また、
シェフィールド?ピース?ショップには、他にも多くの本やリーフレットや情報シート
や地域活動の詳細などがある。
20
図書館
Barnsley Central Library, Shambles Street, Barnsley
Rotherham Central Library, Frederick Street, Rotherham
Doncaster Central Library, Waterdale, Doncaster
Sheffield Central Library, Surrey Street, Sheffield
参考文献
このブックレットは核兵器の影響についての英国政府及び米国政府の公式情報に基づいて
いる。興味ある読者は「Nuclear weapons, Home Office and Scottish Homeand Health
Departmenr, 3rd edition, HMSO, l980」
「The Effects of Nuclear lVar, US Office of
Technology Assessment, Congress of the United States, Croom Helm Ltd., l98O」
「The
Effects of Nuclear Weapons, ed. Glasstone and Dolan, US Department of Defence and
Department of Energy, 1977」を参照。
(1) "Bases Build-up", New Statesman, ppl2-13,21st October' 1983; cf "US War Alert Shock at
S. Yorks. Air Base". Sheffield Morning Telegraph, p5, 3fth November, 1983'
(2) Emergency Planning Report on Exercise Square Leg, South Yorkshire County Council, 1980'
(3) S. Openshawand and P.Steadman,"ModelsforPredictingtheEffectsofNuclearAttackonBritain",
quoted in Table 2, p45, of “War plan UK” by Duncan Campbell, Paladin (revised edition)
1983. NB: Openshaw and Statesman's analysis is based on an incomplete bomb plot, the Home
office and Ministry of Defence having refused 10 supply a complete list.
(4) G. Pattie (Secretary of State for Defence-(Air Force)) in Hansard,6th March l98l'
(5) The counterforce syndrome: A guide to IJS nuclear weapons and strategic doctrine, ' ' by
Robert C, Aldridge, Transnational Institute, Washington DC, 1978. And Nuclear War Fighting
Strategies, chapter3, of Europe's Folly: the Facts and Arguments about Cruise, by Owen
Greene', CND, 1983. などを参照
(6) Defended to Death, ed. Gwyn Prins, Pelican 1983, pp3l-35'. などを参照
(7) note 2 参照
(8) Sheffield City Council SANA Report (unpublished).
(9) note 2 参照
(10) As Lambs to the Slaughter, pp87-90 などを参照及び、note 5 参照
(11) This table is derived from Appendices A1 and A2 of Defended to Death, edited by Gwyn
Prins, especially tables 13 and 14.
(12) "Martian study predicts nuclear winter" New scientist, p323, 3rd November 1983; cf "what's
left when the dust settles?", The Times, 9th December 1983.
(13) note 2 参照
(14) Medical Supplies in War (HDC (78)l), Department of Health and Social Security Circular
1978. cf. War Plan UK by D. Campbell, p305.
Appendix 1: Square Leg の仮定と技術詳細
英国政府は 1980 年 9 月 19~24 日に「Square Leg」演習を実施した。シナリオは英国が地
上?空中?水中の 150 発の核兵器の攻撃を受けたと仮定した。シナリオにはシェフルード中
心部(SK 3436)の 3 メガトンの地上爆発と 1 メガトンのフィニングリー空軍基地(SK 6798)
の地上爆発が含まれる。
死傷者数についての我々のコンピュータ評価は、以下の仮定で行った:
Wind speed = 32 mph at relevant heights
Wind direction = 180.0 degrees (due south)
Maximum proportion unprotected = 0.500
Proportion exposed to burns = 0.050
Minimum protection factor = 4.00
Maximum protection factor = 7.00
Radius of maximum Q = 1.63
Radius of minimum P.F. = 2.74
21
Appendix 2: 「Square Leg」演習のサウスヨークシャーの独立コンピュータ予測の死傷者
爆風 放射線
BARNSLEY DISTRICT
Ardsley 17 10,279 0 0 0 10,296
Athenley 15 9,896 0 0 0 9,911
Brierley 13 7,476 0 186 2,622 10,111
Central 14 10,809 0 0 0 10,823
Cudrvorth 11 10,362 0 0 0 10,373
Darfield 20 5,973 0 743 4,644 10,637
Darton 9 11,800 0 0 0 11,809
Dearne South 57 1,396 0 3,681 10,645 12,098
Dearne Thurnscoe 51 1,394 0 3,344 10,004 11449
Dodworth 12 10,559 0 0 0 10,571
Hoyland East 57 10,418 0 0 0 10,475
Hoyland West 44 8,685 0 0 0 8,729
Monk Bretton 17 12,193 0 0 0 12,210
North West 12 9,900 0 0 0 9,912
Park 15 7,763 0 0 0 7,778
Penistone Ea$ 28 7,308 0 143 1,273 8,609
Penistone West 12 671 0 1,947 9,505 10,188
Roy$on 7 10,504 0 0 0 10,511
South We$ 11 9,270 0 0 0 9,281
Wombwell North 14 6,829 0 0 100 6,943
Wombrvell South 27 9,836 0 0 505 10,368
Wonbrough 21 10,800 0 0 0 10,821
484 184,121 0 10,044 39,298 223,903
DONCASTER DISTRICT
Adwick 1,246 13,661 808 0 391 16,106
Armthorpe 3,906 11,116 799 0 188 16,009
Askern 99 10,580 114 0 0 10,793
Balby 12,005 1,194 718 359 419 14,336
Bentley Central 8,312 3,441 621 0 7 12,381
Bentley Nonh Road 11,255 410 614 0 0 12,279
Bessacarr 8,784 3,796 705 652 781 14,066
Central 11,757 0 620 0 0 12,377
Conisbrough 371 2,063 735 5,936 11,854 15,023
Edlington & Warmsworth 3,080 5,176 660 2,920 4,302 13,218
Hatfield 200 13,211 289 0 0 13,700
Intake 10,922 117 584 0 0 11,623
Mexbrough 152 742 138 6,147 14,577 15,609
Richmond 9,301 972 643 1,211 2,787 13,703
Rossington 1,889 5,952 630 3,152 4,093 12,564
South East 6,931 5,415 755 1,412 1,993 15,094
Southern Parks 2,928 3,387 413 3,124 6,262 12,990
Stainforth 739 13,483 331 0 5 14,558
Thorne 26 16,461 0 82 483 16,970
Town Field 10,784 0 569 0 0 11,353
Wheatley 11,194 369 609 0 0 12,172
115,881 111,546 11,355 24,995 48,142 286,924
死亡
行政区 焼死 負傷 生存 総人口
22
爆風 放射線
ROTHERHAM DISTRICT
Anston & Woodsetts 24 567 0 3,037 11,622 12,213
Aston, 0rgreave & Ulley 343 140 45 6,605 14,400 14,928
Boston 338 2,333 74 3,392 7,077 9,822
Bramley, Ravenfield 82 69 0 5,817 14,663 14,814
Brampton, Melton & Wentworth 50 5,767 0 551 3,311 9,128
Brinsworth, Catcliffe & Treeton 1,225 5,098 659 3,569 6,210 13,192
Broom 185 473 0 4,467 9,952 10,610
Central 358 4,344 218 1,527 3,643 8,563
Dalton, Hooton Roberts & Thrybetgh 99 156 0 5,762 14,081 14,336
Greasbrough 213 6,834 9 495 2,431 9,487
Herringthorpe 126 529 0 4,063 9,636 10,291
Kimberworth 874 9,792 527 25 567 11,760
Kiveton Park 45 85 0 3,000 9,482 9,612
Maltby 80 1,557 0 5,629 15,069 16,706
Park 171 1,104 0 3,809 8,700 9,975
Rawmanh East 70 835 0 3,787 9,949 10,854
Rawmarsh West 84 2,414 0 2,852 7,953 10,451
St. iohn's 20 496 0 2,729 9,548 10,064
Swinton 55 570 0 3,973 10,641 11,266
Thorpe Hesley 414 9,433 199 0 272 10,318
Thurcroft & Whiston 128 252 0 4,201 10,275 10,655
Wath 43 2,133 0 2,976 9,138 11,314
5,027 54,981 1,731 72,266 188,620 250,359
SHEFFIELD DISTRICT
Beauchief 15,191 0 939 2,245 2,630 18,760
Birley 7,422 271 1,053 9,231 12,293 21,039
Brightside 6,815 9,771 874 0 0 17,460
Broomhill 11,823 20 623 0 0 12,466
Burngreave 15,981 340 863 0 0 17,184
Castle 18,172 73 960 0 0 19,205
Chapel Green 805 21,434 377 0 0 22,616
Darnall 8,364 6,246 951 2,456 3,439 19,000
Dore 5,517 0 1,009 9,933 13,662 20,188
Ecclesall 18,114 57 986 481 544 19,701
Firth Park 14,005 3,538 926 0 0 18,469
Hallam 14,963 1,287 884 437 573 17,707
Handsworth 4,061 901 951 8,917 13,137 19,050
Heeley 18,148 76 963 50 57 19,244
Hillsborough 16,516 1,856 967 0 0 19,339
Intake 14,355 2,281 1,011 2,109 2,525 20,172
Manor 15,663 1,505 914 63 97 18,179
Mosborough 1,091 435 546 10,688 20,361 22,433
Nether Edge 15,525 0 815 0 0 16,340
Nether Shire 5,212 10,827 847 0 0 16,886
Netherthorpe 15,187 0 802 0 0 15,989
Norton 10,221 12 862 4,929 6,106 17,201
0wlerton 11,095 5,757 889 0 0 17,741
Park 16,627 46 879 4 4 17,556
Sharrow 14,773 0 778 0 0 15,551
Southey Gteen 7,442 8,624 847 0 0 16,913
South Wortley 7,035 14,022 1,095 281 654 22,806
Stocksbridge 102 7,987 0 1,150 5,920 14,009
Walkley 16,672 70 885 9 12 17,639
326,897 97,436 24,496 52,983 82,014 530,843
Total fot the country 448,289 448,084 37,582 160,288 358,074 1,292,029
行政区
死亡
焼死 負傷 生存 総人口
23
South Yorkshire and Nuclear War

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  • 2. サウスヨークシャーと核戦争 目次 1 サウスヨークシャー~核戦争の攻撃目標 .................................................................... 2 2 サウスヨークシャーへの核攻撃に対する英国政府の見解............................................ 3 3 サウスヨークシャーの巡航ミサイル ........................................................................... 3 4 広島:核兵器の効果.................................................................................................... 4 5 爆弾が投下されたとき、サウスヨークシャーに何が起きるのか?.............................. 6 6 死傷者はどれくらいになるのか?............................................................................... 9 7 核戦争が起きる可能性はどれくらいあるのか?.........................................................11
  • 3. 1 サウスヨークシャーと核戦争 前書き 1983 年 12 月、政府の新しい民間防衛規制が法制化された。これらの新法制により、サウス ヨークシャーの都市州議会1 と 4 つの郡議会が実施する民間防衛の手段が拡大される。これ と同時に、 都市州政府は英国政府の歳出削減政策を強制されるため、 新法制では都市州政府 はより多くの費用を民間防衛に支出し、 より多くの要員を訓練し、 より詳細な民間防衛計画 を策定する必要が生じる。 政府は民間防衛計画が核戦争での生存と復旧に役立ちうると考えている。 しかし、 核戦争時 には、 サウスヨークシャーは、 ほぼ想像しがたい規模の破壊と死者と負傷者を出すだろう。 非常事態の規模は、都市州政府の策定するいかなる計画も無駄になるだろう大きさである。 このブックレットはその理由を説明する。 そして、 核戦争の脅威が我々すべてにかかってい る理由を説明する。核戦争と軍拡競争について説明する。そして、核攻撃でサウスヨークシ ャーがどうなるか示す。 死者と負傷者の予測は米国政府の公式データに基づく。攻撃の種類、規模、弾頭数は最新の 英国政府の核戦争演習「Square Leg」に基づく。 文書と調査 サウスヨークシャー都市州議会政策調査ユニット イラスト サウスヨークシャー州議会工学製図 謝辞 サウスヨークシャー都市州議会は、州の郡議会の支援、Dr. Norman Myers と Dr. Azzam Qasrawi と Owen Greene のコメントと情報、University of York 数学科 Dr C. Clarke の技 術支援、New Statesman の Duncan Campbell の 17 頁の写真使用許諾に感謝する。 初版: 1984 年 9 月 このブックレットは出版者の許諾なく複製可能。 1 訳注: 都市州型の州議会(County Council)は 1986 年に廃止された。
  • 4. 2 1 サウスヨークシャー~核戦争の攻撃目標 核戦争では、サウスヨークシャーは主要攻撃目標となる。 ? 都市州は銃口ミサイル配備地域の一部となっている(地図 1 参照) 。 ? 戦争では、ドンカスター近くのフィニングリー空軍基地2には米国のファントムジ ェット戦闘機が駐留する。米国国防省は新しいシェルターと通信施設と燃料設備 をフィニングリー空軍基地に 1200 万ドルで建設することを計画している。(1) ? 都市州は道路と鉄道の十字路となっており、 人口稠密である。 英国経済にとって不 可欠な石炭と鉄鋼が主要産業である。 ? シェフィールドフォージマスター社はトライデト潜水艦核ミサイルシステムの部 品製造に関与している。 地図 1 巡航ミサイル配備地域 2 訳注: 1996 年に廃止され、2005 年に Doncaster SheffieldAirport が開業。
  • 5. 3 2 サウスヨークシャーへの核攻撃に対する英国政府の見解 1980 年に、英国政府は「SquareLeg」と呼ばれる核戦争演習を実施した。公式情報に よれば、150 発、合計 280.5 メガトンの核兵器が英国に投下された。(2) 独立した推 定によれば、200 メガトンの攻撃では 2900 万人が死亡し、さらに 700 万人が重傷、 1900 万人が短期的生存者となる。(3) しかし、英国政府は、もし敵が英国の地方に分 散配備された巡航ミサイルをすべて破壊しようとした場合、1000 メガトンの攻撃が想 定されると述べている。(4) 「必要とあれば、英国国民は原子の塵と化す用意がある」 アレク?ダグラス=ホームが英国外相として 1961 年に発言 「Square Leg」演習では、英国政府はサウスヨークシャーで 2 発の核兵器が爆発する と仮定した。広島原爆の 250 倍の威力を持つ 3 メガトンの核爆弾がシェフィールドの 中心近くの地上で爆発した。広島原爆より 80 倍以上威力のある 1 メガトンの核爆弾 が、フィニングリー空軍基地で爆発した。 3 サウスヨークシャーの巡航ミサイル バークシャーのグリーナムコモンとケンブリッジシャーのモールスワースに、米国指 揮下の 160 発の巡航ミサイルが配備されている。核戦争の準備期間に、巡航ミサイル は移動発射装置に搭載され、 地方に分散配備される。 サウスヨークシャーは分散配備範 囲に入っている(地図 1 参照) 。核戦争時には、この範囲は巨大な攻撃目標となり、巡 航ミサイルを破壊するために飽和攻撃を受ける可能性がある。 巡航ミサイルは陸や海や空から発射できる。巡航ミサイルは敵のレーダーに探知され ないように、 地上すれすれに飛行するように設計されている。 巡航ミサイルの命中精度 は非常に高く、広島を破壊した爆弾の最大 10 倍の威力を持つ核弾道を搭載できる。 「巡航ミサイルが英国の地にあることは、我々が第一攻撃目標になるということだ。 」 デイリー?テレグラフ紙 社説(1980 年 2 月 4 日) 巡航ミサイル危機 巡航ミサイルは核軍拡競争における新たな危険なねじれである。 * 米国の軍事計画者たちは核戦争を戦い勝利する能力を実現するのに役立つと考えて いる(5) 。 * 米国の核戦略家たちは、欧州でのいわゆる「限定」核戦争を戦うことを語った(6) 。 米国指揮下の欧州の巡航ミサイルはこの幻想を助長する。 * 巡航ミサイルは移動可能で、 通常弾頭と核弾頭のいずれも搭載可能であるため、 軍備 制限条約の検査や検証を困難にする。
  • 6. 4 「我々は欧州で第 1 次世界大戦を戦い、我々は欧州で第 2 次世界大戦を戦った。場 k 者どもが望めば、我々は欧州で第 3 次世界大戦を戦うことみなるだろう。 」 元 米国の軍事計画者 ジーン?ラロック提督 4 広島:核兵器の効果 核兵器の爆発力は「キロトン」と「メガトン」という言葉で記述される。1 キロトンは TNT 爆薬 1000 トン、1 メガトンは TNT 爆薬 100 万トンに相当する。広島を破壊した 爆弾の爆発力は約 12 キロトンだった。現在の基準では、これは小さな爆弾である。 原爆投下後の広島 BBC Hulton / Bettmann Archive 1945 年 8 月 6 日、米国は戦争で最初の原爆を投下した。日本は今にも降伏しそうだっ たが、原爆は日本の広島の街に投下された。3 日後、長崎の街が同じ運命をたどった。 核兵器の効果についての我々の知識の多くは、これらの爆撃から得られたものだ。 約 12 キロトンの力で、広島原爆は都市上空の約 530 メートルで爆発した。1 秒で、火 球は 260 メートルの大きさになり、太陽表面と同じくらいの熱さになり、都市の中心 部を飲み込み、火災旋風を起こし 6 時間続いた。爆心から 1,2km の地点では、屋外に いた人々は焼死した。4km 地点では、皮膚は重い火傷になり、木材は焼け焦げた。 爆弾投下から数秒で、広島全体の 40%が灰になり、都市の 92%が見る影もなく破壊さ れた。
  • 7. 5 広島の廃虚 Popperfoto 爆発の衝撃波は 10 秒で 4km の範囲に及び、経路上の大半の建物を破壊した。衝撃波 の後、ハリケーンの風力の風が続いた。立ち昇る灰の巨大な雲が太陽を覆い隠した。塵 の粒子に凝縮した水分が、高度に放射能を帯びた「黒い雨」として地上に降ってきた。 爆風と熱線で負傷し衝撃を受けた生存者たちが、 喉の渇きから河に入り、 放射能汚染さ れた水を飲んだ。彼らの負傷は恐ろしいもので、手足から皮膚が帯状にぶらさがり、破 裂した腹部から内臓がこぼれ出て、眼球が爆発していた。広島の生存者の多くは「我々 は地獄を見た」と言っていた。118,661 人が死亡した。今日、39 年後、人々は放射線の 後遺症で死亡している。 表 1 核兵器の破壊力 この表は広島爆弾と「Square Leg」の 2 発の爆弾によるサウスヨークシャーの死傷者 数予測を比較したものである。
  • 8. 6 生存者はケロイド(肥厚性瘢痕)と眼の障害を患った。当時、胎内にいた子供たちは東 部が小さくなる(小頭症)傾向があり、おそらく遺伝子障害も起きている。白血病や甲 状腺癌や乳癌や肺癌の発症率が増加した。放射線の即時影響については、15~16 頁参 照。 5 爆弾が投下されたとき、サウスヨークシャーに何が起きるのか? 「Square Leg」演習の爆弾が現実だったらとしよう。サウスヨークシャーに何が起き るだろうか? エクルシャルロードの突き当り近く、シェフィールドの中止分近くで爆弾が爆発する。 もう一つの爆弾がフィニングリー空軍基地近くで爆発する。いずれも地上爆発である。 爆弾が爆発したとき、爆弾は眩い閃光を放ち、致命的な核放射線を放出する。1 秒以内 に、 爆弾は太陽と同じくらい熱い火球を形成し、 その下にあるものすべてを灰にする。 爆風が外に向かって進み、 数秒で数 km 範囲内を駆け抜け、 経路上の建物を破壊する。 爆風の後には、ハリケーンの風力の風が続き、さらなる破壊をもたらす。爆発は何トン もの塵や瓦礫をキノコ雲へと巻き上げる。この放射性「降下物」は風に運ばれて、英国 北部に降り積もる。 シェフィールドの爆弾は地上に直径 800 メートル、 深さ 90 メートルのクレーターを残 す。フィニングリー空軍基地近くの爆弾は直径 300 メートル、深さ 67 メートルのクレ ーターを残す。煙と塵で空は暗くなる。 A ゾーンでは:自動車は溶ける。河は蒸発して干上がる。秒速 134 メートルの風にあ おられて、おそらく火災旋風が起きる。ほぼすべての建物が破壊され、道路や鉄道が破 壊される。 屋外にいる人々は爆風で死ぬか、 火災で焼け死ぬ。 シェルターにいる人々は、 生きながら、焼かれる。生存者はひどく負傷し、重度の火傷になる。 B ゾーンでは:バスや大型トラックは爆風で転覆し、 ばらばらになる。大半の建物は崩 壊する。 樹木や電柱など燃えやすい物は炎上する。 屋外にいる大半の人々は焼け死ぬか、 圧死する。炎は秒速 70 メートルの風で燃え広がり、おそらく火災旋風を起こす。何と か生存した人々は、鼓膜の破裂や第 3 度の火傷など恐ろしい負傷をすることになる。 シェルターにいる人々は誰もが生きながら、焼かれるか、窒息する。 C ゾーンでは : 大半の建物が深刻な被害を受ける。 壁がひび割れ、 屋根は吹き飛ばされ、 窓は吹き飛ばされる。これにより、放射性降下物に対する防護が損なわれる。新聞紙や カーテンが燃え上がる。屋外にいる人々の中には第 3 度の火傷になる者もいるが、多 くは第 2 度の火傷になる。多くの人々は、倒れる樹木や鉄塔や電柱で負傷する。
  • 9. 7 地図 2 「Square 尝别驳」演习爆弾によるサウスヨークシャーの被害
  • 10. 8 地図 3 「Square Leg」演習爆弾によるサウスヨークシャーへの熱線の影響 A ゾーンでは: 人々は第 3 度の火傷になる。皮膚が燃え上がり、焦げる。 B ゾーンでは: 人々は第 2 度の火傷になる。皮膚はひどい水膨れになる。 C ゾーンでは: 人々は第 1 度の火傷になる。皮膚が赤くなる。
  • 11. 9 D ゾーンでは: 秒速 22 メートルの風で、スレートが押し倒され、樹木や煙突が吹き飛 ばされ、窓が吹き飛ばされる。この被害により、放射性降下物による死者が増加する。 屋外の人々は、 第 2 度の火傷を追ったり、 石積の倒壊や倒木により負傷したりする。 爆 発の方向を見ていた場合、一時的に閃光の眩さで眼がくらむ。 E ゾーンでは:窓が吹き飛ばされ、スレートが押し倒される。この被害により、放射性 降下物による死者が増加する。 一部の人々は、 爆発の閃光によって一時的に眼が見えな くなる。飛散するガラスで負傷する者もいる。熱線はオーブンの扉を開いて、その前に 立っているようなものだ。マフが熱くなり、肌が赤くなる。 コニスブラ周辺地域では、シェフィールドの爆弾によるものとフィニングリー空軍基 地の爆弾によるものの 2 回の打撃を受ける。 6 死傷者はどれくらいになるのか? 広島爆弾は約 12 キロトンであり、現代の核兵器に比べれば、小さい。 「Square Leg」 演習では、英国政府はサウスヨークシャーに合計で、広島爆弾の 330 発分の爆発力の 爆弾が投下されると想定した。これに基づく、 「SquareLeg」演習でのサウスヨークシ ャーにおける、内務省の推定によれば、 (2 週間後の)死者 190,000 人、負傷者 17,000 人で、 広島の死者 118,661 人よりも少ない。 このため、 サウスヨークシャー都市州議会 は、 「Square Leg」演習の死傷者について独立したコンピュータ予測を実施した。 このコンピュータ予測によれば、サウスヨークシャーの人口 1,292,000 人をわずかに 下回る 934,000 人が(6 週間以内に)死亡し、160,000 人が負傷する。これらの数値に は、 「核の冬」の効果や、紫外線の効果(8 節参照)による死者は含まれない。これら のコンピュータ予測の都市州内の行政区単位の全結果は、ブックレット末尾に記載し た。 では、サウスヨークシャーの 4 つの地域、シェフィールドとロザラムとドンカスター とバーンズリーに何が起きるか考えてみよう。 シェフィールド行政区: (全人口: 531,000 人、死者 449,000 人、負傷者 60,000 人) 内務省公式情報に基づく、 「SquareLeg」 演習の都市州議会非常事態計画報告によれば、 「シェフィールド市中心部は破壊され、 郊外は 6.4km の範囲まで深刻な被害を受ける。 」 (7) これは過小評価である。最大 11km の範囲まで、大半の建物は破壊されるか深刻 な被害を受ける。大半の道路は倒木や倒壊した石積みや倒れた電柱や転覆した車や瓦 礫で通行できなくなる。 この範囲内では火災が同時に発生し、 おそらく火災旋風が起き る。要するに、シェフィールドの大半は破壊される。
  • 12. 10 地図 4 「Square 尝别驳蝉」爆弾によるサウスヨークシャーの放射性降下物パターン
  • 13. 11 シェフィールド市議会はティンスリーヴィアダクトの上空 216 メートルで 1 メガトン の核爆発が起きたときの影響の研究を実施した。 このシナリオでは、 爆発力は 「Square Leg」演習における英国政府の想定の 1/3 であり、攻撃目標もシェフィールド市の工業 地域に設定されている。それであっても、コンピュータプログラムは 317,000 人の死 亡と 103,000 人の負傷を予測した。(8) ロザラム行政区: (全人口: 250,000 人、死者 62,000 人、負傷者 72,000 人) ロザラム行政区の大半の建物は深刻な被害を受ける。 壁にはひび割れる。 煙突は崩壊す る。窓は壊れる。この建物に対する被害により、放射線に対して人々を防護する建物の 能力は大きく低下する。ロザラム北部はシェフィールド爆弾の放射性降下物の影響を 受ける。 ドンカスター行政区: (全人口: 287,000 人、死者 239,000 人、負傷者 25,000 人) 内務省公式情報に基づく、 「SquareLeg」 演習の都市州議会非常事態計画報告によれば、 「フィニングリー空軍基地と施設は破壊され、最大 5.6km 圏内の集落の建物は深刻な 被害を受ける。 」これもまた過小評価である。実際には深刻な被害の範囲は 8km であ る。 ドンカスター西部は両方の爆弾からの熱線と風の影響を受ける。 ドンカスター北部 はフィニングリー爆弾による放射性降下物に覆われる。 バーンズリー行政区: (全人口: 224,000 人、死者 184,000 人、負傷者 10,000 人) バーズリー行政区の大半は、強い放射線を照射され、人々は放射線障害で死亡する。行 政区の大半では、窓が壊れ、スレートが押し倒される。比較的軽微な爆風被害により、 放射性降下物に対する建物の防護力は大きく損なわれる。 7 核戦争が起きる可能性はどれくらいあるのか? 英国政府は、核兵器は(欧州の)平和を 39 年間維持しており、核兵器はロシア封じ込 めに必要だと論じてきた。 英国政府は、 核軍縮は強い立場からしか交渉できないと論じ ている。 残なんながら、 両側が強い立場から軍縮を交渉できない。 自分が優っていると考えない 限り、両側とも核軍縮手段(あるいは核兵器削減)の交渉すら行わないので、核軍拡競 争は止まらない。両側が核軍備を増強し続けることで、核軍縮への願望は挫かれる。そ して、一方は常に、他方は本当に交渉に関心を持っているのだろうかと疑問に思う。 これが今、起きていることだ。ソビエト連邦は SS-20s の配備をしようとし、核軍備に おける目に見えるギャップを埋めようとしている。米国は SS-20s は、巡航ミサイルと パーシング II ミサイル配備を正当化するものだと主張する。同様に、米コックは最初 に原爆を開発し(使用し)た。数年後にソビエト連邦は追いついた。表 2 に示すよう に、これは水爆や、大陸間爆撃機や、潜水艦発射ミサイルにもあてはまる。
  • 14. 12 戦争の準備そのものが戦争になった。だからこそ、歴史上、あらゆる軍拡競争は、最終 的には戦争に至っている。核軍拡が例外だとは考えにくい。 英国のように小さく、人口稠密な島では、核兵器の使用は自殺行為である。逆説的に、 英国政府は我々の生活様式を守るために、それを破壊すると脅さなければならないと 考えている。しかし、それはばかげている。強盗を殺すだけでなく、自分も自殺し家を 爆破すると脅す世帯主に様なものだ。これは、ロシアの脅威がある場合、核兵器はそれ に対処する方法ではないことを意味する。 「米国の世界観では、世界は善と悪、東と西、さらには自由と奴隷に分断されている。 これは現実の悪夢的な歪曲である。 この世界観は英国が共有できない、 あるいは命懸け でしか共有できない。 」 イーノック?パウエル下院議員 多くの人々は核戦争の危険が増していると考えている: * 「恐怖の均衡」はこれまでになく不安定になった。最近、非常に正確な核兵器が考案 されたため、相手が報復として発射する前に相手の核ミサイルを破壊できるようにな った。両側の軍事計画立案者たちは現在、単に攻撃を抑止するのではなく、核戦争で勝 利しようと考えている。(10) 「我々は催眠術にかかったように、 あるいは夢の中にいるかのように、 海に向かうレミ ングのように、兵器の上に兵器を、ミサイルの上にミサイルを積み上げている。 」 元駐ソ米国大使 ジョージ?ケナン教授 * NATO は 「核の生成不使用」 についてワルシャワ条約機構と合意することに抵抗して いる。通常戦争で敗北が明白になれば、核兵器を使用するというのが、NATO の政策 である。 * 通常兵器使用と核兵器使用の境界線は次第にあいまいになってきている。中性子爆 弾は強力な放射線で人々を殺すが、 建物等には大きな被害を与えない。 核砲弾すらある。 そのような兵器がある中では、欧州での大きな紛争が核戦争に発展しないとは考えに くい。というのは、核兵器を使用するか、戦争に負けるかの決断をしなければならない からだ。 * 「民間」原子力発電所を隠れ蓑に、ますます多くの国々が核兵器を手に入れ、核兵器 の拡散は核戦争のリスクを高めている。 * コンピュータの誤動作やその他のシステム障害が偶発的な核戦争につながる可能性 という危険が常にある。 (14 頁のボックスを参照)
  • 15. 13 表 2 核軍拡の主要イベント(11) 兵器 1945 1950 1955 1960 1961 1962 1964 1965 1967 1970 1975 1977 1980 1984 原爆 米国 ソ連 英国 仏国 中國 インド 水爆 米国 ソ連 英国 仏国 中國 中距離弾道ミサイル (IRBM) 米国 ソ連 潜水艦発射弾道ミサイル (SLBM) ソ連 米国 大陸間弾道ミサイル (ICBM) 米国」 ソ連 多弾頭独立目標再突入体 (MIRV) 米国 ソ連 短距離攻撃ミサイル (SRAM) 米国 ソ連 巡航ミサイル 米国 パキスタンとイスラエルと南アフリカは核兵器を既に保有しているか、すぐに作れる状態にある。アルゼンチンとブラジルと ナイジェリアとリビアとエジプトとイランと韓国と台湾と日本は今後数年で、核兵器を作れるようになる。
  • 16. 14 偶発… 1956 年 7 月 27 日、訓練演習中だった米国空軍の核爆撃機が、英国サフォークにある レイクスヒース空軍基地に墜落した。 爆撃機には炎に包まれ、 核兵器格納庫は炎に飲み 込まれた。火災が続き、核弾頭を起爆する TNT 火薬が爆発し、放射性物質を広域にま き散らす危険性があった。 1966 年 1 月 17 日、4 個の水爆を搭載した B52 爆撃機が、スペイン上空で空中給油中 に、 空中給油機と衝突し、 両機はパロマレス近くに墜落した。 爆弾 1 個が陸上で回収さ れ、 2 か月半の捜索で海中から 1 個が見つかった。 2 個の爆弾が衝突で壊れて、 1400 ト ンの土と植物が汚染され、除去しなければならなくなった。 1968 年 1 月 21 日、B52 爆撃機がグリーランドに墜落した。このときは、4000 トンの 氷と雪が放射能汚染され、除去しなければならなくなった。 1979 年 11 月、米軍司令部でコンピュータのエラーで、ソビエトの大規模核攻撃をシ ミュレートしたゲームシナリオがセットされた。 このエラーは、 米国と英国のミサイル の発射直前に発見された。 1980 年 9 月 19 日、アーカンソー州リトルロック近くに基地でタイタン II ミサイルが 爆発し、2 名が死亡し、9 メガトンの核弾頭がサイロから 90 メートルのところまで飛 ばされた。運よく、核弾頭は爆発しなかった。 これらの例はすべて、 米軍に関すものだが、 これは米国では政府情報へのアクセスが容 易なためである。 英国やフランスや中国やソ連など、 より隠蔽する国家でも同様のこと が起きていると思われる。 8 その後の影響 サウスヨークシャーは核戦争で破壊され、その破壊は先の戦争よりはるかい大きなも のになる。 「SquareLeg」演習では、サウスヨークシャーには、第 2 次世界大戦で英国 全土に投下された爆弾の合計の 57 倍の爆発力の核兵器が投下されると想定している。 その場を生きのびた人々は、長期的な生存をきわめて困難にするような、 「核の冬」や 放射線被曝に直面することになる。 核の冬 核戦争後、 空は火災の煙と煤と核爆発の塵で暗くなる。 工業施設の火災による化学スモ ッグが大気圏を汚染する。 米国と欧州とソビエト連邦お科学者が一堂に会した、 最近の ワシントン DC での会議は、 この薄明の世界では、 地上にほとんど太陽光が届かないた めに、気温は急低下すると結論した。コンピュータモデルは地球の半分が、北極と同程 度の氷点下 23℃の「核の冬」になる。この凍てつく寒さで、植物や農作物が死ぬ。動 物は飢え死にするか、凍死する。 科学者の中には、 最終的に世界中が死に絶えて、 昆虫と草だけが残ると考えている者も いる。
  • 17. 15 研究によれば、比較的小規模な 100 メガトンの核戦争、すなわち「Square Leg」攻撃 の想定の半分の規模であっても、5000 メガトンのフルスケール核戦争と同程度の厳し い寒さと暗闇が数か月続く。 Popperfoto 放射線 核戦争後、放射線レベルは非常に高くなる。雨は致命的に放射性毒性を帯び、飲めない 場かりか、触ることも危険になる。湖や河の水も、高度に放射能を帯び、新鮮な食料は 他に入らなくなる。 「Square Leg」のコンピュータ研究は、サウスヨークシャーで 448,000 の放射線によ る死者数を予測している。 原子力発電所すなわちセラフィールド (ウィンドスケール) が爆撃されれば、放射能による死者数はさらに増大する。 放射線障害の最初の症状は頭痛、吐き気、めまい、頻繁な嘔吐、その後急性下痢と疲労 である。これを生きのびると、その人は回復したように見える。しかし、2l 日以内に、 症状は内出血とともに再発する。呼吸が困難になる。髪が抜ける。皮膚の痛みが出る。 その後、発熱、完全な疲労、そして最後に死亡する。放射線障害から回復しても、感染 症に対する自然の抵抗力が低下する。
  • 18. 16 生存者は貧血や白血病などの血液疾患を発症する傾向がある。骨、肺、皮膚及び性器の 癌を発症する人が多くなる。長期的には、多くの子供は弱く生まれ、出生後すぐに死亡 するか、奇形になるだろう。 「市民援助の副議長であるロビン?ミード氏は、昨日(1980 年 2 月 13 日)の記者会 見で、核攻撃の後、人々は食べられるものなら、何でも食べなければならなくなると述 べた『カエルが飛び跳ねているのを見たら、それを捕まえて、放射性の塵を洗い流し、 調理して、食べる。 』 タイム(1980 年 2 月 14 日) 紫外線 核戦争は、 目に見えない紫外線を防いでいる大気の保護層を破壊する。 紫外線のレベル が上がると魚や作物が死に、人々や動物が失明になる。また、紫外線は核の冬の暗闇を 突き抜け、致死量の日焼けをさせる。失明と致命的な日焼けを避けるために、その場を 生きのびた者たちは、 日中は隠れたままである必要があり、 夜にしか外出できなくなる。 疫学 衛生および下水道システムが破壊される。 死体は埋葬されずに放置される。 飢えや寒さ や放射線被曝で、 生存者たちは病気に対する抵抗力を弱められる。 そのため、 腸チフス、 コレラ、赤痢、さらにはペストなどの感染症が広まる。確かに、この都市州で、主要な 病院は運営できそうになり(13) 。 広島では、 比較的小さな核爆弾が広島の病院の 45 のうち 42 を破壊した。医師 278 人 のうち 8 人のみが生存した。そしてたった 1,780 人の看護師のうちわずか 135 人が生 存した。核戦争後のサウスヨークシャーでは、これよりはるかに悪い事態となるが、英 国政府は医療体制が対処することを期待している。 「西側の軍は、 この秋のウォーゲームの一部として大量埋葬の演習を実施している。 米 第 5 軍団の報道官は、NATO の定例の秋の演習中に軍が大量埋葬を訓練したのは初め てだ」と述べた。 ガーディアン(1983 年 9 月 24 日) 核戦争の心理的影響 広島の生存者についての研究は、核戦争の当面の生存者の多くが深刻な錯乱、不安、シ ョック、ストレスに苦しんでいることを示唆している。寒く、暗い、荒廃した、病気に かかった、放射能汚染された世界では、多くの人々が無関心と絶望に陥る。このような 前例のない死と破壊に囲まれた人々の心の状態は想像するのが困難である。彼らには、 生き残る動機があるだろうか? 核戦争の余波で、当面の生存者は極度の寒さ、絶え間ない暗闇、水不足、食糧と燃料の 不足、放射線と汚染物質の重荷、病気と深刻な心理的ストレスに直面するだろう。核戦 争のこれらすべての影響が核爆発による直接的な死傷者と組み合わされると、核兵器 の使用が自殺行為となりうることは明らかである。 最終的には、 北半球に人間の生存者
  • 19. 17 はいないかもしれない。南半球の人間、他の動植物も深刻な結果を被るだろう。 9 民間防衛 サウスヨークシャーへの「Square Leg」攻撃の影響に関するコンピュータ研究では、 総人口 1,292,000 人のうち 934,000 人が即死するか、 6 週間以内に死亡することが示さ れている。さらに 160,000 人が負傷する。さらに、核攻撃後の数か月間、病気、放射 線、ショック、家がないこと、紫外線、食物と水の不足、そして核の冬の凍てつく寒さ と絶え間ない暗闇の複合的な影響を生き残る人はほとんどいない。 しかし、 英国政府は、 地方自治体による民間防衛計画と一般市民によるいくつかの簡単 な予防策が何百万人もの命を救うと皆さんに信じてほしいと願っている。 既に、 地方自 治体は、食事、水、医療、衛生、死者を葬るための墓、家を失った人々のための宿泊施 設を提供する非現実的な計画に参加することにより、核戦争に備えなければならない。 核戦争に備えて、一般の人々は家にいてドアやテーブルから仮設シェルターを組み立 てたり、 階段の下に隠れたりするように言われる。 たとえ彼らが都市部やその他の明ら かな攻撃目標の近くに住んでいても。 これらのシェルターは、 核兵器の爆発による爆発 と熱の影響に対する防護には役立たないため、この政策は数千万人の死を意味する。 ヨーク近郊のサブリージョン本部 21。英国政府の計画では、核戦争後のサウス?ウェスト?ノースヨ ークシャーはここから指揮される。 Duncan Campbell
  • 20. 18 「NHS は、英国上空での 1 メガトンの単一の核の爆発によって予想される犠牲者に対 処できない。 」 英国医師会レポート: 「核戦争の医学的影響」 英国政府は消防救急や医療従事者を都市や町から移動させる計画を立てていることか ら、都市部の人々が主要な攻撃目標であえることを認識しているようである(14) 。も ちろん、核戦争後の高い放射能レベルと、核の冬の寒さと暗さを考えれば、そのような 手段は役に立たないだろう。しかし、そのような計画の存在は、民間防衛に対する政府 のアプローチの基本的な矛盾を明確にしている。 さらに、核戦争の前後の国民の管理は、英国政府の最優先事項のようである。だからこ そ、英国政府は核戦争への準備として、民主主義を一時停止し、政府を地域独裁とみな せるネットワークに委ねようとしている。 選出された議員がほとんど、 あるいはまった く関与することなく、上級行政官や警察や陸軍士官は、裁判なしに人々を収監し、建物 や食料や燃料を徴発できるようになる。 政府の計画では、 サウスヨークシャーはドンカ スター近くのカスワースホールとバーンズリーの州役所の地下にある 2 つの州非常事 態本部から指揮されることになる。この地域全体は、ヨーク近郊のシップトン?バイ? ベニングブローのバンカーから指揮される。 このブックレットで調査した証拠は、 比較的小さな核戦争であっても、 死と破壊の規模、 および長期的な気候効果のために、 民間防衛の準備が無駄であることを示している。 こ れを考慮すると、民間防衛の準備は、核戦争の本当の影響について国民を誤解させ、核 戦争は生存可能で、勝利可能だという信念を推進していることがわかる。 ドンカスター近くのカスワースホール州役所地下のバンカーを訪れる人々。ここは 2 つの州非常事態 本部の 1 つで、もう 1 つはバーンズリー州役所の地下にある。 MartinJenkinson
  • 21. 19 10 皆さんにできること このブックレットは、 核戦争では、 爆発時の損害と死傷者が非常に大きいため、 生存の 機会がほとんどないことを明確に示している。さらに、 「核の冬」の長期的な影響によ り、 この地球上での継続的な生命の見通しに疑問符が付けられた。 もしこれのことに、 皆さんが絶望や怒りの感覚を与えたら、皆さんは一人ではないことを覚えておいてほ しい。 他の多くの関係者は、 核軍縮を達成するために何かをすることを決意している。 地方自治体はできることをしているが、できることは限られている。皆さんの個々人 の行動も同様に重要である。 出発点は、 議会の下院議員 (London SW1A 0AA) 、 およびホワイトホールの国防省の 国防長官(London SW1A2HB)に手紙を書くことである。あるいは核軍縮運動を行っ ている地元の団体にコンタクトする方法もある。 Barnsley CND, c/o 50 Longley Street, Barugh Green, Barnsley。 (Telephone Barnsley 385095) Doncaster CND, c/o 98 Wentworth Road, Wheatley, Doncaster,(Telephone Doncaster 62140) Rotherham CND, c/o 21 Grattan Street, Rotherham, (Telephone Rotherham 554087) 。 シェフィールドの団体は、シェフィールド?ピース?ショップ(51 Leopold Street, Sheffietd Sl. Telephone Sheffield 700873)を通じて連絡できます。 11 推奨文献 核兵器と核戦争についてもっと読みたい読者は、以下の本が役に立つだろう。 これら の本のほとんどには、 参考文献の広範なリストと、 さらに読むための推奨文献が記載さ れている。 The Medical Effects of Nuclear War, British Medical Association's Board of Science and Education, Wiley, 1983. Doomsday: Britain after a Nuclear Attack, by S. Openshaw, P. Steadman and O. Greene, Blackwell, 1983. As Lambs to the Slaughter, by P. Rogers, M. Dando, and P. Van Den Dungen, Ecoropa,/Arrow Paperbacks, 1981. Defended to Death, ed. Gwyn Prins, Penguin Books, 1983. Overkill, by John Cox, Pelican (third edition), 1981. これらの書籍は公共図書館(下記参照)や、シェフィールド?ピース?ショップ(51 Leopold Street, Sheffietd Sl. Telephone Sheffield 700873)からも入手できる。また、 シェフィールド?ピース?ショップには、他にも多くの本やリーフレットや情報シート や地域活動の詳細などがある。
  • 22. 20 図書館 Barnsley Central Library, Shambles Street, Barnsley Rotherham Central Library, Frederick Street, Rotherham Doncaster Central Library, Waterdale, Doncaster Sheffield Central Library, Surrey Street, Sheffield 参考文献 このブックレットは核兵器の影響についての英国政府及び米国政府の公式情報に基づいて いる。興味ある読者は「Nuclear weapons, Home Office and Scottish Homeand Health Departmenr, 3rd edition, HMSO, l980」 「The Effects of Nuclear lVar, US Office of Technology Assessment, Congress of the United States, Croom Helm Ltd., l98O」 「The Effects of Nuclear Weapons, ed. Glasstone and Dolan, US Department of Defence and Department of Energy, 1977」を参照。 (1) "Bases Build-up", New Statesman, ppl2-13,21st October' 1983; cf "US War Alert Shock at S. Yorks. Air Base". Sheffield Morning Telegraph, p5, 3fth November, 1983' (2) Emergency Planning Report on Exercise Square Leg, South Yorkshire County Council, 1980' (3) S. Openshawand and P.Steadman,"ModelsforPredictingtheEffectsofNuclearAttackonBritain", quoted in Table 2, p45, of “War plan UK” by Duncan Campbell, Paladin (revised edition) 1983. NB: Openshaw and Statesman's analysis is based on an incomplete bomb plot, the Home office and Ministry of Defence having refused 10 supply a complete list. (4) G. Pattie (Secretary of State for Defence-(Air Force)) in Hansard,6th March l98l' (5) The counterforce syndrome: A guide to IJS nuclear weapons and strategic doctrine, ' ' by Robert C, Aldridge, Transnational Institute, Washington DC, 1978. And Nuclear War Fighting Strategies, chapter3, of Europe's Folly: the Facts and Arguments about Cruise, by Owen Greene', CND, 1983. などを参照 (6) Defended to Death, ed. Gwyn Prins, Pelican 1983, pp3l-35'. などを参照 (7) note 2 参照 (8) Sheffield City Council SANA Report (unpublished). (9) note 2 参照 (10) As Lambs to the Slaughter, pp87-90 などを参照及び、note 5 参照 (11) This table is derived from Appendices A1 and A2 of Defended to Death, edited by Gwyn Prins, especially tables 13 and 14. (12) "Martian study predicts nuclear winter" New scientist, p323, 3rd November 1983; cf "what's left when the dust settles?", The Times, 9th December 1983. (13) note 2 参照 (14) Medical Supplies in War (HDC (78)l), Department of Health and Social Security Circular 1978. cf. War Plan UK by D. Campbell, p305. Appendix 1: Square Leg の仮定と技術詳細 英国政府は 1980 年 9 月 19~24 日に「Square Leg」演習を実施した。シナリオは英国が地 上?空中?水中の 150 発の核兵器の攻撃を受けたと仮定した。シナリオにはシェフルード中 心部(SK 3436)の 3 メガトンの地上爆発と 1 メガトンのフィニングリー空軍基地(SK 6798) の地上爆発が含まれる。 死傷者数についての我々のコンピュータ評価は、以下の仮定で行った: Wind speed = 32 mph at relevant heights Wind direction = 180.0 degrees (due south) Maximum proportion unprotected = 0.500 Proportion exposed to burns = 0.050 Minimum protection factor = 4.00 Maximum protection factor = 7.00 Radius of maximum Q = 1.63 Radius of minimum P.F. = 2.74
  • 23. 21 Appendix 2: 「Square Leg」演習のサウスヨークシャーの独立コンピュータ予測の死傷者 爆風 放射線 BARNSLEY DISTRICT Ardsley 17 10,279 0 0 0 10,296 Athenley 15 9,896 0 0 0 9,911 Brierley 13 7,476 0 186 2,622 10,111 Central 14 10,809 0 0 0 10,823 Cudrvorth 11 10,362 0 0 0 10,373 Darfield 20 5,973 0 743 4,644 10,637 Darton 9 11,800 0 0 0 11,809 Dearne South 57 1,396 0 3,681 10,645 12,098 Dearne Thurnscoe 51 1,394 0 3,344 10,004 11449 Dodworth 12 10,559 0 0 0 10,571 Hoyland East 57 10,418 0 0 0 10,475 Hoyland West 44 8,685 0 0 0 8,729 Monk Bretton 17 12,193 0 0 0 12,210 North West 12 9,900 0 0 0 9,912 Park 15 7,763 0 0 0 7,778 Penistone Ea$ 28 7,308 0 143 1,273 8,609 Penistone West 12 671 0 1,947 9,505 10,188 Roy$on 7 10,504 0 0 0 10,511 South We$ 11 9,270 0 0 0 9,281 Wombwell North 14 6,829 0 0 100 6,943 Wombrvell South 27 9,836 0 0 505 10,368 Wonbrough 21 10,800 0 0 0 10,821 484 184,121 0 10,044 39,298 223,903 DONCASTER DISTRICT Adwick 1,246 13,661 808 0 391 16,106 Armthorpe 3,906 11,116 799 0 188 16,009 Askern 99 10,580 114 0 0 10,793 Balby 12,005 1,194 718 359 419 14,336 Bentley Central 8,312 3,441 621 0 7 12,381 Bentley Nonh Road 11,255 410 614 0 0 12,279 Bessacarr 8,784 3,796 705 652 781 14,066 Central 11,757 0 620 0 0 12,377 Conisbrough 371 2,063 735 5,936 11,854 15,023 Edlington & Warmsworth 3,080 5,176 660 2,920 4,302 13,218 Hatfield 200 13,211 289 0 0 13,700 Intake 10,922 117 584 0 0 11,623 Mexbrough 152 742 138 6,147 14,577 15,609 Richmond 9,301 972 643 1,211 2,787 13,703 Rossington 1,889 5,952 630 3,152 4,093 12,564 South East 6,931 5,415 755 1,412 1,993 15,094 Southern Parks 2,928 3,387 413 3,124 6,262 12,990 Stainforth 739 13,483 331 0 5 14,558 Thorne 26 16,461 0 82 483 16,970 Town Field 10,784 0 569 0 0 11,353 Wheatley 11,194 369 609 0 0 12,172 115,881 111,546 11,355 24,995 48,142 286,924 死亡 行政区 焼死 負傷 生存 総人口
  • 24. 22 爆風 放射線 ROTHERHAM DISTRICT Anston & Woodsetts 24 567 0 3,037 11,622 12,213 Aston, 0rgreave & Ulley 343 140 45 6,605 14,400 14,928 Boston 338 2,333 74 3,392 7,077 9,822 Bramley, Ravenfield 82 69 0 5,817 14,663 14,814 Brampton, Melton & Wentworth 50 5,767 0 551 3,311 9,128 Brinsworth, Catcliffe & Treeton 1,225 5,098 659 3,569 6,210 13,192 Broom 185 473 0 4,467 9,952 10,610 Central 358 4,344 218 1,527 3,643 8,563 Dalton, Hooton Roberts & Thrybetgh 99 156 0 5,762 14,081 14,336 Greasbrough 213 6,834 9 495 2,431 9,487 Herringthorpe 126 529 0 4,063 9,636 10,291 Kimberworth 874 9,792 527 25 567 11,760 Kiveton Park 45 85 0 3,000 9,482 9,612 Maltby 80 1,557 0 5,629 15,069 16,706 Park 171 1,104 0 3,809 8,700 9,975 Rawmanh East 70 835 0 3,787 9,949 10,854 Rawmarsh West 84 2,414 0 2,852 7,953 10,451 St. iohn's 20 496 0 2,729 9,548 10,064 Swinton 55 570 0 3,973 10,641 11,266 Thorpe Hesley 414 9,433 199 0 272 10,318 Thurcroft & Whiston 128 252 0 4,201 10,275 10,655 Wath 43 2,133 0 2,976 9,138 11,314 5,027 54,981 1,731 72,266 188,620 250,359 SHEFFIELD DISTRICT Beauchief 15,191 0 939 2,245 2,630 18,760 Birley 7,422 271 1,053 9,231 12,293 21,039 Brightside 6,815 9,771 874 0 0 17,460 Broomhill 11,823 20 623 0 0 12,466 Burngreave 15,981 340 863 0 0 17,184 Castle 18,172 73 960 0 0 19,205 Chapel Green 805 21,434 377 0 0 22,616 Darnall 8,364 6,246 951 2,456 3,439 19,000 Dore 5,517 0 1,009 9,933 13,662 20,188 Ecclesall 18,114 57 986 481 544 19,701 Firth Park 14,005 3,538 926 0 0 18,469 Hallam 14,963 1,287 884 437 573 17,707 Handsworth 4,061 901 951 8,917 13,137 19,050 Heeley 18,148 76 963 50 57 19,244 Hillsborough 16,516 1,856 967 0 0 19,339 Intake 14,355 2,281 1,011 2,109 2,525 20,172 Manor 15,663 1,505 914 63 97 18,179 Mosborough 1,091 435 546 10,688 20,361 22,433 Nether Edge 15,525 0 815 0 0 16,340 Nether Shire 5,212 10,827 847 0 0 16,886 Netherthorpe 15,187 0 802 0 0 15,989 Norton 10,221 12 862 4,929 6,106 17,201 0wlerton 11,095 5,757 889 0 0 17,741 Park 16,627 46 879 4 4 17,556 Sharrow 14,773 0 778 0 0 15,551 Southey Gteen 7,442 8,624 847 0 0 16,913 South Wortley 7,035 14,022 1,095 281 654 22,806 Stocksbridge 102 7,987 0 1,150 5,920 14,009 Walkley 16,672 70 885 9 12 17,639 326,897 97,436 24,496 52,983 82,014 530,843 Total fot the country 448,289 448,084 37,582 160,288 358,074 1,292,029 行政区 死亡 焼死 負傷 生存 総人口
  • 25. 23