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腰椎分離症
目白整形外科内科 英文勉強会
担当:体幹班 H30. 1. 15
基礎知識 解剖
pars
基礎知識 バイオメカニクス
三次元有限要素解析 Terai T. J Bone Joint Surg. 2010
疫学
? デザイン retrospective case series
? 対象:腰痛若年アスリート1025名 (age 15 ± 1.8 years)
腰椎分離症は308名(30%)
Selhorst. Clin J Sport Med. 2017 (アブストのみ)
男性 11種目 女性 14種目
baseball (54%) gymnastics (34%)
soccer (48%) marching band (31%)
hockey (44%) softball (30%)
性別及び種目別割合
腰椎分離症の画像診断
type CT所見 分類
0 片側分離の非分離側
Ⅰa– 異常なし MRIにてT1低、T2高(骨吸収像) 分離前期
Ⅰa 亀裂状、時に透亮像を呈する 初期(不全分離)
Ⅰb 亀裂状、断端は短い 進行期(完全分離)
Ⅱ 分離間隙は狭いが断端は丸く明瞭 終末期(陳旧性分離)
Ⅲ 分離間隙が広く断端は丸く明瞭 終末期(陳旧性分離)
初期(Ⅰa) 進行期(Ⅰb) 終末期(Ⅱ)
分離前期 初期 進行期 終末期
MRI + + ー ー 初期有効
CT ー + + +
骨癒合を診断
できる
X-ray ー ー ± + 終末期の診断
初期スクリーニングはMRI有効、X線での分離は既に終末期
X線
治療方針
? 初期 硬性コルセット3ヶ月
? 進行期 硬性コルセット5?6ヶ月
? 終末期 すべり症への予防
体幹トレーニング?効果は証明されていない
初期?進行期は疲労骨折治療、骨癒合を目指す
終末期に移行させない!
文献検索
PubMed にて5年以内
キーワード
「spondylolysis 」 → SR 50件中 9文献
「spondylolysis And physical therapy」 → 51件中14文献
ハンドサーチ5文献追加
↓
アブスト確認し17文献を抄読。
評価
腰椎分離症を検出するために有用な臨
床所見はあるか?
?目的:腰椎分離およびすべり症の臨床テストの診断
能を調査した文献をレビューすること。
?方法:1950-2014.2までの文献を調査。
The Quality Assessment of Diagnostic Accuracy
Studies (QUADAS) で論文の質を調査。
?結果:5164文献中、full textで得られた4文献採用。
(Fig1)
2文献がX線斜位像、2文献がMRIとSPECTで診断。
Alqarni. Physical Therapy in Sport. 2014
1.Clinical tests to diagnose lumbar spondylolysis and
spondylolisthesis: A systematic review
结果1)
分離症部分を抜粋
片脚過伸展テストは有用な臨床検査とは言えない。
结果1)
方法:2人の調査員によって、2015.11.13.までの文献を調査。
QUADAS-2を用いて論文の質を評価。
目的:アスリートの腰椎分離and/orすべり症を同定するための、患
者歴および理学所見データの診断有用性を評価すること。
6. Diagnostic utility of patient history and physical
examination data to detect spondylolysis and
spondylolisthesis in athletes with low back pain: A
systematic review Helen.Manual Therapy 2016
8/1516文献採用
3文献が分離症
5文献がすべり症
分離症3文献のうち2つ
はlow risk bias
3文献中2文献は30歳未
満、1文献は不明(年齢
割合で記載のため)。
結果6)
3文献まとめ结果6)
患者歴
発症に男性、20歳未満、スポーツ中に突然痛み中等度の感度
結果6)
理学所見
3文献で片脚過伸展テストの記載がある。しかし有用な検査とは
言えない。
結果6)
診断
画像診断のMRIの活用は?
7.Current Evidence Regarding Diagnostic Imaging Methods
for Pediatric Lumbar Spondylolysis: A Report From the
Scoliosis Research Society Evidence-Based Medicine
Committee Ledonio. Spine Deformity. 2017
?目的:若年者腰椎分離症の画像診断についてをレビュー
すること。
?方法:調査者二人2014までの文献を調査。Oxford Centre
for Evidence-Based Medicine Levels of Evidence
categorizationに従い文献の質を評価。
?結果:LevelⅠ 0 文献、Ⅱ5文献、Ⅲ2文献、Ⅳ19文献
結果7)
? 単純X線の広く使用されているが、妥当性の研究を欠
いている。
? CTはゴールドスタンダードとされているが、妥当性研
究を欠いている。また、患者には放射線が曝露される。
? MRIは、CTと同じくらい正確であると報告されており、
骨折のない初期のストレス反応を検出するのに有用
である。
? SPECTおよびシンチグラフィーは偽陽性および偽陰性
結果の割合が高く、放射線量も多い。
5.Diagnostic accuracy of MR imaging for direct visualization
of lumbar pars defect in children and young adults
: a systematic review and meta‐analysis
Dhouib. Eur Spine J. 2017
?目的:MRIで分離部を検出する感度、特異度をメタ解析す
ること。
?方法:2016.12までの文献。MRIとCTの記載があるもの。
QUADAS-2を用いて論文の質を評価。
?結果:6/1300文献を採用。質が低い2文献を除外し、メタ解
析は4文献で実施。
6文献まとめ
?上2文献がメタ解析から除外
?対象、30歳以下
?CTスライスなど測定方法は違いがあり。
結果5)
?高い感度(81%)、高い特異度(99%)
?特異度に関しては不均質性も低い。
結果5)
診断?評価まとめ
? 評価:有用な臨床所見はない。
? 診断:初期はMRIが有効。
20歳以下男性、回旋系スポーツ、突然の発症
の腰痛はMRIを早期に撮ることも有用と考える。
治療
リハビリはどのように行うか?
10.Nonoperative treatment in lumbar spondylolysis
and spondylolisthesis: a systematic review
? 目的:分離症とすべり症に関する保存療法を調
査すること
? 方法:少なくとも一つの保存療法を行なっている
2012.4までの文献を調査。
? 結果:採用10文献 分離症は2文献のみ(装具
療法vs活動制限、深部筋トレvs一般的トレ)
Garet. Sports health.2013
結論10)
GradeC (専門家の意見)
装具療法は活動を制限し、分離部を修復させる。
GradeB (no evidence)
特異的な腹筋強化/安定化運動は痛みや一般的
な運動機能制限を改善する。
11. Low-Intensity Pulsed Ultrasound for Early-
Stage Lumbar Spondylolysis in Young Athletes
? 目的:若年アスリートの早期分離症に対するLIPUSの
効果を調査すること。
? デザイン: Case–control study
? 対象:分離症の診断の中で(294名)で、MRIにて早期
分離症と診断した82名
? 方法:一般的な治療+ LIPUS群(35名)vs一般的な治療
のみ(47名)でスポーツ復帰に要する期間を比較
Tsukada. Clin J Sport Med . 2017
対象11)
LIPUS群が有意に治療期間、改善率、脱落の少なさ、
進行で良い結果
結果11)
競技復帰期間もLIPUS群が良い。
50日程度で6割強復帰している。
結果11)
24. Low-intensity pulsed ultrasound is effective
for progressive-stage lumbar spondylolysis with
MRI high-signal change
? 目的:進行期分離症に対するLIPUSの効果を調
査すること。
? 対象:2009~2012年を調査期間としMRIにて
進行期分離と診断された15名
Conventional group:7名(男性6、女性1)片側4、
両側3
LIPUS group:6名(男性4、女性2)片側3、両側3
Arai. Eur Spine J. 2017
結果24)
LIPUS群の方が癒合した(6/9)
15. Athletic Population with Spondylolysis: Review of
Outcomes following Surgical Repair or Conservative
Management
? 目的:アスリートの分離症に対する手術療法
と保存療法の結果を調査すること。
? 方法:分離症とアスリートの治療で検索し、25
文献を採用。保存11文献、手術14文献。
Panteliadis . GLOBAL SPINE JOURNAL .2016
結果15)
? 保存群:390 名、平均16.2 歳(男201,女109)
多くの研究が理学療法+活動制限
治療期間:1.5?24ヶ月
平均フォローアップ45.3ヶ月
スポーツ復帰:3.7ヶ月
? 手術群:174 名、平均22.3 歳(男117,女51)
一般的にBuck‘s法が多く用いられていた(91/174)
全ての文献で良い結果
スポーツ復帰:7.9ヶ月
参考15)
TLSO brace Buck法
9. The effectiveness of surgical versus conservative
treatment for symptomatic unilateral spondylolysis
of the lumbar spine in athletes: a systematic review
Scheepers. JBI Database. 2015
? 目的:片側分離症のアスリートに対する保存療法後
の手術療法と保存療法のみとを比較すること。
? 方法:2013.9.の文献でアスリートの分離症治療を調
査。JBI MASTARI tool にて質の調査。
5/642文献採用。うち2文献が片脚分離症アスリート
結果9) 競技復帰(治療から6ヶ月以内)
手術群42/49(86%)
保存群44/45(98%)
結果9) ODI
3論文: 手術群72名 術前 39.1-39.5 術後 6.4-10.7
1論文:保存群34名 前36 、後6.2
結果9) その他
? SF-36 3論文 保存と手術に有意差なし。
? Modified Henderson Assessment :1論文
術後9名 "excellent"
17. Treatment for spondylolysis and spondylolisthesis
in children
? 目的:分離症orすべり症により保存or手術療法を実施した
44名の小児のアウトカムを調査すること。
? 対象:1993 - 2011年での著者患者44名。
?内訳:男25名、女19名(5-14歳)
保存療法39名、手術療法5名
分離症19名、すべり症25名
? 方法:Seitsaloスコアリングシステムを用いて、痛みおよび
日常生活、スポーツ活動における機能改善をExcellent、
good、fair、poorで評価。
Journal of Orthopaedic Surgery . 2015
結果17)
?フォローアップ期間は 6.5年 (range, 3–10) 。
?excellent 35名, good 8名, fair 1名であった。
?手術療法は5名全員が posterolateral fusion
?保存で分離症からすべり症への進行はなかった。
?手術療法もすべりの進行はなくgoodのアウトカム
であった。
25. Long-Term Clinical Outcomes and Factors That
Predict Poor Prognosis in Athletes After a Diagnosis
of Acute Spondylolysis: A Retrospective Review
With Telephone Follow-up
? 目的:1) 急性分離症の長期経過のフォローアップ
2) 長期結果の予測因子の検討
? 方法:2010-2013年の間で一施設での調査。MRI
かSPECTで急性分離症を診断された者のカルテを
後ろ向きに調査。長期結果は電話にて聴取した。
Selhorst. JOSPT. 2016
結果25) 対象
結果25)長期結果
? 平均4.7ヵ月でスポーツ復帰
? 治療中の有害事象10名(8.7%)
結果25) 予後危険因子
治療まとめ
? 保存療法である程度良い結果を導ける。
? 効果的な理学療法エクササイズは不明。
? 保存療法の際はLIPUSを併用すると治癒や競技
復帰において良い結果。
? 保存療法に抵抗する場合、手術療法を行うこと
が一般的。手術時期のコンセンサスはなし。

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腰椎分离症の治疗に関する文献まとめ 厂辫辞苍诲测濒辞濒测蝉颈蝉

Editor's Notes

  • #4: 分離症患者10名でシュミレート seven boys and three girls aged between 11 and 17 years
  • #5: 同一施设 地域差はあるかも アメリカオハイオ
  • #7: テリアの首
  • #15: 2つが30歳未満のスポーツ活动しているもの、1つが参加者の65.8%が20歳未満、70.2%がスポーツ活动しているもの
  • #18: 分離症 身体検査データにおいて、?片脚過伸展テストは、ヘルニアや坐骨神経痛にも陽性となる場合があるため、診断有用性は低い。
  • #29: 82名(80 boys and 2 girls; mean age, 14.8 years; range, 10-18 years) LIPUS:週に3回以上、1.5-MHz oscillation frequency, 1-kHz pulsed frequency, 30-mW/cm2 spatial intensity, and a duration of 20 minutes.                                      一般的な治療:ダーメンコルセット、スポーツ活動の禁止、エクササイズ 
  • #33: 一般的な治疗:スポーツ活动の禁止、体干装具の装着(硬性コルセットまたはデーモンコルセット)、理学疗法士による治疗(1ヶ月に2回、体干筋力トレーニングと柔软性トレーニングを実施)                                                   尝滨笔鲍厂:日20分间、対象部位に実施                                                    颁骋:一般的な治疗のみ  尝骋:一般的な治疗+尝滨笔鲍厂
  • #39: Return to sports(治療から6か月以内の復帰):   5論文: 手術群42/49(86%) 保存群44/45(98%)   片側分離のみの検討: 手術群11/14(79%)
  • #40: Oswestry disability Index Measure(ODI):   3論文: 手術群72名 術前 39.1-39.5 術後 6.4-10.7。   1論文:保存群34名 前36 、後6.2   片側分離のみの検討: 術前 39.1 術後 6.4 1論文にて手術と保存の比較 改善点数 手術32.7 保存29.8で手術のほうが改善したとコメントあり
  • #41:
  • #42: 保存療法:rest後、胸腰椎装具固定(骨シンチでホットな場合3ヶ月、クールな場合6週間)症状改善後理学療法(腹筋背筋トレ、ハム?股屈曲筋ストレッチ) 手術療法:術後3ヶ月はブレース固定。その後理学療法。
  • #45: 177名うち121名(女性48名,ベースラインでの平均年齢14.4歳) 理学期間約80日、施術回数11回、理学詳細は不明。
  • #46: 81名66.9%は同レベル以上の競技復帰 約25%はリタイヤ Fair 以下は10名8.3% 約半数はexcelent
  • #47: 女性で多部位、治疗中の悪化がある群は予后不良。