人事考课研修2. 人事考課の目的とは? 人材の活用 : 効果的な人材の配置 やる気を引き出す : 人材個々の能力を引き出す 人材の育成 : 病院の根本的な能力の向上 給与と賞与はなにが違うのか? 給与は支払い義務あり 賞与は支払い義務なし 一般に賞与は成果の配分でその配分の仕方は社長が決めることができる 成果に対する貢献度で分ける EX 営業マンの売上高 賞与は成果配分だが、 病院の場合 成果が明確でない × 貢献度合いも明確でない(専門職) -> 賞与が給与と同じ性質になりやすい copyright (C) 2011 Qualia-Partners.llc All right reserved. 4. 人材を育てるための3本柱 ① 能力考課は目標設定 「一定の能力を持っている」人を能力に相当する処遇(等級)をするため 等級:身につけるべき必要能力という具体的な目標を提供する ② 情意?業績考課は努力促進 昇級するために不足している能力を身につけていくため ③ 客観的な考課:絶対考課 相対考課と絶対考課と賞与、、、 相対考課: ○○さんという他者 と比較する 絶対考課: 部門別業務内容到達基準にある能力項目 と比較する 賞与は、考課は絶対評価でおこない、分配は相対評価でおこなう ?絶対評価は育成のため ?相対評価は賞与など限られた資源を分配するため copyright (C) 2011 Qualia-Partners.llc All right reserved. 5. 【問題点】 1.正当な評価ができるのか? ?評価者が被評価者全員の勤務状況を隅々まで把握できるのか? ?部署によって仕事内容に違いがあるのに、同一の評価シートでいいのか? 2.その場(1年)限りの目標設定になりがち ?到達基準等が示されていないため、目標の設定等が難しい 3.評価が育成につながっていない ?評価結果が被評価者にフィードバックされていない ※ 絶対評価と言いつつ、評価に伴う昇給や賞与の定数等が相対的に配分されている 【改善方法】 1.正当な評価ができるか? ?部門別業務内容到達基準を設定する ?一次、二次、三次評価:現場にいる上司、少し離れて見ている上司など複合にする 2.その場(1年)限りの目標設定になりがち ?指針となる目標を示す(目標の明確化) 例)部門別業務内容到達基準 3.評価が育成につながっていない ?評価内容を明示し、被評価者へ確実なフィードバックをする 人事考課におけるよくある問題点 背景 copyright (C) 2011 Qualia-Partners.llc All right reserved. 6. 今回、“評価をより育成につなげること”に取り組む ※ラダー(部門別業務内容到達基準)は作成中 現状 ① 年次の異なる場合の基準設定が難しい ② 各部で実情に合った独自の評価表を作成し使っている ③ 考課者によって評価差が大きい 以上から、 各部の評価者に評価項目と考課基準を案出してもらいそれをまとめる。 ?評価項目や評価基準が分かりやすくなり フィードバックができるようになる copyright (C) 2011 Qualia-Partners.llc All right reserved. 8. 2つの能力 ① 習得能力 ② 習熟能力 copyright (C) 2011 Qualia-Partners.llc All right reserved. 能力 習得能力 仕事の知識(②) 業務を遂行するために必要な知識 仕事の技能(②) 業務を遂行するために必要な技術?技能の保有度合い+知識の応用度合い 習熟能力 理解力(①) 課題や状況を的確に把握し理解する能力+職務について素早く的確に理解し習得できる能力 ※ 表現力 伝達しようとする意志、目的や報告すべき事項を明確に表現できる能力 ※ 創意工夫力 柔軟な着想で業務を改善発展させる力 ※ 以下リーダークラス 判断力(①) 周囲の状況に基づいて合理的に判断を下せる力 企画力(①) 効果的で実用的な企画を作成する力 折衝力(①) 関係部署と折衝し同意、納得、協力をとりつける力 指導力(①) 後輩の知識や技能の向上を通し育成していく力 9. やる気+業績 やる気 能力 業績 やる気 能力 業績 やる気 能力 業績 やる気のみ 能力のみ 業績のみ copyright (C) 2011 Qualia-Partners.llc All right reserved. 10. やる気のみ 能力のみ 業績のみ 業績+能力 やる気 能力 業績 やる気 能力 業績 やる気 能力 業績 copyright (C) 2011 Qualia-Partners.llc All right reserved. 11. 一般職 情意考課 能力考課 業績考課 能力考課 業績 考課 情意考課 管理職 copyright (C) 2011 Qualia-Partners.llc All right reserved. 12. 今回の改定でなにが良くなったのか? ① 評価内容を具体的表現にした メリット 評価がしやすくなる -> フィードバックがしやすくなる 課題 シーンが限られるので解釈を広げる必要がでてくる 分かりにくい評価項目が残っている -> 上司と解釈に対して話し合い評価をすり合わせておく ② 一般とリーダーの2種類を作成 メリット 基準が分かりやすい -> フィードバックしやすい 課題 本来、2段階ではなく3~4段階にし1段を小さく分けるべき 一般の中での差は考慮していない ③ 1項目を3~4つの視点で評価 メリット 1つの項目( EX 責任感)に対する 評価者間のバラツキが少なくなる 課題 中心化する傾向が強くなる -> 評価の幅を意識して大きくする ※ バラツキが大きい場合には事後是正をおこなう copyright (C) 2011 Qualia-Partners.llc All right reserved. 13. 評価者間のバラツキの事後是正 ① 計算で是正する方法 ?全体の平均を算出 + 部署ごとに平均を算出 ?全体の平均に対する部の平均の差を加減する ② 評価基準を設定する方法 ?部ごとに、 B 評価に最適と思われる人を選んでおく ?評価を、選んだ人に対して項目ごとに上か下かを検討する ← 人を基準において絶対評価をおこなう ※ 本来、評価のバラツキの圧縮は、評価者訓練によって事前におこなうもの バラツキは価値観の差と錯誤によって生じる このため、価値観のすり合わせと錯誤を減少させる訓練が必要 copyright (C) 2011 Qualia-Partners.llc All right reserved. 14. なぜフィードバックが必要なのか? 評価 C の人にたいして:これからどう改善すればいいのか? 評価 B の人にたいして : A になるためにはどうすればいいのか? 評価 A の人にたいして :なにが良く、今後どう伸ばせばいいのか? -> 成長していくためのやる気を引き出すため ■ フィードバックの仕方 ① 話を聴く アドバイスを受けとめてもらうには、信頼してもらわないといけない 信頼してもらうには、 話を聴くのが一番早い ※ 相手にとって世界で一番話を 聴いてくれる人になる その上で、フィードバックをする ② 評価は事実をもとにおこなう 本来、半年間行動観察メモを付けなければいけない -> 自分で思い出せること+自己評価の根拠を 聴き出す ③ 事実を記録していない場合、思い出せない場合 被評価者の考える評価の根拠をインタビューで事実を確認しながら、その事実を どのように理解(自己評価)しているかをインタビューで聴きだしていく ※ 聴きだした事実にたいして自分の評価と異なる場合、その差を伝え自分の 評価の考え方を教える copyright (C) 2011 Qualia-Partners.llc All right reserved. 15. A,C はどのような場合につければ良いのか copyright (C) 2011 Qualia-Partners.llc All right reserved. 定義 成績考課? 情意考課 能力考課 S 上位等級としても申し分ない。 仕事の結果が期待以上であり、期待水準そのものが1等級以上高い。 該当しない。 上位等級の能力が十分ある。上位等級の仕事をおこなう能力が十分ある。 A 申し分ない。期待水準を越える。 仕事の結果が上司の期待以上であった。 ? 取り組み姿勢が完璧で、見本になった。? 資格等級に見合った能力が十分ある。 B? 標準。ほぼ期待通りである。 仕事の結果がほぼ上司の期待通りであった。 ? 取り組み姿勢が上司の期待通りであった。 ほぼ資格等級に見合った能力がある。 C もの足りない。期待水準に満たない。 仕事の結果が上司の期待以下であった。 取り組み姿勢が上司の期待以下であった。 資格等級に見合った能力が不足している。 D Cでさらに、業務に支障があった。 仕事の結果が上司の期待以下で、業務に支障があった。 取り組み姿勢が上司の期待以下で、業務に支障があった。 等級に見合った業務でも支障をきたす程度の能力である。 17. copyright (C) 2011 Qualia-Partners.llc All right reserved. <よくあるエラーパターン> ハロー効果 対象社員が、一つの効果要素にとくに優れていたり、反対に劣っていたりすると、それが 先入観となりほかの全部の要素も優れているとか、劣っていると考えてしまうこと。 寛大化傾向 対象社員への同情や全体のバランスを意識し、実際よりも高い評価をすること。考課者に 自信がないときにしがちな評価です。 厳格化傾向 考課者自身と比べて、対象社員の仕事ぶりが劣って見え、辛く評価してしまうこと。 極端化傾向 本当は B の評価なのに、 A または C にするように良い、悪いをはっきりさせたがること。 中心化傾向 極端化傾向と逆で、正確な評価ができず、平均値の評価に集中してしまうこと。 倫理的錯誤 一つの固定観念をこじつけ、複数の考課要素を結びつけて評価してしまうこと。 メイキング 総合点を最初に決めて、それにあわせて各要素を評価してしまうこと。 投影エラー 対象者社員の性格が自分と似ている場合に、相手を理想化し甘く評価してしまうこと。