ソーシャルベンチャーへの投资を考える
- 1. 2011 年 12 月 9 日
第4回 ソーシャルベンチャー?セミナー
《社会的企業への投資を考える》
株式会社ソーシャルインパクト?リサーチ 熊沢 拓
このソーシャルベンチャー?セミナーでは、
「ソーシャルベンチャーへの投資を考え
られないか」という問題意識から進めて参りました。前回までの3回で浮き彫りになっ
た議論のポイントをまとめてみましたので、以下、ご参考までに列挙させていただきま
す。
? ソーシャルベンチャーの定義
人によって異なる?
社会的課題を解決する企業?
金銭的リターンが得られると考えられやすいのは、環境系? 医療系?
? 従来の考え方からのシフト
NPO/ソーシャルベンチャー=「寄付の対象」?「投資の対象」
? 投資対象へのシフトに何が必要なのか?
① ソーシャルベンチャーの成長力(イノベーション)
② ソーシャルベンチャーの評価尺度(ソーシャルインパクト指数 SII?、SROI)
③ マインドセット(社会の変化=自分の満足、リターン)
④ 投資の仕組み、市場 etc
? ソーシャルベンチャーへの評価尺度:ソーシャルインパクト指数 SII?
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- 2. ? マインドセット(社会の変化=自分の満足、リターン)
ベンチャー企業 配当、キャピタルゲイン
ソーシャルベンチャー 社会への変化、インパクト、社会が変化するロマン
? 最近の Topic:マイクロソフトの「IT 活用による若者就労支援」
政府が 11 百万円の助成金、NPO とマイクロソフトが IT 教育を行い、その結果、
31 名の就労支援に成功。
〈社会的インパクト分析例〉
社会的便益(31 名の 200 万円の年収)+政府(31 名の所得税+社会保険料 35
万円の収入増、約 11 百万円)全体 SROI=6.6 倍
政府は1年間で実は費用を回収できる。
? ソーシャルインパクトボンドの応用
社会的なインパクトを測定できると、様々なスキームの立案が可能となる。
例えば、
政府がソーシャルベンチャーに就業者 1 人当り 35 万円支払う契約を結ぶ。
ソーシャルベンチャーは投資家に対して就業者1人当り 32 万円支払う契約(利回
り 3%)を結び、資金調達することも可能となる。
メリット:政府のリスクがなくなる、ソーシャルベンチャーは資金調達できる、
投資家は投資機会が得られる。
すなわち、お金儲けと社会にいいことが両立。
? ソーシャルベンチャーの存在意義
外部性、市場取引できない分野や領域。
政府、もしくは、NPO/ソーシャルベンチャー、外部性があっても、正しくその社
会への効果、アウトカムが測定できれば、市場取引にすることが可能となる。
? クラウドファンディングの可能性
プロジェクトの共感者から小口で資金提供し、見返りを提供することで資金調達
する仕組みを、ソーシャルベンチャーの資金調達に使えないか?
ソーシャルベンチャーではリターン設計が難しい面もある。
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