8. Mejiro Orthopedics and Internal medicine Clinic
? 研究デザイン:Descriptive epidemiology study
? 方法:2009?2014年のNational Collegiate Athletic
Association (NCAA) 選手
障害発生率は10000 athlete exposure (AE) あたりの障害
度で計測
? 結果
UCL損傷の発生率
/10000AE
DeFroda et al. AJSM,2018
野球選手の障害発生率
9. Mejiro Orthopedics and Internal medicine Clinic
Overall 20件
?3回まで 28.6%
4?9回 71.4%
Timing
Presoasonよりregular season
のほうがリスク高い
Season
DeFroda et al. AJSM,2018
10. Mejiro Orthopedics and Internal medicine Clinic
UCL損傷の85%
が投球系
DeFroda et al. AJSM,2018
ジュニア世代
Freshman(1年生)
11. Mejiro Orthopedics and Internal medicine Clinic
? 研究デザイン: Cross-sectional survey study
? 目的:
1) 9-18歳の野球ピッチャーにおいて ASMI’s recommendationsを遵
守できていない選手の抽出
2) ピッチング関連の腕の問題と障害の年齢による差を調査
3) 報告されたピッチング関連の腕の問題に関して、推薦されな
いピッチング活動に従事することが与える影響について検討
4) 腕の問題がピッチング関連の障害に与える影響の調査
Yang et al.AJSM,2014
リスクのある投球活動と損傷
12. Mejiro Orthopedics and Internal medicine Clinic
the American Sports Medicine Institute (ASMI)
1. no competitive baseball
pitching for at least 4 months per year
2.following limits for pitch counts and rest days
3.avoiding pitching on multiple teams with
overlapping seasons
4.not playing both catcher and pitcher,
5.playing other sports in addition to baseball
6.discontinuing pitching if the pitcher reports pain
in the shoulder or elbow
Yang et al.AJSM,2014
13. Mejiro Orthopedics and Internal medicine Clinic
? 対象:754 young male pitchers 平均年齢14.1歳±2.6
? 方法:
A) ピッチングに関連した55の質問を含む質問紙に回答
B) ピッチング関連の障害はセルフレポートで測定
C) 過去12ヵ月のピッチング関連の腕の疲労と痛みについて
下記の2つの 質問に対し [頻繁 ,ときどき ,なし]から選択
(1) 腕の疲労を感じるとき (2) 腕の痛みを感じるとき
? 結果:ASMI
(1)投球数?イニング制限のないリーグで投球 44.3%
複数の日に連続して投球 43.5%
重複するシーズンに複数のチームで投球 30.4%
一日に複数試合に投球 19.0%
Yang et al.AJSM,2014
14. Mejiro Orthopedics and Internal medicine Clinic
(2)
(3)上肢の疲労と痛みと投球関連障害のOdds ratio
上肢の疲労と投球関連障害のOR7.88 (95% CI = 3.88-15.99)
上肢の痛みと投球関連障害のOR7.50 (95% CI = 3.47-16.21)
連日の投球やダブルヘッダーなど投球回数が増えると
上肢に障害が生じる可能性があがる Yang et al.AJSM,2014
15. Mejiro Orthopedics and Internal medicine Clinic
? 研究デザイン:Cohort study (LOE3)
? 方法:2001?2009年までのLittle League World Series (LLWS) の投
手を特定.その後プロに上がったかリサーチしUCLRやその他の
手術をうけたかを判定
? 結果:LLWSで638投手(11?13歳).そのうち62人(10%)がプロへ
Minors 56 名 Minorで投げた25名中2名がUCRL(Revision 1名)
MLB 6 名 MLBで投げた3名中1名がUCRL
Erickson et al. OJSM,2017
球数と手術の関係性
16. Mejiro Orthopedics and Internal medicine Clinic
1Game 95球
超過した人のうち50名がUCRLを必要とした
LLWSの投手がプロでも投手としてプレーした場合
23.1%がUCRLを必要とした
プロで他のポジションでプレーした場合0%
球数制限だけでなく,ポジションを変えることで
UCLRを防ぐことができるのではないか
Erickson et al. OJSM,2017
17. Mejiro Orthopedics and Internal medicine Clinic
? 研究デザイン:case-controlled study (LOE3)
? 対象者:UCLR 83名(28 ± 4.22) Control 83名(28 ± 4.01)
? 方法:①球速?球種?割合 UCLR群 vs Control群
②球速 手術前後2年で評価
? 結果:①球速 有意差なし
球種 UCLR群の速球割合↑(p=.03)
odds ratio 1.02
?CART法使用?速球の割合が48%を超えるとUCL損傷
が生じる可能性
?球速をモデルに加えても有意であった(p=.006)
②UCLR前後の差なし
Keller et al.JSES,2016
速球割合1%増加ごとにUCL損傷のリスク2%増加
速球の速度よりも割合がUCL損傷に起因する可能性
UCL損傷と球速?球種の関係性
18. Mejiro Orthopedics and Internal medicine Clinic
? 研究デザイン:Systematic review (LOE3)
? 対象:1946年?2012年
検索:curveball and baseball pitching injuries
疫学とバイオメカニクスに分類
? 結果:疫学5編 バイオメカニクス10編
? 疫学:
3つの研究でカーブボールと肘?肩痛との間に関連性
がないと報告
5つの研究が上肢の障害として投球数の増加をあげている
? バイオメカニクス:
速球と比較:armが加速,前腕の回外↑,wrist伸展↓
肘のトルクが低下
筋電図では回外筋と伸筋の活動増加を示唆
疫学やバイオメカニクスのデータが限られており,
速球と比較して損傷リスクがあるとはいえない
Grantham et al.SPORTS HEALTH,2015
カーブボールのリスク
19. Mejiro Orthopedics and Internal medicine Clinic
? 研究デザイン: Cohort study; Level of evidence, 2
? 方法:少年野球チームに所属する10-13歳、26名
シーズン前に野球歴、質問紙、身体所見を調査、
シーズン後に質問紙、身体所見を調査
シーズン前後に両側の肘のMRIを実施
Andrew et al.OJSM,2017
20. Mejiro Orthopedics and Internal medicine Clinic
ガイドラインのコンプライアンスは
100%
シーズン後のMRIで新たに高信号
およびシーズン前に比べて悪化した
選手は、8/12名
最もMRI高信号に関係がある
と思われる因子は、『1年間プレイ
し続けている』ことと考えられる。
少年野球選手はガイドラインに従うのはもちろん、
1年間通してのプレイを厳格に制限する必要がある!?
21. Mejiro Orthopedics and Internal medicine Clinic
? 研究デザイン: retrospective case-control study
? 方法:
?小学生の野球選手男性172名(小1?小6)
?対象者は、肘や肩に疼痛がない
?両肩のbicipital-forearm angle(BFA)を超音波で測定
?投球側と非投球側のBFAの相関を分析
BFA測定方法
Kurokawa et al. JSES, 2017
22. Mejiro Orthopedics and Internal medicine Clinic
?小1?3では、投球側と非投球側のBFAに有意差なし。
?小4?小6では、投球側と非投球側のBFAに有意差あり
→ 有意に非投球側の後捻角の減少あり
投球の繰り返しは、解剖学的な上腕骨後捻角の減稔の過程を
制限し、Grade4から拍車がかかる
しかし、今回野球肩と野球肘を除外しており、後捻角の減少が
これらのケガと関連するかは不明
23. Mejiro Orthopedics and Internal medicine Clinic
? 研究デザイン:prospective case-control study
? 方法:
?高校及び大学生の野球選手112名
?野球歴は平均12.8年
?2グループに分類し、humeral retrotorsoin(HRT、上腕骨後捻)
を比較
①UCLInj group:MRIにて野球肘によるUCL tearの診断を受けた56名
②NUCLInj group:既往で肘の怪我がない野球選手56名
Meyer, AJSM, 2016
24. Mejiro Orthopedics and Internal medicine Clinic
UCL tearの野球選手は怪我がない野球選手と比べて、
非利き手の後捻角が小さい(p<0.05)
UCL groupはN UCL groupに比べHRTの左右差が大きい(p<0.05)
非利き手のHRTの増加(後捻角の減少)が利き手のUCL損傷に
関係する可能性あり
25. Mejiro Orthopedics and Internal medicine Clinic
? 方法:Cohort study; Level of evidence, 2.
?8シーズンにおけるプロ野球チームの野球選手(投手)の
投球側?非投球側のPROMを測定し、分析(288名)
?肘傷害および肘傷害により欠場した選手をチームスタッフが
記録(肘傷害により故障者リスト入りした場合を野球肘と定義)
?GIRD、ER、Total Rotation、flexionを測定し、シーズン中に
肘傷害があった群となかった群で比較
? 結果:
?TRに制限 + 肘傷害あり → 肘傷害のリスク2.6倍(p=0.07)
?flexionに制限 + 肘傷害有り → 肘傷害のリスク2.8倍(p=0.08)
?初測後から38選手で49の肘傷害と8件の手術あり
Wilk et al , lAJSM, 2014
26. Mejiro Orthopedics and Internal medicine Clinic
Total RotationとFlexionの低下で肘傷害のリスクUp
投球側の可動域を見る際は、ER2、IR2だけでなく、flexionも
評価の対象とすべき!?
27. Mejiro Orthopedics and Internal medicine Clinic
? 方法:Systematic review and meta-analysis
?17文献採用、メタアナリシスは10文献で実施
?肩関節可動域と肩or肘傷害のアウトカムがある文献を選択
?アスリート2195名を対象
?GIRD、肩トータル可動域、外旋可動域と障害の有無を分析
? 結果
GIRD、TROM、ER gainにより上肢障害リスクが増加するという
研究がある一方、本レビューでは障害有無で有意差なし
Keller et al, SPORT HEALTH, 2017
29. Mejiro Orthopedics and Internal medicine Clinic
? Controlled laboratory study
? UCL損傷のパターンが肘のバイオメカニクスに与える
影響は明らかになっていない
? 遠位?近位での断裂ではバイオメカニクスに違いが生
じるだろう(部分断裂モデル作成)
? 対象:25屍体肘(平均年齢54.9歳; range26-66)
? 方法:肘後内側に圧センサーを設置
コンタクトエリア?接触圧?外反トルク
肘関節屈曲30°?90°の2条件で計測
? 13例はintact?近位から50%切除?100%切除
? 12例はintact?遠位から50%切除?100%切除
Hassan. et al. AJSM,2014
30. Mejiro Orthopedics and Internal medicine Clinic
Intact VS 50%切離で有意差が出たのは、近位
コンタクトエリア↓ COPの近位への移動
?UCLRにおいて、近位部のfootprintの再建が重要
部分断裂に対する治療法選択の一助
Hassan. et al. AJSM,2014
31. Mejiro Orthopedics and Internal medicine Clinic
? LOEⅢ: Systematic review
? 若年アスリートにおける投球に関する動態?運動学に
ついて理解するためのレビュー
? PubMed, MEDLINE, and SPORTDiscusを用いて検索
? 計10編の若年者のピッチングメカニクスに関する論文
を抽出
Thompson. et al. SPORTS HEALTH,2014
32. Mejiro Orthopedics and Internal medicine Clinic
? 健常若年者の投球においては、投球開始から肩の外旋
角度は上がっていき、最大で166?178.2°まで外旋が
生じ、投球相において内旋運動が始まる前に13.2?
17°まで減っていく。
? 肘の外反トルクはMER手前で最大(18±4N?m)とな
り、その後減少していく。
? ステップ幅は身長の66?85%
? カーブボールはストレートに比べて肘にかかるトルク
が少ない。
? 確からしいこと①最大の外反トルクはMER前に②スト
レートよりカーブの方が肘にかかるトルクは少ない。
Thompson. et al. SPORTS HEALTH,2014
37. Mejiro Orthopedics and Internal medicine Clinic
? 1986年Jobeが報告
? 屈筋回内筋が温存できる一方で、尺骨神経移行術が
ルーティンで必要
? 合併症19%
? 再建靭帯を「ハの字」に移植
代表的な術式:Modified Jobe
Christopher L. et al. OJSM,2018
かつては、
Tommy John Surgery =
Career Ending
合併最多は尺骨神経障害
38. Mejiro Orthopedics and Internal medicine Clinic
? 2002年Rohrboughが報告
? 屈筋回内筋の温存
? 尺骨神経移行術は必ずしも必要ない
? 骨孔も小さい
? 再建靭帯もより強固にできる
? 合併症6%
? 上腕骨側の骨孔が一つ
Christopher L. et al. OJSM,2018
本邦では、伊藤現法
肘頭から骨切除
骨孔部の固定に利用で固定↑
39. Mejiro Orthopedics and Internal medicine Clinic
? MLBチームのDrが取り組む代表的疾患
①内側側振靭帯損傷:UCL tear
②肩関節上方関節唇損傷:SLAP
③腱板不全断裂:RCT
? 対象:チームの整形外科医74名
? 方法:アンケート調査実施(14の質問から構成)
? 結果:30/74(41%)回収
平均経験年数9.37 ±6.33年
Erickson. et al. Arthroscopy,2016
40. Mejiro Orthopedics and Internal medicine Clinic
? UCL関連質問を抜粋
? 56.7%はdocking technique、
20%はmodified Jobe technique
? 63.3%長掌筋を再建靭帯に使用
? 93.3%尺骨神経後方移行術
Erickson. et al. Arthroscopy,2016
術式
再建靭帯
固定部処置方法
治療頻度
尺骨神経処置
41. Mejiro Orthopedics and Internal medicine Clinic
? LOEⅣ:ケースシリーズ
? 目的:UCLR後の機能評価KJOC scoreについて検討
? 対象:33名のUCLR後選手(野球30名、槍投げ3名)
FUは2.2年以上(平均3.7年)
Docking12名、modefied jobe21名
? 年齢?競技?ポジション?復帰状況?KJOCを評価
O’brien. et al. JSES,2015
42. Mejiro Orthopedics and Internal medicine Clinic
? 27名82%は、平均12.25ケ月で元の競技レベルへ復帰
? 全体のKJOC score:76
? 元の競技レベル復帰可能
?KJOC score:平均77
? 元の競技レベル復帰不可
?KJOC score:平均69
O’brien. et al. JSES,2015
43. Mejiro Orthopedics and Internal medicine Clinic
? LOEⅢ
仮説:Ope後にピッチングパフォーマンスや耐久性は低
下しているのでは?
? 1999?2011にOpeした選手147名
? 複数の病態に対する観血治療は除外
? UCLR後に1試合以上、MLBに復帰した選手
? 10試合以上復帰した選手については術前VS術後で比較
Makhni. et al. AJSM,2014
44. Mejiro Orthopedics and Internal medicine Clinic
? 結果:80%の選手は少なくとも1試合はMLBに復帰
? 10試合以上復帰した選手の67%は元のパフォーマンス
まで戻ったが、57%は投球側の問題でDLへ入った。
? 術前-術後の比較では、自責点や被打率、イニング当
たりの与四球?被打、速球の平均速度、速球の投球率、
ストライクボールの割合、投球イニングは有意に低下
? ただ同年代の選手との比較では有意差なし
? 術後に50%以上の選手は再度DL入りしており、投球パ
フォーマンスも低下することがある。
? 術後の復帰やパフォーマンスへの見込みについても
しっかりICすべき。
Makhni. et al. AJSM,2014
45. Mejiro Orthopedics and Internal medicine Clinic
? LOEⅣ ケースシリーズ
? 対象:55名(野球47名、体操3名、槍投げ5名)
平均5.8Mの保存加療に反応しなかった例にUCLR
? 評価:競技への参加程度
Conway scale
the Andrews-Timmerman score
the Kerlan-Jobe Orthopaedic Clinic (KJOC) score
Docking technique
Jones. et al. AJSM,2013