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土壌学の基礎
第12章 作物養分の土壌中での動き
      リン?カリウム編
               担当:蒔田
リン (1)
リン:DNAやRNAの合成に必要
   →細胞の増殖に必要。

リン欠乏:葉色が濃緑色化、葉の直立
リン(2)
C/P:300以上はPの有機化
    200以下はPの無機化

リンの形態:有機態と無機態
      難溶性と 水溶性
      植物が吸収できるのは水溶性無機
リン(3)
             -
土壌中のP形態:H2PO4 (土壌pHより)

土壌の酸性化:AlやFeの溶出→Pの難溶化
土壌のアルカリ化:Caの溶出→Pの難溶化

微生物の代謝:Pの有機化
リン(4)?(5)
Ca(H2PO4)2?H2O+ H2O →CaHPO4 ?2H2O +H3PO4

H3PO4 :土壌の酸性化→Fe、Al、Mg等の溶出

H3PO4 の拡散:粒子肥料外で難溶性化

水溶性P濃度:難溶性Pの溶解度が影響
リン(6)
無機態P:FeやAlと結合し易い
     →難溶性化し、土壌中を移動しない

有機体P: FeやAlと結合しにい
     →比較的土壌中を移動し易い
リン(7)
P吸収→高濃度区からのP拡散

植物の根、菌根菌の菌糸からの吸収

植物体、菌根菌からP溶解物質分泌
リン(8)
Pの多量施与:土壌中に難溶性物質として蓄積
       →Fe?Zn不足
       →欠乏症?過剰症発生

有効態Pを考慮した施与
カリウム(1)
Kは植物体内を移動しやすい。

Kの植物体内での作用は十分にわかっていな
い。

K欠乏:タンパク質代謝異常、光合成異常
    叶色の変化(褐変化)
カリウム(2)(3)
Kの形態:水溶性、交換性、非交換性
     交換性は電荷、非交換性は格子内
     植物は水溶性を利用する。

         +
化学平衡によってK は一定割合保持される。
カリウム(4)
アルファルファ:交換性Kから補充

トウモロコシ:熱亜硝酸可溶K以外の非交換性
       Kの利用

作物によって非交換性Kの利用形態は異なる。
カリウム(5)
K欠乏→イネ科牧草との競合でマメ科牧草衰退
          ↓
マメ科牧草からのN供給途絶える
          ↓
イネ科牧草衰退→草地の荒廃
カリウム(6)
家畜の糞尿で還元されるK:摂取量の8割以上

糞尿由来のK:植物の利用率が良い(9割超)

有機物の多量施与:土壌中にKが異常蓄積
カリウム(7ー1)
?低マグネシウム
   多量のKがMgやCaの吸収と競合
           ↓
      (飼料)作物のMg欠乏
           ↓
その飼料を摂取した家畜にグラステタニー発症
カリウム(7-2)
K過多:低Mg、高N
N過多:低炭水化物、高タンパク質

高タンパク質:NH3の大量発生、難溶性Mg

高N:飼料中のNO3-N増加、硝酸中毒

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