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青木志保子
国際大学グローバル?コミュニケーション?センター
主任研究員
2
自己紹介
青木志保子
国際大学グローバル?コミュニケーション?センター 主任研究員
(理学学士?工学修士/理化学研究所未来戦略室客員研究員)
経歴
?東京都福生市役所環境課
?NPO法人(環境省『Cool Biz』
経産省『Green Power プロジェクト』)
「社会課題×ステークホルダー連携」
災害対応アセスメントの開発、下諏訪での実証実験
これまでの取組み
これまで(2017年、2018年)
4
「データ活用×産官学民連携で実現するより良い災害対応」プロジェクト
「データ活用」グーグル合同会社
「災害現場での実践智」
ダイバーシティ研究所
「情報化社会研究」国際大学GLOCOM
5? 2019 shihoko.aoki All rights reserved.
〇6大 支援指標
〇3大 避難生活コンセプト
〇4種 「災害対応アセスメント」
成果(作ったもの)
「災害時だから劣悪な環境
なのは仕方ない」という常
識を変える
「何をすればいいか」全
体像とシーンをイメージ
しやすいための視点
具体的なコンテンツ
①トイレ(排泄) ④衛生?感染症対策
②食事 ⑤心身の健康?QOL
③睡眠 ⑥コミュニケーション
6? 2019 shihoko.aoki All rights reserved.
災害対応アセスメント「ニーズ(物資)アセスメント」
①ペルソナ別人数(選択入力)
年代別?性別で12種類
②タイミング(選択入力)
事前(備蓄)/
事後Ⅰ(発災後~3日目)/
事後Ⅱ(4日目~7日目)/
事後Ⅲ(8日目~30日目)/
事後Ⅳ(31日~)
③気候環境(任意選択)
洪水エリア/暑さを配慮/寒さを配慮
④避難所の種類(選択)
公民館タイプ/体育館タイプ
⑤自宅避難者の有無(任意選択)
⑥災害規模(選択)
大阪北部地震レベル/
阪神?淡路大震災レベル/
東日本大震災レベル
6大支援指標ごとに
「物資(商品名)」その「数」が算出される
7? 2019 shihoko.aoki All rights reserved.
災害対応アセスメント「ファシリティ(空間)アセスメント」
?6大指標順に全部で「26個」のチェックリスト
?それぞれ0~5段階で判断
b
0
7
ト
イ
レ
の
衛
生
管
理
1 トイレの清掃等に定めはない
2 施設管理者が定期的に清掃す
る予定だが、詳しい取り組め
はない
3 施設管理者が定期的に清掃す
る計画を定めている
4 施設利用者が交代で清掃する
こととしているが、頻度など
は取り組めがない
5 施設利用者が交代で清掃し、
頻度や担当についての計画も
ある
6 4.に加え、各個室に簡単な
清掃道具がおかれている
トイレを清潔に保つこ
とで、「トイレに行き
たくない」ことから生
じるエコノミークラス
症候群や誤嚥性肺炎を
防ぐことが出きます。
清掃のルールの整備や、
ちょっと汚してしまっ
たときにすぐにきれい
にできるよう、清掃用
具の配置なども行って
おきましょう。
①排泄
15点
②飲食
10点
③睡眠
8点
④衛生
12点
⑤QOL
12点
⑥????
?????
2点
総合
69点
総合評価
8? 2019 shihoko.aoki All rights reserved.
長野県下諏訪町での実証実験
行政面積:66.87?
人 口:20,158人
世 帯:8,863世帯
概 要:長野県のほぼ中央に位置。町内は1~10の地区に分かれている。
それぞれの地区ごとに「地区防災計画」と「防災マップ」を作成。
防災士118名が登録。
2018年4月にボランティア組織「防災ネットワークしもすわ」が発足。
「防災ネットワークしもすわ」装備品支給式の様子 1区での防災マップづくりワークショップの様子
ビジョン「防災意識日本一の町」を町一体となって推進
9? 2019 shihoko.aoki All rights reserved.
長野県下諏訪町での実証実験
事前 事後
ニーズ
ファシリティ
実施者:防災士118名
時 期:2018年12月~2019年1月
対 象:全40箇所の避難所状況
(指定避難所+福祉避難所)
実施者:国際大学GLOCOM
時 期:2019年2月
対 象:食料品+備品その他の備蓄状況
実施者:国際大学GLOCOM
時 期:2019年2月9日、10日
シーン:避難所運営訓練
場 所:高木公民館、矢木公民館
10? 2019 shihoko.aoki All rights reserved.
長野県下諏訪町での実証実験「①ニーズ事前アセスメント」
結論①
耐久材と共有材(毛布、トイレや発電機等)はあるものの、個人ベースの消費
材(おむつやマウスウォッシュ等)はほぼない
結論②
備蓄物資の絶対数が
足りていない
項目名 単位
アセスメントに
よる
推計
下諏訪町に
おける備蓄
数
下諏訪町備蓄の詳細
アセスメント
に対する
備蓄率
水 【排水用】 ? 2362560 0 ー 0%
トイレットペーパー ロール 7884 596 トイレットペーパー 8%
ポータブルトイレ 台 985 282
簡易トイレ/
ワンタッチトイレ/
発砲スチロールトイレ/
災害対応用マンホールトイレ
29%
大人用おむつ 枚 4520 0 ー 0%
子供用おむつ 枚 15840 0 ー 0%
おしりふくき
(大人用?子ども用)
袋 769 0 ー 0%
女性用ナプキン 枚 8420 0 ー 0%
アセスメン
ト項目との
比較
「トイレ(排泄)」結果部分のみ抜粋
11? 2019 shihoko.aoki All rights reserved.
長野県下諏訪町での実証実験「②ファシリティ事前アセスメント」
「現状だけでなく「今後こうしていき
たい」という方向性が発見できた。」
「実際に手順に沿って定量的
に評価できる点が良かった。」
「あまりにも不足していたので
アセスメントののち、地区の防災士で
集まって話しあった。」
0.00
0.20
0.40
0.60
0.80
1.00
1.20
1.40
1.60
1.80
2.00
運用計画
6大指標①
「排泄?トイ
レ」
6大指標②
「飲食」
6大指標③
「睡眠」
6大指標④
「衛生?環
境」
6大指標⑤
「QOL」
6大指標⑥
「????????
?」
全避難所平均
学校施設平均
公民館等平均
40施設を3分類したときの比較
結論①避難生活を送るには公民館の方がよい 結論②定量化効果と自助の促進
12? 2019 shihoko.aoki All rights reserved.
長野県下諏訪町での実証実験「③事後アセスメント」
得られた示唆①
名簿のフォーマットとして使える
←支援やその後で都度確認している
得られた示唆②
本部のフォーマットとして使える
←ホワイトボートに随時加筆されてく
これから目指すもの
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現場だけに落ちてしまっていた重要な情報(暗黙知)をナレッジという形で
形式知化し、それを多様な人々?ステークホルダーと共有するシステム。
情報
ナレッジ
ナレッジ
支援側受援側
情報
支援側
受援側
暗黙知のままで社会に共
有されない
これまで これから
自治体
物資?施設系企業
災害ソーシャル?プラットフォーム
事前から
データ管理
データのナレッジ化
で社会で共有
適切な支援の把握
目指すはデータ活用×災害=「災害ソーシャル?プラットフォーム」
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目指すはデータ活用×災害=「災害ソーシャル?プラットフォーム」
×対処療法
〇予防医療
災害対応(避難生活)に関する
必要な‘標準化情報’を
より多くの人が知ることができ
る。
実現に向けた
「災害ソーシャル?プラットフォーム?アライアンス」
? 2019 shihoko.aoki All rights reserved.
災害(対応)も社会課題の一つ
?相次ぐ「災害関連死」
災害現場(避難所)の現状 背後にある社会課題
?少子高齢化
(助けられる側の増加)
?公助(自治体職員数)
の低下
?平均6か月の避難生活
(高齢者?弱者)
社会課題の「課題」①
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?場所の点在化
?原因の多様化
?対策しにくい(総論OK?私関係ない?)
?場所は特定
?原因は明確
?対策しやすい
現在:
温暖化モデル(エリア?複数ベクトル)
昔:
公害モデル(一部?単一ベクトル)
利便化、多様化?複雑化、成熟化した社会の「チリツモ」現象
「社会コストはどんどん上がる」
社会課題の「課題」②
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(すごく重要にもかかわらず、みんなで赤信号を渡っている感じなので多くの人はなんとかなるんじゃないか
なー、私にはまあそんなに関係ないかな、公共でどうにかするものではないの?という感じで結果)
一部の人だけが熱心。(しかも同じ人がずっと関わっている)
興味ない(ことはない
けど日常に忙殺)
熱心
←ここにさりげなくマリアナ海峡くらい深い溝
20? 2019 shihoko.aoki All rights reserved.
Porter, M. and M. Kramer, 2011, “Creating Shared Value: Redefining Capitalism and the Role of the Corporation in Society” , Harvard Business Review,
January and February 2011.
CSV(Creating shared value)
「社会ニーズ(社会課題の解決)に対応することで経済的価値と社会的価値をともに創造する」
?提供するものはそれぞれ異なる
?得られる便益もそれぞれ異なる
?新しい世界をともに作り上げる
(次のステージに移行する=進化)
目指したい社会を描き、役割分担をして、ともに創造(アクション)する。
社会課題解決のカギは「①ステークホルダー連携」と「②CSV」
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災害ソーシャル?
プラットフォーム 支援企業
本庁舎
地域防災倉庫
自治体(地域)
人口ほか地域データ
避難所(避難支援拠点)
災害ソーシャル?プラットフォーム?アライアンス
支援物資
避難所設備
支援活動
データ
ナレッジ
アクション
自治体職員/施設管理者
アクション
共有
①ステークホルダー連携=アライアンス
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災害ソーシャル?
プラットフォーム 支援企業
本庁舎
地域防災倉庫
自治体(地域)
人口ほか地域データ
避難所(避難支援拠点)
災害ソーシャル?プラットフォーム?アライアンス
支援物資
避難所設備
支援活動
データ
ナレッジ
アクション
自治体職員/施設管理者
アクション
共有
【施設】
スムーズな避難所運営
災害関連死を防ぐ管理
【物資】
必要な物?数?タイミング
で届く(足りないもの)
【施設】
災害に強い
避難所要件の可視化
【物資】
①人口をはじめとする
データからわかる必要物資
②地域を巻き込む在庫管理
災害時
平時
自治体(受援?自助)目線でのバリュー
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災害ソーシャル?
プラットフォーム 支援企業
本庁舎
地域防災倉庫
自治体(地域)
人口ほか地域データ
避難所(避難支援拠点)
災害ソーシャル?プラットフォーム?アライアンス
支援物資
避難所設備
支援活動
データ
ナレッジ
アクション
自治体職員/施設管理者
アクション
共有
企業(支援?共助)目線でのバリュー
①必要な支援、
物?数?タイミングが
わかる(有効な支援)
③「ローリングストック」
「災害に強い公共施設」
などの次世代アイテムの
共同研究
②具体的な策に基づく
支援協定
平時
災害時
24
2019年度 2020年度
ウェブの構築
データ収集分析による
価値創造
2021年度
災害対応ビジネス
(=災害対応標準化)へ
具体コンテンツの創造
アライアンス創出
自治体との事前連携
データ分析?ニーズ分析
?ナレッジ化
アセスメントの多数実践
?データ収集
災害対応
アセスメント
地域備蓄
連携
全国との
比較分析
自治体/施設管理者向け
「災害対応標準化」の
パッケージ
アライアンスでの
物資?コンテンツ連携?実践的支援
②CSV=3カ年で自立(ビジネス化)を目指す
25? 2019 shihoko.aoki All rights reserved.
#災害対応標準化
#社会課題CSV
#個のエンパワーメント
「災害ソーシャル?プラットフォームで共に社会を進化させる」
ご清聴ありがとうございました

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