狠狠撸

狠狠撸Share a Scribd company logo
系外惑星の見つけ方
大学院理学研究科 宇宙物理学教室?佐々木貴教
太陽系外惑星
太陽系:太陽を中心とする我々の住む惑星系
????(水?金?地?火?木?土?天?海)
太陽系外惑星:太陽以外の恒星の周りを回る惑星系
(c) NASA
(c) 大阪教育大学
暗すぎる惑星、明るすぎる中心星
←惑星中心星→
暗すぎる惑星、明るすぎる中心星
←惑星中心星→
恒星と惑星は共に共通重心の周りを
回っている
?→ 恒星の重心からのずれを観測
地上望遠鏡による検出は極めて困難
間接法1:アストロメトリ法
(c) blog.goo.ne.jp/toyokoka0119
恒星が観測者に近づいたり
遠ざかったりする
?→ ドップラー効果によって
?? 星の色が周期的に変化
?→ 恒星の速度の変化を観測
ドップラー効果の大きさから


惑星の質量(の下限)が求まる
中心星に近く質量の大きい惑星
ほど発見しやすい(選択効果)
間接法2:視線速度法
(c) 星ナビ.com
46
1995
この後も多くの系外惑星が
本手法で発見されている
51 Pegasi b
1995年?初めての系外惑星発見
(c) NASA
惑星が恒星の前を通過する際に明るさが変化する
?→ 周期的な明るさの変化を観測
惑星のサイズが求まる → 惑星の密度が求まる
分光観測から惑星の大気成分が求まる
間接法3:トランジット法
(c) 北海道大学
惑星が恒星の後ろを通過する際に明るさが変化する
?→ 分光観測により惑星の特徴を観測
惑星の大気成分
惑星の昼側の温度
惑星の温度分布
惑星の熱輸送効率
惑星の軌道離心率
わかること
Secondary Eclipse
Tinetti (2007)
トランジット法による観测例
HD 209458b
初めてトランジットが観測
された系外惑星
初めて大気成分が観測された
?下層部:ナトリウム
?上層部:水素?炭素?酸素
表面温度も観測:約1200℃
さらにその後の観測で
?水?メタン?二酸化炭素の
?存在も確認された
(c) NASA
天体の周りでは空間が歪み、光の経路が曲がる
?→ ある恒星の前を別の恒星(惑星)が横切ると
?? 背後の恒星の光が増光される
?→ 惑星による背後の恒星の光の増光を観測
検出確率は低い
観測は1回きり
軌道半径1 3AUにある
小さな惑星が検出可能
間接法4:重力レンズ法
(c) backreaction.blogspot.jp
OGLE-2005-BLG-390
重力レンズ法による観測例
Beaulieu et al. (2006)
コロナグラフ:中心星の部分だけを隠す
補償光学 (AO):大気による画像の揺らぎを補正
惑星と中心星の光を分離し、惑星を直接撮像する
コロナグラフ 補償光学
は約100億倍にも達する。中間赤外より
長波長では惑星自体の熱放射のため両者
の明るさの比は多少緩和されるが、それ
でも約1000万倍となる。
?地上観測の最大の障壁は地球大気の揺
らぎが起こすかげろうである。現在、すば
る望遠鏡などの口径8~10m級の地上大
望遠鏡では、大気揺らぎを時々刻々と補
正する補償光学や、明るい恒星を隠すコ
ロナグラフなどを用いて、年齢の若い巨大
惑星の検出などが試みられている(図 )。
ム層
コロナグラフなし コロナグラフあり
ザー
直接撮像
(c) 国立天文台
(c) University of Arizona
HR 8799
直接撮像成功!
(c) NASA
(c) NASA/JPL-Caltech

More Related Content

系外惑星の探し方