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重心動揺検査データを用いた機械学習による診断支援
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TeruKamogashira
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第80回日本めまい平衡医学会総会?学術講演会 ミニシンポジウム1 (11月11日) めまいの遠隔診療?在宅医療の展望:ICT(情報伝達技術)とAI(人工知能)の活用
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重心動揺検査データを用いた機械学習による診断支援
1.
重心動揺検査データを用いた 機械学習による診断支援 東京大学医学部耳鼻咽喉科 鴨頭輝 第80回日本めまい平衡医学会総会?学術講演会 ミニシンポジウム1 (11月11日) めまいの遠隔診療?在宅医療の展望:ICT(情報伝達技術)とAI(人工知能)の活用
2.
日本めまい平衡医学会 利益相反(COI)開示 演者:演題発表に関連し、開示すべき利益相反(CO I) 関係にある企業?団体等はありません。
3.
コンピュータがデータを反復的に学習し、そこに潜むパターンを見つけ出す。 学習した結果を新たなデータにあてはめ、将来を予測する。 機械学習 機械翻訳 Microsoft Translator, DeepL,
Google Translate,… 音声認識 Cortana, Siri, … 対話システム The Microsoft Cognitive Toolkit, NEC AIチャットボット, … 手書き文字認識 顔画像認識 自動運転 Tesla 医療画像診断 内視鏡画像診断 実 用 例
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医療分野での近年の研究例及び実用例 国立がん研究センター + 日本電気株式会社 -
2017年7月10日 - 大腸がん抑制を可能とする 人工知能にもとづく内視鏡 診断支援ソフトウェア 東京慈恵会医科大学 + エルピクセル株式会社 - 2018年8月17日 - 大腸内視鏡病変検出?鑑別診断 オリンパス - 2020年3月2日 - EndoBRAIN-EYE 約395万枚の内視鏡画像を機械学習 臨床性能試験では感度95%、特異度89% の病変検出精度を達成 井上謙一 - 2019 - マンモグラフィの自動判定
5.
機械学習の種類 教師あり学習 ラベル付きの手本(既知の望ましい 出力が決まっている入力など)を使 って学習を実行 ? 回帰 ? 分類 教師無し学習 ラベルのないデータに対して使われ る。
学習アルゴリズムに「正しい答 え」が与えられない ? 異常検出 ? クラスタリング ? 次元削減 強化学習 どの行動が最大の報酬を生み出す かを、試行錯誤を通して突き止める 将棋?チェス等のゲームに対する解 法を与える それぞれに各種アルゴリズムが存在
6.
機械学習 基本的に大量のデータを扱う 自動化?システム化された運用 モデルの構造の理解は困難 機械学習では総ての特徴量を加味して解析することが多い 統計解析 基本的に少量のデータを扱う モデルの構造を人間が理解したい 統計では単純に全体の傾向が知りたいというケースは少なく、 特定のサブグループに注目して傾向を分析するケースが多い 統計解析と教師あり機械学習の違い
7.
重心動揺検査 開眼 閉眼 重心動揺パターン ラバー負荷 開眼 閉眼 (イラストめまいの検査より) 求心型 左右型 前後型
不規則型 グラビーチャート開眼 ? 体平衡の状態を客観的に把握出来る。 ? 視覚による影響を定量的に見ることが可能(Romberg率)。 ? 経時的変化を見ることが出来る。 ? 病巣診断の意義は高くない。
8.
ROC曲線 統計解析や機械学習による前庭障害の推定 より良い前庭機能障害の推定を行うために ? 負荷検査等によりパラメータを増やす ? 解析処理方法(アルゴリズム)を改善させる ?
生データを直接評価に使用する 統計解析 機械学習 面積 速度 軌跡長 密集度 ロンベルグ率 パワーベクトル 最大???????法 生データを直接処理 重心動揺検査 機械学習 軌跡データ パラメータ 感度 1 – 特異度 前庭障害の推定
9.
パラメータを増やす場合 ラバー負荷検査 ラバー負荷検査により前庭障害の有無をより精度良く推定できる 総軌跡長 (cm/s) 外周面積
(cm2) 速度 開眼 ラバー負荷 開眼 ラバー負荷 閉眼 閉眼 ○ ○ ◎ ◎ ロンベルグ率 ラバー比 (開眼) ラバーロンベルグ率 ラバー比 (閉眼) Fujimoto C et al. Clin Neurophysiol 2009 速度(ラバー閉眼) 外周面積(ラバー閉眼) ロンベルグ率(速度、ラバー) ロンベルグ率(面積、ラバー) ラバー比(速度) ラバー比(面積)
10.
パラメータを増やす場合 最大エントロピー法 最大???????法(maximum entropy
method)による周波数解析も有効 従来のパラメータ 速度?面積 最大エントロピー法を活用 緑の線は、重心動揺検査のパラメータから前庭障害の有無を分離する境界線を示す。 MF AUC:最大???????法 / 0.1-1 Hz (Middle-Frequency range) AP: Anterior-Posterior direction LR: Left-Right direction 最大???????法により精度良く前庭障害を推定できる。 (Fujimoto C et al. Otol Neurotol. 2014) 前庭障害をより 精度良く分類 VD: Vestibular Dysfunction
11.
アルゴリズムの改善 新しいパラメータを探索する以外に、既存のデータをより有効活用する。 複雑なアルゴリズムにより、分類をより正確に行える。 taustation.comより ? 分類アルゴリズムを複雑な手法に変更する ? 深層学習
12.
重心データで機械学習アルゴリズムを評価 Prediction of Vestibular
Dysfunction by Applying Machine Learning Algorithms to Postural Instability (Kamogashira T et al. Front Neurol. 2020) 重心動揺検査のデータセットを用いて、末梢前庭機能障害を予測する様々な機械学習アルゴリズムを評価 対象 Learning & Growth *75名の前庭機能障害を有する症例 *163名の健常対照者 * 一般化線形モデル * アンサンブル法 * サポートベクターマシン * 決定木 * 多層パーセプトロン分類器 (深層学習) 評価したアルゴリズム (scikit-learn Python package) 評価方法 * K-foldクロスバリデーションにより各アルゴリズムの以下パラメータを評価 ? Recall (再現率) ? Area under the curve (AUC) of the receiver operating characteristic curve (ROC) 評価に使用したパラメータ *年齢?性別?身長 *重心動揺検査の左右及び前後方向の 0.01~10 Hz 及び 0.1~1 Hz の AUC *閉眼ラバー負荷の速度及び外周面積
13.
評価したアルゴリズムの一覧 一般化線形モデル ? Logistic regression ?
Stochastic gradient descent classifier アンサンブル法 ? Adaptive boosting classifier ? Bagging classifier ? Extra trees classifier ? Gradient boosting classifier ? Random forest classifier サポートベクターマシン ? C-support vector classification ? Nu-support vector classification 決定木 ? Decision tree classifier ? Extra tree classifier 多層パーセプトロン分類器 (深層学習) これらはscikit-learn Python packageに搭載されている
14.
K-fold クロスバリデーション ? 通常の統計処理では、モデル学習と評価は同じ標本で行うが、機械学習は異なる標本を使用する。 ?
クロスバリデーションは、機械学習のモデルを限られた標本数の状況において再サンプルする方法。 ? “K” はデータセットを分割する数を示す (naokiwifruit.com) Kグループに分割 検証用セット 学習用セット
15.
重心データから前庭障害を予測する各アルゴリズムのAUCの評価 ? アルゴリズムによっては同じデータから古典的な方法より良い予測を行う事ができる。 ? 深層学習が必ずしも良い結果を出す訳ではない。 ロジスティック回帰 ロジスティック回帰 深層学習 深層学習
16.
アルゴリズムのパラメータを変化させた時の評価 ? パラメータによって正答率は変化し、複雑なアルゴリズムが良い結果を出す訳ではない。 Gradient Boosting
Classifierのパラメータを変化させた場合の精度 決定木の数 決定木の深さ
17.
結果のまとめ テストした中で最も良いアルゴリズム ? Gradient Boosting
Decision Tree ? AUC(0.90±0.06) ? Recall(0.84±0.07) 古典的なアルゴリズム ? ロジスティック回帰 ? AUC(0.85±0.08) ? Recall(0.78±0.07) 複数のアルゴリズムをそれぞれの臨床データセットで評価する必要がある。 より良い最高の精度を得るためには、各アルゴリズムのパラメータの最適化が必要。 深層学習が必ずしも良い結果を出す訳ではない。
18.
機械学習の利点と欠点 ? 様々な問題に適用可能 ? 人間を上回る精度?速度が可能 ?
人間には扱えない大量のデータを処理可能 ? 良質なデータが必要 ? 学習のために高速な処理が必要なことがある ? 結果の解釈が困難なことがある ? パラメータの調整や特徴量の選択が困難 利点 欠点
19.
機械学習の死の谷 魔の川 性能がでない 死の谷 製品化できない ダーウィンの海 基礎研究から製品化の間に立ちはだかる障壁 効果が出ない ? 研究から実用化までなかなかたどり着かない。
20.
たくさんの良質なデータを集める必要がある ? 内視鏡画像に関する大型研究は日本でも複数行われていたが商品化は一つのみ ? ばらばらに研究するよりまとまって研究する方がよりよい結果 目標をはっきりさせる必要がある ?
末梢前庭障害等の診断精度を高めたいのか ? 紛れている疾患を見つけたいのか ? 転倒リスク等の評価に使用したいのか めまい平衡分野における実用化に向けて 臨床データに混在する多くのゴミに対処する必要がある ? データベース入力ミス ? 検査上の問題で検査結果が安定しない ? 発症初期と慢性期でめまい症状が異なるため、評価上加味する必要がある
21.
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