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? Internet Initiative Japan Inc.
上っ面スクラムチームにならないために気を付けたいこと
株式会社インターネットイニシアティブ
2022年6月18日
北河 直樹
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はじめに
昨年のScurm Fest Osaka 2021では、
私たちの「スクラムチャレンジ」の歴史から ”つまづき” と ”学び” を話ました
あれから1年… 新たな ”学び” を得ながらスクラムに取り組んでいます
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はじめに
ということで…
今年はこの1年で新たに学んだこと?つまづいたことを赤裸々に話します!
といってもプロセスの話はほとんどしません
プロセスよりも大切なことを話したいと思います
本日伝えたいこと
「上っ面スクラムチームにならないために」気を付けたいこと
? ビジネス?ドメインにどっぷり浸かろう
? プロセスばかりを気にするのではなく、目的を思い出そう
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自己紹介
? 名前
? 北河 直樹
? 所属
? 株式会社インターネットイニシアティブ
? ロール
? スクラムマスター、スクラムコーチ
? twitter
? @nk_tamago
詳細は twitter を見るか質問でもください! 生粋の東三河人
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自己紹介
? 私たちこんなことが得意です!
エネマネ みまもり
IoT
エネマネ 独居ケアみまもり 子供みまもり
スマートホーム
モバイル通信 サーバレス モバイルアプリ
AWS
アジャイル開発
チャレンジ精神
IIJ IoTサービス
IIJ モバイルサービス
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ちょっと聞きます
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開発ベンダーがやるスクラムの印象
これから表示するキーワードを見てどんな印象を持ちましたか?
思ったことを心に浮かべてください
SIerでアジャイル?スクラム
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開発ベンダーがやるスクラムの印象
どんな印象を持ちましたか?こんな印象ではないでしょうか?
怪しい
なんちゃって
スクラム
ビジネス
スクラム
なぜいい印象が無いのか?
それは「スクラムをやること」に 価値 を置いているように感じるからではないで
しょうか?
? スクラムやれば成功する
? 今の時代はスクラムでしょ
? スクラムやったら…
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私たちも開発ベンダーですがスクラムでやっています
スクラムチーム
私達がスクラムを取り組む理由
お客様
プロダクトオーナー
IIJ
スクラムマスター
開発者
× 7チーム
始めたきっかけは前回のスクフェス大阪で話しました
私たちが実現したいことに対しスクラム
が最適だった
お客様のビジネス
拡大に貢献
実現したいこと
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私達がスクラムを取り組む理由
ただし … 茨の道でした
ヤバイことをやっているなーという認識あります
ベンダーに限らず、様々な現場であることだと思います
? POが別部署でほとんど顔を合わせない
? POが上司でほとんど顔を合わせない
? …
_人人人人人人人人人人人人_
> POが近くにいない! <
 ̄Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y ̄ ̄
ベンダーがやるスクラム … お客様をプロダクトオーナーに据えたスクラム
抽象度を上げると … 近くにPOがいないスクラム
次のスライドからは理想と現実についてお話します
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理想と現実
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理想と現実
私たちが目指す、スクラムチームの理想形はどのようなものか?
ビジネス領域 開発領域
スクラムチーム
開発者
PO
? PO(お客様) と 開発者(ベンダー)
が対等に話せる関係性
? チーム全員が ビジネス領域
(お客様ドメイン) について会話
出来る
理想
開発者(ベンダー) もビジネスを意識した提案?実現が出来る
お客様のビジネス拡大に貢献
SM
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理想と現実
現実は非常に残酷です
? PO(お客様) と 開発者 (ベンダー)
に壁がある関係性
? POのみが ビジネス領域(お客
様ドメイン) について会話出来
る
ビジネス領域 開発領域
スクラムチーム
開発者
PO
現実
開発者?SM(ベンダー)は表面上でしか会話出来ず、ビジネス領域まで踏み込めれない
ビジネス拡大に貢献できない
開発ベンダーがスクラムをやる意味がない!
SM
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理想と現実
何故、これほどギャップがあるか …
3つの課題が見えた
開発者がプロダクト
オーナーの言われるが
ままになっている
スクラムをやることが
目的にすり替わってし
まっている
人の入れ替わりによる
チーム力の低下
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課題
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課題
開発者のマインドがPOの事業ドメインを理解しようとしていない
課題1:開発者がプロダクトオーナーの言われるがままになっている
開発者がPOとビジネス領域について対等に会話できるレベルに達していない
達していないと何が問題となるか?
? POに言われたことに対し疑問を持たなくなる
? 自身の価値観を基準として考えてしまう
? 開発者が待ちの姿勢になってしまう
「ふむふむ」「なるほど」
といった相槌が多くなってきたら注意
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課題
課題2:スクラムをやることが目的にすり替わってしまっている
なぜ私たちがスクラムを取り組んでいるか、心で理解出来ていない
「スクラムをやるんです!」
といった “スクラムのプロセスをやる” が目的になっている
“スクラムやる”が目的だと何が問題となるか?
? そもそも、なぜスクラムを取り組んでいますか?
? 私たちが実現したいこと覚えていますか?という話
「ふりかえりってやらないと駄目ですよね」
「本当のスクラムは…」
といった会話が出てきたら注意
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課題
課題3:人の入れ替わりによるチーム力の低下
積み上げたチームの信頼関係がリセットされてしまう
同じスキルセット?マインドの人はいない
人の入れ替えと、ちょっとした “きっかけ” でチームの歯車が狂ってしまう
歯車が狂うと何が問題となるか?
? メンバーのモチベーションの低下
? 負のスパイラル発生。全てが悪い方向に進んでしまう
(ま、いっか)
(…何も言わない…)
といった雰囲気になったら注意
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課題に対して取り込んでいること
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課題に対して取り込んでいること
私たちの取り組みの前提
ルール?マニュアル
で縛る
チェックリスト
で自己検査する
? すぐ抜け道を探す
? 都合よく解釈する
本質的な解決にならず
効果が薄いことが多い
? やりがちな取り組み ? 私たちの取り組み
心で理解して
もらう
本質を考えて行動出来る
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課題に対して取り込んでいること
課題1:開発者がプロダクトオーナーの言われるがままになっている
課題2:スクラムをやることが目的にすり替わってしまっている
課題3:人の入れ替わりによるチーム力の低下
取り組み1: 開発者のビジネス視点を鍛える
取り組み2: 啓発活動によって意識付けを継続に行う
取り組み: 啓発活動によって意識付けを継続に行う
取り組み1: 入れ替わることを可したチーム運営を行う
取り組み2: ちょっとした兆しを察知して早めに対処
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課題に対して取り込んでいること
取り組み1: 開発者のビジネス視点を鍛える
課題1:開発者がプロダクトオーナーの言われるがままになっている
会社間のお金の流れやモチベーションを知ることで、
何処がビジネスになるか?なりそうかを開発者が考えることを期待
依頼
出資
出資
出資
ビジネス価値?サービスを
生み出すものをチームで考え、
提案する
MVPを製造
仮説と検証をする
“想い”を理解
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課題に対して取り込んでいること
取り組み2: 啓発活動によって意識付けを継続に行う
課題1:開発者がプロダクトオーナーの言われるがままになっている
? 啓発絵本、能動的コーチングによって単なるPGにならないように意識付け
常に言い続けることで、心に刻まれることを期待
啓発絵本
? ”心に刻んでほしいこと” を
まとめた絵本
? ガチ資料や説教くさいと心
が拒絶してしまうため、絵
本で心に残るように工夫
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課題に対して取り込んでいること
取り組み2: 啓発活動によって意識付けを継続に行う
課題1:開発者がプロダクトオーナーの言われるがままになっている
? 啓発絵本、能動的コーチングによって単なるPGにならないように意識付け
常に言い続けることで、心に刻まれることを期待
能動的コーチング
? コーチが普段の現場へ積極的に顔を出
し、自然体でコーチングを行う
? 「なんでこれやるんだろ?」など話が
出たら「わからなければPOと話をし
ようよ!」のように促す
POと話しようよ!
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課題に対して取り込んでいること
取り組み: 啓発活動によって意識付けを継続に行う
課題2:スクラムをやることが目的にすり替わってしまっている
? Scrum Masters会、能動的コーチングによってなぜスクラムを取り組んでいる
か心で理解してもらう
理解を深め、意識をアップデートすることで、心に刻まれることを期待
Scrum Masters会
? SMが週1回集まり、スクラムのフレーム
ワークとしての共有?相談したいことを話
し合い、チームに持ち帰ってもらう会
? スクラムガイドを読み解く
? チームの困りごとや気付きを共有
スクラム!
スクラム!
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課題に対して取り込んでいること
取り組み1: 入れ替わることを可したチーム運営を行う
課題3:人の入れ替わりによるチーム力の低下
? ペアプロでスキトラを積極的に行う
? チームビルディングやJoinイベントなどチーム力を高める時間を大切にする
時間と努力を惜しまず、丁寧に対応することでチームが正常化することを期待
取り組み2: ちょっとした兆しを察知して早めに対処
? 能動的コーチングから異変を察知した or 4半期に1回 で1on1を実施する
? 丁寧に対応し着地点を探る
? 時間はかかるが、ここを丁寧に対応しないとチームは空中分解してしまう
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取り組み過程からの学び
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取り組み過程からの学び
取り組み過程からの学び1
「開発者のビジネス目線を鍛える」が鍛えていない状態で提案するとどうなる
か?の学び
? 提案を出していくチャレンジは良いこと
? しかし、ビジネス領域の知識が無い状態での提案は微妙な空気になるだけ
? ちょっとかじっただけで知った気になってはダメ
? 開発者は技術だけ磨けばよいではない
? ビジネス領域?事業ドメインを理解してこそ、その技術が活躍できる
薄い提案は余計なお世話
? どっぷり深い所まで浸かって、初めて提案のスタートラインに立てる
学び
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取り組み過程からの学び
取り組み過程からの学び2
「スクラムをやる」の目的を忘れてきたチームからの学び
? スクラムをやる目的を忘れてくると、イベントを減らす傾向になる
? 「 ふりかえりは絶対必要ですか?遅れているからやめたいんですけど」
? とか平気で意見が出てくる
? なぜやっているかが理解できていないチームの特徴
? ただ無心でイベントを行うだけなら時間のムダ
? やるからには実りのある時間にしよう
それってあなたがやりたいだけですよね
? 何のためにスクラムやっているんだっけを思い出せ
? プロセスをやっているだけでは何も生まれない。時間のムダ
学び
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まとめ
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まとめ
伝えたかったこと
「上っ面スクラムチームにならないために」に気を付けたいこと
? プロセスばかりを気にするのではなく、目的を思い出そう
? 目的を忘れたプロセスは時間のムダであることを理解しよう
? 人の記憶は時間と共に薄れていく。定期的に思い出す努力をしよう
? ビジネス?ドメインにどっぷり浸かろう
? ビジネス領域や事業ドメインを知る努力をしよう
? その業界を知らなければ何も生まれないぞ
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まとめ
プロセスだけの上っ面スクラムチーム
にならないように気を付けましょう!
皆さん、何のためにスクラムを取り組んでいますか?
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まとめ
IIJ名古屋支社は
横の繋がりやビジネスパートナーを募集しています!
私たちの活動に共感?興味を持ちましたら、
是非
一度お話しをしましょう!
一緒にビジネスを拡大していきましょう!

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