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経口抗血小板?抗凝固薬
筑波記念病院 血液内科
千勝 紀生
血栓の分類
動脈血栓(白色血栓) 静脈血栓(赤色血栓)
– 速い血流
– アテローム硬化に伴
う血栓
? 心筋梗塞
? 脳梗塞
? PAD

– 血小板の役割が重要
– 抗血小板薬が有効

– 遅い血流
?
?
?
?

深部静脈血栓
肺塞栓
心房細動
心原性脳梗塞

– 凝固系の役割が重要
– 抗凝固薬が有効
動脈血栓

静脈血栓

心筋梗塞
脳梗塞
PAD

心房細動
心原性脳梗塞
深部静脈血栓
肺塞栓

抗血小板薬
アスピリン
チエノピリジン系
シロスタゾール

抗凝固薬
ワルファリン
NOAC
抗血小板薬
? アスピリン
? チエノピリジン
系
– チクロピジン
– クロピドグレル

? シロスタゾール

? その他
– ジピリダモール

– サルポグレラート
– ベラプロスト
– リマプロスト

– トラビジル
– ジラセブ
– EPA

– オザグレル
抗血小板薬
? エビデンスがあるもの
– アスピリン
– チエノピリジン系
– シロスタゾール

? 効果に大きな優劣なし
– 検査で効果判定することができない
– 効果の証明には大規模スタディ必要
– 出血リスクとのバランスがベネフィットのポ
イント

? 併用では抗血栓効果も出血リスクも高ま
る
(循环器疾患における抗凝固?抗血小板疗法に関するガイドライン(2009年改订版)
アスピリン
? 作用は非可逆的
– 効果は5ー7日続く
– “中和方法”は血小板輸血のみ

?
?
?
?

豊富な使用経験
動脈血栓症リスクをおおむね20%減らす
75?160mg/day
心房細動による脳梗塞予防効果は20%程
度
チエノピリジン系
? チクロピジン(パナルジン)
? クロピドグレル(プラビックス)
? クロピドグレルの方が副作用少ない
– 肝障害
– TTP

? アスピリン100mgよりプラビックス75mg
の方が出血リスクが少なそう
シロスタゾール(プレタール)
? ラクナ脳梗塞:
– アスピリンと比べ、予防効果は同等で脳出血
が半分以下というスタディあり

? 末梢動脈疾患:
– 間欠性跛行を改善

? PCI後ステント血栓予防:
– ステント再狭窄抑制効果あるかも
?ただし副作用で心拍数増加
?またCHFで禁忌
その他の抗血小板薬
一般名
ジピリダモール

商品名
ペルサンチン

ペルサンチンL

サルポグレラート アンプラーグ
ベラプロスト

リマプロスト

ドルナー プロサイリン ケアロード
LA
ベラサスLA
オパルモン プロレナール

トラビジル

ロコルナール

ジラセブ

コメリアン

EPA

エパデール エパデールS

オザグレル

カタクロット
抗凝固薬
? 凝固因子の働きを阻害する
? ワルファリン
– VitK依存因子(VII、IX、X、II)産生阻害

? NOAC(Novel Oral Anticoagulant)
– 活性型凝固因子を阻害
? トロンビン(IIa)阻害(ダビガトラン)
? Xa阻害(リバーロキサバン、エドキサバン、アピキ
サバン)
? ヘパリン類
– ATとXa(側鎖が長い場合)、ATとIIaの結合を強化
=ATの作用強化(AT非存在下では効果なし)

? オルガラン
– 合成抗トロンビン(IIa)薬(AT非依存)
凝固系
金沢大学血液内科?呼吸器内科HP 血液凝固検査入門
http://www.3nai.jp/weblog/entry/28676.html

より
金沢大学血液内科?呼吸器内科HP 血液凝固検査入門
http://www.3nai.jp/weblog/entry/28676.html

より
ワルファリン
? ビタミンK依存凝固因子(VII、IX、X、II)
の産生を阻害(これらはVitK不足下では
PIVKAとなる)
? PT-INRで効果と出血のリスク管理可能
? 食事(VitK摂取)の影響大きい
? 薬剤相互作用多い
NOAC
ダビガトラン
商品名
抗凝固作用
適応

リバーロキサバ
ン

エドキサバン

アピキサバン

プラザキサ

イグザレルト

リクシアナ

エリキュース

抗トロンビン

抗Xa

NVAF

NVAF

下肢整外術後VTE予防

NVAF

ベーリンガー

バイエル

第一三共

BM/ファイ
ザー

80%

65%(活性体
36%)

35%

20%

Tmax

1?3hr

2?4hr

1?2hr

1?4hr

T1/2

12hr

8?11hr

5?11hr

8?15hr

2回/日

1回/日

1回/日

2回/日

生体利用率

6.5%

80%

50%

50%

剤形

Cap

Tab

Tab

Tab

150mg ×2

15mg ×1

30mg ×1

5mg ×2

製薬会社
腎排泄

投与回数

常用量
Practical Considerations for Using Novel Oral Anticoagulants in Patients With Atrial Fibrillation

Clinical Cardiology
19 NOV 2013 DOI: 10.1002/clc.22204
http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/clc.22204/full#clc22204-fig-0002
ワルファリンとNOACの比較
薬物
効果
副作用
モニタリング
採血頻度
中和薬

服用回数
薬物相互作用
薬価
保険適応
納豆
催奇形性

ワルファリン
(標準)
多い
PT-INR

NOAC
同等か、優位
少ない

多い
あり(VitK)

?
少ない
なし

1回
多い
安価
広い
禁
あり

1?2回
少ない
高価
限定
可
不明
抗血栓剤併用療法
? 出血は増える
– 抗血小板薬2剤
– 抗血小板薬+抗凝固薬

? 増加する出血にみあうメリットがあるか?
– 大規模スタディでしか有効性を検討できない
– NOACのデータは不充分
エビデンスがある併用療法
? 2剤(ダブルテラピー)
– 抗血小板薬2剤
? アスピリン+クロピドグレル

– 抗血小板薬+抗凝固薬

? 3剤(トリプルテラピー)
– 抗血小板薬2剤+抗凝固薬
ダブルテラピー(1)
抗血小板薬2剤
? エビデンスがある/ガイドラインで推奨
– PCI後ステント血栓予防
? 併用期間についてはステント性能との兼ね合い

– 脳梗塞二次予防(一部)
? 脳出血の増加が併用効果を打ち消さないことが重要
? 特に1年以上で未解決

? 薬剤選択
– アスピリン+クロピドグレル
? 標準

– アスピリン+シロスタゾール
? 脳梗塞ではより有効かもしれない
ダブルテラピー(2)
抗血小板薬+抗凝固薬
? エビデンスがある/ガイドラインで推奨
– 心房細動がある人に冠動脈ステント挿入

(CHA2DS2-VACs≧2点)
– 心房細動でワーファリン服用中の方におきたラクナ
梗塞二次予防
– 心房細動などでワーファリン服用中でさらに血栓が
見つかった場合

? 検証不能
– 由来不明(※)でアスピリン投与中の方に発見され
た心房細動
(※)原因が判明しなかったTIA
患者さんが覚えていない陳旧性脳梗塞

など
トリプルテラピー
? 「Afなどですでに抗凝固薬服用中の方で、
PCI施行、DES挿入後一定期間」
? ワルファリン+アスピリン+クロピドグ
レル
? ワルファリン+クロピドグレルの方がい
いかも(出血リスクが減る)?
– WOEST trial(Lancet, 2013, 381(9872):1107-1115)
– J Am Coll Cardiol. 2013 Sep 10;62(11):981-9
参考文献?サイト
(1)循環器
(2009年改訂版)
http://www.j-circ.or.jp/guideline/pdf/JCS2009_hori_h.pdf
(2)抗血栓薬服用者に対する
ライン
http://minds4.jcqhc.or.jp/minds/gee/20130528_Guideline.pdf
(3)金沢大学 血液内科?呼吸器内科ブログ 血液?呼吸器内科のお役立ち
情報
http://www.3nai.jp/weblog/index.html
(4)臨床に直結する血栓止血学(中外医薬社、2013年)
(5)土橋内科医院 院長ブログ ー心房細動な日々ー
http://dobashin.exblog.jp
(6)抗血栓療法トライアルデータベース
http://www.ebm-library.jp/att/index_top.html
(7)わかりやすい血栓と止血の臨床(日本血栓止血学会編)(南江堂、2011
年)

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