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作业标準书について
2014年11月5日
ク コンサルティングクレイン テクノ コンサルティング
Crane techno Consulting.
サイト URL:http://crane-techno.com/
1.”作業標準書”とは?(英語:Job instruction sheet)
作業者に作業標準を基づいて作業の仕方を示した指導書。
作業するうえで守らなければならないルールやコツをまとめたもの。
部品の持ち方、持つ位置、組み付け基準、使用する工具検査規格を記載。
*作業標準(英語:Manufacturing Standard )
作業条件、作業方法、管理方法、使用材料、使用設備その他の注意事項などに
関する基準を定めたもの。
2.なぜ、作業標準書が必要か
作業標準書がないと下記の問題が発生する。
1)作業者の作業方法ばらつきによる品質トラブル、標準時間
(ST)のバラツキによる生産台数の低下。
2)GOOD作業の未把握、未確定。
3)文書化していないと正確に伝達できない。
4)工場技術ノウハウの継承ができない。
5)作業改善する場合の各担当、部署間の情報の共有がしにくい。
6)新人作業者に正確に指導、教育できない。
7)不良品がお客様に流失する。
8)お客様からの品質保証文書の要求に応えられない。
3.作業標準書の目的
作業標準書は現場の作業の質の安定化、製品品質のバラツキを抑える為に行う、
標準的な作業内容を記載した文書である。
作業標準書
の目的
?作業の安定化
?製品品質のバラツキ減少
?納期確保
?コスト削減
4.作業標準書の種類
作業標準の種類は作業の管理、品質の管理、設備の管理に分けられる。
①作業管理用:
作業の質の安定による作業性、製品品質、コスト、納期の安定、向上を目的としている。
対象範囲としては加工、組み立て工程用の作業標準書等である。
②品質管理用:
検査業務が中心となり、作業標準化により適切な検査を実施することが可能となり、不良の流失を阻止
できる。受け入れ検査用、工程内検査用、完成品検査用に分けられる。
③設備管理用:
設備を正しく操作し、適切に保全することが目的である。
各設備毎の設備操作?作業標準書及び点検チェックシートで対応する。
作業の安定、改善
検査、測定誤差の減少
設備稼働率の安定、改善
作業管理用
品質管理用
設備管理用
QC工程表、作業標準書、図面、部品表、
仕様書、フローチャート
設備操作作業標準書、設備日常点検
シート、設備定期点検シート
検査用作業標準書、測定器校正手順書、
検査設備点検チェックシート
5.作業標準書の様式
作業標準書の決められた様式はないが参考に部品の組み立て
作業の作業標準書を右に記載する。
1)様式の項目の書き方
①製品名:加工しようとする製品名を記入する。
②製品番号:対象とする製品の固有品番を記入する。
③工程番号:QC工程表から転記する。
④工程名:作業標準を必要とする工程名を記入する。
⑤使用材料、部品:その工程で使用する材料、部品を記入する。
⑥使用設備、治具:その工程で使用する設備、治工具を記入する。
⑦作業手順:この工程で行う作業の内容をステップ毎に記入する。
⑧主なポイント:重要なポイントを記入、略図、写真、イラストで
理解しやすいようにする。
画像出典先:『QC工程表と作業標準書』 日刊工業新聞社から
5.1 作業標準書の書き方
①表現が簡潔であり分かりやすい。
箇条書きで短い文章で的確に内容を表現、「です、こと」等の言葉は不要。
②読み物ではなく視覚で分かりやすく。
イラスト、写真で視覚で内容が即時、わかるようにする。
③抽象的でなく、具体的であること。
抽象的事例:『炉の温度を40℃に設定する』
具体的事例:具体的に書く『ダイヤルA切り替え、計器Bのメモリを40°になるようにバルブCを調整』
又、官能検査の場合は見本を作成し、具体化させる。
④前後工程の抜けがないこと。
前後工程を良く調べ、前工程、本工程、後工程の間に抜けがないか確認する。
⑤初めから完璧を求めない。
仮でも良いのでまずは作成し、その後、改訂しいくようにする。
⑥工程リーダー(班長)が作業者へ作業説明する時の資料とする。
作業標準書は作業者に工程リーダーが説明する際の資料として簡潔に作成する。
5.2 作業標準書の作成部署
作業標準書は生産技術資料である。
作業標準書の作成部門としては下記のどれかが担当する。
技術部生産技術課
製造部生産技術課
品質保証部品質保証課
<作業標準書の管理部署の役割>
①原案作成もしくは他部署依頼
②原案審議のための会議開催
③原案の承認と清書
④登録台帳への記入とコピー配布
⑤コピー配布
⑥配布台帳への記録
⑦変更時の原紙の訂正とそれに伴う変更通知
⑧廃棄文書処分と登録台帳への記録
6.作業標準書の使い方
1.作業標準書は現場リーダーと作業者が使用。
作業標準書は現場リーダーが作業者に作業の説明する際の極めて重要な資料です。
また、現場リーダーの説明が終了した後でも現場に掲示してあれば、文書化してありますので
作業者が容易に作業の内容、ポイントを確認できます。
2.作業改善、不良低減、コストダウン、安全災害撲滅をする時に使用。
作業の改善を全員がアイデアを絞って検討する際に極めて貴重な資料となります。
3.お客様への工程説明用として使用。
クレーム等が発生した際、お客様に安心して再購入して頂くための重要な資料となります。
7.標準時間(ST)と作業標準時間
生産工程では生産計画の立案、結果の評価に当たり基準となる尺度を『標準時間』を設定している。
『標準時間』は『標準作業』から測定され、 『標準作業』は『標準作業書』から規定される。
作業標準書が作成されないと標準時間は決まらない。
1.標準時間の定義:
標準時間とは適正に習熟した作業者が定められた方法、条件の下で正常な作業ペースで仕事を
するときに必要であると定められている作業時間である。
標準時間
主作業時
間
正味時間
主体時間
付随時間
余裕時間
準備時間
正味時間
余裕時間
標準時間の構造:
8.作業標準書の変更管理
1.作業標準書の変更の必要性
得意先の要望による設計変更、コストダウンの為の加工方法の変更等の要因により
作業標準書は常に変更しなければならず、その変更システムが構築されていなけ
ればよいものづくりはできない。
1)使用材料の変更
2)作業内容変更
3)設備、治工具の変更
4)製造条件の変更
5)品質標準の変更
2.作業標準変更のための様式と手続き
右図の作業標準変更書にて各部署に連絡。
また、下記のように変更管理を徹底させる。
1)変更ルートの明確化
変更管理の主部門を決定変更、通知の情報ルートを決める
2)現場?管理事務担当者の決定
受け取り、保管、差し替えの事務担当者を決定し、指導する。
3)職場全員に連絡
職場全員に作業標準の変更を簡潔に通知し、該当担当者には変更連絡書を基に詳細に説明する。
画像出典先:『QC工程表と作業標準書』 日刊工業新聞社から
9.装置産業の作業標準書
化学工場、ライフライン事業(電力事業?水道事業?ガス事業など)等の設備、機械を主体した産業を
装置産業と呼び、作業者が主体として完成品を生産する組立産業とは大きく異なり、装置の管理が製品
品質を大きく左右する。
標準作業書としてはオペレーター用の設備操作用?標準作業書と設備管理用?標準作業書がある。
1.設備操作用?標準作業書
装置産業ではオペレーター(作業者)の役割は装置への材料投入、
製造条件設定、監視、サンプリングであり、この内容を記入する。
①材料投入の条件の指示、注意事項
②装置の初期条件の設定
③安全上に注意事項(加熱、加圧等)
④条件設定後の監視(モニター)の確認方法
⑤製品のサンプリングの確認方法
⑥異常発生時の処置方法
画像出典先:『QC工程表と作業標準書』 日刊工業新聞社から
2.設備管理用?標準作業書
設備管理とは生産設備の日常の運転?定期点検?補修などを行い、機能維持を行うことである。
①設備メーカー及び設備の取扱い説明書から必要とされる保守、点検方法を聞き、調査
その内容をイラスト、写真等で記載。
②保守に必要な材料、部品を調査し、記載。
③設備異常時のメーカー連絡先を確認、記載。
④日常点検シートの作成
日々の設備管理?標準作業書の確認、記録シート
として日常点検シートを作成。
⑤定期点検シートの作成
月、年毎の設備管理?標準作業書の確認、記録シート
として日常点検シートを作成。
2014年11月14日
ク コンサルティングクレイン テクノ コンサルティング
Crane techno Consulting.
参考文献:
1.QC工程表と作業標準書 日刊工業新聞社
サイト URL:http://crane-techno.com/

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