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教職協働のあり方に関する一考察
~教職課程認定申請業務を事例として~
松宮 慎治
(神戸学院大学 教務センター)
2013.9.8 JUAM2013
研究発表の流れ
1. 神戸学院大学のご紹介
2. 教職協働の過去と現在/定義
3. 教職課程認定申請とは?
4. 教職課程認定申請業務における教職協働
5. 教職協働が有効に機能する場合
6. 職員として(個人的に)意識したこと
1.神戸学院大学のご紹介
? 沿 革 :1912年に創立された私立森裁縫女学校がルーツ。
大学は、1966年、栄養学部栄養学科の単科大学
として開学。2007年にポートアイランドキャンパス
を開設し、2012年に法人創立100周年を迎えた。
2014年4月に現代社会学部を設置予定。
? 建学の精神 :『真理愛好?個性尊重』
? 教 育 目 標 :自主的で個性豊かな良識のある社会人の育成
? 学 部 数 :7学部(栄養、法、経済、薬、人文、経営、総合リハ
ビリテーション)、8大学院
? 学 生 数 :約1万人
? 卒 業 生 数 :役7万人
2.教職協働の過去と現在/定義
? 教職協働の過去
言葉の起源は定かではないが、立命館大学の「立命館大学自己点検
評価報告書(2003)」に記述が見られる(内藤,原2009)。
しかし、教員と職員の協働関係を「車の両輪」に形容する表現は、かな
り以前から存在したようだ。
? 教職協働の現在
「教職協働」は、ともかく大学人の間では広く認知される言葉となった。
「車の両輪」表現から、時間経過とともに発展的に生まれた言葉?
(過去)「車の両輪」?教員と職員では、ポジションが違う!
(現在)「教職協働」?ポジションにこだわらず、とにかく一緒に頑張る!
? 教職協働の定義
「教員と職員とが目標を共有しつつ協働して業務を遂行すること」
(山本2011)
3.教職課程認定申請とは?
②諮問
⑤答申
③付託    ①申請  ④結果報告  ⑥課程認定
中央教育審議会
(教員養成部会)
文部科学大臣
課程認定委員会 国公私立大学
現代社会学部 ― 現代社会学科(中学社会、高校公民)
- 社会防災学科(中学社会、高校公民)
の課程認定申請を行った(2013年5月末)。
4.教職課程認定申請業務における教職協働(1)
? 理念と構想の作成
ex.1)設置の趣旨に記載のある、Aという言葉はどういう意味ですか?
ex.2)この学科で学べば、Bのような人材を輩出できるのですか?
ex.3)では、学びの特長をアピールするために、Cのように記載しましょう。
? カリキュラムの策定
ex.1)このカリキュラムでは、認定されません。a、b、cの3つの科目を、
専門科目としてカリキュラムに追加してもらえませんか?
? 履歴?業績?シラバスの作成
ex.1)この業績では、厳しいです。もっとありませんか?
ex.2)このシラバスには、Xという内容が不足しています。追加しましょう。
?職員の立場でも、<教育の中身>にまで踏み込むことを意識
職員として、どの部分に、どのように言及したか?
4.教職課程認定申請業務における教職協働(2)
アンケートから分かること
? 教員が「良かった」と評価すること
?質問に対して、丁寧に、かつ早く回答すること
?参考となる資料の提供 など
? 教員が「悪かった」と評価すること
?事前の詳細な説明が欠けていたこと
?時間にゆとりがなかったこと
?書類作成の煩わしさ など
教員が職員に期待するのは、①スケジュール管理(時間の猶予を伴うもの)
②十分な説明(専門性を伴うもの)
5.教職協働が有効に機能する場合(1)
教職協働とは、「教員と職員とが目標を共有し
つつ協働して業務を遂行すること」(山本2011)
動機
(有)
(無)
C D
(有)目標(無)
AB
※目標とともに、動機も必要では?
5.教職協働が有効に機能する場合(2)
?昔は(ⅰ)だった??
?複雑な課題が増えるにつれて、(ⅰ)が難しくなってくる。
?必然的に、(ⅱ)or(ⅲ)となるが、意識して(ⅲ)に
持っていかないと、 (ⅱ)になりがち。
(ⅰ)役割分担型
(ⅱ)没交渉型
(ⅲ)摩擦型
教員 職員
教員 職員
教員 職員
6.職員として(個人的に)意識したこと
①当事者意識を持つ
?認定を受けられなければ、自分の責任。上司や組織の責任ではない。
?「先生が決めること」という言葉は責任からの逃走。一緒に考え、決める。
②よく学ぶ
?中教審の答申を読み込み、自分なりに咀嚼する。
?学習指導要領の解説書や、教員養成の専門誌を読み込み、教員養成につい
て、自分なりの考えを持つ。
?教員養成に対する文科省の考え方や、社会的な要請に対して、批判的な眼
差しを持つ。
?申請課程の学び(社会学)に興味を持つ。
③教員の弱みを補う
?申請書の全体像を整える。
?申請書提出に至るまでのスケジュール管理を十分に行い、その都度必要な
情報を提供する。
?誤字脱字、書式等、細かいところでも妥協しない。
おわりに
「人や自分に向かわずに、コトに向かう」
誰についていくとか、誰に評価されるとか、あるいは自分ができる、
できない、もう少し成長していかないといけないのではないか。そうい
うことに意識を向けるんではなくて、純粋なチームの目標や自分の目
標に向かって、それに本当に集中してみると、すごく充実した人生が
送れるんじゃないかと思います。
ここにいる人がどういう人なのか、まったくわからなくて、一人ひとり
の顔もよく見えません。ただ、おそらく、何か仕事を一生懸命にやって
いらっしゃる方々じゃないのかなと。そういう前提で話をしています。仕
事で輝く人生、それはプライベートなワークライフバランスを捨てろと
言っているのではなくて、そういったバランスを取りつつも充実したキャ
リアを歩むためには、私は「コトに向かう姿勢」が大事じゃないかなと。
人とか自分じゃなくて。そんなふうに感じているし、コトに集中できる
チームに呼ばれる人材であれたらいいなと思います。
(「グローバル?ウーマン?リーダーズ?サミット」特別講演 2013.7.2)
― 株式会社ディー?エヌ?エー取締役 南场智子
ありがとうございました

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