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課程認定申請大学からの事例報告
~指摘事項を中心に~
松 宮 慎 治(神戸学院大学)
2014.5.25 2014年度全私教協
第34回(2014年度)研究大会 第5分科会
はじめに
複雑な課程認定制度
↓
いきなり「課程認定の手引き」と格闘
↓
細部のみを見ることになり、本質が置き去りに……
↓
充実した教職課程の実現は困難
新田正樹,松本眞(2012)『SYNAPSE』第17号
大切なのは、本質(内容、中身)
しかし、こんなことは当たり前である。
わかっていても、難しいのはなぜか?
本来は??????
→ このくらいの割合で仕事をしたい
現実には??????
→ このくらいになってしまう??????
忘れてはいけない
→ 内容の方が絶対に大事
たとえ比率が
このくらいでも??
課程認定申請数の推移
(出典:中央教育審議会 初等中等教育分科会
教員養成部会 資料)
0
200
400
600
800
1000
1200
1400
大学数
課程数
主な変更点(H24~H26にかけて)
①提出期日前倒し
?6月末から5月末、さらに3月末へ
②「審査回数」の制限が誕生
?原則2回まで
③教員審査省略の原則廃止
?一部の例外はあるが?????。
④様式の一部変更
?2号、4号、8号ア、シラバス
認定を受けるための条件(1)
「課程認定基準」
(教員養成部会:平成21年5月18日最終改正)
をクリアすればいいのだが??????
? 教職課程認定審査運営内規(教員養成部会:平成20年6月10日最終改正)
? 教職課程認定審査の確認事項(課程認定委員会:平成20年12月3日最終改正)
? 学科等の目的?性格と免許状との相当関係(教員養成部会:平成21年2月27日)
? 教職課程認定基準で定める「共通開設科目」の取扱いについて(文科省事務連絡:平成22年3月23日)
? 学科等の目的:性格と免許状との相当関係に関する審査基準(課程認定委員会:平成23年1月20日)
? 教育又は研究上の業績及び実績の考え方(課程認定委員会:平成23年3月9日)
など、細かい追加事項(「課程認定基準」の運用)あり
要確認
認定を受けるための条件(2)
①名称と免許教科の関連があるか
?経営学部で体育?学際系の学部は?
②学位プログラムとの関連があるか
?卒業所要単位数はどのくらい?
③科目の開設体制は適切か
?共通開設の考え方には違反してない?
認定を受けるための条件(3)
学際系の学部は、認定困難。しかし???
?カリキュラムの組み方によっては可能
神戸学院大学の申請課程(1)
平成25年度
現代社会学部(平成26年4月開設)
?現代社会学科(入学定員:120)
?社会防災学科(入学定員: 80)
両学科で、それぞれ
中一種免(社会)?高一種免(公民) を申請
神戸学院大学の申請課程(2)
平成26年度
グローバル?コミュニケーション学部(平成27年4月開設)
?グローバル?コミュニケーション学科英語コース(入学定員:90)
?中一種免(英語)?高一種免(英語) を申請
総合リハビリテーション学部(平成27年4月改組)
?社会リハビリテーション学科(入学定員:90)
?高一種免(福祉) を申請
主な指摘事項
「教科に関する科目」の配置方法
①「自学科等開設の科目」の考え方
②「教科に関する科目」の、
学位プログラム上の位置づけ
「教科に関する
科目」の開設例
施行規則に
定める各分野の
半数までは、
自学科で開設
(前提)
中学校(社会)
施行規則に定める科目区分 授業科目
○
●
○
●
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○:自学科開設
●:他学科開設
混じり気がある
純度100%!!
日本史及び外国史
地理学(地誌を含む。)
「法律学、政治学」
「社会学、経済学」
「哲学、倫理学、宗教学」
自学科等開設の科目(1)
×
学則上、
当該科目が単独で
各学科に開設
されていればよい
○
学則上、
当該科目が単独で
専門科目として
各学科に開設
されていればよい
ポイント:自学科等で開設される科目とは、
専門科目 (卒業要件科目)のこと
自学科等開設の科目(2)
1.共通教育科目
(各学部の科目表を掲載)
2.専門教育科目
(各学部の科目表を掲載)
3.教職課程に関する科目
(1)教職に関する科目
(各学部の科目表を掲載)
(2)教科に関する科目 ※
(各学部の科目表を記載)
※専門科目と重複するものは除く
学則上、単独で
開設されている!
=OK!
という
(あまりに都合
の良い)
解釈に到達??????
学則のカリキュラム表:その体系
自学科等開設の科目(3)
× ○
解決策:専門科目に組み入れる
現代社会学部 専門科目
授業科目 単位数
現代社会入門 2
近現代史 2
?
?
?
?
?
?
地域行政論 2
○ 2
○ 2
教科に関する科目
現代社会学部(社会)
授業科目 単位数
● 2
● 2
人文地理学
?
?
?
?
?
?
倫理学概論 2
宗教学概論 2
現代社会学部 専門科目
授業科目 単位数
現代社会入門 2
近現代史 2
?
?
?
?
?
?
地域行政論 2
教科に関する科目
現代社会学部(社会)
授業科目 単位数
● 2
● 2
人文地理学
?
?
?
?
?
?
倫理学概論 2
宗教学概論 2
「教科に関する科目」の
学位プログラム上の位置づけ(1)
× ○
ポイント:当該課程で、カリキュラムが完結するか
A
学
科
基
礎
科
目
X学部基礎科目
B
学
科
基
礎
科
目
ココから、
「教科に関する
科目」
を選択
ココから、
「教科に関する
科目」
を選択
A
学
科
専
門
科
目
B
学
科
専
門
科
目
「教科に関する科目」の
学位プログラム上の位置づけ(2)
× ○
解決策:科目群の名称変更
専門基幹科目
↑
専門基礎科目
↑
共通教育科目
ココから、
「教科に関する
科目」
を選択
学科専門分野科目
↑
学科基礎科目
↑
学部基礎科目
↑
共通教育科目
ココから、
「教科に関する
科目」
を選択
その他の指摘事項
①様式第2号(教科に関する科目)
②シラバス
③様式第4号
その他の指摘事項(1)様式第2号
?「法律学、政治学」のような科目区
分では、一般的包括的内容を含む科
目さえあれば、配置する科目は一つ
でもよい。
(つまり、独自の特徴を出しやすい)
その他の指摘事項(2)シラバス
?66条の6の体育には、全科目に理
論と実技の両方が必要
?教科の指導法/道徳の指導法/
特別活動の指導法では、テキストか
参考書に学習指導要領必須
?道徳の指導法にも、模擬授業が必
要
その他の指摘事項(3)シラバス
?生徒?進路指導の理論及び方法では、進路指導を充実さ
せること
?教育の基礎理論に関する科目のうち、障害のある幼児、
児童及び生徒の心身の発達及び学習の過程を含む科目
は、この含めるべき事項の内容を充実させること
?教育の方法及び技術の科目では、含めるべき事項の、
情報機器及び教材の活用の内容を充実させること
?進路指導、障害を持つ子ども、情報教
材の活用は(大切だから)それなりの分
量を!
その他の指摘事項(3)シラバス
?「生徒指導論(進路指導を含む。)」
のように、「( )」付の科目名称は望ま
しくない。
?「生徒?進路指導論」へ変更
その他の指摘事項(3)様式第4号
?業績には、未来のものを記載しない
こと(出版予定、印刷中等)
予め注意したこと
(指摘されたわけではない)
①様式第2号(教科に関する科目)
②シラバス
③様式第8号ア
予め注意したこと(1)様式第2号
?「教科に関する科目」と、卒業所要単
位を30重ねる
?X単位重なっていればOK,
というような基準はない。
予め注意したこと(1)シラバス
授業計画のところで、
?同一テーマを列挙
?回数をまとめて記述
?テストのみの回を設ける
評価のところで、
?出席点を設ける
? 全て厳禁
予め注意したこと(1)様式第8号ア
?読み易さ
?既存の教科教育への問題意識
?学科での学びと、免許教科との関わり
?平成24年8月答申の内容を反映
?誰が読んでも分かる文章を!
H25年度のスケジュール
5/31 申請書提出
8/26 事務局指摘(1回目) 締切9/5
9/12 事務局指摘(2回目) 9/20
10/ 4 抜刷提出
10/ 1 課程認定委員会指摘(1回目) 締切10/23
10/31 課程認定委員会指摘(2回目) 締切11/ 5
2/ 5 中教審答申にて、認定可とされる
?H27年度認定課程のスケジュールは、
大体同じになるはず。
今後の課題
?免許制度の抜本的見直しの可能性
?担当者から見た課程認定制度の課題
?担当者の役割(何が必要か?)
免許制度の抜本的見直しの可能性
?「教員の養成?採用?研修の改善に関
するWG」の動向
?ともかく、影響が大きい。
?心の準備が今から必要。
担当者から見た課程認定制度の課題
?直近の申請課程のみが最適化され、既
存の課程はおざなりになる可能性
?大学は、行政の「後追い」になりがち(守
備的運営)
?私学として、
攻撃的運営を行う気概を持ちたい。
担当者の役割(何が必要か?)
?当事者意識
?なぜ?
?教員から信頼され、協働すること
?そのためには?
?楽しむこと
?せっかくなら???
おわりに
これまでのこと
形式的に科目を配置して、適当に申請する例
が多かった。
これからのこと(何が求められるか)
特に重視しているのは、教員養成のポリシー
と、カリキュラムの2点。
∴形式から内容へ

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