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教师の资质能力への评価に関する现状と课题
松 宮 慎 治 (神戸学院大学)
2016.09.11.
大学行政管理学会 定期総会?研究集会
於:慶應義塾大学 三田キャンパス
主要な結論と含意
◇主要な結論
?政策レベルの議論は,少なくとも20年間は大き
く変化していない
?学術→政策→制度のサイクルは成立しにくく,
制度が先行する傾向にある
◇含意
?制度に反映されなければ「なかったこと」になる
かもしれない一方で,一度制度に反映されると固
定化するという問題もある
?固い制度のもとでは,そこからの逸脱が現実的
な手段として用いられすぎる可能性がある
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問題と目的
?教師の資質能力に関する議論が喧しい
が,関与するアクターやレベルは,(当然
のことながら)きわめて多様である
?にもかかわらず,現状が必ずしも十分整
理されることのないまま,アクターの具体
的な行動が短期的に変わることが多い
→教師の資質能力への評価に関する先
行研究を披見し,現状と課題を素描する
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方法
?以下の3つのレベルごとに教師の資質能
力への評価の現状を検討する
(1)政策レベル
政府の審議会答申
(2)制度レベル
法に基づき制定された枠組み
(3)学術レベル
教師の資質能力等に言及する学術論文
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考察(1)政策レベル
?教師の資質能力をめぐって影響力をもつ
答申は,中教審,臨教審,教養審である
?「養成」「採用」「研修」という著名な枠組
みは,臨教審の第2次答申(1986年)で輪
郭を示したものである(加野 2010)
?中でも90年代後半の教養審答申は,修
士レベル化やライフステージに応じた資質
能力など,10年代の中教審の答申事項の
多くに,具体的に言及している
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考察(2)制度レベル
?教育職員免許法制定(1949年),介護等
体験特例法制定(1997年),「抑制方針」
の撤廃(2005年),教職大学院制度新設
(2007年),教員免許更新制の導入(2007
年)の5点が強い影響をもつ
?これらの基盤となるのは教育職員免許
法の「相当免許状主義」であり,資格とし
ての免許状の様態に議論が焦点化される
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考察(3)学術レベル
①スタンダード?モデル:課程主義から修得主義
への転換を試みるもの(たとえば,別惣?渡邊編
2012)
②コンピテンシー?モデル:DeSeCoプロジェクト
によるキー?コンピテンシーと,教師の力量を紐
づけるもの(たとえば,立田 2014)
③専門職モデル:「地位」「知識?技術」「実践」
の3領域から教師を専門職と捉えてきた(今津
1996)もの。学位水準との親和性が高い(たと
えば,佐藤 2015)。
→以上3点が近年の政策?制度と関連が深い
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考察(4)主要な結論―統合分析
教師の資質能力という観点からすれば,
?「政策」レベルでは,(少なくとも)20年近く
変わらない議論がなされている
?「学術」→「政策」→「制度」→再び「学術」
による検証,といった(本来望ましい)時系
列の因果モデルは仮定しにくい
?最も強い影響力をもつ主体は,結局のと
ころ「制度」になっている
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考察からの示唆
?日本の教師教育は,伝統的に「制度」先行の
メカニズムをもつようである。このため,「制
度」に反映されたもの以外は,いわば「なかっ
たこと」になってしまう。「なかったこと」にしな
いためには,「政策」や「学術」の側面から常
に後押しする必要がある
?同時に,「制度」の設計はコストが高いので,
一度決定?開始されたことは変更されにくいと
いう問題が残る
→過剰な「脱連結(decoupling)」(Meyer &
Rowan 1977)が促進されるかもしれない
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限界と課題
?3つのレベルが互いに独立して存在する
ことを暗黙裡に仮定している。加えて,因
果関係を限定しすぎている
?近年の審議会答申の存在感の薄れ(≒
近年では,内閣下の「教育再生会議」「教
育再生実行会議」の提言等が,審議会答
申に波及する)が考慮されていない
?橋本(2009)が指摘するような,採用市場
の需給バランスの影響が無視されている
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引用文献
11
?今津孝次郎(1996)「教師専門職化の再検討」『変動社会の教師教
育』(名古屋大学出版会),pp.42-68.
?加野芳正(2010)「臨教審以降の教師教育政策の検証」『日本教師
教育学会年報』19,pp.8-17.
?佐藤学(2015)『専門家として教師を育てる―教師教育改革のグラン
ドデザイン』(岩波書店)
?立田慶裕(2014)「学び続ける教師のために」『キー?コンピテンシー
の実践―学び続ける教師のために』(明石書店),pp.145-185.
?橋本鉱市(2009)「教員―未完の計画養成」『専門職養成の日本的
構造』(玉川大学出版部),pp.104-125.
?別惣淳二?渡邊隆信編(2012)『教員養成スタンダードに基づく教員
の質保証』(ジアース教育新社)
?Meyer, John W. and Brian Rowan. , 1977, “Institutionalized
Organizations: Formal Structure as Myth and Ceremony” American
Journal of Sociology,83(2): 340-363.
主要な結論と含意(再掲)
◇主要な結論
?政策レベルの議論は,少なくとも20年間は大きく変化
していない
?学術→政策→制度のサイクルは成立しにくく,制度が
先行する傾向にある
◇含意
?制度に反映されなければ「なかったこと」になるかもし
れない一方で,一度制度に反映されると固定化すると
いう問題もある
?固い制度のもとでは,そこからの逸脱が現実的な手
段として用いられすぎる可能性がある
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*この報告は,大学行政管理学会2015年度若手
研究奨励金による研究成果の一部です。

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