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運動連鎖に基づく
姿勢?動作分析からの治療展開
東馬込しば整形外科
リハビリテーション科
中村祐太
自己紹介
【所属】
東馬込しば整形外科 リハビリテーション科 主任
国際医療福祉大学大学院医療福祉学研究科保健医療学専攻理学療法学分野
みんなの輪~未来リハ研究会~ 副代表
【資格】
理学療法士、認定理学療法士(運動器)、呼吸療法認定士
【経歴】
東京都内の急性期病院に勤務後、外来整形外科クリニックの立ち上げに携
わり、現在は一般整形外科?スポーツ傷害?慢性疼痛を専門にリハビリ
テーションを提供している。また、みんなの輪の副代表として教育活動を
行うほか、大学院に在籍して研究?執筆活動も行っている。
コース概要
? Day1:姿勢?動作分析の基礎と触診
? Day2:静的姿勢分析、動的姿勢分析
? 顿补测3:基本动作分析、歩行分析
Contents
1.基礎バイオメカニクス
2.重心、筋緊張、運動連鎖の基礎
3.姿勢?動作に影響する要因
4.触診
5.姿勢?動作と症状の関係
姿勢?動作を診る
?姿勢?動作を診ることは、目的ではなく手段。
?姿勢?動作を診ることで何を得るかが重要!
観察から分析へ
? 学校で習う姿勢?動作分析は関節の位置、
動作の可否、運動の方向など現象を捉える
だけの観察が中心。
? 実際の臨床では、その観察した現象から他
の評価との関係性や症状の原因を予測?考
察する分析力が必要。
観察→分析
常に「なぜ?」を考える
? 姿勢?動作を分析するためには、常に「な
ぜその現象が起きているのか?」を考える
。
? 目の前の現象をどのように解釈し、治療に
展開していくかが重要。
良い姿勢とは
筋の内的モーメントが最小限
になるようにすること。
骨で支える
構造的スタビリティ
基礎バイオメカニクス
静止立位では
重力として
上方から力が加わる。
筋の内的モーメント
角加速度が発生すると、
それに対する筋による
内的モーメントが働く。
モーメントの基礎
? 内的モーメント:筋活動などの内力によって
発生するトルク
? 外的モーメント:重力など外力によって発生
するトルク
? 内的モーメントは当該関節位置とそれより上
位の質量中心で決まる。
身体の重心位置
上半身重心(uCOG)
第7~9胸椎
身体重心(COG)
上半身重心と下半身重心の中点
下半身重心(lCOG)
大腿骨上の上から1/3と1/2の中点
身体重心≠骨盤
? 骨盤の位置が変化しても身体重心が変化し
なければ、関節モーメントは変化しない。
身体重心前方位 骨盤前方位
関節の位置関係
? 絶対的位置関係:
空間上(比較対象がない状態)での位置
? 相対的位置関係:
他の骨(比較対象がある状態)に対する位置
ex)胸郭に対する骨盤の位置
姿勢から考察する筋緊張
① 身体を分節化する
② 各分節の相対的位置関係をみる
③ 各分節にかかる関節モーメントを把握
④ 収縮すべき筋を推測
体幹アライメントとスティッフネス
台形対応 平行四辺形対応
長さー張力曲線
? 筋長によって筋張力は変化
する。
? 適切な張力を発揮できる位
置は筋によって異なる。
? つまり、関節アライメント
が筋張力に影響する。
運動連鎖(関節運動連鎖)
?上行性と下行性がある。
?固定部位によって変化する。
(荷重位と非荷重位)
?どの部位でカウンターを作る
かによって戦略が異なる。
足部回内 足部回外
下腿内旋 下腿外旋
大腿外旋 大腿内旋
骨盤前方回旋 骨盤後方回旋
運動連鎖(筋筋膜連鎖)
?筋膜は全身の組織を連続的
に覆っている。
?内臓ともリンクしている。
筋膜や内臓の影响
姿勢?動作に影響する要因
? 骨格系
骨の歪み、関節の位置関係
? 筋?筋膜系
筋緊張(張力)、スティッフネス(硬さ)
? 内臓系
内臓の硬さ、既往歴?手術歴
? 精神?心理系
ストレスなど
レイヤーパルペーション
? 身体は層構造になっている。
? 目的としている層をとらえる必要がある。
? 组织ごとの感触の违いを见极める。
前額面のランドマーク(前)
目、耳、顎関節の高さ
肩峰、肩鎖関節、胸鎖関節の高さ
胸骨の傾き、肘関節(内?外側上顆、肘頭)の高さ
各肋骨の高さ(特に第12肋骨)
腸骨稜、ASIS、大転子の高さ
膝関節(内?外顆、膝蓋骨、腓骨頭)の高さ
足関節?足部(内?外果、各足根骨)の高さ
横アーチの形状
前額面のランドマーク(後)
後頭骨、乳様突起の高さ
肩峰、肩甲骨上角?下角の高さ
各脊椎の傾き、第12肋骨の高さ
腸骨稜、PSIS、大転子の高さ
足関節(内?外果)の高さ
下腿骨、距骨下関節、踵骨の傾き
矢状面のランドマーク
頭部の位置、後頭隆起と頬骨弓下縁を結ぶ線
肩峰の位置、胸郭の輪郭
脊柱の彎曲の程度
骨盤の傾き(ASISとPSISを結んだ線)、大転子の位置
膝関節の位置
下腿骨の傾き
内?外果の位置、縦アーチの形状
水平面のランドマーク
頭部の捩れ(後頭骨の突出の程度)
肩甲帯の捩れ(肩峰を結ぶ線)
脊柱?胸郭の捩れ(棘突起の向き、胸郭の突出の程度)
骨盤の捩れ(ASISを結ぶ線、PSISを結ぶ線)
股関節の捩れ(大転子の向き)
膝関節の捩れ(膝蓋骨、脛骨粗面、腓骨頭の向き)
足関節?足部の捩れ(内?外果を結ぶ線、足尖の向き)
姿勢?動作と症状の関係
? 姿勢?動作が悪いから痛みが出る
?姿勢?動作が原因
ex)膝が内反しているから膝内側が痛い。
? 痛みがあるから姿勢?動作が悪くなる
?姿勢?動作は結果、代償的に起きている
ex)膝内側が痛いから膝を内反させている。
因果関係を評価する
? 姿勢?動作を修正して再評価してみる
?症状↓の場合は姿勢?動作が原因
?症状↑or→の場合は姿勢?動作は結果or無
関係
因果関係を評価することで
治療の方向性を決定する。
評価の構造
KJ法(並列)の構造 評価本来の(並列?直列)の構造
まとめ
? 姿勢?動作分析は重要だが鵜呑みにしない。
? 姿勢が曲がってるからといって、短絡的に
修正しない。
? 症状との関係性を評価して治療を展開して
いくことが重要。

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