第4回AI美芸研「アンドロイド芸術解剖学」
2016年12月10日(土)16:30-19:45 青山ブックセンター
http://aloalo.co.jp/ai/research/r004.html
ミケランジェロ、ロダン、人工知能
中ザワヒデキ(美術家/AI美芸研代表)
原石を削って磨く彫像の制作は、ミケランジェロにとっては「人を創る」ことを意味した。物質という牢獄から、イデアたる魂を顕す形態を、解き放つと考えていたのだ。これはイデア論的、トップダウン的に記号で人工知能を作ろうとする「シンボリズム」(記号主義)に似た立場と言える。一方、粘土を寄せ集めて肉付けする塑像の制作は、ロダンにとっては「混沌の美」の創発だったのではないか。物質感を謳歌しつつ、様々な部分を結び合わして恐ろしい全体と為した。これは学習単位の原子論的、ボトムアップ的な集積構造として人工知能を作ろうとする「コネクショニズム」(結合主義)に似た立場と言える。
※「中」だけ漢字、「ザワヒデキ」が片仮名の芸名は医学部在籍時より使用。「バカCG」を経て「方法主義宣言」「新?方法主義宣言」「人工知能美学芸術宣言」。3Dプリンタ関連特許、著書『現代美術史日本篇』他。文化庁メディア芸術祭審査委員。代表作は《盤上布石絵画》《金額》《脳波ドローイング》。
http://aloalo.co.jp/nakazawa/