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吸入デバイス指導の
ポイントとピットフォール
浜の町病院 薬剤部 古賀 清弘
■ 吸入指導はどのタイミングで
実施しますか?
初回 + 不定期
16名
初回のみ
2名
■ 初回の吸入指導に要する時間は
どの位ですか?
5~10分
9名
5分未満
7名
無回答
2名
初回の吸入指導に要する時間は5~10分が50%と多く、
吸入指導のタイミングは「初回+不定期」が88.9%とかなりの
割合を占めていました。
■ 初回の吸入指導で実施しているものを教えて下さい
吸入手技、副作用など安全性、アドヒアランスの重要性は70%以上で実施
疾患?病態、薬剤の特性、コントローラーとリリーバーの違いは30~40%で実施
■ どの程度の患者さんが吸入手技を理解されていると思いますか?
ほとんどの人が
理解している
6名
ある程度の人が
理解できている
12名
■ 吸入指導は自信を持って出来ていますか?
はい
10名
いいえ
8名
(無回答2名含む)
? ?
■ 吸入薬の特徴
欠点
利点
噴霧にある程度の握力が必要 吸入手技の工程が1~2個多い
吸気力が低くても吸入しやすい 添加物がないため刺激が少ない
噴霧と吸気を同調する必要がある ある程度の吸気力が必要
添加物にエタノールを含むものがある 口腔内に薬剤が残りやすい
エアゾール
レスピマット
ドライパウダー
DPI(dry powder inhaler)pMDI(pressurized meterdose inhaker)、SMI
大量の薬剤を充填できる 噴霧と吸気を同調する必要がない
● ブリーズヘラー
ドライパウダーに分類されるが、カプセル充填タイプのため
吸入後に目視で残薬があるか確認できる。
60.9
62.6
25.3
18.8
29.5
15.8
0
10
20
30
40
50
60
70
息を吐く 息をとめる ゆっくり吐く 用法用量 保管 うがい
(%)
調査結果
吸入手技を十分に理解出来ていなかった人の割合
息を吐く 息を止める ゆっくり吐く 用法用量 保管 うがい
70
60
50
40
30
20
10
0
良好
30.4%
不良
21.1%
不十分
48.5%
(n=18886)
■ 喘息治療している患者のコントロール状況 ■ ICSおよびICS+LABA配合剤の服薬状況
19.3%
25.4%
8.3%
47.0%
完全に守れている
稀に忘れる
時々忘れる
あまり守れていない
大田健ほか: アレルギー?免疫. 17: 2046-2054, 2010
■ 吸入を守れない理由
(%)
毎日服薬すると副作用が心配だから
薬剤費が高いから
症状や発作がゼロにならないから
吸入する時にせき込んだり
のどに違和感が残るから
喘息のお薬だけでも複数を
併用しなければならないから
その他 (n=1,331)
0 20 40 60
50.3
40.1
23.1
23.1
22.3
15.5
9.0
7.2
19.9
10 30 50
大田健ほか: アレルギー?免疫. 17: 2046-2054, 2010
発作の時だけ服薬すれば良いと思うから
毎日服薬するのが面倒だから
すぐに効果が実感できないから
■ 正しく吸入できるまでの吸入指導の回数
正しく吸入
できていた患者群
1回
45.7%1回再指導を行えば
正しく吸入
できた患者群
2回
40.0%
3回
11.4%
4回 2.9%
約50%は再指導により正しく吸入できるようになった。
小沼利光ほか: 日病薬誌. 44: 1615-1618, 2008
■ 吸入指導が呼吸機能の改善率に与える影響
久保裕一, 東田有智: 喘息. 18: 64-68, 2005
再度
吸入指導
(%)
(月)1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18-1 0
1回目の
吸入指導
2回目の
吸入指導
20
5
15
10
0
-5
の
改
善
率
P
E
F
吸入指導は1人の患者さんに複数回行う必要がある
効果
吸入手技
ポイントとピットフォール
■ 患者さん用吸入説明用紙
④ 吸入器にある穴を塞がない * 吸入口のくわえ過ぎにより穴を塞ぐこともある
? 上部(吸入口)をクルクル回さない
⑤ 全ての薬剤で吸入後はうがいを行う(口腔内カンジダ/嗄声の予防)
もしうがいを行えない状況ならば食前に吸入を行いその後食事をする。
① 全ての操作を「音」が鳴るまで確実に行う * レルベアは音が鳴った後少し戻るが問題なし
③ 吸入前後の「息吐き」を吸入口の穴に向かって行わない
② 薬剤をセット後は吸入口を下にしない
レ シ フレルベア シムビコート フルタイド
シ
ポイント
? 薬剤をセットする時はまっすぐに立てて行う * フルタイドは水平にして薬剤をセットしなくても可
フレ シ 共通
のみの注意点
? カサカサの音は薬剤ではなく乾燥剤のためカウンターが0ゼロになっても鳴る
? 「クル → カチ → クル」ではなく「クル → カチ」で吸入する
ドライパウダー
① 穴の形に合わせてカプセルをセットする * 吸入口からカプセルをセットしない
② 両サイドのボタンを押したまま吸入しない
③ 吸入器の両サイドにある穴を塞がない
④ 吸入後にカプセルを見て残薬がないか確認をする * カプセルが半透明のため目視で確認可能
⑤ 吸入後はカプセルを手で触らずに捨てる
⑥ オンブレス/シーブリ/ウルティブロを吸入後にもうがいを実施する
(口腔粘膜からの吸収や飲み込むことによって引き起こされる副作用予防のため)
ポイント
シーブリ?オンブレス?ウルティブロ ブリーズヘラー
④ 1回2吸入の時は約1分間 間隔をあけ呼吸を整える
② エアゾールはドライパウダーと異なりゆっくり深く吸う * 深呼吸のイメージで吸入する
① 薬剤を均一にするため毎回吸入前によく振る * オルベスコは不要となっている
⑤ 吸入後にうがいを実施する
⑥ 吸入器を逆さにして吸入しない * 一定量の薬剤が噴霧されない可能性がある
? 新品を使用する時は空噴霧を2回 3回 4回 行う は不要
? 補助器(フルプッシュ)をセットして患者に渡す
ポイント
メ
オ オルベスコ フ フルティフォーム メ メプチン サ サルタノール
フオ
フ
サルタノールIFより抜粋
フ サメオ 共通
その他の注意点
サ
フルプッシュ
? サルタノール / メプチンの使用期限切れに注意
エアゾール
① 薬剤を吸入器にセットする際2~3mm程ははみ出る
③ 吸入器は右に回転させる * 左にも回るが故障の原因になる
⑦ スピリーバCap18ug(1Cap) ≒ レスピマット10ug(2吸入)
⑤ 吸入前に口腔内を潤すと咳き込み(ムセ)がやや軽減される
⑥ スピリーバ?スピオルトを吸入後にもうがいを実施する
(口腔粘膜からの吸収や飲み込むことによって引き起こされる副作用予防のため)口渇etc..
② 新品を使用する時は空噴霧を4回行う * 目に入らないように注意
ポイント
スピリーバ?スピオルト
→
セットして払出
④ ボタンが出っ張る部分を押して回転させない * キャップをした状態で回転させる
注 : 力が弱く回転させれない場合は雑巾絞りのようにすると上手くいくことがある。
右の写真のようなグッズもあるので活用する。
レスピマット
facebookの「薬剤師.com」というグループ内のファイルから当院で使用している
吸入指導説明用紙をパワーポイント形式でダウンロードすることが出来ます。
ぜひご活用ください。

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