新人研修 成人の感音難聴
- 8. 耳鼻科新人講義 20110608
8
余談: dB って ?
?dB SPL
2×10-5
Pa が基準値
(0dB)
?dB HL
若年健聴者閾値 〃
?dB SL
各被験者閾値 〃
?phon
音の大きさの感覚尺度
〇心理尺度 × 物理尺
dB :強度の対数比尺度
A: 基準強度
B: 対象強度
- 9. 耳鼻科新人講義 20110608
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余談: dB って ?
dBHL と dBSPL の換算 (ISO 389-7)
Hz 125
250
500 1000 2000 4000 8000
dBHL 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0
dBSPL 14 7 5 3.5 -3
Q. 2000Hz 35dBHL の純音は
何 dBSPL?
- 16. 耳鼻科新人講義 20110608
1-2.( 再 ) ABLB test
?一側耳が正常という前提
?閾値上 10 ~ 40 dB の検査音を難聴耳に聴かせ、次
に正常耳で同じ大きさに聴こえる音のレベルを求める
?測定周波数を中心に左に正常耳、右に難聴耳の音を記載する
?線の勾配が徐々になだらかになり、水平になれば補充現象陽性
- 17. 耳鼻科新人講義 20110608
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1-2( 再 ). ABLB test
Alternate Binaural Loudness Balance
〈両耳
の〉
〈音の大きさ感
覚〉
〈調整して合わせ
る〉
’ ’等ラウドネス曲線の 狭まり
を直接計測
- 18. 耳鼻科新人講義 20110608
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1-2( 再 ). Stapedial Reflex
Metz phenomenon : SR –閾値 最小可聴閾 ≤ 55
dB
SR とは ?
過大音にたいする反射
音響外傷の防禦
? SR を起こすような過大音
( たとえば 100 ホン ) の音
圧は
感音難聴患者も不変
?最小可聴閾は上昇
- 19. 耳鼻科新人講義 20110608
1-2( 再 ). SISI test
?一側耳ずつ検査する
?閾値上 20 dB の持続純音を与える
?5 秒に 1 回 1 dB だけ大きくし 20 回( 100 秒
間)行う
?SISI score = 正解数 /20 (回)(%)を算出
?SISI score 60≧ 補充現象陽性
?20 < SISI score < 55 補充現象疑陽性
?SISI score 15≦ 補充現象陽性
- 20. 耳鼻科新人講義 20110608
1-2( 再 ). SISI test
?聴覚過敏を detect する検査
?聴覚過敏 hyperacusis
= ラウドネス感覚の異常により
小さな音圧の増加でも
大きな音圧の増加として感じ
てしまう
Short Increment Sensitivity Index
20dBSL
21dBSL
〈音圧の増加〉〈短時
間〉
〈感度〉 〈正答
率 % 〉
- 24. 耳鼻科新人講義 20110608
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2-1. ステロイド依存性難聴
副腎皮質ステロイド ( もしくはその他の免疫抑制剤 ) の投与に対応、あるいは依存して聴力が変動す
るもので、1)聴力の悪化時、副腎皮質ステロイドを投与することにより聴力が改善し、副腎皮質ス
テロイド中止後に聴力が悪化するが、再投与で再び改善するもの、もしくは、2)副腎皮質ステロイ
ドの減量中、あるいは持続投与中に聴力が悪化するが、副腎皮質ステロイドの増量によって改善する
もの
1. 神崎らの診断基準 ステロイド依存性感音難聴研究班
2.McAbee,etc ‘Auto-Immune Sensorineural hearing loss’
ステロイドに良く反応
ステロイドを切ると悪化
する感音難聴
疾患概念?病態生理?治療のスタンダード
: すべて不明瞭
- 26. 耳鼻科新人講義 20110608
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2-2. 再発性多発軟骨炎
声門下喉頭炎で点滴 (PIPC/dexamethasone )一日で軽
快
↓
声門下喉頭炎 再燃 dexamethasone のみで軽快
↓
急性一側性感音難聴 PSL 内服に良く反応し治癒
↓
再び 急性一側性感音難聴
↓
PSL 5mg で維持
診断基準 (4, 6, steroid) に合致
自験例. 50 代女性
125 250 500 1,000 2,000 4,000 8,000
-20
-10
0
10
20
30
40
50
60
70
80
90
100
110
120
- 27. 耳鼻科新人講義 20110608
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2-3. SLE
有症状率は 8 % -30 % ( めまい症状
は 50%)
典型的には両側の高音漸傾型感音難聴 軽度 ~ 中等度
有病期間が長いと緩やかに進行する
突発性難聴 -like な内耳障害が初発症状の SLE 例も存在する
病態生理 (内耳自己免疫応答 / 血管炎 / 薬剤性) は不明
SLE に伴う感音難聴
Maciaszczyk’2011
- 29. 耳鼻科新人講義 20110608
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2-4. Beh?et disease
有症状率は 12-82 % めまいを伴う例も多い
典型的には両側の水平 / 高音漸傾型感音難聴 軽度 ~ 中等度
有病期間と難聴の程度に相関はない
経過中に階段状に急性憎悪を来たし聾になる例もあり
免疫抑制剤の導入が感音難聴の進行を抑えるという報告あり
血管炎による内耳障害と考えられているが病理?生理学的研究はな
し
Beh?et に伴う感音難聴
- 31. 耳鼻科新人講義 20110608
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2-5. ( 血管炎症候群 ) Cogan 症候群
急性感音性難聴 と 角膜炎 を来たす血管炎症候群の一疾患
Kawamura’2010 報告例 50 代女性
Pachymeningitis にて神経内科 follow 中
↓
両側性 ( 交代性 ) 感音難聴の急性憎悪を繰り返す
角膜症状もあり Cogan 症候群と診断
↓
一年の経過で両側聾 に
↓
Cochlear Implantation 施行
↓
Speech Perception ; Good
蝸牛基底回転の骨化