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1Copyright ?2020 NS Solutions Corporation. All Rights Reserved.
ディープラーニングを用いた
ワインブドウの収穫量予測
日鉄ソリューションズ株式会社
IoXソリューション事業推進部
徳竹 眞人
2Copyright ?2020 NS Solutions Corporation. All Rights Reserved.
自己紹介?メンバー紹介
? 徳竹 眞人 (分析?モデリング担当)
? 誕生~学生時代
– 長野県中野市出身?
– 名古屋大学 素粒子宇宙物理学専攻(修士)
? 就職~現在
– 2016/4 新日鉄住金ソリューションズ入社
エンベデッドユビキタスシステムセンター 配属
– 2017/9 IoXソリューション事業推進部 異動
– 2019/4 農業分野の案件を担当
? 休日の過ごし方
– キャンプ(ソロキャン8割)
– ピアノ(月2回レッスン)
– 天鳳(八段)
? メンバー紹介
? 森屋和喜(2020年度 PM)
? 高畑紀宏(インフラ担当)
? 飯田健一郎(2019年度 PM)
? 山岡信介(技術サポート)
3Copyright ?2020 NS Solutions Corporation. All Rights Reserved.
イントロダクション1
4Copyright ?2020 NS Solutions Corporation. All Rights Reserved.
タスク概要
? 「ブドウの収穫2週間前に、収穫量[kg]を予測したい!」
? 収穫は1年間で最も大変な作業のため、計画的に実施する必要あり
収穫 醸造 出荷
必要な人数は?
- 事前にアルバイト雇う必要も
必要な時間は?
- ワインの品質にも影響する
ワイナリー側の
受け入れ計画どうする?
これらは全て収穫量に依存する!
? スマート農業実証プロジェクト(農水省)
– サントリーワインインターナショナル様、日本総合研究所様、ジャパンプレミアムヴィンヤード様
? 2019年度データ収集?モデル作成、2020年度評価
5Copyright ?2020 NS Solutions Corporation. All Rights Reserved.
〇〇 kg
房検出 ×平均重量
〇〇 kg
A案
B案
収穫量予測の方針
領域検出 回帰
C案 〇〇 kg
6Copyright ?2020 NS Solutions Corporation. All Rights Reserved.
〇〇 kg
房検出 ×平均重量
〇〇 kg
A案
B案
収穫量予測の方針
領域検出 回帰
C案 〇〇 kg
〇直接的でシンプル
×重量データ数が
足りない可能性あり
〇隠れたブドウに頑健
〇モデル再調整しやすい
×平均重量が年毎?圃場毎
に異なる
〇普遍性の高いモデル
〇モデル再調整しやすい
×隠れたブドウによって
誤差が生じる
7Copyright ?2020 NS Solutions Corporation. All Rights Reserved.
〇〇 kg
房検出 ×平均重量
〇〇 kg
A案
B案
収穫量予測の方針
領域検出 回帰
C案 〇〇 kg
8Copyright ?2020 NS Solutions Corporation. All Rights Reserved.
収穫量予測フロー
ブドウ大きさ推定
- 大きさ = ピクセル数×距離^2
大きさー重量回帰
- 事前に作成した回帰モデルに
より大きさを重さに変換
ブドウの領域推定
- 事前に学習させたディープ
ラーニングモデルにより推定
フレーム抽出
- Depth情報と自己位置情報により、
ブドウの重複のないフレーム抽出が可能
台車+カメラで圃場内を移動しながら撮像
- カメラはIntel RealSense D435 + T265
- D435でRGB + Depth画像(距離情報)を撮像
- T265でカメラの自己位置を推定
収
量
推
定
値
=
〇
〇
㎏
大きさ(ピクセル数×距離^2)
重量
距
離
に
よ
る
補
正
×
9Copyright ?2020 NS Solutions Corporation. All Rights Reserved.
収穫量予測フロー
ブドウ大きさ推定
- 大きさ = ピクセル数×距離^2
台車+カメラで圃場内を移動しながら撮像
- カメラはIntel RealSense D435 + T265
- D435でRGB + Depth画像(距離情報)を撮像
- T265でカメラの自己位置を10cm程度の誤差で推定
収
量
推
定
値
=
〇
〇
㎏
大きさ(ピクセル数×距離^2)
重量
距
離
に
よ
る
補
正
×
②大きさー重量回帰
- 事前に作成した回帰モデルに
より大きさを重さに変換
③フレーム抽出
- Depth情報と自己位置情報により、
ブドウの重複のないフレーム抽出が可能
①ブドウの領域推定
- 事前に学習させたディープ
ラーニングモデルにより推定
10Copyright ?2020 NS Solutions Corporation. All Rights Reserved.
収穫量予測モデル構築2
11Copyright ?2020 NS Solutions Corporation. All Rights Reserved.
①ブドウ領域推定モデル
データ収集 学習 評価
Fig.1 学習データの一例
? データ収集
? 合計760枚の画像を取得
? D435 + 台車
? アノテーション
? 760枚の画像をグループ会社+私で
? アノテーション基準統一が極めて重要
– 実際アノテーション修正によってF値 85% → 94%に
Fig.2 D435を搭載した台車が
畝間を走行し撮像する
Fig.3 アノテーション基準ばらつきの例
アノテーション
12Copyright ?2020 NS Solutions Corporation. All Rights Reserved.
Fig.1 Ronneberger, Olaf, Philipp Fischer, and Thomas Brox,
“U-Net: Convolutional Networks
for Biomedical Image Segmentation”, International
Conference on Medical image computing and computer-
assisted intervention. Springer, Cham, 2015.
①ブドウ領域推定モデル
データ収集 アノテーション 学習 評価
? 学習?評価
? Unet
? Data augmentation
– Shift, Zoom, Horizontal flip
? 5-Foldで評価
? 圃場A, B個別に評価値を算出
A, Bのブドウに対してadversarial validationの正解率70%のため
Fig.3 圃場別のテストデータを用いた評価.
P : Precision, R : Recall, F_1 : F-measure
Fig.2 (左)圃場Aのブドウ(右)圃場Bのブドウ
13Copyright ?2020 NS Solutions Corporation. All Rights Reserved.
? データ収集と回帰
? D435 + 台車
? 撮像 → 収穫 → 計量
? 2人×2日
? 129房の大きさー重量データを取得
? 線形回帰(MAPE = 18%)
②大きさ-重量回帰モデル
Fig.2 画像中の房の重量を推定することができる.
Fig.1 収集したデータと回帰関数
大きさ(ピクセル数×距離^2)
重量
14Copyright ?2020 NS Solutions Corporation. All Rights Reserved.
③フレーム抽出
畝
台車の
進行方向
Fig.1 フレーム抽出方法. D435とT265により測定した自己位置情報により、撮像した畝領域の特定が可能.
Fig.2 フレーム抽出の精度評価.
(左)0.5m毎にマーカーを付与し、撮像した動画に対してフレーム抽出を行った.
(右)抽出された各フレーム同士のダブり?抜け誤差の平均±1σ.
台車の
軌跡 ↓
15Copyright ?2020 NS Solutions Corporation. All Rights Reserved.
全体評価(は2020年度実施します)3
16Copyright ?2020 NS Solutions Corporation. All Rights Reserved.
共有したいこと?その他4
領域検出 回帰
C案 〇〇 kg
Fig.1 タスク分割
Fig.2 現場の方々へのヒアリング Fig.3 アノテーション
17Copyright ?2020 NS Solutions Corporation. All Rights Reserved.
共有したいこと
〇問題を分割し各タスクに適切なアルゴリズムを採用
画像データ多 → ブドウ認識をCNNで
重量データ少 → 重量を線形回帰で
〇現場の方々のご協力?ヒアリングが成否のカギ
ドメイン知識の有無がアルゴリズム選択に大きく影響する
×アノテーション基準統一が極めて重要 (外注や複数人で行う場合は特に)
実際アノテーション修正によってF値 85% → 94%に
Fig.1 アノテーション基準ばらつきの例
18Copyright ?2020 NS Solutions Corporation. All Rights Reserved.
試したこと?試したいこと
? 重複カウント対策
△ パノラマ画像生成
○ 自己位置推定
× ブドウのトラッキング
? 隠れたブドウ対策
○ 画角の工夫
× 隠れたブドウの生成(VAE)
? 隠れるブドウ率のサンプリング
? 他の圃場への展開
? 甲州以外の品種ではどうか
? 異なる仕立てではどうか
? ブドウ以外の作物ではどうか
Fig.2 隠れたブドウ
畝
台車の
軌跡 ↓
Fig.1 ブドウの重複カウント
19Copyright ?2020 NS Solutions Corporation. All Rights Reserved.
FIN
本文記載の会社名及び製品名は、それぞれ各社の商標又は登録商標です。

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[Track1-2] ディープラーニングを用いたワインブドウの収穫量予測

  • 1. 1Copyright ?2020 NS Solutions Corporation. All Rights Reserved. ディープラーニングを用いた ワインブドウの収穫量予測 日鉄ソリューションズ株式会社 IoXソリューション事業推進部 徳竹 眞人
  • 2. 2Copyright ?2020 NS Solutions Corporation. All Rights Reserved. 自己紹介?メンバー紹介 ? 徳竹 眞人 (分析?モデリング担当) ? 誕生~学生時代 – 長野県中野市出身? – 名古屋大学 素粒子宇宙物理学専攻(修士) ? 就職~現在 – 2016/4 新日鉄住金ソリューションズ入社 エンベデッドユビキタスシステムセンター 配属 – 2017/9 IoXソリューション事業推進部 異動 – 2019/4 農業分野の案件を担当 ? 休日の過ごし方 – キャンプ(ソロキャン8割) – ピアノ(月2回レッスン) – 天鳳(八段) ? メンバー紹介 ? 森屋和喜(2020年度 PM) ? 高畑紀宏(インフラ担当) ? 飯田健一郎(2019年度 PM) ? 山岡信介(技術サポート)
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  • 4. 4Copyright ?2020 NS Solutions Corporation. All Rights Reserved. タスク概要 ? 「ブドウの収穫2週間前に、収穫量[kg]を予測したい!」 ? 収穫は1年間で最も大変な作業のため、計画的に実施する必要あり 収穫 醸造 出荷 必要な人数は? - 事前にアルバイト雇う必要も 必要な時間は? - ワインの品質にも影響する ワイナリー側の 受け入れ計画どうする? これらは全て収穫量に依存する! ? スマート農業実証プロジェクト(農水省) – サントリーワインインターナショナル様、日本総合研究所様、ジャパンプレミアムヴィンヤード様 ? 2019年度データ収集?モデル作成、2020年度評価
  • 5. 5Copyright ?2020 NS Solutions Corporation. All Rights Reserved. 〇〇 kg 房検出 ×平均重量 〇〇 kg A案 B案 収穫量予測の方針 領域検出 回帰 C案 〇〇 kg
  • 6. 6Copyright ?2020 NS Solutions Corporation. All Rights Reserved. 〇〇 kg 房検出 ×平均重量 〇〇 kg A案 B案 収穫量予測の方針 領域検出 回帰 C案 〇〇 kg 〇直接的でシンプル ×重量データ数が 足りない可能性あり 〇隠れたブドウに頑健 〇モデル再調整しやすい ×平均重量が年毎?圃場毎 に異なる 〇普遍性の高いモデル 〇モデル再調整しやすい ×隠れたブドウによって 誤差が生じる
  • 7. 7Copyright ?2020 NS Solutions Corporation. All Rights Reserved. 〇〇 kg 房検出 ×平均重量 〇〇 kg A案 B案 収穫量予測の方針 領域検出 回帰 C案 〇〇 kg
  • 8. 8Copyright ?2020 NS Solutions Corporation. All Rights Reserved. 収穫量予測フロー ブドウ大きさ推定 - 大きさ = ピクセル数×距離^2 大きさー重量回帰 - 事前に作成した回帰モデルに より大きさを重さに変換 ブドウの領域推定 - 事前に学習させたディープ ラーニングモデルにより推定 フレーム抽出 - Depth情報と自己位置情報により、 ブドウの重複のないフレーム抽出が可能 台車+カメラで圃場内を移動しながら撮像 - カメラはIntel RealSense D435 + T265 - D435でRGB + Depth画像(距離情報)を撮像 - T265でカメラの自己位置を推定 収 量 推 定 値 = 〇 〇 ㎏ 大きさ(ピクセル数×距離^2) 重量 距 離 に よ る 補 正 ×
  • 9. 9Copyright ?2020 NS Solutions Corporation. All Rights Reserved. 収穫量予測フロー ブドウ大きさ推定 - 大きさ = ピクセル数×距離^2 台車+カメラで圃場内を移動しながら撮像 - カメラはIntel RealSense D435 + T265 - D435でRGB + Depth画像(距離情報)を撮像 - T265でカメラの自己位置を10cm程度の誤差で推定 収 量 推 定 値 = 〇 〇 ㎏ 大きさ(ピクセル数×距離^2) 重量 距 離 に よ る 補 正 × ②大きさー重量回帰 - 事前に作成した回帰モデルに より大きさを重さに変換 ③フレーム抽出 - Depth情報と自己位置情報により、 ブドウの重複のないフレーム抽出が可能 ①ブドウの領域推定 - 事前に学習させたディープ ラーニングモデルにより推定
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  • 12. 12Copyright ?2020 NS Solutions Corporation. All Rights Reserved. Fig.1 Ronneberger, Olaf, Philipp Fischer, and Thomas Brox, “U-Net: Convolutional Networks for Biomedical Image Segmentation”, International Conference on Medical image computing and computer- assisted intervention. Springer, Cham, 2015. ①ブドウ領域推定モデル データ収集 アノテーション 学習 評価 ? 学習?評価 ? Unet ? Data augmentation – Shift, Zoom, Horizontal flip ? 5-Foldで評価 ? 圃場A, B個別に評価値を算出 A, Bのブドウに対してadversarial validationの正解率70%のため Fig.3 圃場別のテストデータを用いた評価. P : Precision, R : Recall, F_1 : F-measure Fig.2 (左)圃場Aのブドウ(右)圃場Bのブドウ
  • 13. 13Copyright ?2020 NS Solutions Corporation. All Rights Reserved. ? データ収集と回帰 ? D435 + 台車 ? 撮像 → 収穫 → 計量 ? 2人×2日 ? 129房の大きさー重量データを取得 ? 線形回帰(MAPE = 18%) ②大きさ-重量回帰モデル Fig.2 画像中の房の重量を推定することができる. Fig.1 収集したデータと回帰関数 大きさ(ピクセル数×距離^2) 重量
  • 14. 14Copyright ?2020 NS Solutions Corporation. All Rights Reserved. ③フレーム抽出 畝 台車の 進行方向 Fig.1 フレーム抽出方法. D435とT265により測定した自己位置情報により、撮像した畝領域の特定が可能. Fig.2 フレーム抽出の精度評価. (左)0.5m毎にマーカーを付与し、撮像した動画に対してフレーム抽出を行った. (右)抽出された各フレーム同士のダブり?抜け誤差の平均±1σ. 台車の 軌跡 ↓
  • 15. 15Copyright ?2020 NS Solutions Corporation. All Rights Reserved. 全体評価(は2020年度実施します)3
  • 16. 16Copyright ?2020 NS Solutions Corporation. All Rights Reserved. 共有したいこと?その他4 領域検出 回帰 C案 〇〇 kg Fig.1 タスク分割 Fig.2 現場の方々へのヒアリング Fig.3 アノテーション
  • 17. 17Copyright ?2020 NS Solutions Corporation. All Rights Reserved. 共有したいこと 〇問題を分割し各タスクに適切なアルゴリズムを採用 画像データ多 → ブドウ認識をCNNで 重量データ少 → 重量を線形回帰で 〇現場の方々のご協力?ヒアリングが成否のカギ ドメイン知識の有無がアルゴリズム選択に大きく影響する ×アノテーション基準統一が極めて重要 (外注や複数人で行う場合は特に) 実際アノテーション修正によってF値 85% → 94%に Fig.1 アノテーション基準ばらつきの例
  • 18. 18Copyright ?2020 NS Solutions Corporation. All Rights Reserved. 試したこと?試したいこと ? 重複カウント対策 △ パノラマ画像生成 ○ 自己位置推定 × ブドウのトラッキング ? 隠れたブドウ対策 ○ 画角の工夫 × 隠れたブドウの生成(VAE) ? 隠れるブドウ率のサンプリング ? 他の圃場への展開 ? 甲州以外の品種ではどうか ? 異なる仕立てではどうか ? ブドウ以外の作物ではどうか Fig.2 隠れたブドウ 畝 台車の 軌跡 ↓ Fig.1 ブドウの重複カウント
  • 19. 19Copyright ?2020 NS Solutions Corporation. All Rights Reserved. FIN 本文記載の会社名及び製品名は、それぞれ各社の商標又は登録商標です。