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大分工業高等専門学校 言語解析実験室
 穴井賢次郎(指導教員 野中尋史)




空間統計学を利用した
特許出願の地域偏在性に関する研究
本発表の流れ
    産業クラスターについて
    従来の評価手法
    提案手法
     - 空間的自己相関
    実験
    結果
    まとめ


大分工業高等専門学校 言語解析実験室 - 穴井賢次郎
本研究の目的

            産業クラスター育成政策を評価
               「基礎的な手法」の確立




大分工業高等専門学校 言語解析実験室 - 穴井賢次郎
产业クラスターとは?
    「特定分野の企業や研究機関が集中して立地」
    - 企業の競争力を高める
         - 事業の補完?高度化
         - 生産性の向上
         - 新事業の創出促進




大分工業高等専門学校 言語解析実験室 - 穴井賢次郎
本研究における産業クラスター

 技術開発の振興のために…
 「国あるいは地方公共団体による政策によるもの」




                    !!




大分工業高等専門学校 言語解析実験室 - 穴井賢次郎
产业クラスターの事例
    - 米国,テキサス州オースティン
       情報産業クラスター
       → - 経済成長
         - 人口増
                             .

    - 米国,ペンシルバニア州フィラデルフィア
       バイオ産業クラスター



 これらの事例より , 日本では…
大分工業高等専門学校 言語解析実験室 - 穴井賢次郎
日本での产业クラスター
    - 地域イノベーション戦略支援プログラム
                   ( 文部科学省 )


    - 産業クラスター計画              ( 経済産業省 )


    PDCA サイクルを導入




大分工業高等専門学校 言語解析実験室 - 穴井賢次郎
日本での产业クラスター
    - 地域イノベーション戦略支援プログラム
                   ( 文部科学省 )


    - 産業クラスター計画              ( 経済産業省 )


    PDCA サイクルを導入


 産業クラスターについての
  評価手法が重要


大分工業高等専門学校 言語解析実験室 - 穴井賢次郎
従来の評価手法① - 定性的なアプローチ
 アンケート?ヒアリング
  - 各省庁の政策報告書
  - 研究者 ( 藤田 [1]) による研究




                   コストと労力
                 定量的な評価が不可欠
 [1] 藤田誠 , 産業クラスターの現状と研究課題 , 早稲田商学 , 第 431 号 ,pp491-515
 (2012).

大分工業高等専門学校 言語解析実験室 - 穴井賢次郎
従来の評価手法② - 定量的なアプローチ

 工業統計等の経済的アウトプットを元に


    - 中平ら      : クラスターの経済規模の評価 [2]


                 時間的なラグ
               運営途中での評価不可
              詳細な技術動向の分析不可

 [2] 中平和伸?藤井義之?権田金治 , 地域産業集積におけるクラスター形成に関する解析 ,
 研究?技術計画学会年次大会講演要旨 (2001).

大分工業高等専門学校 言語解析実験室 - 穴井賢次郎
提案手法
                       前処理
                       ① 情報の抽出
                         ② 集計
             特許文書集合


 特許出願の
  偏在性の
 有無を判定
                   ③ 空間的自己相関



大分工業高等専門学校 言語解析実験室 - 穴井賢次郎
提案手法の特徴
    - 産業クラスター→技術の集積度を評価
    - 重要な技術は特許出願されやすい
    - 特許出願の地域偏在性
    - 産業クラスター評価の基礎の確立
    - 政策の運営途中での定量的評価が可能である




大分工業高等専門学校 言語解析実験室 - 穴井賢次郎
空间的自己相関とは?①
     空間に分布する統計データが…偏って分布?
                  ランダムに分布?


  偏在性                                       偏在性
  (負)                                       (正)


         Dispersed     Random   Clustered


                  - 偏在性を定量化
                - 偏在性の有無を検定
大分工業高等専門学校 言語解析実験室 - 穴井賢次郎
空間的自己相関とは?② -Moran 測度
 Moran 測度



                             (      )




             I=-1      I=0   I=+1
大分工業高等専門学校 言語解析実験室 - 穴井賢次郎
空间的自己相関を用いた先行研究

    - 島田ら      : 犯罪の多発地域の抽出 [3]
    - 青木       : ごみ排出量削減の定量的な評価 [4]




 [3]: 島田貴仁?鈴木護?原田豊 , ローカルな空間的自己相関を用いた犯罪多発地区の分析 ,
 日本行動計量学会第 30 回大会発表論文抄録集 ,pp.88-91 (2002).
 [4]: 青木和人 , 小地域単位によるごみ排出量の空間回帰分析 ,
 立命館地理学第 20 号 ,pp29-41 (2008).

大分工業高等専門学校 言語解析実験室 - 穴井賢次郎
提案手法の流れ
                       前処理
                       ① 情報の抽出
                         ② 集計
             特許文書集合




大分工業高等専門学校 言語解析実験室 - 穴井賢次郎
提案手法の流れ
                       前処理
                       ① 情報の抽出
                         ② 集計
             特許文書集合




                   ③ 空間的自己相関



大分工業高等専門学校 言語解析実験室 - 穴井賢次郎
前処理① - 特許文書から情報の抽出

    - 特許文書の構造を解析
    - 分析に必要な情報を抽出


    特許文書集合
                             ① 出願人の住所
                             ② 特許公開番号
                             ③ 出願人の名称




大分工業高等専門学校 言語解析実験室 - 穴井賢次郎
提案手法の流れ
                       前処理
                       ① 情報の抽出
                         ② 集計
             特許文書集合




                   ③ 空間的自己相関



大分工業高等専門学校 言語解析実験室 - 穴井賢次郎
前処理② - 特許文書の集計
 日本全国3種類の方法で区域分け
 - 都道府県別 ( 住所から )
 メッシュコード別 ( 住所 → 緯度?経度から )
    - 2 次メッシュ別
          ( 約 10km?10km)


    - 3 次メッシュ別
          ( 約 1km?1km)




大分工業高等専門学校 言語解析実験室 - 穴井賢次郎
提案手法の流れ
                       前処理
                       ① 情報の抽出
                         ② 集計
             特許文書集合


 特許出願の
  偏在性の
 有無を判定
                   ③ 空間的自己相関



大分工業高等専門学校 言語解析実験室 - 穴井賢次郎
実験

 目的:「偏在性を本手法で評価できるか?」
 → 偏在性が明らかなサンプルを使って評価する
   樹脂分野の特許文書 20,526 件
          - 石油化学,自動車産業等と関わりが深い




大分工業高等専門学校 言語解析実験室 - 穴井賢次郎
結果 - 都道府県別
 偏在性の強さ
   Moran's I = 0.416
                              0
 ランダムに分布する確率                  1-10
                              11-100
   P-value = 1.7?10-14        101-1000
                              1001-10000
 → ランダムは棄却
                             特許出願数
   偏在性有り




大分工業高等専門学校 言語解析実験室 - 穴井賢次郎
結果 - 3 次メッシュ ( 全国 )
 偏在性の強さ
   Moran's I = 6.41?10-2
 ランダムに分布する確率
   P-value = 2.2?10-16
 → ランダムは棄却                   特許出願の様子
   偏在性有り




大分工業高等専門学校 言語解析実験室 - 穴井賢次郎
結果 - 3 次メッシュ ( 関東地域の拡大 )

 Moran's I = 6.41?10-2
 P-value = 2.2?10-16



                                  1-83
                                84-165
                               165-247
                               247-312


                             特許出願数

大分工業高等専門学校 言語解析実験室 - 穴井賢次郎
結果




 サンプルの特許集合に於いて
  - いずれの集計手法でも偏在性を抽出できた!
     → 本手法の妥当性が評価できた


大分工業高等専門学校 言語解析実験室 - 穴井賢次郎
まとめ

           特許出願の偏在性に着目し,
         産業クラスターの評価を行える可能性



  今後の課題
    - 技術内容の精査                → キーワードの抽出
    - 特許ごとの重要性               → HITS
    - 詳細な分析                  → Local Moran 統計量
                             → 年次ごとの評価
大分工業高等専門学校 言語解析実験室 - 穴井賢次郎
経営工学会九州支部 - 2013 年 2 月 23 日 発表

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  • 10. 従来の評価手法② - 定量的なアプローチ 工業統計等の経済的アウトプットを元に - 中平ら : クラスターの経済規模の評価 [2] 時間的なラグ 運営途中での評価不可 詳細な技術動向の分析不可 [2] 中平和伸?藤井義之?権田金治 , 地域産業集積におけるクラスター形成に関する解析 , 研究?技術計画学会年次大会講演要旨 (2001). 大分工業高等専門学校 言語解析実験室 - 穴井賢次郎
  • 11. 提案手法 前処理 ① 情報の抽出 ② 集計 特許文書集合 特許出願の 偏在性の 有無を判定 ③ 空間的自己相関 大分工業高等専門学校 言語解析実験室 - 穴井賢次郎
  • 12. 提案手法の特徴 - 産業クラスター→技術の集積度を評価 - 重要な技術は特許出願されやすい - 特許出願の地域偏在性 - 産業クラスター評価の基礎の確立 - 政策の運営途中での定量的評価が可能である 大分工業高等専門学校 言語解析実験室 - 穴井賢次郎
  • 13. 空间的自己相関とは?① 空間に分布する統計データが…偏って分布? ランダムに分布? 偏在性 偏在性 (負) (正) Dispersed Random Clustered - 偏在性を定量化 - 偏在性の有無を検定 大分工業高等専門学校 言語解析実験室 - 穴井賢次郎
  • 14. 空間的自己相関とは?② -Moran 測度 Moran 測度 ( ) I=-1 I=0 I=+1 大分工業高等専門学校 言語解析実験室 - 穴井賢次郎
  • 15. 空间的自己相関を用いた先行研究 - 島田ら : 犯罪の多発地域の抽出 [3] - 青木 : ごみ排出量削減の定量的な評価 [4] [3]: 島田貴仁?鈴木護?原田豊 , ローカルな空間的自己相関を用いた犯罪多発地区の分析 , 日本行動計量学会第 30 回大会発表論文抄録集 ,pp.88-91 (2002). [4]: 青木和人 , 小地域単位によるごみ排出量の空間回帰分析 , 立命館地理学第 20 号 ,pp29-41 (2008). 大分工業高等専門学校 言語解析実験室 - 穴井賢次郎
  • 16. 提案手法の流れ 前処理 ① 情報の抽出 ② 集計 特許文書集合 大分工業高等専門学校 言語解析実験室 - 穴井賢次郎
  • 17. 提案手法の流れ 前処理 ① 情報の抽出 ② 集計 特許文書集合 ③ 空間的自己相関 大分工業高等専門学校 言語解析実験室 - 穴井賢次郎
  • 18. 前処理① - 特許文書から情報の抽出 - 特許文書の構造を解析 - 分析に必要な情報を抽出 特許文書集合 ① 出願人の住所 ② 特許公開番号 ③ 出願人の名称 大分工業高等専門学校 言語解析実験室 - 穴井賢次郎
  • 19. 提案手法の流れ 前処理 ① 情報の抽出 ② 集計 特許文書集合 ③ 空間的自己相関 大分工業高等専門学校 言語解析実験室 - 穴井賢次郎
  • 20. 前処理② - 特許文書の集計 日本全国3種類の方法で区域分け - 都道府県別 ( 住所から ) メッシュコード別 ( 住所 → 緯度?経度から ) - 2 次メッシュ別 ( 約 10km?10km) - 3 次メッシュ別 ( 約 1km?1km) 大分工業高等専門学校 言語解析実験室 - 穴井賢次郎
  • 21. 提案手法の流れ 前処理 ① 情報の抽出 ② 集計 特許文書集合 特許出願の 偏在性の 有無を判定 ③ 空間的自己相関 大分工業高等専門学校 言語解析実験室 - 穴井賢次郎
  • 22. 実験 目的:「偏在性を本手法で評価できるか?」 → 偏在性が明らかなサンプルを使って評価する 樹脂分野の特許文書 20,526 件 - 石油化学,自動車産業等と関わりが深い 大分工業高等専門学校 言語解析実験室 - 穴井賢次郎
  • 23. 結果 - 都道府県別 偏在性の強さ Moran's I = 0.416 0 ランダムに分布する確率 1-10 11-100 P-value = 1.7?10-14 101-1000 1001-10000 → ランダムは棄却 特許出願数 偏在性有り 大分工業高等専門学校 言語解析実験室 - 穴井賢次郎
  • 24. 結果 - 3 次メッシュ ( 全国 ) 偏在性の強さ Moran's I = 6.41?10-2 ランダムに分布する確率 P-value = 2.2?10-16 → ランダムは棄却 特許出願の様子 偏在性有り 大分工業高等専門学校 言語解析実験室 - 穴井賢次郎
  • 25. 結果 - 3 次メッシュ ( 関東地域の拡大 ) Moran's I = 6.41?10-2 P-value = 2.2?10-16 1-83 84-165 165-247 247-312 特許出願数 大分工業高等専門学校 言語解析実験室 - 穴井賢次郎
  • 26. 結果 サンプルの特許集合に於いて - いずれの集計手法でも偏在性を抽出できた! → 本手法の妥当性が評価できた 大分工業高等専門学校 言語解析実験室 - 穴井賢次郎
  • 27. まとめ 特許出願の偏在性に着目し, 産業クラスターの評価を行える可能性 今後の課題 - 技術内容の精査 → キーワードの抽出 - 特許ごとの重要性 → HITS - 詳細な分析 → Local Moran 統計量 → 年次ごとの評価 大分工業高等専門学校 言語解析実験室 - 穴井賢次郎
  • 28. 経営工学会九州支部 - 2013 年 2 月 23 日 発表