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PDRサイクルとは?
2024年10月8日
ク コンサルティング
クレイン テクノ
Crane techno
1. PDRサイクルとは?
PDRサイクルはハーバードビジネススクールのリンダ?ヒル氏が提唱した新たな手法です。
PDRサイクルはPDCAサイクルよりずっと短いスパンで、高速にサイクルを回すという手法。
多くの組織ではP、すなわち計画に時間をかけすぎて、実行が疎かになりがちです。計画をしっか
り立てるのではなく、小さな実験を繰り返すという考え方がPDRの考え方であり、変化の激しい
時代に対応する方法でもあります。
PDRはPDCAと同じく、以下のように手法の手順の頭文字です。
PDRのPは、Prep(準備)のこと。
これから何をしようか、その理由や目的を考えることで、直接的な数字目標ではありません。どのよ
うな目的があるのか、その有用性を考えることが第一歩というわけです。
DはDoで実行
PDCAと同じく、PDRのDもDo(実行)を表しています。Pの準備で考えた目的に合わせて具体的な行
動を起こします。
RはReviewで評価
PDCAでは、Check(評価)でしたが、PDRではReview(評価)という文字があります。どちらも日本
語では評価と訳されてしまいますが、これはどのような違いがあるのでしょうか。
簡単に言うと、Checkはミスがないか、不正がないかを確認することです。例えば工場のラインでどの
ようなミスが起きたのかを確認するといったこと。目標の達成度を高めるために、マイナスポイント
を消していくというニュアンスが強いです。
一方、Reviewはその業務を行った人以外に成果物を見てもらい客観的に評価してもらうこと。依頼さ
れて作った商品をお客様に見てもらうこともレビューといいます。
2. PDRサイクルの優れているところ
PDRの利点をまとめると以下のようになります。
1回のスパンが短い
単純に考えて、PDRはPDCAより1段階少なく、なによりもPが計画ではなく準備であることが大き
いです。具体的な目標となると、立ち上げ自体にそれなりに時間がかかります。しかし、1つの目的
や理由に基づいてまず始めるのがPDRのスタンスのため、早いスパンで繰り返すことが可能です。
直ぐに改善
1回のスパンが長いということは、改善点があっても結果的に改善するまで時間がかかります。しか
し、PDRでは早い段階で改善点を見つけて、より理想的な形へと近づけます。
目標達成が目的ではないため、改善が進みやすい
PDCAでは具体的な目標があるからこそ、「目標を達成しなかったらどうしよう…」という問題が常
にありました。高すぎる目標を設定してしまった場合、なかなか達成できない、場合によっては結
局達成できずに終わるということがおきてしまいます。
目標が高すぎて不正を働いてしまうことも。PDRでも必ず理想的な状態になるわけではありません。
しかし、改善に比重を置いていますので、何度も繰り返すうちに結果的に早く高い目標を達成して
いることがあります。
3. PDRサイクルの注意点
PDRを進めるにあたり注意すべき点は、「PDRでReview(評価)されるのはDo(実行)ではなく、
Prep(準備)である」という点です。PDRは「とにかくやってみる」「個々の担当者に任せる」の
ですが、行動を評価したり、中断したりするとそもそも正しくReview(評価)できません。目的や
有用性を重視すべきという考え方が大本にあります。常にそのことを頭において、Review(評価)
が芳しくない結果ならば、Prep(準備)の見直しをしましょう。
4. OODAループとPDCA、PDRサイクルの違いは
PDRと似ている「PDCA」「OODA」。これら2つのフレームワークが比較できる
一覧表をご用意しました。
フレームワーク OODA PDCA PDR
要素
Observe(観察)
Orient(戦略)
Decide(決定)
Action(実行)
Plan(計画)
Do(実行)
Check(確認)
Act(改善)
Preparation(準備)
Do(実行)
Revie(評価)
使う場面
新規事業の開拓
現場でのスピーディーな課題
解決
既存事業の改善
明確な目標達成に向けた課題
改善
短期的なスパンでの課題改善
メリット
スピード感のある行動
環境変化に柔軟に対応
個人の裁量が大きい
明確な目標達成を実現
組織全体で機能できる
時間をかけずに明確な目標を実
現
5. PDRサイクル 活用具体例
PDRサイクルは、計画を立てずにまずは行動し、その結果を振り返って改善点を洗
い出す、というシンプルなサイクルなのでスピード感を持って行動し、柔軟に改善
していくこと可能です。
PDRサイクル 介護、看護の事例
Prep:ある入居者が、夜間にベッドから転倒し、骨折してしまった。Do:転倒時の
状況を詳細に聞き取り、転倒に至った要因を分析する。ベッドの高さ、照明の明る
さ、床面の滑りやすさなど、環境要因を調査する。Review::ベッドのサイドレー
ルを上げる、床に滑り止めマットを敷くなど、物理的な環境改善を行う。夜間の巡
回頻度を増やす、転倒リスクの高い入居者には見守り体制を強化するなど、人員配
置の見直しを行う、入居者や家族への転倒予防に関する教育を行う。
PDRサイクル 新商品の企画?開発
Prep: 新商品アイデアをいくつか出し、ターゲット顧客を特定する。Do: プロトタ
イプを作成し、少人数に試してもらう。Review: 試用者の意見を聞き、改善点を見
つけて次のプロトタイプに活かす。
PDRサイクル 営業活動の改善
Prep: 新規顧客開拓の施策をいくつか検討する。
Do: 1つの施策を実行し、その結果を記録する。
Review: 成果を分析し、効果的だった施策を継続、そうでない施策は別の方法を試す。
PDRサイクル 新規事業の立ち上げ
Prep: 新規事業のアイデアを具体化し、必要なリソースを洗い出す。
Do: 最小限の投資で事業をスタートし、顧客の反応を見る。
Review: 顧客からのフィードバックを基に、事業計画を修正する。
PDRサイクル 保育園の課題解決
Prep: 保育園が抱える課題を特定し、改善策を検討する。
Do: 1つの改善策を実行し、その効果を測定する。
Review: 効果を評価し、他の課題にも同様の改善策を適用できるか検討する。
5. まとめ
PDRサイクルは、PDCAサイクルよりもシンプルで、スピード感のある改善サイクルです。変化が激し
い現代において、PDRサイクルは多くの企業で活用されています。
PDRサイクルは、介護?看護等の現場で発生する様々な問題に対して、科学的かつ体系的なアプ
ローチで解決するための有効なツールです。PDRサイクルを効果的に活用することでサービス、安
全性、品質、生産性の向上に貢献することができます
。
2024年10月8日
ク コンサルティング
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*最新の詳細な関連記事は下記のサイトに記載して
います。
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https://takuminotie.com/

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