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AIトレーダーが市場へ与える影響 –GARCH型モデルのミクロ的基礎づけによる検討
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Kei Nakagawa
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人工知能学会(闯厂础滨2024)の発表ポスター
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AIトレーダーが市場へ与える影響 –GARCH型モデルのミクロ的基礎づけによる検討
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1 ? ? ?1 ? ?=1 ? ?? はじめに AIトレーダーが市場へ与える影響 –GARCH型モデルのミクロ的基礎づけによる検討 (a)野村アセットマネジメント株式会社 (b)株式会社 Preferred Networks (c)PayPay株式会社 (d)スパークス?アセット?マネジメント株式会社 ミクロ的基礎づけ 実験 [1] Bollerslev, T. (1986). Generalized autoregressive conditional heteroskedasticity. Journal of econometrics, 31(3), 307-327. [2] Mizuta, T. (2016). ARCH モデルのミクロ的基礎付けの試み (Micro-Foundation of ARCH Model). Available at SSRN 2710516. ? 金融市場におけるAIトレーダー ?近年、様々な機械学習アルゴリズムの進展に伴い、金融市場においてAIトレーダー の存在感は増しており、市場への影響が注視されている。 ?マクロ経済モデルは、ミクロプロセスの積み上げの結果として構築する、ミクロ的基礎 付け(micro-foundation)が重要である。 しかし、実証ファイナンスの価格変 動モデルのミクロ的基礎づけの試みは多くない。 ?市場の投資家をノイズ?トレーダー、ファンダメンタル?トレーダー、AI トレーダーの 三種類に区分した人工市場モデルをミクロ的に構築し、それぞれの割合や意思決定 がマクロモデルとしての GARCH(1,1) モデルのパラメータにどのように影響を与え るのかを明らかにした。 ?数値実験により実際に本研究における人工市場で生成された時系列データは金 融市場で観察される経験的事実(Stylized facts) を再現できることを確認。 人工市場モデル ? 価格モデル ? ノイズ?トレーダー ????[?(??,?)] = E??1 ??,? ? ? ???1 ??,? ? 価格決定モデル ? 本研究の貢献 ? 実験設定 ? 結果 以上の設定のもと、(1)式で定義されるGARCHモデルのパラメータは以下となる。 中川 慧(a)、 平野 正徳(b)、 南 賢太郎(c)、 水田 孝信(d) ?その動向が市場の価格形成メカニズムやボラティリティにどのような影響を与えている のかを理解することは、市場の安定性や市場規制の観点から重要。 ?ミクロ的基礎づけ ?特に、様々な実証分析で使用される一般的なモデルであるGARCHモデル[2]の ミクロ的基礎づけは未解明。 ? 時刻?の平均リターンが前時刻のファンダメンタル変数(利益など) ???1に依存する、以下のGARCH(1,1)モデルに従うとする。 ? トレーダーモデル ?? = ?(???1) + ??, ?? = ????, ?? 2 = ? + ????1 2 + ????1 2 ? ファンダメンタル?トレーダー ? AIトレーダー ファンダメンタル変数???1に関係なく、一様に注文をする。 ファンダメンタル変数???1に基づき意思決定するリスク回避的な トレーダーを仮定。 = ?(???1) ? ????1 期待効用 命題1: ある条件のもとで、リスク回避 的期待効用関数になる 過去のリターン系列??をうまく説明できるモデル?を学習する。そして そのモデルに基づいた効用を持つと仮定。 ????[?(??,?)] = E??1 ??,? ? ? ???1 ??,? = ? ???1 ? ????1[|???1 ? E??1 ? ???2 |] 期待効用 = ? ???1 ? ?|???1| Et?1[? ? ] = ?(?)を満たすモデル?を二乗誤差で学習 モデル?の予測値とその乖離で評価 ??~?(0,1) ? 価格変動の大きさが売買需給差に比例する簡易な価格決定メカニズムを仮定[2]。 ?? = ? ?? ? ? ?? ? ?? ? + ?? ? ?:トレーダーの予想価格のばらつき ?? ? , ?? ? :買い注文および売り注文総量 ?? ? = 1 2 ? 1 + ?1E??1[?(??,?)] + ?2E??1[?(??,?)] + 1 2 ?? 1 + ?1E??1[?(??,?)] + ?2E??1[?(??,?)] ?? ?? ? = 1 2 ? 1 ? ?1E??1 ? ??,? ? ?2E??1[?(??,?)] ? 1 2 ?? 1 + ?1E??1[?(??,?)] + ?2E??1[?(??,?)] ?? ?, ?: 定数、?1, ?2:ファンダメンタル?トレーダーおよびAIトレーダーが存在する割合 各トレーダーの恒常的な注文 需給の確率的なゆがみ ? (1) ? = ?(?1 ? ???1 ? ????1 + ?2(? ???1 ? ?|???1|)) ? = ?2 ?2 (1 + ?1 2 ? ???1 2 + ?2 2 ? ???1 ) ? = ?2 ?2 ?2 2 ?2 ? = ?2 ?2 ?1 2 ?2 したがって、ノイズ?トレーダー、ファンダメンタル?トレーダー、AIトレーダーが存在する 市場においては、固定的ボラティリティ? > 0が存在し、ファンダメンタル変数が市場 に織り込まれ(? ≠ 0)、過去のショックに対する反応があり(? ≠ 0)、ボラティリティ?ク ラスタリングが存在する(? ≠ 0)。 GARCHモデルのミクロ的基礎づけ(定理1) ??1が大きくなる、つまりファンダメンタル?トレーダーが増えると、ファンダメンタル変数 がリターンに織り込まれ、ボラティリティ?クラスタリングの度合いが向上。 ?(2)式に従うリターン系列を生成する。なお各トレーダーのパラメータは、 ? = 4,? = 0.4,?1 = 0.2, ?2 = 0.4,?, ? = 1.2 とした。 ファンダメンタル変数を標準正規分布に従う乱数で生成し、 ? ???1 = log(1 + max(?0.99, ???1)かつ? ???1 = 0.1???1とした。 ?数値的なシミュレーションによって、本研究で構築したモデルが金融 市場で観察される Stylized Facts を再現できることを確認する。 ?本研究では、Stylized facts のうち、負の歪度、正規分布より も高い尖度 (Leptokurtic)、非正規性 (Kolmogorov- Smirnov;KS検定)、リターンの二乗の正の 1 次自己相関を評価。 生成リターンの推移 生成リターンのヒストグラム 統計量 現実の金融市場で観察されるリ ターンをうまく近似できている。 ??2が大きくなる、つまりAIトレーダーが増えると、市場で発生した過去のショックに 対する反応が大きくなり、オーバーシュートが発生しやすくなる。 ? (2)
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