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食勉②
-随意運動の理解と
脳血管障害の診察-

   大石歯科医院(千叶県)大石善也
嚥下のメカニズム




 ノドの構造は前に気管、後ろにチューブ状    いつもは気管のフタが開い
ており
  の食道があり、気管のフタがあります    いつでも呼吸ができるように
なっている




 そして、唾液や食物を食べるときには     つまり呼吸と飲食物のルートが
ノドで交差
誤嚥




? 誤嚥とは、誤って飲食物が気管に入ることで、そのために
肺炎
  になることを誤嚥性肺炎とよぶ
         <複雑な要因が重なる>
① 環境    :覚醒?体位?動作?食事介助?薬剤?口腔
乾燥?認知
② 咀嚼?嚥下:口唇閉鎖?咀嚼?舌圧?舌、頬の巧妙性?
咽頭残留?
口腔机能体験(开口?舌の不动)の唾液嚥下
なぜ高齢者には调理工夫が必要?
               嚥下
             細かくきざまな
                い


               一口大
                        適切な食材の選択
    嚥下       口腔?嚥下        嚥下
 トロミをつける     つなぎを入れる     油脂を加える
  ???????      肉団子       ポテトサラダ
  ????????    ハンバーグ       ねぎトロ
 あんかけ料理        和え物      スイートポテト
    咀嚼         咀嚼        口腔機能
    加熱         切り方        適度な水分
    煮物         蛇腹切り       オムレツ
   和え物         隠し包丁     フレンチトースト
             繊維を断つ切り方
咀嚼

口腔機能   食塊

嚥下
どうしてもけんちん汁が食べたい!
  80歳男性: 残存歯あり 既往歴なし
肺炎(-)ペースト介助?水で少しむせる
  あなたならどうしますか?




  介護高齢者2509人の日常生活における意識実態調
              査
脳血管障害と加齢(认知症)との関
       係
           食形態低下    PEG検討
              嚥下評価
        1回目脳卒中    2回目脳卒中


              ???????病
              神経筋疾患
               が加わる


廃用 口や栄養の          咀嚼?嚥下             重症化     経口摂
取
     生活習慣             関連筋の廃用         合併症     の低
下
認知   初期            中期          重度
末期    PEG検討
AD 短期記銘力低下    介護の山場      失禁?歩行障害    寝たきり   嚥下障害
多臓器不全
脳血管障害

   錐体路系疾患
随意運動(自分の意志によって行われる
運動)を支配する神経の主要経路
大脳皮質の運動野に始まり、延髄を通
るときに大部分の神経線維が交差して
錐体とよぶ高まりをつくり、反対側の
脊髄に入り全身に伝えられる
运动麻痺:片麻痺な   半側空間失認(左)
    ど

                 失行
 中枢性
弛緩性?             失語
痙性麻痺
                 失認


       巧緻運動の障害
高次脳機能
? 局在性が明確な脳機能
 (右利きの99%、左利きの70-80%が左が優位半球)
  優位半球:言語?計算?概念
  劣位半球:図形?空間?音楽
? 失語:運動性?感覚性?全?交差失語
? 失認:視覚性?身体?半側空間失認
? 失行:肢節運動?観念運動性?開眼?拮抗性
  失行
      着衣?構成失行
背景疾患の轨道予测
   と
     嚥下機能の推移



                       42

          43




① 脳血管障害後遺症のように発症(イベント)か
  ら、その状態が固定しており、新たな血管イベント
  の再発により機能低下するタイプ
② 神経難病など変性疾患により、疾患の進行に伴っ
  て嚥下障害が生じてくるタイプ (PDの短期変動に
  も注意)
③ ADように徐々に機能低下するが、末期に嚥下機能
  が急速に減弱するタイプ
食勉2
食勉2
嚥下のコントロールと反射の異常




● 要介護者では無症候性脳梗塞を高率に認め、その多くが基底核のラクナ梗塞であ
   る。
 基底核に梗塞を生じると、ドパミン代謝が障害されサブスタンスPの産生量が低下
  迷走神経や舌咽神経のサブスタンスPが低下し、嚥下反射と咳反射が低下する。
薬剤の関係
<嚥下に関与する薬剤>
? ???????(??????) :大脳基底核でのドパミン合成促進にて?????
  ??P
                         が増加し、嚥下反射が改善
? ????????(?????) : ACE阻害剤(降圧剤)は???????Pの分解を
  抑制
                         し 嚥下反射を改善
? ????????(??????):脳梗塞(心原性脳塞栓症を除く)の抗血小板
  薬
                         肺炎の累積発症率を長期に抑制

<口腔ケアの効果>
? 嚥下反射(潜時)が口腔ケア開始前に比べて改善、サブスタンスP
濃度
  にも有意な上昇
<ドパミン抑制作用>
身体診察: ① ADL初回
? 視診: 座位体幹失調?歩行?????????????????
? 握手: ?????????(指示の入り)や麻痺、そして握
  力
        (栄養?筋力)を確認(信頼感?協力度
もわかる)
? 麻痺: グー?チョキ?パーを指示し、グー?パー
  可能なら
        手でスプーンを握れる。チョキ可能なら
箸や
        ボタン着脱などの動作も可能
身体診察: ② ADLその他
? 鼻指鼻???          :小脳疾患の場合、指を鼻(耳)を往復させて
  運動
                         調節機能を確認
? バレー徴候           :軽度でも陽性なら片麻痺があり平衡障害疑
  い
                     ※   バレー徴候:一側性の軽い麻痺を診る検査で、両腕
の手のひらを
                                   上にして前方に水平に挙上
し、   閉眼して20-30秒
                                   そのままにすると麻痺側の上
肢は回内してだんだん
                                   下に落ちる

? 座位困難            :両側麻痺が多く嚥下や神経因性膀胱の合併を
  疑う
身体診察: 栄養
? 体重変化        :   体重が1番大切
                   減少率(-2kg/月、-3kg/3か
月、-5kg/6か月)

? BMI [kg/m2]: 体重 kg /身長 m2(標
  準 BMI:22)
? 血液検査        :アルブミン(2.8μ/dl↓)
                  総リンパ球数(1200>800
>)

? 脱水: 水分量の聞き取りや皮膚の乾燥度や脇下の
  湿度
身体診察: 呼吸
? SP02計測
? 体温測定: 平均値(5-10回)を必ず計測
? 頸部聴診: 咽頭残留の確認
  <意思疎通あり>
   良 :咳?唾液嚥下にてクリア
   不良:自覚なし?咽頭麻痺疑い
  <意思疎通なし>
   不良:常に残留あり?誤嚥?麻痺の疑い

? 胸部聴診(同時に上腕の筋肉?脂肪触診)
    ?エアーの入りと複雑音の聴取

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  • 1. 食勉② -随意運動の理解と 脳血管障害の診察- 大石歯科医院(千叶県)大石善也
  • 2. 嚥下のメカニズム ノドの構造は前に気管、後ろにチューブ状 いつもは気管のフタが開い ており の食道があり、気管のフタがあります いつでも呼吸ができるように なっている そして、唾液や食物を食べるときには つまり呼吸と飲食物のルートが ノドで交差
  • 3. 誤嚥 ? 誤嚥とは、誤って飲食物が気管に入ることで、そのために 肺炎 になることを誤嚥性肺炎とよぶ <複雑な要因が重なる> ① 環境 :覚醒?体位?動作?食事介助?薬剤?口腔 乾燥?認知 ② 咀嚼?嚥下:口唇閉鎖?咀嚼?舌圧?舌、頬の巧妙性? 咽頭残留?
  • 5. なぜ高齢者には调理工夫が必要? 嚥下 細かくきざまな い 一口大 適切な食材の選択 嚥下 口腔?嚥下 嚥下 トロミをつける つなぎを入れる 油脂を加える ??????? 肉団子 ポテトサラダ ???????? ハンバーグ ねぎトロ あんかけ料理 和え物 スイートポテト 咀嚼 咀嚼 口腔機能 加熱 切り方 適度な水分 煮物 蛇腹切り オムレツ 和え物 隠し包丁 フレンチトースト 繊維を断つ切り方
  • 6. 咀嚼 口腔機能 食塊 嚥下
  • 7. どうしてもけんちん汁が食べたい! 80歳男性: 残存歯あり 既往歴なし 肺炎(-)ペースト介助?水で少しむせる あなたならどうしますか? 介護高齢者2509人の日常生活における意識実態調 査
  • 8. 脳血管障害と加齢(认知症)との関 係 食形態低下 PEG検討 嚥下評価 1回目脳卒中 2回目脳卒中 ???????病 神経筋疾患 が加わる 廃用 口や栄養の 咀嚼?嚥下 重症化 経口摂 取 生活習慣 関連筋の廃用 合併症 の低 下 認知 初期 中期 重度 末期 PEG検討 AD 短期記銘力低下 介護の山場 失禁?歩行障害 寝たきり 嚥下障害 多臓器不全
  • 9. 脳血管障害 錐体路系疾患 随意運動(自分の意志によって行われる 運動)を支配する神経の主要経路 大脳皮質の運動野に始まり、延髄を通 るときに大部分の神経線維が交差して 錐体とよぶ高まりをつくり、反対側の 脊髄に入り全身に伝えられる
  • 10. 运动麻痺:片麻痺な 半側空間失認(左) ど 失行 中枢性 弛緩性? 失語 痙性麻痺 失認 巧緻運動の障害
  • 11. 高次脳機能 ? 局在性が明確な脳機能 (右利きの99%、左利きの70-80%が左が優位半球) 優位半球:言語?計算?概念 劣位半球:図形?空間?音楽 ? 失語:運動性?感覚性?全?交差失語 ? 失認:視覚性?身体?半側空間失認 ? 失行:肢節運動?観念運動性?開眼?拮抗性 失行 着衣?構成失行
  • 12. 背景疾患の轨道予测 と 嚥下機能の推移 42 43 ① 脳血管障害後遺症のように発症(イベント)か ら、その状態が固定しており、新たな血管イベント の再発により機能低下するタイプ ② 神経難病など変性疾患により、疾患の進行に伴っ て嚥下障害が生じてくるタイプ (PDの短期変動に も注意) ③ ADように徐々に機能低下するが、末期に嚥下機能 が急速に減弱するタイプ
  • 15. 嚥下のコントロールと反射の異常 ● 要介護者では無症候性脳梗塞を高率に認め、その多くが基底核のラクナ梗塞であ る。 基底核に梗塞を生じると、ドパミン代謝が障害されサブスタンスPの産生量が低下 迷走神経や舌咽神経のサブスタンスPが低下し、嚥下反射と咳反射が低下する。
  • 16. 薬剤の関係 <嚥下に関与する薬剤> ? ???????(??????) :大脳基底核でのドパミン合成促進にて????? ??P が増加し、嚥下反射が改善 ? ????????(?????) : ACE阻害剤(降圧剤)は???????Pの分解を 抑制 し 嚥下反射を改善 ? ????????(??????):脳梗塞(心原性脳塞栓症を除く)の抗血小板 薬 肺炎の累積発症率を長期に抑制 <口腔ケアの効果> ? 嚥下反射(潜時)が口腔ケア開始前に比べて改善、サブスタンスP 濃度 にも有意な上昇 <ドパミン抑制作用>
  • 17. 身体診察: ① ADL初回 ? 視診: 座位体幹失調?歩行????????????????? ? 握手: ?????????(指示の入り)や麻痺、そして握 力 (栄養?筋力)を確認(信頼感?協力度 もわかる) ? 麻痺: グー?チョキ?パーを指示し、グー?パー 可能なら 手でスプーンを握れる。チョキ可能なら 箸や ボタン着脱などの動作も可能
  • 18. 身体診察: ② ADLその他 ? 鼻指鼻??? :小脳疾患の場合、指を鼻(耳)を往復させて 運動 調節機能を確認 ? バレー徴候 :軽度でも陽性なら片麻痺があり平衡障害疑 い ※ バレー徴候:一側性の軽い麻痺を診る検査で、両腕 の手のひらを 上にして前方に水平に挙上 し、 閉眼して20-30秒 そのままにすると麻痺側の上 肢は回内してだんだん 下に落ちる ? 座位困難 :両側麻痺が多く嚥下や神経因性膀胱の合併を 疑う
  • 19. 身体診察: 栄養 ? 体重変化 : 体重が1番大切 減少率(-2kg/月、-3kg/3か 月、-5kg/6か月) ? BMI [kg/m2]: 体重 kg /身長 m2(標 準 BMI:22) ? 血液検査 :アルブミン(2.8μ/dl↓) 総リンパ球数(1200>800 >) ? 脱水: 水分量の聞き取りや皮膚の乾燥度や脇下の 湿度
  • 20. 身体診察: 呼吸 ? SP02計測 ? 体温測定: 平均値(5-10回)を必ず計測 ? 頸部聴診: 咽頭残留の確認 <意思疎通あり> 良 :咳?唾液嚥下にてクリア 不良:自覚なし?咽頭麻痺疑い <意思疎通なし> 不良:常に残留あり?誤嚥?麻痺の疑い ? 胸部聴診(同時に上腕の筋肉?脂肪触診) ?エアーの入りと複雑音の聴取