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3.数値モデルの事例
数値モデルは多様 何を求める? 個別要素: 河川水 NO 3 - 濃度, N 2 O 発生量,など 複合要素: 陸域生態系の N 蓄積, N 循環の再現,など 時空間スケールは? 時間: 時,日,週,隔週,月,年 空間: プロット,小集水域,流域,地域,全球 対象とする過程は? 重要な過程のみ ? なるべく多くの過程 既往モデル(メカニスティックモデル)の例 NIAES- 新藤モデル, Century , DNDC , PnET , MAGIC
NIAES- 新藤モデル 図7 新藤モデルのプロセスフロー
☆ 土壌中での有機物分解と窒素無機化   ( RothC  モデル+ Parton の式) ☆ 土壌中、地下水中での脱窒など   (一次反応)    dC /dz = - k T  C/u    C Z = C 0 ? exp(-k T ? z/u)    k T  = Q 10 (T –20)/10 ·k 20 C 0  : N concentration at 0 m the depth  C Z  :N conc. at z m depth k T  : Reaction coefficient at T ℃ u : flow rate (m/y)   =precipitation – evapotranspiration ☆ 河川を通じて海まで流出 図8 新藤モデルの計算スキーム 新藤モデルの特徴 主な計算対象: 河川水 N 濃度(メッシュ間の水平輸送考慮) 地域規模の広域評価, N フローのシナリオ設定を含む
Century-SOM (forest) 名称:  Century-Soil Organic Matter sub-model モデルの特徴 主な計算対象: 森林生態系の C と N のフラックス 時空間単位: 日単位;プロットスケール 草地土壌を対象とした Century SOM サブモデルを森林土壌向けに改良(追加要素:木部リターのプール; N の無機化?有機化;菌根菌を介した N 吸収) 土壌有機物を3型に区分( active, slow, resistant ) 硝化?脱窒など N 関連過程の表現は簡易 関連文献 Kirschbaum & Paul (2002) Soil Biol. Biochem. 34:341-354 Parton et al. (1988) Biogeochem. 5:109-131 Parton et al. (1987) Soil Sci. Soc. Am. J. 51:1173-1179
図9  Century SOM (forest)  モデルのスキーム ( Kirschbaum & Paul 2002 に基づき作成) 気温および土壌水分などはインプットデータとして与える
DNDC 名称:  Denitrification-Decomposition model モデルの特徴 主な計算対象: 有機物分解?脱窒に伴うガス発生 時空間単位: 土壌が十分湿っている条件(脱窒が起きる条件)では1時間?他は1日単位;プロットスケール 熱?水移動,有機物分解,脱窒の3サブモデル 土壌を複数の層として扱う 初期の DNDC は硝化を簡易に扱っている 必要な入力データは非常に多い 関連文献 Li et al. (1992) J. Geophys. Res. 97, D9:9759-9776
図10  DNDC モデルのスキーム( Li et al. 1992 に基づき作成)
PnET-CN 名称:  Photosynthesis-Evapotranspiration model of carbon, water and nitrogen interactions in forest ecosystems モデルの特徴: 主な計算対象: 森林生態系における C と N のフラックス 時空間単位: 月単位;プロット規模~流域規模 森林植生の植物生産を求めるオリジナルの PnET モデルを C , N ,水循環の表現において改良 植物生産は,葉 N 含有率と光合成速度との関係,飽差と水利用効率との関係を用いて簡易に表現 関連文献 Aber & Federer (1992) Oecologia 92:463-474 Aber et al. (1997) Ecol. Model. 101:61-78
図11  PnET-CN モデルのスキーム( Aber et al. 1997 に基づき作成)
PnET-N-DNDC PnET , DNDC ,および硝化モデルを結合 モデルの特徴 主な計算対象: 森林土壌からの N 2 O と NO の放出 時空間単位: 時間単位;プロット規模 植物生産の表現に優れた PnET と有機物分解?脱窒の表現に優れた DNDC をつないで改良 新たな追加要素: 生態系変動要因( ecological drivers: 気候,土壌,植生,人間活動)の土壌環境条件(地温,土壌水分, pH ,酸化還元電位,基質濃度)への影響 必要な入力データは DNDC よりもさらに多い 関連文献 Li et al. (2000) J. Geophys. Res. 105, D4:4369-4384
図12  PnET-N-DNDC モデルのスキーム( Li et al. 2000 に基づき作成)
MAGIC 名称:  Model of Acidification of Groundwater in Catchments (MAGIC) モデルの特徴 主な計算対象: 土壌および土壌溶液の化学性 時空間単位: 任意(水質データの単位),小集水域規模 渓流水と地下水(土壌溶液)の水質が同じと仮定し,渓流水水質と一致するよう土壌の化学性を逆推定 各変数は時間的に不連続 渓流水水質=地下水(土壌溶液)水質という仮定に無理のない空間規模に適用可能(水質データが不可欠) 関連文献 Cosby et al. (1985) Water Resources Res. 21:51-63 Cosby et al. (1985) Water Resources Res. 21:1591-1601
図13  MAGIC モデルのスキーム( Cosby et al. 1985 に基づき作成)

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